スイートプリキュア♪ 鬼人の組曲   作:水無月 双葉(失語症)

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皆様お久しぶりです。
コロナや災害で色々大変ですが皆様大丈夫でしょうか。



届かない一手

 ネガトーンを追って高架橋の上をリズムと全力で走る、視界にネガトーンが入ると一気に速度を上げる。

 

「待てええぇぇ!」

 

 ネガトーンにこちらの存在を知らせる為、そしてこれ以上不幸の音を撒き散らせない為に大きな声で怒鳴る。

 

「何て事を!」

 

 リズムも怒りを露わにしていた。

 

 車型のネガトーンが、バスドラの命令で私達にタイヤを飛ばしてくるが、タイミングを合わせリズムと一緒に避け地上へと降り、そのまま走り続けるがネガトーンは速度を上げながら大量のタイヤを飛ばしてくる、タイヤ自体の攻撃は怖くは無い、当たる事はまず無いだろうでも……

 

「アイツ速い!」

 

「メロディ! あそこ!」

 

 リズムが何かに気が付き私に合図をよこす。

 

「ああ! なるほどね! よぉし!」

 

 直ぐに意図が分かった私は気合を入れ直して走る速度を上げ、ネガトーンを飛び越えて誘導しだす。

 

「ネガトーン! ここまでおいで!」

 

 挑発するように手を振りながら、ネガトーンに声をかけると私を目指して走ってくる。

 

「良し! 来い、来い、来い、来い」

 

 祈る様に小さく呟きながら、目的の高架橋の柱に誘導し一気に柱に沿って跳び上がると、ネガトーンはこちらの誘いに見事に乗って来た。

 

「ナイス! メロディ!」

 

 高架橋の上で待ち構えていたリズムが、下から蹴り上げてネガトーンの体勢を見事に崩し、私と時間差をで地上に綺麗に着地をする最近のリズムの動きには目を見張るものが多く私も負けていられない。

 

「どんなに足が速くても」

 

「地面から放しちゃえば」

 

 私達の狙い通り空中でネガトーンはタイヤを空回りさせるだけで何も出来ない、大丈夫、私達は強くなっている。

 

「今よ!」

 

 リズムの合図に気合を入れて返事と共にミラクルベルティエを構える。

 

「オッケー!」

 

「「翔けめぐれ、トーンのリング! プリキュア! ミュージックロンド!」」

 

 ふたつの輝くリングがネガトーンに迫る、タイミングも何もかも文句の付け様のない、私は無意識に勝ちを意識した。

 

 私達に油断があったのか、ネガトーンがうわてだったのかは分からないけれど、私達のトーンのリングは跳ね返され眼前に迫っていた、もう駄目だと目をつぶり体に力を入れる。

 

 爆発と共に土煙が舞い私を包むのが分かる、でもダメージがほとんど無い、もしかしてと思いゆっくりと目を開けるとたくましい背中が私達の前に立ち塞がっていた。

 

「獣鬼!」

 

 力強い背中に嘆声を上げた、少しだけ後ろを振り向く気遣う気配、でも返事が返って来ない、土煙が少しだけ風に流され私達の前に立っている人物が分かると、間違えて呼んでしまい申し訳なさと、八雲兄を見間違えた事に罪悪感が生まれる。

 

「ムツキ……」

 

 リズムが小さく呟く、私達を庇っていたのは獣鬼では無く矛兜鬼だったのだ。

 

「助けてくれてありがとう……」

 

 私は下唇を噛みながらショックを隠せないでいた、矛兜鬼がこちらを一瞥しすぐさま腰から銃を抜き完全に晴れていない土煙に対してに撃ちだす、私達のすぐ側をネガトーンが横滑りしながら抜けて行った。

 

「見えない状況でネガトーンの進路を変えたの?」

 

 リズムが驚愕の声を上げている中私は悔しさで一杯になっていた、強くなったと思っていた、でも前回も今回も私達だけでは負けている、せめて獣鬼が居てくれればと考えてしまう自分が情けない、体勢を立て直したネガトーンが迫ってくると何故が矛兜鬼は銃を仕舞い両手を広げてネガトーンを迎え撃とうとする。

 

「ムツキ危ない!」

 

 大きな声を出すが、矛兜鬼は意に返さずネガトーンと交差すると、ネガトーンが宙に舞っていた。

 

「投げたの?!」

 

「ウソ……」

 

 私の驚きの声とリズムの呟きが混じり合う、空中に投げだされたネガトーンに黒い影が飛び出してくる。

 

「「ミューズ!」」

 

 私達の声に反応も見せずにミューズは、連続で空中のネガトーンに連続で蹴りを入れていく、蹴り飛ばされていくネガトーンに矛兜鬼がさらに銃撃を加え、バスドラの上に調整して落とす。

 

 何事も無い様に私達の側に立っている二人に、羨望と嫉妬の入り混じった感情が生まれそうになり、慌てて頭を振って嫌な考えだけを追いだした。




お読みお頂きありがとうございます。
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