長いので、前編、後編に分けました。
組織壊滅作戦編!いきなりクライマックスから始まります!
例のごとく捏造しまくりなので、注意して下さい。
また、今回は特にキャラ崩壊が激しくなっています。
「……っ……はぁ……っくそ……手間、取らせやがって……!」
今、俺は薄暗い地下にいる。……ここは、黒の組織の拠点内部だ。
キルシュを確保してから1ヶ月が経過した今日。ついに、組織壊滅作戦が実行された。
俺はパルクールのチームを率いて、降谷が率いる本隊が突入する前に潜入し、拠点内部で暴れる事で、奴らを撹乱させた。そうして俺達が陽動している間に、本隊が突入。その場をさらに混乱させる事に成功したのだ。
さらに、コナンが求めていた不老不死に関する資料を発見。その中には、"APTX4869"の事と思われる内容の資料も存在した。
その資料はパルクールチームの1人に預け、外で指揮を取っているコナンの元へ運んでもらった。今のところ、仲間内でこの資料の重要性を本当の意味で知っているのは、コナンの正体を知っている俺と秀一のみ。だからこそ、チームの皆はこの資料が本当に必要なのか疑問に思っていたようだが、俺達を信じて従ってくれた。ありがたい。
それから、俺達は互いに別行動を取り、本隊のサポートのために動き出したのだが……
「……まさか……その途中で、雑魚共の襲撃を受けるとは……」
今いる地下へと降りて来た瞬間、大勢の敵に襲撃された。敵自体はほとんど雑魚だったからどうにかなったが……思った以上に手間取ってしまった。それに、疲労もある。
襲撃される前の無線での報告によると、既に秀一や降谷達が幹部のほとんどを捕縛したそうだ。未だに見つかっていないのはジン、ラム、そして黒の組織のボスだけだ。……ウォッカとジンがセットじゃなかったのは意外だったな。ジンが子分を連れずに動いているという事は、もしかしたら何かを企んでいるのかもしれない。警戒が必要だ。
……疲労のせいもあるだろうが……警戒が必要だと考えていながら、俺は油断していた。
「とりあえず……疲労を回復させるためにも、しばらく、身を隠して――っ!?」
――だから、背後から近づく何者かがいる事に、直前まで気づけなかった。
気配を感じ、振り向いた瞬間に顎を捕まれ、同時に首筋に何かが刺さったのを感じた。
「ぐっ……!?」
即座に離れようとしたのだが、すぐに自身の体の異変に気づいた。
(――体が、痺れて……!?)
酷い痺れに襲われ、うまく動けなくなってしまった。そうして、何者かに簡単に捕らえられた。
「……くくっ……ようやく捕まえたぜ。お前が油断するその瞬間を待った甲斐があった」
「てめぇ……っ……ジン……!」
まずい……1番厄介な奴に捕まっちまった……!何で油断してたんだ、俺は!!
……いや。自分の過ちを今さら後悔したところで遅い!今は、状況を確認する事だけに専念しなければ。
その時、ジンが手に持っていた何かを捨てた。……それは注射器だった。まさか、あれの中身を俺の首に……!?
「何を、入れた!?俺の体に……!」
「あぁ……組織が独自に開発した、即効性の神経毒だ」
神経毒……!?だから体が痺れているのか。
今のところ足はなんとか動くが、抵抗できる程に万全ではない。それから、口も利けるようだ。しかし、それ以外の部位は全く駄目だ。痺れのせいで、うまく動かせない……!
「今は足が動き、声も出るようだが、それも時間の問題だろうな。そして徐々に痺れが強くなっていき――やがて死に至る。そんな毒だ」
「……っ!!」
死に至る。そう言われて、俺は息を呑んだ。死への恐怖がないと言えば嘘になる。しかし、それでも気になったのは……
「……何故、だ?」
「あ?」
「なんで、てめぇは……俺を、すぐに殺さなかった?」
そう。やろうと思えば、すぐに殺せたはずだ。こいつに背後を取られた時、俺は油断していたのだから。
……背後から突然攻撃されても、それに対処できる自信はあった。しかし、それでも無傷ではいられなかっただろう。
それに、さっきジンは"俺が油断する瞬間を待っていた"と言っていた。おそらく、雑魚共を俺と戦わせたのはこいつだろう。俺がその疲れで気が緩んだ瞬間を狙ったんだ。
そうしてわざわざ神経毒を使ってまでも、俺をしばらく生かしておく理由があるはずだ。
「てめぇには何か……俺を利用したい、理由があるんだろ?……何を企んでやがる……!」
「ふっ……さすが、赤井秀一の師匠なだけあって、頭の回転が早いな。……荒垣和哉。FBIの中でもそれなりにベテランの捜査官だそうだな?」
「っ!?」
馬鹿な……何故こいつは俺の事を知っているんだ!?
俺は秀一達とは違って、黒の組織の幹部とは1度も顔を合わせていない。だから、こいつは俺の名前も、俺がFBI所属である事も、秀一の師匠である事も知らないはず……!
俺達の中に内通者がいたのか!?……いや、だとすれば幹部やパルクールのチームだけが知っている情報以外が、こいつらに筒抜けになっているはず。それなら当然、今日という日を限界体制で迎えていただろう。……だが実際は、突入した時に見たこいつらは確かに油断していたんだ。
では、こいつはいつ俺の事を知った?そもそも俺の存在を知るきっかけがなければ、調べる事もできない。
きっかけがあったとすれば……
「……キルシュを確保した時か……!あの時てめぇは、どこかで……その様子を見ていて、秀一が生きていた事、そして俺の存在を知った……っ!それから、俺の事を調べたんだな……!?」
「くくっ……あぁ、そうさ。ビュロウの本部にハッキングを仕掛けてな。お前の情報を抜き取るのはさすがに骨が折れたが」
やっぱりか……!おいこら、うちのサイバー対策課!仕事しろよ!!
何て、無責任に怒ったところで意味はない。それに、俺達もあの時周辺をもっとよく調べていれば、ジンが入り込む隙を作る事もなかったかもしれない。
と、後悔していたその時。無線機から声が聞こえた。
「……和哉さん、赤井です!応答して下さい!」
「っ!!」
秀一!……合流場所と時間を決めておいたが、その場所に時間になっても俺が現れなかったから無線を使ったのか。
……っておい、ちょっと待て。よく考えたらこの状況はまずいんじゃないか?
秀一はキルシュ確保作戦の時に、俺がちょっと撃たれただけで暴走していた。その秀一が、俺が捕まって身動きが取れない状態である事を……しかも、それをやったのが宿敵のジンである事を知ったら……?
――結論。暴走待ったなし。
そう思って冷や汗を流した瞬間、ジンが俺から無線機を奪った。そしてもう片方の手で俺の口を塞いだ。
「和哉さん!?」
「――残念だったな、ライ。俺だ」
「っ!?」
ミシリ。と嫌な音が聞こえた。……もしや、秀一が無線機を握った音か?
「…………ジン、か」
「あぁ。俺だ。……無線で応えたのが大好きな飼い主じゃなく、俺だった時の気分はどうだ?」
「ふん……最悪に決まってるだろうが」
「くくっ……そいつは何よりだ」
……思ったよりも声は冷静だった。ひとまず安心。
「……和哉さんはどうした」
「お前の飼い主か?……何なら、声を聞かせてやるよ」
……何?
「まぁ、無駄だろうがな。……ほら。飼い犬に声を聞かせてやれ」
ジンが俺の口元に無線機を近づける。……嫌な予感がしながらも、秀一に声を掛けた。
「し、うっ…?…しゅ、…い、ち…っ!?……しゅ、……っ!!」
――声が、うまく出せない!?
喉に痺れを感じる!まさか、これが神経毒の……!?
「和哉さん?……っどうしたんですか!?和哉さん!!」
「ふっ……ほらな。無駄だっただろ?」
「っジン、てめぇ!その人に何をした!?」
「ははっ……そうだ……お前のそういう声が聞きたかったんだよ。感情が極限まで高ぶっているのがよく分かる、その声が!いい気味だ……!」
『うるせぇ!答えろ!!』
まずいな……間違いなく怒り狂ってる。……喉が痺れている状態でも、一音ずつなら声は出せそうだ。聞こえるか分からないが、言ってみるしかない!
『聞こえてるのか!?答えろって言ってんだろ!!』
「ス、テ、イ!!」
「っ!?…………ふー……
……よし。聞き取れたようだな。それに一旦冷静になってくれた。……こんな形でまた犬扱いする事になろうとは……
「くくくっ……!まさに忠犬だな。……いや、飼い主に危害を加える者に牙を向く狂犬か?」
「……もう1度聞くぞ、ジン。和哉さんに何をした?」
「いずれは死に至る神経毒を盛った」
「なっ!?」
「こいつを助けたいか?……なら、ここの最下層まで来い。……お仲間を引き連れて来ても構わねぇぜ?……じゃあな」
そう言って、ジンは無線機を破壊した。
「さて……最下層までエスコートしてやるよ、飼い主様?」
「……っ……」
……てっきり、引きずって連れていかれるのだとばかり思っていたが、そんな事はなかった。むしろ俺に合わせてゆっくり歩いている。さらには、俺が躓きそうになれば支えて止めていた。
……まさしく、エスコートだった。何のつもりだ?こいつ……
「……おっと。忘れる前に、こいつを渡しておくぜ」
「……?」
ジンは、俺の胸ポケットに何かを入れた。何を入れたんだ?
「そいつはな――」
……胸ポケットに入れた物の正体を聞いて、俺はこの男が何を考えているのかが、ますます分からなくなってしまった。
分からない……!こいつ、一体何を企んでる!?これを俺に渡したところで、何の得にもならないはず……!
「……ジ、…ン……!」
「あ?」
「な、……に、を……か、ん…が、え……て……!?」
「……俺は……見届けたいんだよ。……お前ら2人の結末を、な」
そう言った時の、ジンの表情は――
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赤井は今、必死に怒りと焦りを抑え、冷静になろうとしていた。それが、敬愛する師匠からの命令だったからだ。
その様子をパルクールチームのメンバー達や、合流した降谷が率いる本隊の者達が息を潜めて見つめていた。
(……落ち着け……落ち着け……っ!……和哉さんが"待て"と言ったのだから、冷静に、冷静に……!!)
そう考えつつ、自身の怒りの感情と戦い……ついに、それを抑え込んだ。
「…………ふー……」
息を吐き出した後、降谷達がいる方へ向き直った。
「……もういいか?」
「……あぁ。……ようやく、ある程度は落ち着いた」
「ある程度……か。もう暴れてくれるなよ。こちらは貴様を押さえ込むのに必死だったんだからな!」
「あぁ。分かっている。……主人の命令は守る」
「……シュウがそう言うと途端に安心できちゃうのが不思議だわ……」
降谷が言っていたように、赤井は先程まで仲間達の手で体を拘束されていた。そうでもしないと赤井の暴走を止める事ができなかったのだ。
しかし、それも荒垣が"待て"と言うまでだった。その命令が聞こえた瞬間、赤井は突然大人しくなった。……そして、ジンが荒垣に毒を盛ったと聞いた後も、なんとか冷静さを失わずに済んだ。
「……ジンは神経毒って言ってた……という事は今、荒垣さんは満足に動けない状態だって事だね。それも、声をうまく出せないぐらいに……」
「うむ。……そんな中で、よくぞ赤井君を正気に戻してくれたものだ……」
組織の拠点の外にある作戦本部にいるコナンとジェイムズが、無線機越しに言う。
今回、コナンは外から全体の指揮を取り、ジェイムズがその補佐役としてついていた。
「…………やっぱり、僕もそっちに…」
「「駄目だ」」
赤井と降谷が揃ってそう言った。一瞬、嫌そうな顔をした降谷が、コナンを諭す。
「それは駄目だよ、コナン君。君は司令塔なんだ。君に何かあったら、戦線は崩壊する」
「それに、和哉さんもよく言い聞かせていたじゃないか。作戦本部が安全である限り、そこから離れるな、と」
「そう、だけど…」
「そんな事より、ボウヤ。指示をくれ。一刻も早く……和哉さんを助けなければ!」
「……!……赤井さん……」
赤井の声が少し震えている事に、コナンは気づいた。そして、わがままを言った事を悔やんだ。
(赤井さんは表面上は冷静だが……きっと内心では荒垣さんの死を心から恐れている。そんな時に、俺がわがままを言って対処を遅らせてはいけない……俺は何をやってたんだ……!ごめん、赤井さん……)
心の中で赤井に謝罪したコナンは、さっそく指示を出す事にした。
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コナンの指示により、彼とジェイムズを除く幹部5人と、仲間の中から選び抜かれた精鋭達数人で荒垣を救出し、ジンを確保するために最下層へと向かう事になった。
何が起こっても対処できるよう、それ以外の人員の半分は、最下層へ続く階段の前で待機する。そして、残りの半分は引き続き組織のボスとラムの捜索、残党狩りを担当する。
……やがて、赤井達は最下層へ続く階段の前に到着した。
「……それじゃあ、俺達はここで待機してるぜ」
「カズヤの事、頼んだぞ!」
「言われずとも分かっている。……ボウヤ。聞こえたか?今から最下層へ突入する」
「うん。無線機はそっちの会話が聞こえるように、そのままでね!」
「あぁ」
「……行くぞ。暴走するなよ、赤井」
「和哉さんが"よし"と言うまでは大人しくしてるさ」
「…………ぶれないな、貴様……」
「ただし――いつでも噛みつく準備は、できているぞ?」
その時、降谷は初めて赤井に対して一瞬だが恐怖を感じた。
……赤井の目は、まさしく獣のそれだったのだ。緑の瞳を爛々と輝かせ、獲物に食らいつく瞬間を今か今かと待ちわびている。……それに、口元は笑っているのに、目は全く笑っていない。
「――殺すなよ?」
降谷のその言葉に対して、赤井は沈黙を貫いた。
―――
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階段を降り切って一本道を進むと、最奥にたどり着いた。既に扉は開いており、赤井を先頭にして全員が中へ入る。
内部は広かったが、置かれている物は少ない。……そのせいか、その部屋の奥でジンに背後から腕を回され、首にナイフを押し付けられている荒垣の姿がすぐに目に入った。荒垣は見るからにぐったりしており、立っているのがやっとという状態だった。
「……和哉さん……!」
赤井に呼ばれ、荒垣が目を開けた。そして口を動かし、何かを呟いた。……声は聞こえない。
(……まさか……もう声が出ない程に毒が回っているのか……!?)
赤井は内心の怒りと焦りを再び押さえ込み、ジンを睨んだ。
「ふっ……よく来たな。歓迎するぜ」
「ご託はいい。……和哉さんを返せ」
「まぁ、そう焦るな。まずは……」
すると、ジンが手元にあった何かのスイッチを押した。……その瞬間、赤井達の背後の扉が閉まった。
慌てて、扉の1番近くにいた風見が扉へと駆け寄るが……
「風見、どうだ!?」
「……っ!開きません!!」
続いて、キャメルも駆け寄って、風見と共に無理やり開こうと試みるが……
「駄目だ……開かない……!」
「ちっ……迂闊だったか……!どういうつもりだ、ジン!」
「あぁ……そういや、お前もいたなバーボン」
ニヤリと笑ったジンは、そのまま話を続ける。
「さて。荒垣和哉を解放したいのであれば、今から俺が言う条件を呑む事だな」
「……条件?」
「あぁ。……いるんだろ?お前達に指示を出している奴が。――そいつを引き渡せ。そうすれば、荒垣和哉を解放する」
「なっ……!?」
「そ、そんな事、できるわけないじゃない!」
「なら、こいつが毒で死ぬだけだ。……既に、荒垣和哉には時間が残されていない。この神経毒は体全体に回るのが早いからな。あと数時間の命ってところだろ。早く医者に見せないと助からねぇかもな」
「……っ……!!」
赤井達と、無線機越しに会話を聞いていたコナンとジェイムズが息を呑んだ。
その時、降谷がジンに問い掛けた。
「……もしも我々がこちらの司令塔を貴様に渡した場合、その司令塔をどうするつもりだ?」
「はっ……殺すに決まってるだろ?邪魔だからな」
「……貴様……っ!」
つまり、ジンはこう言っているのだ。
――荒垣を見捨ててコナンを助けるか、コナンを見捨てて荒垣を助けるか。
……要求されている側からすれば、選べるはずがない、究極の2択だった。
「そして、もう1つ条件がある。……この状況を呑むか、呑まないかを決めるのは――赤井秀一。お前だ。それ以外は認めない」
「何だと!?そんな事…」
降谷が反論しようとした瞬間、彼の顔の真横を銃弾が横切った。……いつの間にか、扉のスイッチを持っていたジンの手に拳銃が握られている。
「黙れ、バーボン。……これ以降、発言を許すのは赤井だけだ。もしも次にそれ以外の人間が口を開いたら……こいつの首を切るぜ」
するとジンは、その言葉通り荒垣の首に強くナイフを押し付ける。……荒垣の首から微量の血が滴る様子を見た赤井は、耐えられずに叫んだ。
「やめろ、ジン!!」
「くくくっ……!……ならば、どうするべきか……分かるだろ?」
「……っ……」
「……2分だけ、待ってやる。その間に決めろ」
赤井は、必死に考えた。この状況を打開する方法を。……しかし、何も思い付かずに1分が経過してしまった。……その時、無線機越しに声が聞こえた。
「……赤井さん……!」
「……っ!!」
コナンの声だった。……それは、何か用があって赤井を呼んだというよりも、無意識に出てしまったような声だった。
しかしそれが、赤井にとって契機となる。
(――思い出した。まだ沖矢昴として生きていた頃に、ボウヤから聞いたあの話を……!その話の中のボウヤと同じ行動を取れば、和哉さんを助けられるかもしれない!)
それは確かに、赤井にとって希望となった。……しかし、
(……今の俺に、できるか?和哉さんを人質に取られて、普段よりも冷静ではない、俺に……)
もしも、自分の選択で荒垣を傷つけてしまったら?失敗してしまったら?……そんな不安からつい、荒垣を見た。……目が合った。
「!?」
――荒垣の目から、強い意思を感じた。……彼は、まだ諦めていないのだ。
(ならば……俺だって諦めるわけにはいかない!他でもない、和哉さんが諦めていないのだから!!)
赤井は密かに、装備している拳銃に指を這わせた。
「赤井さん……やっぱり俺がそっちに…」
「早まるな、ボウヤ。俺は和哉さんもボウヤも、どちらも渡さない」
「え……?」
「……時間だ。……さぁ。答えを聞かせろ、赤井秀一!」
こっそりとコナンの声に応えた後、ジンがそう告げた。……既に、赤井の答えは決まっている。
「俺の、答えは――こうだ!!」
一瞬で銃を構えた赤井が放った弾丸は――荒垣の足に被弾した。
「――何っ!?」
誰もが驚いていた中、最も驚いていたのがジンだった。
赤井が予想外な行動を取った事。そして、その結果自身の腕の中から荒垣が崩れ落ちてしまった事。この2つの出来事が、ジンを動揺させた。……その瞬間を、赤井は見逃さなかった。
間髪入れずに2発目の弾丸を放ち、ジンが持っていた拳銃を弾いた。そしてすぐに3発目を放とうとしたその時……
「ぐっ!?」
赤井ではなく降谷が発砲し、今度はナイフを弾いた。そして間髪入れずに肩を狙って発砲。被弾した瞬間に声を荒らげた。
「――総員確保だ!!」
訓練された精鋭達は、その声に従って即座にジンを確保した。
その間に、赤井は荒垣の元へ向かう。
「和哉さん!和哉さん!……っ和哉さん……!!」
荒垣を抱き起こし、必死に呼び掛けると、荒垣は口を動かして何かを伝えようとしている。
赤井は以前荒垣から教わった読心術を利用して、それを読み取った。
(……む、ね、ぽ、け、と……げ、ど、く、ざ、い…っ!?)
――胸ポケットに解毒剤!!
「失礼します!」
すぐさま荒垣の服の胸ポケットを探り、解毒剤を入手すると、それを慎重に荒垣の体へ使用する。
……やがて、荒垣の体調が落ち着いてきたようだ。顔色が少しずつ良くなっている。
「……ぁ…………しゅ、う、いち……」
「!……っはい!何ですか、和哉さん!」
「……し……しん、じて、た……」
「……っ……っ!!」
……既に涙目だった赤井は、その一言でついに一粒の涙を落とした。
「……あなたが無事で、良かった――本当に……良かった……!!」
すると荒垣は目を見開いた後すぐに、仕方ないとでも言いたげに、困ったように笑ったのだった。