スイートプリキュア♪ 鬼人の組曲 作:水無月 双葉(失語症)
フリーズンフローズンの激しい攻撃を紙一重で躱し続けながら私は焦っていた、メロディなら、獣鬼なら、どうする? どう戦う?
攻撃を掻い潜りながら皆で難破船に集まると、フリーズンフローズンは高らかに笑う。
「「俺達の最強のコンビネーションに、手も足も出ないようだな!」」
常にハモる様に同時に喋る二人に、私はトリオ・ザ・マイナー達を連想させイラつきだしていた。
「足場が悪くて思う様に動けない!」
空中に居るフリーズンフローズンを悔しげに見上げるアクア、私の後ろに居たマリンが自棄になった声を出す。
「もう、海の上を走れたら良いのに!」
「海の上を……」
手足をバタつかせているマリンを見ながら、アクアが何かを考えるかのように呟く。
「「「「「「それだ!」」」」」」
マリンを除いた皆が叫ぶ、どうしてもっと早く気が付かなかったのだろう。
「アナタ達一体どこを狙っているの!」
馬鹿にしたようなアクアの声に上空のフリーズンフローズンの動きが止まる、さあ、反撃に為の作戦が始まった。
「最強のコンビが聞いて呆れるわ、全然当たって無いじゃない!」
イーグレットが盛大に肩をすくめ、声を張る。
「でも、仕方ないわよ」
ミントが、口を隠して少し意地悪く笑う。
「避けちゃう私達が完璧すぎちゃうんだもん」
ベリーが、頬に手を当て首を傾げ大げさな溜め息をついた。
「下手な鉄砲って言うけど、数を撃ってもダメなのね」
私は腰に手を当て、フリーズンフローズンに向かって指を指す。
「「なんだと……」」
フリーズンフローズンの頭に血が上るのが分かり、ほくそ笑む。
「そんな事言ったら怒らせちゃうじゃん!」
慌てたマリンが、私達を止めようとするが無駄に終わる。
「て言うか! その程度の力じゃ私達には全然通用しないわよ!」
そんなマリンを尻目にホワイトが止めとばかりに小馬鹿にし、両手を広げて挑発した。
「「だったらお望み通り特大のをお見舞いしてやる!」」
高速で迫ってくるフリーズンフローズン、手を合わせて力を溜め解き放つ。
「「フリージング・ブリザード!」」
迫りくる輝きを見ながらホワイトはガッツポーズを取った
「掛かった! みんな避けて!」
ホワイトの合図で一斉に上空に避難する、激しい音を立てながらザケンナー達を巻き込んで海面が凍っていく、すでに大陸と言っても言い位の大きさに成っている。
「なるほど! 海を凍らせちゃえば良いんだ!」
両手両足を広げ、全身に風を受けているマリンが驚きの声を上げた。
「「しまった」」
慌てるフリーズンフローズン、次々に氷の大地に足を降ろす私達、風を受けていたマリンが最後に力強く降りて来た。
「足場が有ればコッチのもんよ! これが私達のやり方なんだから!」
腕を組みドヤ顔で叫ぶマリンに皆で苦笑いをする。
「この足場なら思う存分戦える!」
氷上を飛ぶように走るマリンが絶叫しながら先陣を切って進んで行く、迎え撃つフリーズンフローズンの二人
「「それがどうした! お前達が強くなった訳ではあるまい!」
七対二の状況でも私達と互角に戦ってくるフリーズンフローズン、互角と思われた攻防は一瞬の隙を突かれ崩壊する。
ホワイト、マリン、ベリーが地面に叩きつけられ、その隣ではアクア、イーグレットにミントが蹴り上げられ私一人になった瞬間、目の前に突如現れた魔女。
私の目の前に手のひらを向けると、躱す間も無く破壊の光を放ち私達をまとめて吹き飛ばす。
吹き飛ばされながらも、私達は直ぐに体制を整える、ホワイトにアクアとベリーと私が戦いを繰り広げる、そのすぐ側ではイーグレットとミントにマリンが激しい攻防を展開する。
「みんな! 魔女の水晶を狙って!」
バリアを造り出し敵を押さえこもうとするイーグレットを筆頭に、ホワイトとベリーがフリーズンフローズンを抑え込む、三人が作ってくれた隙を生かす為に私達四人が魔女に攻撃を仕掛けた。
「プリキュア! エメラルド・ソーサー!」
口火を切ったのはミント、巨大で分厚い円盤が唸りを上げながら魔女に向かう、ギリギリ躱されたが体勢が大きく崩れる。
「マリーン! シュートッ!」
「プリキュア! サファイア・アロー!」
マリンシュートを纏いながらサファイア・アローが水龍の如く魔女を直撃するが、寸前でバリアで止められるが魔女を釘つけにした。
「敵の行動を制限できるし…………攻撃が可能だ」
響と感心してそれ以来注意深く周りを見る様になった八雲さんの言葉、まだまだ出来ていないけどこの瞬間は分かる。
私は魔女の後ろに回り込むように走り、全身の力を使い飛翔した。魔女を足止めしている激流に獣鬼が重なる、やっぱり私は獣鬼に、ううん、みんなに頼ってばかりだ、でも! だからこそ、この隙を、この瞬間を! 希望に変えてみせる! 気合のレシピ見せてあげるわ!
「フン! おしかったわね!」
アクアとマリンの攻撃を防ぎ切った魔女の言葉に合わせる様に、気合の声を上げながら水晶を蹴り抜く。
粉々に砕け散る水晶を見ながら私は胸に手を当てる、硬い感触が手に平に当たる、わずかに感じる温かさ、その私のではない温もりに胸が熱くなる。
「みんなを……助けてくれてありがとう」
激しい光に包まれながら小さく呟く、ディスクアニマルに言えなかった感謝の言葉。
お読み頂きありがとうございます。
次回の更新は来週末を予定しております。
本当ならば、リズムも挑発の意味が分からずにマリンと一緒にパニックになるのですが、学年一位の学力設定がありますので、挑発組に混ぜてみました。
奏ちゃんの学力設定って余り利用されないですよね。
では、次回。
プリキュアオールスターズ 虹色の花束
第16節 ピンク色の
よろしくお願いします。