スイートプリキュア♪ 鬼人の組曲 作:水無月 双葉(失語症)
「ようこそ、ボクの双六へ」
弛緩していた空気が、一気に引き締まる。
「トイマジン……」
「サラマンダー男爵」
「シャドウ」
パッションとサンシャイン更にはルージュが声を上げた。
「さあ、サイコロを振ってゴールを目指せ、さもなくばココからは出られんぞ」
サラマンダー男爵が喋っているが、俺は咄嗟に近くの柱を蹴り上がりシャドウに向かって飛び蹴りを仕掛ける。
「付き合っていられるか! お前らを倒せば終わりだろう!」
攻撃が防がれてしまい俺は反撃される前に、ガードしている腕を踏み台にして皆の側に戻った。
「あらら、せっかちさんは女の子にもてないわよ~」
シャドウはからかう様な声を出し、パインが慌てて俺の側に寄って来る。
「お兄さん、戦いは私達がします、だから隠れて居て下さい」
身を重んじてくれるパインに、心の中で感謝しながらもパインを手で制し、ホルダーから『音角』を取り出し展開させながら両手を伸ばし構える。
「黙れシャドウ、お前達は俺を見くびり過ぎている、悪いが俺はキサマ達にもプリキュアにも後れを取るつもりはない」
「ん、まぁ……面白いじゃない、貴方の力を見せて貰いましょうか」
明らかに馬鹿にしてくるシャドウに対して、口角を上げながら睨みつけ、気合を入れる為に普段は言わない言葉を発する。
「見せてやる俺の力を、鬼人……解放」
言葉と同時に『音角』弾くと周囲に美しい音が響き渡る、いつも通り紫炎が俺を包み体の奥底から力が湧いてくる、力が最高潮になったのを見計らい腕を振るい炎を吹き飛ばす、俺が鬼人の力を解放すると、驚きの声を次々に上げるプリキュア達、その中に一つだけ小さな悲鳴が混じっていた。
「鬼姫の使者! 音撃戦鬼! 獣鬼!」
「あらまぁ、すごいじゃないの、でもね」
シャドウは、楽しそうに拍手をしながら声を上げるが、その声は明らかに馬鹿にしていた。
「所詮貴様らは、この空間からは逃げられないのだからな」
「うんと楽しんでおくれよ」
男爵とトイマジンが好きな事を言うと三人はそのまま消えてしまう、皆が思案している時に「それー」と元気の良い声が聞こえ、そちらを見るとレモネードが側に置いてあったサイコロを楽しそうに振っていた。
「あんた何振っているのよ!」
ルージュが突っ込みを入れる中出た目は六であり、俺とパインは思わず声がでた。
「「やった、六」」
思わずガッツポーズを取っていた俺とパインに、ルージュが呆れた様な突っ込みを入れてくる。
「アンタ達やったじゃなでしょ、それに鬼! じゃなった獣鬼! さっきまでの恰好良さはどこ行った!」
ルージュの怒鳴り声と同時に、俺達は光に包まれマスの上を飛び跳ねていく、それに合わせレモネードが楽しそうに数を数えルージュが突っ込みを入れる。
六マス目で止まった俺達の前に文字が浮かび全員が目を丸くしていた。
「スーパーモグラたたき、100点でクリア?」
パッションの戸惑いの言葉と共に視界に光が溢れ、目が見える様になった時にはまた変な空間に飛んでいた。
「え、何これ、ハンマー?!」
ルージュが呟く中、全員の手にピコハンが持たれており状況が飲み込めずに困惑しているメンバー達。
「スーパーモグラたたき、100点取ったらクリアだよ」
トイマジンが嬉しそうに宣言をし、隣には男爵とシャドウも立っていた。
「だからゲームなんてしてる暇は」
「よーい、スタート!」
怒鳴るルージュを気にせず、トイマジンがスタートを切ると穴からウザイナーやナケワメーケなどが、六匹ほど現れ襲ってくる。
「モグラじゃないじゃない!」
ローズの言葉を合図に慌てて三々五々に逃げ出す一同、だが俺とムーライトだけは残っており悠然と立っていた。
チラリとムーンライトを見ると、彼女も丁度こちらを見て来てお互い目で合図をし合い、敵に向かって行くムーンライトが右を狙っているので、俺は左を担当する、お互いがハンマーで一閃すると、怪物たちが場違いなハンマーの音と共に軽い音を立てながら色鮮やかな煙となり消えていった。
「とにかくクリアするぞ」
「そうすればここから出られるわ」
俺はハンマーを肩に担ぎ、ムーンライトは油断なく構え声を張ると、距離を開けていた皆が納得したような笑顔になった。
「なるほど、そうか!」
気合を入れ直すサンシャイン。
「じゃあ、残りはえっと……」
としっかりとハンマーを構え、残りの数を確認しようとするレモネードを嘲笑うかのような数の怪物が、穴から勢いよく飛び出してくる。
「「多すぎ!」」
レモネードとサンシャインが叫ぶ中、大量に落ちてくる怪物たち、俺達は絶叫を上げるしかなかった。
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プリキュアオールスターズ 虹色の花束
第8節 相棒達の
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