スイートプリキュア♪ 鬼人の組曲 作:水無月 双葉(失語症)
閃光、爆発、そしてプリキュア達の叫び声、奮戦むなしくパイン、サンシャイン、ルージュにローズとルミナスが吹き飛ばされた。
残ったのはレモネードにパッション、ムーンライトに俺の四人、数の上ではこちらが上がだ分が悪くなる一方だ、俺はシャドウと一対一で打ち合いをしながら周りの様子を伺う。
レモネード達は、ギリギリでトイマジンとサラマンダー男爵と戦っており何時ひっくり返されるか分らない、焦る俺を見透かす様にシャドウが笑う。
「そんなにプリキュア達を気にしてちゃ、自分がやられちゃうわよ」
シャドウのラッシュが早まる、早くこいつを倒して合流しないと不味い、俺の焦りは酷くなっていく。
視界の片隅に攻防を繰り広げていた三人が虚を突かれる姿が映る、頭の中が真っ白になった俺はシャドウの放った蹴りを踏み台にし三人の元に飛ぶ。
「やらせるかあぁ!」
叫びと共に強引に三人とサラマンダー男爵との間に体を入れ、両手を使い渾身の力で杖を握る。放たれる衝撃破、吹き飛ばされはしなかったが、杖を握っていた手が緩み落ちていく、パッションとムーンライトが辛そうな表情で俺の横を抜けて行き、攻撃を始めてくれた。
「獣鬼!」
動きが止まり悲痛な声を上げるレモネード、声を掛ける暇も無く起こる爆発、彼女達の叫びが木霊する。
満身創痍のプリキュア達がよろけながらも立ち上がる、俺も立ち上がると全身に力を漲らせ気合を入れ直す。
「やる事はシンプルなんだ」
崩れ落ちそうなルミナスの腕を掴みながら、全員に聞こえる様に伝える。
「そうね、サイコロを振ってゴールに行ければ良いんだけれど」
荒い息を吐きつつ、ムーンライトが俺の言葉に続く。
「数秒、アイツ等を止められたら……」
腕を押さえ眉間にしわを寄せたサンシャインが苦しげに声を上げる。
「その役、私に任せて下さい」
皆が一斉にルミナスに視線を向ける、ルミナスの瞳に決意の色が見えた。
「私、良い事思いつきました」
ルミナスの決意に応えるかのように言葉をかける。
「ルミナス、隙は俺が必ず作る、待ってろ」
ゆっくりと貸していた腕を離し、しっかりと立つルミナスを確認して頷くと、ルミナスは口元に小さく笑みを浮かべる、そんな彼女の頭を少し乱暴に撫でてから、敵を見据えて鋭く息を吐き走りだす。
「行くぞおぉ!」
自身に渇を入れ走り出した俺に対してトイマジンが騒ぎながら向かって来る、サラマンダー男爵とシャドウもこちらの行動を阻止する為に迫ってきた。
「なんだか分からないけどさせないぞ」
俺の動きに合わせパッションとローズが同時に飛び出す、俺達三人のカウンター気味の蹴りが綺麗に入る。
「「「ルミナスの邪魔はさせない!」」」
吹っ飛んで行く三人を確認すると、俺はルミナスに向かって絶叫した。
「今だ! ルミナス! 決めろぉ!」
サイコロの転がる音が聞こえ、同時に美しい虹色の光が溢れだす。
「光の意思よ! 私に勇気を! 希望と力を! ルミナス! ハーティエル・アンクション!」
虹色の光がトイマジン達を包みマスの上に拘束する。
「ナンダ体が動かない……」
動こうともがく三人、ルミナスの力はそんな事では破れない。
「コレ、一回休みでどうでしょうか?」
人差し指を立て微笑みながら皆に提案するルミナス。
「なるほど」
ルージュが手を叩く。
「すごいわ、ルミナス!」
パインも握り拳を作り賞賛していると、トイマジンが泣きごとを言う。
「コラ! マテ! ズルイぞ!」
「あら、お生憎様、私達ズルはしてないわよ。だってソコ、一回休みよ」
半笑いで言い聞かせる様に話してマスを指さすローズ、指されたマスには「一回休み」と書いてあった。
俺が、ルミナスに向かって笑みを浮かべつつ掌を向けると、ルミナスが照れながらもハイタッチをしてくる。
「それじゃ、みなさん! 六が出たらゴールです! えーい!」
レモネードが気合いを入れてサイコロを投げる、サイコロを見つめる九人の瞳、賽の目は六で止まる。
歓声が起きるなか、近くで一緒に見ていたルミナスが感極まって抱きついてきた。
「「「「「「「「やった! ゴール!」」」」」」」」
お読み頂きありがとうございます。
明日も更新の予定です、宜しければお付き合い頂ければ幸いです。
ブラックとホワイトの影に隠れがちのルミナスを出来るだけ全面に押し出してみましたが、どうでしょう? 楽しんで頂ければ嬉しく思います。
せっかくのオールスターズなので、出来るだけ出番を増やしたいと思い書いてますが中々難しいです。
どなたか文才と才能を分けて下さい(切実)
では、次回。
プリキュアオールスターズ 虹色の花束
第15節 氷の世界の
よろしくお願いします。