スイートプリキュア♪ 鬼人の組曲   作:水無月 双葉(失語症)

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皆様、お変わりありませんか。
体調など崩されていらっしゃいませんか、ご注意下さい。


落とした物は

 練習の後、散々怒った二人にはシャワーを浴びて貰うが、家からは当然の様に放り出された。

 

 家に入り目にした、風呂上がりの二人の濡れそぼった髪と上気した頬は大変魅力的で目が離せなく、見惚れていたら二人に怒られながらも冷やかされ最後は三人で笑い合う。

 

 機嫌も良くなった二人に、最近見つけた取って置きのお店を教えたかったので、良い機会と考えて皆で食事を取りに行く事にした。

 

「いやー、美味しかった、あんなところにお店があるなんて、私知らなかったよ」

 

 響ちゃんはお腹をさすりながら満足そうにしており、それを見た奏ちゃんは呆れた様な笑顔を浮かべる。

 

「響ちょっと恥ずかしいよそれ、でも本当に美味しかったね、八雲さんご馳走さまです」

 

 奏ちゃんは響ちゃんは注意するが、その姿は楽しそうで見ていた俺の気分も良くなっていく。

 

 丁度公園に差し掛かった時だった、いきなり小さな影がふたつ飛び出して来て俺達は慌てて足を止めた。

 

「ハミィ?」

 

 響ちゃんが驚きながらもハミィを踏まない様に避け、奏ちゃんがハミィと一緒に居たセイレーンに気が付く。

 

「それにセイレーンも?」

 

「そんなに慌ててどうしたんだ」

 

「助けてニャ!」

 

 俺達の言葉を受け、右往左往しながらも助けを求めるハミィ、ハミィ達が逃げてきた方を見ると追ってきた猫が威嚇の声を上げていた。

 

 響ちゃんと奏ちゃんは頷き合うと、奏ちゃんが響ちゃんの後ろに回り、響ちゃんの頬を少し引っ張ると、響ちゃんは猫の様に手を上げて唸り声を上げる

 

「ふぅぎゃぁあああっぁ!」

 

 響ちゃんの表情と声に驚いた猫は一目散に逃げ出していく、その響ちゃんの姿を見た俺は笑いを堪えるのに必死だった。

 

「八雲兄声もれてる、ふぎゃぁあぁ!」

 

「いや、ごめん、ちょっと面白くって、響ちゃん止めて」

 

 堪え切れなくなった俺は声を上げて笑ってしまい、響ちゃんは何故か満足そうに奏ちゃんと笑っていた。

 

「助かったニャ、ニャッ、セイレーン?」

 

 ハミィは周りと見渡すがセイレーンの姿はすでになく、ハミィは近くに落ちていた風呂敷包みを抱えて響ちゃん達の座るベンチに持ってくる。

 

「それ何なの?」

 

「セイレーンが落として行ったニャ」

 

 大事そうにセイレーンの荷物を抱えながら響ちゃんに答えるハミィ、奏ちゃんは何かを思い出したのかハミィに顔を近づけた。

 

「聞いたの? キュアミューズかどうか」

 

「違ったニャ……セイレーンが違うって言ってたから間違いないニャ……」

 

 ハミィは、セイレーンがミューズと思っていたらしくかなり落ち込んだ声を出す。本当の事を教えてやりたくなるが、奥歯を噛み締め我慢する。

 

「仮面してる位なんだから、否定するんじゃない」

 

 響ちゃんが慰めようと声をかけるが、ハミィは首を横に振った。

 

「ハミィは、セイレーンの言う事は絶対信じるニャ」

 

 ハミィのセイレーンを思う気持ちにの強さに感心する、どうにかしてあの二人を元に戻しててやりたいと考えるが、どうにも方法が思いつかない。

 

 何か決意をしたのだろうか、ハミィが立ちあがるとかかえていた包みが落ちてしまい一枚の楽譜が広がる、拾い上げハミィに手渡すとハミィは懐かしそうにその楽譜を眺める。

 

「セイレーン……まだこの楽譜持っていてくれたニャ……」

 

 ハミィの声は少しだけ涙声で、そのつぶらな瞳には涙が溜まっており、よほど大切なものと分かる。俺は一度は聞いておこうかと考えている事を訊ねる事にした。

 

「なあ、ハミィお願いしたい事があるんだ」

 

「ハミィとセイレーンのこれまでの事聴かせてくれない?」

 

 響ちゃんも同じ事を考えていたらしく、俺の言葉を引き継いでくれ、ハミィは嬉しそうに頷く。




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