スイートプリキュア♪ 鬼人の組曲   作:水無月 双葉(失語症)

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最近は暑くなっていました。
皆さまくれぐれもお体に気をつけて、健康にお過ごし下さい。


響と奏にアコと八雲

 授業が終わった後、私と奏は体育館裏でハミィと合流して、ハミィがメイジャーランドに居るアフロディテ様にミューズ達の話をしたのだけど。

 

「それで、結局何も分からなかったの?」

 

 奏の少し呆れた声を聞きながら色々と考える。

 

「いやー、だから、そのーごめんニャ」

 

 正直期待はして無かったけれど、ここまでとはね、飲んでいたジュースのストローから口を離す。

 

「でも、何者なんだろう、キュアミューズとムツキって」

 

「分かんない、でも私、ムツキは仮面被ってたから分からないけど、ミューズのあの目……何処かで見た気がするのよね」

 

「奏も、実は私も」

 

 私と奏の想像の人物か同じかは分からない、でもこれぐらいしか手掛かりが無い。

 

「もしかして意外と近くに居たりして……」

 

 奏の言葉に、ひとりの人物が浮かび上がり思わず口に出す。

 

「私、ひとり気になる人が居る」

 

「私も……よし、私ちょっとそっち当たって見る」

 

 去って行く奏の後ろ姿に頼もしさを感じ、思わず笑みが出る。

 

「じゃあ、ハミィまた後でね」

 

 一度大きく伸びをして、私も気になる人物が居る所を目指して走り出す。ここで決めなきゃ女がすたる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 海の見える丘で、奏と待ち合わせをしてお互いの成果を報告し合うが、結果は芳しくなかった。

 

「私は和音がミューズだと思ったんだよね」

 

「私は聖歌先輩」

 

「やっぱ聞けないよね」

 

「だよね」

 

 お互いに眉を寄せ苦笑いをする、でも、私は少し気になる事が有る。

 

「フラワーモールの時にだけどさ、私つぼみを見た時にもしかしてって思ったんだよね、だから直接和音に会えば判るかと思っていたけど無理だった」

 

 大きく溜め息を吐く、奏が首を傾げ顎に指を添える。

 

「私は何も感じなかったな、響たまに勘が働く事あるから、聖歌先輩にも改めて会ってみる?」

 

「たまにって酷い、明日の放課後にスイーツ部に行くよ、美味しいケーキよろしくね」

 

「まかせて、久しぶりに気合のレシピ見せてあげる」

 

 本当に久しぶりの気合のレシピ、すっごく楽しみ。少し大変だけど大切な日常が戻って来たと感じる瞬間、お互いが自然と笑い合える手放したくない時間。

 

 そんな気持ちを打ち破る騒音、遠くから聞こえてくる悲鳴。ネガトーンが不幸の音を撒き散らしているのが遠目でも分かり、一気に頭に血が上る。

 

「ネガトーン! あんなに不幸の音を撒き散らすなんて!」

 

「街の人達の悲しみの声が聞こえる!」

 

「「必ず救ってみせる!」」

 

「「レッツプレイ! プリキュア! モジュレーション!」」

 

「爪弾くは荒ぶる調べ! キュアメロディ!」

 

「爪弾くはたおやかな調べ! キュアリズム!」

 

「「届け! 二人の組曲! スイートプリキュア!」」

 

「行こう! リズム!」

 

「オーケー! メロディ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アコちゃんの帰りに合わせて、いつもの坂の階段の所で待ち合わせをする。

 

「アコちゃん、おかえり」

 

「ん、ただいま」

 

 二人並んで歩きながら、何から話そうかと考えていると、アコちゃんが俺を見上げ眉を寄せた。

 

「何があったの?」

 

 顎に手を当て、少し視線を彷徨わせるていると、アコちゃんと視線が合う。

 

「ああ、響ちゃんと奏ちゃんがミューズの正体捜しに躍起になっている。二人にはミューズの名前の意味だけ聞かれた……今頃は思い当たる人物に接触していると思う……」

 

 話している内にいたたまれない気分に成り、無意識に後頭部を何度か掻いた。

 

「そう……鬼人の方は大丈夫なの」

 

「それね、俺以外の鬼人は考えられないと言って突っぱねた、奏ちゃんは負に落ちなさそうだったが、響ちゃんは完全に別人だと思っている」

 

 俺の言葉に眉を寄せ、大げさに溜め息をつくアコちゃん。

 

「八雲って結構おかしな行動するのね、前回ピアノ用意したり、自分以外の鬼人は居ないとか言ってばれたらどうするの」

 

「ピアノの件は二人を落ち込ませたくなかったし応援したかったから、後、響ちゃんに、大勢の人の前で演奏する機会をどうしても作りたかったんだよ、それに結果的に演奏できたんだ、用意して良かったと思っているよ…………まぁ……鬼人に関してはミスリードを誘った」

 

「罪滅ぼしのつもり? だとしたらそれって結構酷くない」

 

 俺を睨みつけてくるアコちゃんに、胸の痛みを誤魔化す為に腕を組む。そして、何でもない様に見せる為に笑いかける。

 

「鬼人の関しての二人のミスは「俺以外の鬼人は居るか」では無く、「あの鬼人は俺なのか」と聞くべきだったんだ。それにある意味俺は鬼人に関しては正解を答えていると思うよ」

 

「それも酷いって言ったの、そういうところよ、八雲鬼ね、あ、鬼か」

 

 ひとりで納得しているアコちゃんが可愛くて思わず声を上げて笑うと、アコちゃんは顔を真っ赤にしながら足を蹴って来た。

 

 商店街から聞こえる人々の悲鳴とネガトーンの不幸の音に、俺とアコちゃんは緊張状態に入る。

 

「アコちゃん、ここからなら俺のセーフハウスが近い、予備のミューズのオーバースーツも置いてある、こっちだ急ごう」

 

 駆けだした俺の後に続くアコちゃん、慌ててアコちゃんのペースに合わせると息を弾ませながらもアコちゃんが問いかけてきた。

 

「八雲、セーフハウスって何?」

 

「今回の為に借りたんだよ、響ちゃん達にばれない様にね二人の知らないバイクも用意してある」

 

「なんでそんな事まで!」

 

 肩で息をし始めている、アコちゃんが睨みつけてくる。

 

「なんでって、俺はアコちゃんの味方だって言ったろ、必要だから用意した。後で鍵も渡す、そこの角左! 小道に入るぞ」

 

 アコちゃんが辛そうに走る姿を見て申し訳なく思う、本当なら横抱きにしてでも移動したいが、何処で人に見られるか分からないので頑張って貰う為に、更にペースを落とす。

 

 小道に入ったすぐの小さな一軒家と隣に小さなガレージ、築は古いがよく手入れされている、中に入り直ぐに変身をしミューズは黒ミューズのオーバースーツを着込む、軽く体を動かし確認すると軽く頷くミューズ、そんなミューズを連れてガレージに入ると置いてある大型のバイク。

 

「これ使うの? なんか古臭くない?」

 

 ミューズはちょっと嫌そうな声を上げが、それに構わずエンジンを始動させる。

 

「ミューズ、早く後ろに乗って、直ぐに追うから」

 

 俺の声の声に渋々と後ろに乗るミューズ、しっかりと捕まったのを確認するとゆっくりと出発する。慣れてきた所で少しづつ速度を上げネガトーンが暴れている所に向かう。




皆さまの力で元気を貰ってます、いつもありがとうございました。
お読み頂きありがとうございます。
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