忠犬と飼い主~本編~   作:herz

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 今回で本編は完結!あとはこちらで過去編を1つと、短編をもう1つ。それから、現在pixivで公開中のIF話やリクエスト作品、ネタ、短編の紹介文を書いた話を投稿した後、終了となります!

 注意!相変わらずのキャラ崩壊と、捏造のオンパレードです。特にFBIについての捏造が強め。また、前半でオリ主が弱音を吐きます。少しシリアス風味です。




忠犬、赤井秀一7

 秀一は俺を無言で引き摺りながらどこかを目指す。一体、どこに行こうとしているんだ?

 

 

「秀一、どこに向かっているんだ?」

 

「…………」

 

 

 俺の問い掛けにも答えず、秀一はひたすら前へと進む。……これは相当苛立っているようだ。

 しかし、何故こいつはこんなにも苛立っている?俺に対してか?だとしたら俺の何に対して?……先程のジンとのやり取りの中で、俺は何かをやらかしたのか?

 ……疑問ばかりが浮かぶが、今の俺には大人しく秀一について行く事しかできない。

 

 そう考えていると、秀一がある扉の前で立ち止まった。……ここは、

 

 

「仮眠室……?」

 

「…………」

 

 

 ……黒の組織対策の合同捜査本部があるビルには、俺達がいつも作戦会議をする会議室や取調室の他に、個室型の仮眠室が幾つか備えられている場所がある。それが、この扉の向こうにあるのだ。

 

 秀一が扉を開き、その先にある廊下を進んで1番奥の仮眠室の扉を開く。それから俺を連れてその部屋に入ると、すぐに鍵を閉めた。

 

 

「……そこに座って下さい……そうです。そのままでいて下さい」

 

 

 ベッドの横にある背もたれのある椅子を示されたため、俺はそこに座った。

 

 いつもなら指示するのは俺の役目なのに……立場が逆転している。

 しかし、下手に反抗してこれ以上秀一の機嫌を損ねるわけにもいかない。……素直に従うしかなかった。

 すると、秀一は両膝をついて座っている俺の腰に両腕を巻き付け、俺の腹に頭を押し付けて動かなくなった。……いや、何してんだお前は。

 

 

「おい、秀一?」

 

「…………」

 

 

 秀一は未だに無言のまま。……勝手に話して、その反応を待つしかないか……

 

 

「……秀一が何を思ってこんな行動に出ているのか、俺にはよく分からん。……だが、お前が何かに苛立ちを感じているという事はなんとなく分かる」

 

「…………」

 

「その何かの原因が俺だったとしたら、できれば俺の何に対して苛立っているのかを教えて欲しい」

 

「…………」

 

「――"元"とはいえ、俺とお前は師弟だったからな。弟子だったお前のために、できる限りの事をしたいんだ。まぁ、俺なんかにできる事なんてたかが知れているだろうが……」

 

 

 ……おそらく、その言葉がトリガーだったのだろう。

 

 突然、顔を上げた。……その表情から、秀一が怒っている事は分かった。しかし、今の言葉の何に怒りを感じたのかが分からない。

 

 そして、秀一が口を開いた。

 

 

「"元"……とはどうゆう事ですか?俺は今も、これからもあなたの弟子です!」

 

「は?いや、でもお前はいつまでも俺なんかの弟子にして置くにはもったいな…」

 

「それですよ!!」

 

「えっ?」

 

「"俺なんか"ってなんですか?何故そこまで自分を卑下するんですか!?」

 

 

 俺は目を見開いた。……こいつが苛立っていたのはこの言葉が原因か?そういえば、ジンと話していた時も言った気がする。

 

 

「聞いてるんですか!?」

 

「聞いてるよ。……なんで俺が自分を卑下するのか、だろ?」

 

「…………そうです」

 

「何故、と言われてもなぁ……お前と比べたら俺なんて…あぁ、いや。俺は凡人だから」

 

 

 俺なんて、と言った瞬間ギロリと睨んで来たため、すぐに言葉を言い換えた。

 "俺なんて"という言葉は、どうやら秀一にとって禁句らしい。

 

 

「……確かに、事実を言ってしまえばあなたよりは俺の方が射撃技術も、体術も、その他の能力も上です。俺が現れる前までは、あなたがFBIのエースだったと聞いていたので、それを越えた俺に対して劣等感を持ってしまう事も仕方ないと思います。しかし…」

 

「ちょっと待て。俺がFBIのエース?そんな事誰が言ったんだ?」

 

「ジェイムズを含めた古参のメンバー達がそう言っていました」

 

「あいつらは……!」

 

 

 何言ってんだ、本当に!俺がエースだと?俺なんかにそんな大層な役は似合わないし、資格もな…

 

 

「――今、また自分を卑下しましたね?心の中で」

 

「…………なんで、分かった?」

 

 

 ……馬鹿な。ポーカーフェイスは完璧だったはず。何故バレたんだ?

 

 

「あなたのポーカーフェイスを見破る事は、他の仲間達にはできないでしょうが……俺には分かります。様々な技術を盗むために、ずっとあなたを観察していましたから。……とはいえ、今のように距離が近くないと見破れないのですが……」

 

「まさかお前……わざわざこの体勢を選んだのは、俺を逃がさないようにしつつ、その表情の変化を見破るためか……?」

 

 

 確かに今のように、体重を掛けられて腰に腕まで巻かれたらさすがに逃げられないし、僅かな変化でも近距離ならば見破れるだろう。

 

 

「4割ぐらいはそれが理由です」

 

「……じゃあ、残りの6割は?」

 

「俺がこうしたかったからです」

 

「あ、そう……」

 

 

 ブレねぇな、こいつ……

 

 

「……ところで、和哉さん。忘れていませんか?――俺は怒っているんですよ?」

 

 

 そう言うと、秀一は腕の力を強めた。……少し痛い。

 

 

「……痛かったですか?すみません。でも、止めませんよ。あなたが"元"師弟なんて言葉を撤回し、自分を卑下する事をやめるまでは」

 

「……撤回する気はない。お前よりも能力が劣っている奴と師弟関係のままでいれば、お前に迷惑がかかる」

 

「迷惑?そんな事、俺は気にしません!」

 

「駄目だ!お前がそうでも周囲の人間……特にうちの上層部はそうは思わないだろう。組織に潜入して有益な情報を入手し、さらに壊滅させるのに一役買ったお前は、今後はFBIの中心人物に据えられるはずだ。それも広告塔にな」

 

「広告塔……?」

 

 

 秀一は訝しげに眉をひそめている。……やはりな。こいつは自分の存在がどれだけ周囲に影響を及ぼすのかを理解していない。

 

 

 世界的に有名な犯罪組織が壊滅したとなれば、メディアもこぞって騒ぎ立てるはずだ。そうなれば、いくら秘匿したとしても秀一の存在はいずれバレる。ならば、そうなる前にむしろそれを利用してFBIの広告塔にしてしまえ。

 ……なんて、考えを持ちそうな野郎が何人か上層部にいる。そいつらにとってはお誂え向きに、秀一はハイスペックだからな。

 

 容姿端麗。頭脳明晰。さらにはスナイパーとしても近接戦闘員としても一流。そんな一面だけを強調すれば、民衆の大好物なスーパーヒーローの出来上がりだ。

 それに憧れてFBIを目指す若者が出てくるだろうし、FBIのイメージをより良いものにする事も可能だろう。さらに秀一が表に出てくれば、今も逃げ回っているであろう組織の残党達を誘き寄せる事ができるかもしれない。

 広告塔にする事でFBIの利益を増やし、同時に囮の役割を押し付ける……いかにもうちの上層部が考えそうな事だ。

 

 もちろん、俺の思い過ごしという可能性もなくはない。だが、それは限りなく低いだろう。秀一がいかにハイスペックであるかを考えれば、容易に想像できる事だ。

 

 

 ……といった事を説明した。秀一はそれを聞いて目を見開いている。

 

 

「……にわかには信じがたいのですが……俺よりも上層部の人間の事をよく知っている和哉さんがそう言うのであれば、可能性は高いのでしょう。……しかし、それと先程の話がどう関係しているんですか?」

 

「……お前を広告塔にする上で、俺の存在は邪魔になるんだよ」

 

「何故です!?俺がここまで成長する事ができたのは、和哉さんがいたからです!あなたの弟子になって修行したからこそ俺は……!」

 

「秀一……」

 

 

 ……正直、泣きそうになった。まさかこいつがそう断言する程、俺の存在が役立っていたとは。……しかし、そうも言っていられない。おそらく上層部にとっては、それでは困るはずだ。

 

 

 ――想像してみて欲しい。

 

 例えば、多くの人間に愛されているアイドルがいるとしよう。そのアイドルはある人物を尊敬しており、何よりもその人物の事を優先させる。……そんな人物なのだから、そのアイドルと同等か、それ以上に素晴らしい人物なのだろうと、多くの人間が考えるはず。

 しかし、その人物はそのアイドルと比べれば明らかに劣っている人物だった。それを知った多くの人間は、どう思う?

 

 ――当然、嫉妬するだろうな。欠点のないアイドルが、欠点のある人物を尊敬しているとなれば。

 

 例えば、アイドルが尊敬している人物に対して嫉妬した者がその人物を叩き、それをアイドルが庇ったりすればその人物へのヘイトが増す。

 例えば、逆にアイドルに嫉妬している者が、アイドルに劣っている人物を尊敬している事を嘲笑い、ある事ない事吹聴する。

 ……なんて事が起こるかもしれない。

 

 それを秀一と俺に当てはめて考えた場合、秀一(アイドル)を……FBIの広告塔を中心に面倒事が巻き起こる事態を、上層部が良しとするだろうか?……否だ。間違いなく。

 では、どうするか。……面倒事の原因となるであろう俺の存在を、なかった事にしてしまえばいい。……と、なるわけだ。

 

 

 まぁ、おそらく。俺を不利な状況へと追い込む事ができれば、上層部はなんでもいいんだろう。もちろん、広告塔を汚したくないという理由もあるだろうが……あいつら俺の事大嫌いだからなぁ……

 以前からそれだけの事をやらかしている自覚はある。だが、後悔はしていない。

 

 

「というわけで、だ。俺と師弟関係のままだと面倒事が起こる。……これも、俺がはっきりさせていなかったのが悪いんだよな……」

 

「……和哉さん?」

 

「……後始末が大体終わって本国に戻ったら――俺と秀一の師弟関係が解消された事を周知させるべきか」

 

「っ!?」

 

 

 そうしなければ、確実に秀一に迷惑が掛かる。不甲斐ない俺が秀一の師匠という立場に居座ったままではよくない。……いずれ、俺がジンに人質にされて秀一や仲間達に迷惑を掛けてしまった事が報告される。そうなれば、俺の存在はますます邪魔になるだろう。

 今回の事を理由に、"自分に赤井捜査官の師匠という立場は分不相応なので、師弟関係を解消しました"とでも言えば上層部も周囲の人間も納得するはず。

 

 あとは、どうにかして秀一を説得できれば――

 

 

「――俺は納得しませんよ。絶対に」

 

 

 ……どうやら、また俺の表情を見て読み取ったらしい。

 

 

「俺は今も、そしてこれからも和哉さんの弟子であり続けます。たとえ破門したとしても無駄ですからね!」

 

「いや、破門じゃなくて免許皆伝で師弟関係を解消するんだ」

 

「同じ事ですよ、どちらにせよあなたとの繋がりが消えるんですから!俺は絶対に納得しません!!」

 

「いや、待て、俺の話を…」

 

「嫌なものは嫌です!!」

 

 

 ……っ……この、分からず屋が!!

 

 

「――聞き分けろ秀一!!俺の存在はお前のためにならない!俺はお前の足枷になりたくねぇんだ!!」

 

「っ!?」

 

 

 ポーカーフェイスも冷静な態度もかなぐり捨てて秀一の両肩を鷲掴み、俺は叫ぶ。……仮眠室で良かった。防音仕様だからな、ここは。

 

 

「さすがに鈍感だのなんだの言われる俺でも分かる!――俺はお前の弱点なんだよ、秀一!!

 俺さえ抑えれば、いくら天才のお前でも簡単に制圧されてしまうかもしれない。それは今回、俺がジンに人質された事で証明されちまったんだ!お前が取り乱した姿を何人もの人間が目撃してるんだよ!!

 

 今回は、ジンの目的がお前を殺す事じゃなかった。

 だが、今後はどうだ?黒の組織の残党達は、お前とその弱点である俺の存在を知っているはず。厄介なお前を始末するのに1番楽な方法は、俺を人質に取る事だろうが!!事実、俺は秀一に劣っているんだから奴らもまず俺を狙うはずだ!

 それにお前の存在がメディアによって表に出たら……今度は別の犯罪組織も同じような事を考えるかもしれない。

 

 そうなった時……お前は俺を見捨てられるか?――できねぇだろ!?」

 

「…………」

 

「……だから俺は、そんな事態になる前に、お前から離れるべきだ。今回人質にされてそれを思い知った。……俺は無力だ!俺の存在は、お前の邪魔にしかならない……!!」

 

 

 ……改めて言葉にすると、俺の無能っぷりには怒りも呆れも通り越して笑いが出てきそうだ。

 

「頼むから、聞き分けてくれ秀一。俺のせいでお前に何かあったら……お前を失ったら……俺は……っ!!」

 

 

 もしも秀一を失ったら?……そんな想像をして涙が出そうになったが、必死に堪えた。これ以上情けない姿を見せるわけにはいかない。

 

 何故ならば俺は――あの"赤井秀一"が尊敬している男だから……!!

 

 こんなにも優秀なこの男が、俺なんかを尊敬してくれているんだ。だから俺は、こいつから離れるその日が来るまでは、それに相応しい人間になる必要がある。情けない姿を見せてはいけないし、弱音を吐いてもいけない。

 でも……でも今だけは、情けない姿を見せる事も弱音を吐く事も、許してくれ……これ以降は、秀一のもとを離れるまでは、強くあろうと頑張るから……!

 

 ……なんて、俺は一体何に対して許しを得ようとしているのか。神か?……それとも秀一にか?

 

 …………駄目だ。どうにも思考がまとまらない。

 

 

「――和哉さん」

 

「っ!?」

 

 

 突然、何か暖かいものに包まれた。……秀一が好んで吸っている煙草の匂いがする。そして、俺のものではない心音が聞こえた。

 ……いつの間にか立ち上がっていた秀一が、俺を抱き締めていたのだ。

 

 

「しゅう、いち……?」

 

「落ち着いて。……大丈夫です。俺はここにいますから」

 

「……っ……」

 

 

 ……秀一の言う通りだ。落ち着こう。

 

 そう考えた俺は秀一の腕の中で深呼吸し、心を落ち着かせる。

 

 

「…………すまん。もう、大丈夫だ」

 

「……そのようですね。良かった」

 

 

 秀一は俺から離れて微笑み、ベッドに腰掛けた。

 

 

「和哉さん。……申し訳ありません」

 

「……なんでお前が謝るんだ?」

 

「俺は……あなたを追い詰めてしまった。それも、常に冷静であるはずのあなたが取り乱す程に」

 

「そんな事はない。お前は何も悪くないんだ。悪いのは……臆病な俺の方だ」

 

 

 そう。秀一は何も悪くない。……すると、秀一が深いため息をついた。

 

 

「……今までの俺は、盲目だったのでしょう。あなたに憧れるあまりに、あなたが俺と同じ人間である事をすっかり忘れてしまっていた。……俺と同じように、心が弱くなる時があるのだという事を、忘れていたんだ」

 

「秀一……?」

 

「……和哉さん。あなたが背負っているその重荷を、俺にも分けてもらえませんか?1人で何もかも抱え込まないで下さい。……俺はもう、盲目になんてなりません。だから――こうゆう時こそ弟子の俺を頼って下さい、師匠!」

 

「……俺はお前の師匠に相応しくねぇよ」

 

「相応しいか否かは関係ありません。周囲の評価なんて気にしなければいい。その結果、あなたに迷惑を掛けられても俺はそれを迷惑だとは思わない。そして、逆に俺があなたに迷惑を掛けたとしても、申し訳ないですがあなたの元からは離れません。たとえ、何があっても」

 

 

 そう言われ、俺は反論しようと口を開いたが……秀一の目を見て、その口を閉じた。なんと言われても譲らない。……目でそう訴えられた。

 

 

「……だが、お前がそうでも俺は耐えられない!俺のせいで、お前の身に何かあったら……!!」

 

「それは和哉さんが人質に取られたらの話ですよね?……俺を甘く見ないでくれ」

 

 

 爛々と輝く緑目が俺を見据え、口元は挑戦的な笑みを浮かべる。

 

 

「――この俺が、同じ失態を繰り返すとでも?」

 

 

 ……俺はその言葉を聞いただけで、自身の不安や恐れが消え去っていくのを感じていた。

 

 

「……なんてこった。お前がそう言うだけでもすげぇ説得力がある」

 

「ふっ……そうでしょう?まぁそれでも安心できないのなら、俺も和哉さんもさらに自身を磨けばいいんですよ。何が起こってもすぐに対処でにるように。……それとも和哉さん。あなたはもう能力的に限界に達しているんですか?その程度の男なんですか?」

 

「っ!!」

 

 

 あぁ……参った。こいつは俺をその気にさせるのがうまい。

 

 

「ふっ……くく……っ!!」

 

「……和哉さん?」

 

「言ってくれんじゃねぇか、秀一!!」

 

 

 そう言うや否や、俺は秀一のニット帽を奪い、その下に隠れていた癖っ毛を掻き回すように頭を撫でる。

 

 

「な、何するんですか!?」

 

 

 焦りながら俺から離れるついでにニット帽を奪うと、秀一はそれを被り直して俺に文句を言った。

 俺はそんな秀一に向かって頭を下げる。

 

 

「……すまなかった。俺はどうやらいつの間にか腑抜けになっていたらしい。……いつか訪れるかもしれない未来に怯えて苦渋の決断をするよりは、お前が言った通りいつ何が起こってもいいように自分を鍛えた方が、よっぽど建設的だ」

 

「!!……ようやく、いつもの和哉さんに戻ってくれたんですね」

 

「あぁ。迷惑掛けて悪かったな。……もう"元"師匠とか、"俺なんか"とかは言わないようにする」

 

「そうして下さい」

 

「それから、」

 

「?」

 

「――これからも頼りにしてるぜ、愛弟子(・・・)

 

 

 俺はつい照れ臭くなって、そっぽを向きながらそう言った。……しかし、秀一からの反応がない。

 それが気になってその顔を見ようとした瞬間、秀一が動いた。

 

 秀一は俺の目の前で床に片膝をつき、次いで右手を左胸に当てる。……それはまさしく、忠誠を誓う者の仕草だった。そして……

 

 

「――Yes master(はい、ご主人様)。いつでも頼って下さい。俺の忠誠心は全て、あなたに捧げていますから」

 

「いや駄目だろ」

 

 

 思わず俺がそう突っ込むと、秀一は不満そうな顔をした。

 

 

「そんな顔をしても駄目なものは駄目だ。俺達はFBIだぞ?形だけでもその忠誠心はアメリカという国に捧げとけ」

 

「……では、和哉さんの忠誠心は何に捧げているんですか?」

 

「俺か?俺は……あー…………言っても笑ったりしないと約束するのであれば、教えてやる」

 

「約束します」

 

「絶対だぞ?……俺の忠誠心は国に捧げている……というのは建前で、」

 

「建前で?」

 

「――実際は、国民に捧げている」

 

 

 俺は"国民がいてこその国"だと考えている。だから、忠誠心を捧げて護る相手は、国よりも国民の方だと思っているのだ。国民を護るためなら、たとえ上層部が相手でも反発する。

 

 

「……とはいえ。それはあくまでも公的な立場ではそう考えているだけで、私的には忠誠心云々の問題ではなく、お前を含めた仲間達を優先しているんだけどな」

 

「…………」

 

 

 すると、秀一は一瞬真顔になった後、顔を覆って天を仰いだ。……前にも見た気がするぞ、この動作。

 

 

『俺の師匠が尊すぎて本当につらい……』

 

「あー、はいはい」

 

「……なんだか最近、和哉さんまで対応が冷たくなってきてませんか?」

 

「気のせい、気のせい」

 

 

 そう。気のせいだぜ、秀一。

 

 ……毎回突っ込むのが面倒くさくなったとか、そうゆうわけではないぞ。うん。

 

 

「そうですか?ならいいですけど……しかし、なるほど。公的な立場と私的な立場を分けて考えているんですね。……それならば、俺の忠誠心は公的には"公的な立場を取っている和哉さん"に、私的には"私的な立場を取っている和哉さん"に捧げましょう」

 

「おいちょっと待て。それじゃあ何も変わらないだろ!?」

 

「変わりますよ?公的な場合では、あなたを通して間接的に国民に忠誠を捧げていますから」

 

「屁理屈!!」

 

 

 ……その後は屁理屈に対して一通り突っ込みを入れたり、調子に乗って片膝をついたまま俺の手の甲にキスをしようとした秀一の脳天に手刀を振り下ろしたり、ジンを口説いた事――俺は口説いたつもりは全くない!――を叱られたりと、散々騒いでいた。

 

 

 

 

 

 

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 ジンの取り調べから数日後、俺達は黒の組織のボスとラムが潜伏している場所を突き止め、2人を捕らえるためにその場所へと向かう。

 ……そして、あっさりと決着がついた。

 

 2人が潜伏している場所に突入した時、そこには組織のボスとラム以外に、2人に雇われたと思われるごろつきが数名いただけだった。おかげで簡単に制圧する事ができた。

 しかし、ラムが全く抵抗しなかった事が意外だった。後程、その理由を公安の連中が取り調べで聞くと、

 

 ――だいぶ前から組織が滅びるだろうと予測していた。だから抵抗しても無駄である事は分かっていた。

 拠点からボスと共に逃げたのは、ボスから自分を守れと命令されたから。しかし、それも"たとえ何があっても最後までボスへの忠誠を誓う"と決めていたからだ。でなければ、拠点に襲撃を掛けられた時点で自分だけでも投降していた。

 

 ……と、話していたらしい。

 

 だが逆に、そんなラムに忠誠を誓われている組織のボスはみっともなく抵抗し、喚いていた。

 そしてその中で聞き捨てならない言葉を聞いたのだ。

 

 

「そうか……そうか、分かったぞ!ジンだな!?あいつがこの場所を教えたんだな!?この場所はラム以外にあいつしか知らねぇからな!!

 あの野郎ふざけやがって!!この俺が、あいつがガキの頃に助けてやった恩も忘れて裏切ったんだな!?あれだけ優遇してやったのに……!!こんな事になるなら、あんな薄汚いガキなんて拾わなきゃ良かったんだ!!」

 

 

 ――その言葉を聞いた瞬間、俺は渾身の力を籠めてそいつの顔面をぶん殴っていた。……らしい。

 その時は怒りで我を忘れていたから記憶が曖昧なのだが、殴った後に俺はそのまま奴の胸ぐらを掴んで……

 

 

『――ふざけてるのはてめぇの方だ!!あいつが……ジンがてめぇの事をどれだけ慕っていたと思ってる!?あいつの忠誠心を何だと思ってやがるんだ!?それに裏切っただと?――先にジンを裏切ったのはてめぇ自身だろ!?このクズ野郎が!!』

 

 

 ……と、英語で罵倒したらしい。それから俺は秀一に取り押さえられ、ようやく落ち着いた。

 うちの古参のメンバー曰く、その時の俺の顔がまるでOgre()のようだったという。……誰が鬼だ、誰が!

 

 そして、俺達は組織のボスとラムを逮捕した。その翌日である今日も2人の取り調べは続いている。

 

 

 そんな中で、俺は降谷に無理を言ってジンと面会していた。

 ……どうしても、事の顛末をジンに教えたいと思った。あいつの証言があったからこそ奴らを捕らえる事ができたわけだし、あいつには事の顛末を知る権利がある。

 

 そして現在。俺はジンに事の顛末――組織のボスが言っていた、胸糞悪い言葉は除く――を語っていた。

 

 

「……というわけで、組織のボスとラムは現在も取り調べを受けている。……話は以上だ。何か質問はあるか?」

 

 

 ジンは目を閉じたまま黙っていたが、やがて目を開き、俺の目をまっすぐ見つめた。……そういえば、

 

 

(……こいつの目も、緑色だ)

 

 

 秀一と同じだ。……なんて言えばあいつは、ジンと一緒にするな、なんて言って不機嫌になるだろうな。黙っておこう。

 そう考えている間に、ジンが口を開いた。

 

 

「……あの方は、俺の事で何か言っていたか?」

 

 

 あー……ピンポイントでそれを聞くか。さて、どうするかな……あまり刺激したくないし……何より、落ち込ませたくない。

 

 

「どんな内容でも構わない。教えてくれ」

 

「…………本当に、いいんだな?正直かなり酷いぞ?」

 

「構わない。……俺には知る権利があるんだろ?」

 

「……分かった」

 

 

 俺はジンに、組織のボスが言っていた胸糞悪い言葉を聞かせる。その際、ついあの時の事を思い出して苛立ちが抑えられなくなり、気がつけば俺がぶん殴ってしまった事も伝えていた。

 すると、ジンは秀一と同じ緑目を点にして驚き……

 

 

「くくっ……ふ、ははははっ!!」

 

「What!?」

 

 

 思わず口から英語が飛び出した。……あのジンが、大爆笑、だと……!?

 

 

「はははっ!ふっ、くくっ……!あぁ……ようやく収まった……俺も見たかったぜ。直接見たら絶対にスカッとしただろうに」

 

「……お前……全然平気そう、だな?」

 

「ん?……あぁ、なるほど。俺が聞いたらショックを受けるんじゃないかと考えたから、話すのを渋っていたわけか。……俺の事を、心配してくれたのか?」

 

「…………それは、その……まぁ……な」

 

 

 何かを期待するような目でこちらを見てくるジンから目を逸らし、俺は歯切れ悪くそう答える。……急に照れ臭くなっちまった。

 

 

「そうか」

 

 

 ジンは一言そう答えると、それからは始終上機嫌だった。……何でだ?

 その後、面会時間は終了した。……ただ、気になる事が1つ。

 

 

「……なぁ。あんたは後始末が終わったらアメリカに帰るのか?日本に残ったりしねぇのか?」

 

 

 もちろん、答えは"Yes"だ。……あいつはそんな当たり前の事を聞いてどうするつもりなんだ?

 

 しかし翌日。ジンがとんでもない事を言い出したと、降谷が報告してきた。曰く、

 

 

「俺の身柄をFBIに引き渡せ。……でないと俺は、今後2度と口を利かない」

 

 

 ……そう言って、本当に口を閉ざしてしまったそうだ。重要参考人であるジンの取り調べが今後不可能となるのはまずい。…また、その報告を聞いた後の幹部達の視線が痛かった。……俺のせい、なのか?

 そして、ジェイムズからその件での交渉役を押し付けられた俺が四苦八苦した結果、最終的に諸々の条件付きで、ジンが言うようにその身柄をFBIが引き取る事になった。……なるべくFBIと公安の仲がまた悪くならないようにと必死になったせいで、胃が痛かった。

 

 故に、後にその報告のために降谷と共にジンと取り調べ室にて面会した俺が、満足そうに微笑むそいつにヘッドロックを仕掛けたとしても仕方ない。降谷にも止められるどころかむしろゴーサインを送られた。

 

 その後、何故FBIに自身の身柄を引き渡す事を要求したのかと聞いた。

 

 

「…………あの方……いや、あの男が関わる出来事の多くを嫌でも思い出す日本にはいたくなかった。それと、今後は死ぬまで獄中にいる事になるわけだから、物心ついた時から住んでいたアメリカで最後を迎えたかった。そして何より……アメリカの刑務所にいるんだったら、あんたの事だから俺が死ぬまでに何度か顔を見せてくれるんじゃないかと考えてな。……そうだろ、和哉?」

 

 

 ……何故分かった?確かに俺はそのつもりだったが……というか、いつの間にか名前を呼び捨てで呼ばれている。切実にやめて欲しい。マジックミラーの先の部屋にいるであろう秀一は今、きっと怒りで恐ろしい表情になっているはず。昔ならまだしも、今のあいつが俺の名前を気安く呼び捨てで呼んでいる相手に対して怒りを感じないはずがない。

 最近になってようやく、秀一がいかに俺を敬愛しているのかを理解したため、こうゆう状況があいつの機嫌を急降下させる事も分かってきた。

 

 案の定、面会を終えた後にあいつのご機嫌取りに頭を悩ませる事となった。

 

 

―――

――――――

―――――――――

 

 

 それから数ヶ月後。黒の組織壊滅作戦の後始末を終えた俺達FBIの面々は、アメリカに帰る事となった。……とはいえ、まだ捕らえられていない残党がいる事が判明しているから、これからは通常業務に加えて残党の行方を追う事も仕事になるだろう。

 

 ……現在。空港にいる俺と秀一は飛行機の搭乗時刻が迫る中、それでもある男が見送りに来るのを待っていた。

 

 

「……そろそろ行かないとまずいな」

 

「そう、ですね。……まさか、何かに巻き込まれたんじゃないだろうな……?」

 

「あー……コナンは事件を引き寄せる奴だからなぁ……」

 

 

 ある男……江戸川コナンを待っている俺達は、揃ってため息をついた。

 今日は必ず俺達の見送りに行くと言っていたが、その道中で事件に巻き込まれていてもおかしくはない。……むしろ、自分から頭を突っ込んでいる可能性もある。

 

 

「……仕方ない。メールで一言送ってから行くとするか」

 

「……そうしましょうか」

 

 

 そして、俺がスマホを取り出したその時、画面が光った。……コナンからの電話だ!

 

 

「もしもし、コナンか?今ちょうど秀一と搭乗口に向かおうとしていたところだったんだが……大丈夫か?何か事件に巻き込まれたりとかしてないだろうな?」

 

「…………」

 

「……おい、コナン?」

 

 

 まさか、本当に巻き込まれたのか!?

 

 

「……荒垣さん。何も言わずに赤井さんと一緒に後ろを振り返ってみて下さい」

 

「……後ろ?」

 

 

 何故か敬語だったのが気になるが……ひとまず、秀一を促して一緒に振り返ってみた。――息を呑む。

 

 そこには、1人の青年がいた。……眼鏡は掛けていないが、江戸川コナンの面影があるその青年――工藤新一が、微笑んだ。

 

 

「……この姿では、初めましてになりますね」

 

 

 蝶ネクタイ型変声機を懐に仕舞い、新一がこちらに歩み寄る。

 

 

「…………驚いたな……」

 

「いつ薬が完成したんだ?」

 

「今日です」

 

「今日!?」

 

「完成したその日にすぐ薬を呑むとは、無茶をしたものだ……」

 

 

 俺と秀一が呆れていると、コナン……否、新一はばつが悪そうな表情を見せた後、謝罪した。それから残念そうに呟く。

 

 

「……本当は、他の仲間達にもこの姿を見せたかったんですけどね……俺の正体は明かしてありましたし……」

 

 

 そう。実は今日に至るまでの数ヶ月の間に、江戸川コナンの正体を今回の作戦に参加した仲間達全員に明かしていたのだ。最初は半信半疑だった者達も、俺と秀一が事実である事を認めると信じてくれた。

 また、同時期に江戸川コナンは周囲の何も知らない知り合い達にお別れを告げていた。工藤新一に戻るという事はつまり、江戸川コナンが消える事を意味する。設定として、江戸川コナンは海外で(架空の)両親と共に暮らすために引っ越す、というものにした。

 それと同時期に灰原哀が、それから間を空けて沖矢昴が、さらに間を空けて安室透がもっともらしい理由を付けて、表舞台から消える事となった。

 

 それからというもの、灰原哀……もとい、宮野志保は黒の組織対策本部のあるビルにて保護され、新一と彼女が元の姿に戻るための薬を開発していたのだが……

 

 

「……宮野が頑張ってくれたおかげで、ギリギリ間に合いました。どうしても、この姿であなた達を見送りたかったんです。……この姿を取り戻せたのは、あなた達のおかげでもあります。――本当に、ありがとうございました……!!」

 

 

 そう言って、新一は頭を下げた。

 

 

「……頭を上げてくれ、新一」

 

「…………はい」

 

「お前は俺達のおかげだと言ったが、俺だってお前には感謝しかないぜ。……新一が俺達や仲間達を率いてくれたおかげで、あの組織を壊滅させる事ができたんだからな」

 

「俺にも礼を言わせてくれ、ボウヤ。……あぁ、いや。もうボウヤ扱いは失礼だな。ありがとう、新一。俺達のホームズ」

 

「いえ、そんな……!もったいないお言葉です!それに俺達のホームズ、なんて……嬉しいですけど、俺はまだホームズの足元にも及ばないですし……」

 

「くくっ……」

 

「はははっ!」

 

 

 慌てて謙遜する新一を見て、俺達は笑った。すると、新一は拗ねたようにそっぽを向く。

 

 

「そんなに笑う事ねーだろ……」

 

「ふふっ……悪い、悪い」

 

「……和哉さん、そろそろ……」

 

「あぁ、そうだったな。……じゃあ、俺達はもう行くよ」

 

「……はい。……俺、そのうち予定空けて絶対にアメリカに行きますから!その時はいろいろ案内して下さい!」

 

「おう!良い場所をたくさん教えてやるよ」

 

「またな、新一」

 

 

 そう言って、俺達は新一に背を向けて搭乗口へと向かった。……その時ふと、シャーロキアンの秀一から聞いた話の中に、今の新一に当てはまる名前があった事を思い出した。

 俺はそれを伝えるために、振り向いた。

 

 

「新一。お前、まだホームズの足元にも及ばないって言ってたな」

 

「?……はい」

 

 

 ……それは、シャーロック・ホームズがコナン・ドイルにそう名付けられる前に付けられた仮の名前だと、秀一から聞いた。また、例の体が小さくなる薬もたまにこの名前で呼ばれていたらしい。

 "試作段階の名探偵"……今はまだ若い探偵である新一にぴったりだろう。

 

 

「なら――シェリングフォードだ。……こっちの方が、今のお前に当てはまるんじゃないか?」

 

「っ!!」

 

 

 目を見開いてこちらを見る新一に向かって、ニヤリと笑う。

 

 

「じゃあな、俺達のシェリングフォード。……いずれ、お前は必ずホームズを名乗れる程に立派な探偵となるだろう。その日を楽しみに待ってるぜ?」

 

 

 そう言った俺は、その後振り返らずに搭乗口へ向かって歩き始める。その隣に、秀一が並んだ。

 

 

「シェリングフォード、ですか。彼にはぴったりですね」

 

「だろう?お前から聞いた話を思い出してな」

 

「そして確実に、また1人落としましたね」

 

「うん?」

 

「……まぁ、彼なら構いませんがね。俺も特に気に入っていますし……」

 

 

 ……何の事だ?

 

 

 

 

「……くそ……あの天然たらしめ……!FBIの若手や公安の人達が落ちた理由が今分かった……!!」

 

 

 ……俺が秀一と一緒に立ち去った後、新一がそう独り言を言っていた事を、俺は知らない。

 

 

 

 

 

 

 





・実はかなり精神的に追い込まれていた、師匠兼飼い主

 赤井に説教され、最終的に今まで抱えていた不安が爆発。ポーカーフェイスも保てなくなり、逆に赤井に慰められるという情けない状態に。しかし、赤井の言葉で立ち直り、ついに"元"という言葉を撤回。師弟としての絆を結び直す。これからも頼んだぜ、愛弟子。
 ……しかし、だからと言って調子に乗っていいとは言っていない!手の甲にキスなんてキザな真似は女にやれ!!
 うっかりキュンとしちまったらどうしてくれる!?

 アメリカへ帰る前に新一を口説く…もとい、新一にエールを送った。期待してるぞ、シェリングフォード!


・盲目から目を覚ました弟子兼忠犬

 憧れるあまり盲目となっていた事を反省し、責任を持ってオリ主を慰める。俺の事でこんなにも悩んでくれていたのかと思うと嬉し…いやいや、不謹慎だ!!
 その後。愛弟子と呼ばれた事に感極まるあまり、忠誠を誓う騎士のように振る舞い、さらには調子に乗って手の甲にキスしようとしてオリ主の脳天チョップをくらう。さらなる忠誠心を示そうとしただけなので、後悔はしていない。

 オリ主がまた1人を口説く場面を目撃したが、俺のお気に入りなら許す。むしろ和哉さんの良さを語ってやりたい!(実は誰かに語りたくてウズウズしてた。)


・オリ主が恋しくなる前に自ら行動に出た、元黒の組織の幹部

 全部終わったらアメリカに帰る……?おい、公安。FBIに俺の身柄を引き渡せ!俺が寂しくなる前に!

 ヘッドロックされた。反省も後悔もしていない!!

・オリ主に口説かれた名探偵

 口説かれてコロッと落ちた。この天然たらしめ!
 でも光栄です、ありがとうございます!!シェリングフォードからホームズになれるように頑張ります!


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