スイートプリキュア♪ 鬼人の組曲   作:水無月 双葉(失語症)

66 / 110
いつもお読み頂きありがとうございます。

ここすきボタンがまだ使えるようになりました、もし宜しければ、気に入ったところがありましたら教えて頂ければ幸いです。
個人的にはコメント等も入れないで済みますし、気軽に出来るかなとも思っております。
皆様からのアクションがありますと、かなりテンションが上がります、是非よろしくお願いします。



戦士と鬼の間奏曲(インテルメッツォ)

「ところでアンタ、普通に馴染んでるけど誰よ」

 

 クッキーを摘まみながらルージュがジト目で聞いてくる、皆の視線が一斉に俺に集まった。

 

「今更だな、俺はキュアメロディとキュアリズムの仲間だよ。名前は木野八雲、この姿の時は獣鬼と名乗っている、分かっていると思うけれど俺はプリキュアじゃないからね、ルミナスとはモールの中で少し話したよね」

 

 口に残ったクッキーの甘さを紅茶で流す、この紅茶はローズが淹れてくれて皆に好評だ。流石はお世話役、後で淹れ方を習おう。

 

「はい、なぎささんとほのかさんもお話してます」

 

「ツノ、触って良いかな」

 

 ルミナスと話していると、好奇心丸出しのパインが言うだけ言ってツノを触ってくる。

 

「やっぱり硬いのね、この感触骨かしら……少し違う気もするけれど……」

 

 それを聞いたレモネードが、無遠慮に手を伸ばし角を摘まむと「わぁ」と小さく嬉しそうな声を上げた。楽しそうにツノをいじくり回している二人を手で制し、何とか放して貰う。

 

「二人の知り合いってのは分かったわ。でも、何者かは話して無いわね」

 

 ムーンライトが優雅に紅茶に口を付け、隣でサンシャインが腕を組んでうなずいているが、目はツノに釘付けに成っている。

 

「俺さ、見て分かる通り鬼なんだよ、正確には鬼人ね。詳しくは勘弁して欲しいけどプリキュアの味方ってのは信じて欲しいかな、信じられなったら後ろからでも良いから撃ってくれ」

 

 クッキーを口に放り咀嚼する、優しい甘さと練り込まれた紅茶の風味が口に中一杯に広がっていく、パッションが何かを思ったのか身を乗り出して来た。

 

「詳しく言えない理由は言えないかしら、納得できればみんな気にしないと思うわ」

 

 パッションの端整な顔立ちが迫って来て、少し気恥ずかしくなり慌ててクッキーを飲み込むと、誤魔化す様に一つ咳払いをして皆を見回す。

 

「詳しい話を響ちゃんと奏ちゃんにまだ話せて無いから、彼女達より先に教えたくは無い、それだけ」

 

 周りが静かになる、沈黙が痛い。少し落ち着かなくなった俺は、心を落ち着かせる為に紅茶に口を付ける。

 

「あの、獣鬼さん? でもメロディにお兄さんって呼ばれてましたよね」

 

 沈黙を破ったルミナスが小首を可愛く傾げる。

 

「敬称はまかせるよ、あぁその事か、兄代わりだよ兄代わり、メロディもリズムも大切な妹さ、因みに妹絶賛募集中」

 

 最後の台詞は引かれるかな? と思ったが、思わず口にしてしまったのならしょうがない、大人しくルージュに怒られるかな……

 

「私も立候補します!」

 

 ビシッと手を上げるレモネードに視線が集まり、ローズが盛大に溜め息を吐きルージュがレモネードの肩を掴み前後に激しく揺さぶった。

 

「レモネードいい加減にしなさい! 鬼だよ鬼! 節分どうするのよ!」

 

 最後の節分の台詞で皆が吹き出し、ソレに気が付いたルージュが小さくなる。

 

「だって私、皆さんがお姉さんですけど、お兄さん居たら良いなって思っていたんです」

 

 レモネードが拳を作りフンスと鼻を鳴らすと笑いが起こる、その隣でルミナスが何かを考えているようだった。

 

「レモネードよろしくね、で、ルミナスもどう? 今なら無料だよ」

 

「「ソコ! 調子に乗らない!」」

 

 ルミナスを覗きこんでた俺に、ローズとサンシャインが同時に突っ込みを入れてくる。二人に対して拝むように謝っていると小さな声で「お兄さんかぁ……」とルミナスが呟いていた。

 

「そろそろ行きましょう」

 

 少々呆れ気味のムーンライトが、皆を促しながら立ちあがると、つられて皆も立ち上がりだす。

 

 パッションとムーンライトが一緒に俺の前にやってくると、少し鋭い視線を投げかけてくる。

 

「ピーチならきっと信じるから、私も信じるわ」

 

 パッションの瞳は「信じているんだから裏切らないでね」と言っている様だった。

 

「今は信じてあげる、でも、少しでもおかしな行動をしたら……撃つわ」

 

 少しの間俺を睨むと、フッと表情を緩ませ踵を返すムーンライトを見送りながら、凄んだ時と緩んだ時のギャップに少し驚く、そしてまた不毛な戦いが始まる。

 

 武術対決ではサンシャインが圧巻の強さを見せつけ、動物仲良し対決ではパインが動物達をあっという間に懐かせて子犬の世話まで始めた、勉強の対決ではムーンライトが参考書も見ずに問題を解いていく、その姿を見て響ちゃんの勉強を見てくれないかなと思わずにはいられなかった。

 

 歌唱対決では楽器も置いてあり一同が戸惑っているのを見てギターを取り掻き鳴らす、皆が驚く中レモネードの笑顔が弾けた。

 

「私の歌です!」

 

 レモネードは舞台に飛び乗るとそのまま歌い始める、時折こちらを見ては笑いか掛けてきて、ちょっと楽しい一時となってしまった、演奏が終わり皆の側に行くとルージュが呆れた声を上げた。

 

「アンタ……何処までもうららのファンなのね」

 

 ルージュの溜め息と共に俺達は光に包まれ双六に戻された。

 

「見て下さい! 後六マスでゴールです」

 

 レモネードの言葉に一同がゴールを見て喜びの声を上げる。

 

「ここから先はご遠慮願おう」

 

「もう、サイコロは振らせないもんね」

 

 ゴール前のマスにサラマンダー男爵とトイマジンにシャドウが待ち構えており、トイマジンの手にはサイコロが握られていた、それを見たローズが慌てた声を上げる。

 

「あー! ちょっとコラ! ズルイわよ!」




お読み頂きありがとうございます。
次回の更新は来週末を予定しております、宜しければお付き合い頂ければ幸いです。

ルミナスのお手製クッキー、食べてみたくありませんか?私は食べたいです、一緒に飛ばされたメンバーと意志疎通の為にもこのような話に成りました。

オールスターズ編の戦闘も佳境へと向かっていくと思います、多分のんびりとしたシーンはここが最後に成ると考えてます。
では、次回

プリキュアオールスターズ 虹色の花束
第12節 響の旋律(メロディ)

よろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。