スイートプリキュア♪ 鬼人の組曲   作:水無月 双葉(失語症)

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今日はレインボーフレーバー当日ですね。
この話を会場に向かう最中に読んで下さっている方、既に会場に到着されている方、サークル参加の方も一般参加の方も、是非楽しんで下さい。

また、私同様自宅にいる方も、今日一日が佳き一日でありますように。


相棒達の追走曲(カノン)

 走る、走る、走る、ただひたすらに走る。

 

「うわぁぁあああ、何なのよもう!」

 

 私は叫び声を上げながら、ひたすらに走る。

 

「こんなのどうしたら良いのよ!」

 

「とにかくここから抜けださなきゃ」

 

 さらに叫んだ私の隣を、必死の形相で走っているブラックが合いの手を入れてくれた。

 

「うん、みんな一緒じゃなきゃプリズムフラワーは守れないよ!」

 

 ドリームがみんなの思いを代弁すると、ブロッサムとブルームも頷く、後ろから「ホシイナー」の掛け声と共に何本もの杭が打ち出され、私達はジャンプして避けるが一ヶ所に集まってしまう。

 

 私達は、お互いに背中を合わせつつも、気合を入れて構えるが、私達を取り囲むように打ちだされる幾重もの飛び道具達。

 

 ──避けられない! そう感じ取った私は少しでも抵抗しようと一歩踏み出そうとしたが、ブルームを中心に力強い何かが私達を包む。

 

「みんな! 動かないで!」

 

 両手を高々く掲げたブルームが、気合の声と共にバリアを張って私達を守りきる、私の瞳にはブルームの周りで美しい光達が踊る様に見え、その美しい舞に思わず息を呑んだ。

 

「「ありがとう! ブルーム!」」

 

 ドリームとピーチが、ブルームにお礼を言いながら敵に突っ込んで行き、ブラックは一番大きい敵に対して向かう。

 

「だだだだだだだだ!」

 

 ブラックが一撃入れる度に、激しい衝撃波を起こす拳を連撃で入れ、巨大な敵を簡単に吹き飛ばす。私も負けじと敵に向かって走り出すと、ブルームが私の直ぐ隣を低空飛行で並んで来た。

 

「行くよ! メロディ!」

 

「はい!」

 

 私は頼もしい仲間と共に敵陣に向かう、どれだけ戦っただろう、数は減るどころか増えるばかりで私達は次第に追い込まれ、一ヶ所に集まってしまう。

 

 それでも、砂の中から次々と現れてくる怪物たち、全員が何時でも戦えるように構えているとブラックが皆に指示を出す。

 

「私とメロディはこっち、ブロッサムとピーチはあっち、ブルームとドリームはそっちをお願い!」

 

 皆で一斉に返事をするが、私はある事に気が付き頭を悩ませた、ブラックそれ指示じゃないよ! 

 

「こっちってどっち?」

 

 私が思わず疑問の声を上げると、皆一斉に同じような事を言いだす。

 

「あちってどっち?」

 

 ピーチが確認する横で、ブロッサムは青い顔をしていた。

 

「そっちってこっち? どっち?」

 

 指をあちらこちらに指しながら聞いてくるブルーム、隣のドリームも困惑気味だ。

 

 この瞬間、私の中で何かが切れた。

 

「ブラックを正面に全員で真っ直ぐ突き進む!」

 

「「「「「は、はい!」」」」」

 

 ブラックと同時に走り出す私、そんな二人を先頭に包囲網を抜け、また不毛な追い駆けっこが始まった。

 

 私は、心の中で「出口有るかも分からないのに何処に走って行けばいいのよ、助けてよ八雲兄! 助けてよ奏!」と、絶叫したかったが何とか言葉を飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 巨大な敵の目が光り、光線が打ち出され私達の側で爆発が起こり飛ばされる、何とか体制を整えて難破船に避難するが、さっきからずっとこの調子で私達は逃げ回っていた。

 

「強い……」

 

 アクアが絞り出すような声を出す、見下ろしてくる圧倒的な悪意の塊の怪物たち……

 

 空を自在に翔けるイーグレット一人で戦うには、空中の敵は多すぎて、どんなにアクアとマリンが援護射撃をしようとしても、海中から敵に阻まれ効果が発揮できず、ミントは皆を守るので精一杯になっている。

 

 ホワイトとベリーに私で、海中から出た敵に対応はしているが、こちらが有利になりそうだと空中の三人がちょっかいを掛けて来て、私達はじりじりと追い込まれて行く。

 

「足場が悪くて上手く戦えない」

 

「早くここから脱出しないと」

 

 ミントが悔しそうに声を出し、ベリーが焦りを隠せないでいた。

 

「そう言えば、魔女の水晶の光でこの世界に来たわよね」

 

 アクアが、魔女の水晶を睨みながら皆に確認をする。

 

「じゃあ、あの水晶を壊せば元の世界に戻れるかも」

 

 アクアの問いに、イーグレットが答える。

 

「やってみる価値はあるわね」

 

 ホワイトが姿勢を少し低くし構えを取った、私はこの状況を打開できる気がし始めていたが。

 

「よっしゃー! そうと分かれば!

 いっけ──! ブロッサム!」

 

 敵に指をさし高らかに宣言をするマリン。

 

「ピーチ!」

 

「ドリーム!」

 

 多分、ブロッサムと同じで、飛び出していく仲間の名前を呼ぶミントにベリー。

 

「「えぇっ」」

 

 お互いの顔を、見合わせる仲間達を見て、私は何かが外れた気がした。

 

「行きます!」

 

 私はそう叫ぶと飛び出していた、そう、飛び出していた……

 

 私の飛び出しは遅かったらしく、敵の攻撃が先に来てしまい私達は、爆発に巻き込まれ仲良く空を飛んでいた。

 

 空中を舞いながら、私は心の中で叫んでいた「みんなバラバラどうすれば良いの?! 教えてよ八雲さん! 助けてよ響!」でも、今は二人は居ない、頑張らなくっちゃ。




お読み頂きありがとうございます。

明日も更新を予定しております。

本編ではサラッと流された部分を、私なりにこうだったら良いなと付け加えてみました。
特に本編を見返すと、ブルームの影が薄い気がしていたので、ちょっと出番を増やしました、ちゃんとブルームらしかったら良いのですが……

全てのキャラの出番を増やせるか分かりませんが、頑張ってみるつもりです、このキャラの出番は増えるの?ってのがありましたら、教えて頂けると嬉しいです。
では、次回

プリキュアオールスターズ 虹色の花束
第9節 三組の受難曲(パッション)

よろしくお願いします。
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