忠犬と飼い主~本編~   作:herz

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忠犬、赤井秀一5~後編~

 

 

 ふと、目を覚ますと、白い天井が目に入った。……どこだ、ここ?

 

 

 

 ……どうやら俺はベッドの上で寝ていたらしい。起き上がろうとしたが、体がいつもより重く感じたため、止めた。代わりに寝返りをする。

 ……椅子に座り、目を閉じて船を漕いでいる美形が目に入った。……秀一だ。……あれ?こいつ頬に湿布が貼ってある。そんな怪我してたか?……って、そういえば俺は……

 

 

「……あー……そうか、俺は……」

 

 

 あの時、秀一に抱き起こされた後に意識を失ったんだったな……

 そう思いつつ、その時の事を思い出す。

 

 あの時、俺は秀一を信じた。秀一1人に任せる事を心苦しく思ったが、こいつならこの状況を打開してくれる筈だと、そう思ったんだ。……まさかあんな形で解決してしまうとは、想像もしていなかったが。

 たった2分でそれを思い付いた秀一は、やはり天才だと思う。

 

 すると、秀一が目を覚ました。……まだ寝惚けているのか、目を擦りながらぼーっとした顔で俺を見ている。

 

 

「……おー、おはよう。ねぼすけ」

 

「……おはよう、ございます」

 

「うん」

 

「……和哉、さん?」

 

「おー」

 

「…………っ、和哉さん!?」

 

 

 お、覚醒した。

 

 

「和哉さん……和哉さん、良かった……!あれから3日も眠ったままで……!」

 

「3日、だと!?」

 

 

 ねぼすけは俺の方だったか!

 

 

「とりあえず、ナースコールを押します」

 

「ナースコール……あぁ、ここ病院か」

 

「そうですよ。何を寝惚けているんですか。……いえ、3日も寝ていればそうなりますよね、すみません」

 

 

 こら、自分がさっきまで寝惚けていた事を棚に上げるな。

 何て心の中で文句を言っていたら、すぐに医者と看護師がやって来て、秀一は邪魔だからと無理やり退出させられた。

 

 

 ……やがて、簡単な診察を終えた。医者の話によれば、どうやら薬は抜けているらしく、体も健康体だという。また、秀一に撃たれた足の怪我も致命傷にはなっていなかった。秀一はうまくやってくれたらしい。

 念のために今日1日は入院するように言われたが、明日には退院していいそうだ。ただし、しばらくは定期的に通院するようにと言われた。

 そして、その医者から気になる話を聞いた。

 

 

 その医者は、こちらの事情を粗方把握している協力者の1人だった。

 そのため、作戦中に見つけた例の不老不死に関する資料の中に、俺に盛られたと思われる神経毒についての詳細が書かれたものを見つけたコナンが、それを医者に渡して俺の治療をするように頼んだ。

 その資料には、ジンが説明していた効果が書かれていたが、1ヶ所だけ、内容が違っていた。

 

 ――その神経毒は、致死性の毒ではなかったのだ。

 

 確かにかなり強い毒なのだが、その資料には致死性の毒だとは書かれていなかったという。……資料の方に嘘が書かれていたのかと聞けば、それはないと答えられた。

 あの後、組織の拠点から俺に盛られた毒薬と同じ物を入手する事に成功し、その毒薬の成分を調べた結果、資料の方が正しい事が分かったらしい。

 

 ……一体、どういう事なんだ?

 

 

 俺が疑問に頭を悩ませていると、病室のドアがノックされた。入室を促すと、秀一を先頭に幹部達7人が入って来た。

 

 

「荒垣君!無事に目覚めてくれたようで何よりだ」

 

「おう、ボス。ありがとう。……まさか3日も眠っていたとは思わなかったが……」

 

「心配したのよ!?全く目を覚まさなかったから……」

 

「本当に……無事で良かったです……!」

 

「ジョディとキャメルも、心配掛けて悪かったな」

 

 

 3人揃って涙目になっているのを見るに、相当心配させたのだろう。……本当にすまない。

 それから、他の4人にも声を掛ける。

 

 

「お前らも、悪かったな。面倒を掛けた」

 

「えぇ、全くですね!あなたが眠っている間に赤井が面倒くさかったんですよ!あなたは何も悪くないですけど愚痴ぐらいは聞いて下さい!!」

 

「お、おう……?」

 

「あっ……あー……」

 

「あ、ははは……は……」

 

 

 風見は納得したように何度か頷き、コナンは疲れたように空笑いをしていた。

 

 ……以下は、降谷の不満恨み辛み怒り呆れ等を抜いて俺が要約した、秀一の3日間の様子である。

 

 

 まず1日目。秀一は仲間達と共に作戦終了後の後始末をしていた。しかし、隙あらば俺がいる病室へ行こうとしていたらしい。その度にそれを阻止する降谷との攻防を繰り広げたそうだ。

 時には口論で、時には無言のやり取りで、時には肉体言語で…っておい。それは喧嘩だろ!いい年した大人2人が何やってんだか……

 

 2日目。痺れを切らした秀一が、降谷を本気でぶん殴って俺がいる病室へ直行した。この馬鹿野郎!何やってんだ秀一!?

 ……って事は降谷の頬に貼ってある湿布はそれのせいか?記憶が少し曖昧だが、俺が気絶する前に見た降谷の顔にはそんな怪我はなかった気がする……すまない、降谷。本当にすまない……!

 そしてその日も目を覚まさなかった俺を心配して、秀一は病室から一歩も動かなかったそうだ。ご丁寧に、自分がやるべき書類仕事だけは全て持ち込んで。

 

 3日目。秀一はその日も病室から一歩も動かなかった。ジェイムズを筆頭に、FBIの皆が説得したのだが、それでも駄目だった。

 さらに、その時に秀一が1日目から一睡もしておらず、まともな飯も食っていない事が発覚した。それを聞いた降谷が激怒。秀一を一発殴って病室から引きずり出し、降谷の手料理を食べさせて、無理やり仮眠室に押し込んだ。……おそらく、秀一の頬の湿布はこれが原因だろうな。

 降谷曰く……しっかり食べて寝てなきゃ荒垣さんが悲しむだろうが!ついでに貴様が使い物にならなきゃ仲間達と俺が困る!……だ、そうだ。降谷、お前いい奴だな……!?

 

 あえて、ツンデレだな、とは言わないでおく。

 

 

 ……長くなってしまったが、これでも短くなった方だ。降谷の不満恨み辛み云々を入れたらもっと長くなってしまう。……さて、とりあえずはお説教だな。

 

 

「なるほどなぁ……よーく、分かった。……秀一、Sit(座れ)

 

Yes Master(ハイ、ご主人様)

 

 

 俺のベッドの横の床に、秀一が正座で座った。……正座で座るあたり、こいつも反省はしてるのか?

 

 

「俺が何を言いたいのか……分かるよな?」

 

「はい……」

 

「なら、今自分がすべき事も……分かってるだろ?」

 

「分かっています」

 

「よし。やれ」

 

「はい!」

 

 

 すると、秀一は降谷達がいる方へ正座をしたまま向き直り、深々と頭を下げた。見事な土下座の出来上がりだ。……いや、そこまでやれとは言ってないが……まぁ、いいか。

 

 

「!?」

 

「えっ、ちょ、赤井さん!?何やってるの!?」

 

「……皆に多大な迷惑を掛けてしまい、本当にすまなかった。特に、降谷君には重ねて謝罪と感謝を。あれだけの事をしたのに見捨てずに食事まで作ってくれて、本当にありがとう」

 

「……別に、荒垣さんのためにやったのであって、貴様のためにやったわけじゃない」

 

「それでも、だ。……ありがとう」

 

「……っ……だぁー!もういいから土下座をやめろこのバカ井めどういたしましてっ!!」

 

「……あぁ。そうする」

 

 

 そう言って、秀一は立ち上がった。どうやら話がまとまったようだな。

 

 

「……俺からも謝る。秀一が迷惑を掛けてしまってすまなかったな、降谷」

 

「いいえ。荒垣さんは悪くありませんから。この貸しは、このアホ井の仕事を倍にする事で返してもらいますので、ご心配なく!」

 

「仕事が、倍に……」

 

「何か文句でも?」

 

「…………いや、ない」

 

 

 苦々しげな表情を見せる秀一。……お前、書類仕事はあまり好きじゃないもんな。まぁ、頑張れ。

 

 それにしても……

 

 

「秀一にも、心配掛けちまったな。悪い」

 

「いえ、そんな……おそらく和哉さんがジンに狙われたのは、俺のせいです。だから、むしろ俺の方が謝らないといけません」

 

「いや。それは必要ない。お前のせいだとは思ってないからな。……それに、奴は俺の事も始めから狙っていたんだと思う」

 

「!?……それは、どういう事ですか?」

 

 

 秀一が険しい顔で俺を見つめている。ふと見れば、コナン達も説明しろと目で訴えている。

 ……そういえば、こいつらはまだ俺とジンの会話の内容を知らないんだった。

 

 

「……キルシュを確保した日、奴はどこかでその一部始終を見ていたらしい。そして秀一が生きていた事と、俺の存在を知った。それからうちの本部にハッキングを仕掛けて、俺の事を調べ上げた」

 

「なっ……本当ですか、それは……!」

 

「あぁ。本人がそう言っていた」

 

「……ちょっと、待って下さい。ジンがあの日の一部始終を見ていたとしたら、何らかの報告を上げているはずです。特に、赤井の生存について。でも幹部にも下っ端の構成員にも、そんな情報は共有されていない!何故だ……?」

 

「それは、俺にも分からない。ジンに直接聞かないことには……そういえば、今取り調べしてるんだろ?何か話したか?」

 

 

 俺は降谷にジンの取り調べについて聞いた。

 

 

 今回の作戦において、FBIは公安に対して借りを返さなければならなかった。その借りとは、ホームでもないのにFBIが許可を取らずに勝手に捜査をしてしまった事だ。

 

 そのため、うちと公安が交渉する事になった。その交渉役を任された俺が降谷と話し合った結果、重要参考人の取り調べは公安側が先にやる事、そしてその身柄を預かる際は公安側の意見を優先させる事を条件に、借りを返す事となった。当然、ジンは重要参考人であるため、この条件が適用される。

 

 ……実は、この条件を提案したのは俺の方だった。降谷はFBIが不利になる条件を俺から提案した事に酷く驚いていた。無理もない。そんな交渉なんて滅多にないからな。

 

 

 俺としてはどう考えてもこちら側に非があったとしか思えない。確かに、こちらもなりふり構っていられなかったからやった事だが、だからと言って許される事ではない。

 

 そんな事よりもFBIと公安が不仲になってしまう事の方が大問題だ。今後もしも同じような事があった時に協力を求める事ができなくなる。1度なくなった信用を回復させる事は非常に難しい。……という事をうちの連中に説明し、根気よく説得する事で納得してもらった。

 

 ……とはいえ、納得したのはあくまで今回の作戦に参加した連中だけだ。あらかじめ"作戦中の全ての判断は現場に一任する"と言質を取っていたが、アメリカに戻ったら上層部からのお叱りと、風当たりの強い日々が待っているだろうな。やれやれだ。

 

 まぁ、こちらが不利になる条件を提案する代わりに、今後は公安と友好的な関係を築きたい、という事を伝えて了承してもらったから、それで我慢してくれ。

 

 

 ……おっと、閑話休題。

 

 

「FBIに教える気はない。……と、言いたいところですが、交渉の件であなたには個人的に恩があるので、特別に答えましょう。……実は、一言も話さないんです。何を聞いても、反応しません。……無論、諦めるつもりは全くないですけど」

 

「……そうか。……やっぱりよく分からねぇな、ジンの野郎は。奴が俺を捕らえていた間も何を考えているのかがさっぱりだった」

 

「そういえばまだ話の途中だよ、荒垣さん。ジンとの間に何があったの?」

 

「おぉ、そうだったな」

 

 

 忘れてた。すまんな、コナン。

 

 

「じゃあ、作戦中に秀一がジンと無線機越しに話した後の事を話そう。……あの後、ジンは俺を最下層まで連れて行ったんだが……妙に、優しかった」

 

「…………は?」

 

「いや、それがな?奴は体全体が痺れてうまく歩く事ができなかった俺の歩く速度に合わせてゆっくり歩いて、しかも俺が躓きそうになったらその度に支えて、さらには階段を降りる時は抱えて降りてくれて…」

 

「ちょ、ちょっと待って下さい!今誰の話してます?」

 

「だからジンの話だって」

 

 

 まぁ、そう聞きたくなる気持ちはよーく分かる。

 俺も今回初めて奴と話したが、最初の印象はいきなり毒薬盛られたから最悪だったし、ジンの話は秀一達からも聞いていて恐ろしい男だと思っていた。

 だからこそ、行動が予想外すぎて俺の考えていたジンのイメージがぐらついている。

 

 

「それに、まだあるぞ」

 

「え、まだあるの!?」

 

「あぁ。……秀一。お前、俺の胸ポケットから解毒剤が出てきたのは、何でだと思う?」

 

「それは……和哉さんがジンと交渉して手に入れた……というわけではないですよね。あなたは毒薬のせいでまともに話せなかったはずですし。……という事は……」

 

「そう。……俺の胸ポケットに解毒剤を入れたのはジンだ」

 

 

 最下層に行く前。ジンは忘れないうちに、と俺の胸ポケットに何かを入れた。それが、俺に盛られた神経毒の解毒剤だったのだ。

 

 

「そもそも、その神経毒も致死性のものじゃなかったしな……」

 

「……そうでしたね」

 

「……わけが分からなかったから、ジンに聞いたんだ。何を考えているんだ、ってな」

 

「ジンは何と?」

 

「……俺と秀一の結末を見届けたいんだ、と」

 

「カズヤとシュウの……結末?」

 

「……それは、最後に俺が選択を迫られた時の事が関係しているのでしょうか?」

 

「多分、な」

 

 

 ……秀一がどちらを選ぶのか、そして俺がそれに対してどんな反応を見せるのかを見届けたかったのか……?

 

 その時ふと、思い出した。俺がジンに何を考えているのかを聞いて、それに奴が答えた時の表情を。

 

 

「……見届けたかった……というよりも、期待していた、のか?」

 

「えっ?」

 

「和哉さん?それはどうゆう……?」

 

「……ジンは、俺に何を考えているのかと聞かれて、それに答えた時に、何かを期待しているような……そんな表情を見せてな」

 

「……本当に、そんな表情を見せたんですか?あの仏頂面のジンが?」

 

「いや……あり得ない話ではないよ、降谷君。荒垣君は、以前の仏頂面の赤井君の表情の微妙な変化を読み取る程の観察眼があったからね。ジンの表情も読み取れたのかもしれない」

 

 

 いやいや。大袈裟に言わないでくれよボス。よく見れば昔の秀一の表情も割と分かりやすかったぞ?……今はむしろ分かりやす過ぎるが。

 ジンの表情だって、今回のは誰が見ても分かりやすいものだったと思う。

 

 

「それが本当なら、荒垣さんはかなりの観察眼を持っている事になりますね……いや、今はそれよりもジンの事です」

 

「あぁ。……和哉さん。ジンは何を期待していたと思いますか?」

 

「それは……直感でもいいのか?」

 

「えぇ。むしろ、それが聞きたいんです」

 

「分かった。……奴は、秀一が俺を助ける選択をする事を期待していたんだと思っている。……根拠はない。本当に直感だ。ただ……」

 

「ただ……何ですか?」

 

「……ジンの身に、俺に対して優しくなったり、解毒剤を前もって渡したりするといった変化をもたらす"何か"が、あったんじゃないか、とも思っている」

 

「…………なるほど」

 

 

 秀一は1つ頷くと、降谷を見た。

 

 

「降谷君。ジンが何も話さないというのであれば、その周囲の人間にここ最近のジンの変化について聞いてみたらどうだ?そして、君自身もバーボンとして奴に会った時に何か気づいた事がなかったかどうか、今一度考えてみるといい」

 

「はぁ?何故貴様にそんな事を指示されなければいけないんだ!」

 

「まぁ、騙されたと思ってやってみろ。……こういう時の和哉さんの直感は、恐ろしい程に当たるんだ」

 

 

 え、俺?……確かに、勘は良い方だなと自分でもたまに思うが……

 

 

「…………いいだろう。やってやろうじゃないか。だが勘違いするなよ!俺は貴様の言葉に従うんじゃない。荒垣さんの勘を信じて動くんだからな!」

 

「分かった、分かった。そうだな、君が俺の言葉に従う理由はないからな、そうだよな」

 

「そうだ!分かっているじゃないか!」

 

 

 ……降谷の奴、秀一が棒読みで言っている事に気づいてないのか……?

 

 

「……ところで、荒垣さん」

 

「お、う。……何だ?」

 

 

 さっきまで秀一に般若顔を向けていたというのに、一瞬で普段の真面目な顔に戻った。……それ、もう一種の顔芸みたくなってるぞ、降谷……

 

 

「あなたは、あの時赤井に撃たれましたよね?」

 

「っ!!」

 

 

 視界の端で、秀一が一瞬だけ体を揺らしたのが見えた。

 

 

「……あぁ。そうだな」

 

「そうだな、って……何も思わないんですか?……結局、あの後すぐに荒垣さんが気を失った事でそいつがみっともなく狼狽えたので、何故荒垣さんを撃ったのかを聞けなかったんですが……あなただって、その理由が気になるのでは?」

 

 

 気がつけば、その場にいた全員の視線が俺に集まっていた。

 

 

「――いいや?別に。もう分かってるから聞く必要はないしな」

 

「和哉、さん?」

 

 

 秀一が、不安そうな顔で俺を見ている。……ったく、しょうがねぇな……

 

 

「……そこで不安そうにしてる奴がいるから答えるが……あの時の俺は立っているのがやっとだった。足を撃たれれば、当然崩れ落ちる。そうなれば、こいつが俺に銃を向けた時点で動揺していたジンが、さらに動揺する。あとはそれを利用して凶器を銃弾で弾くだけだ。――つまり。秀一は俺を助けるために、俺を撃ったんだ。……そうだろ?」

 

「……そうです……」

 

「ほらな。やっぱりそうだった」

 

 

 あえて得意げに笑ってやると、コナンが口を開いた。

 

 

「赤井さん。もしかして、僕が前に話したあの事件の話を……」

 

「……あぁ。そうだ。それを見習わせてもらったよ」

 

「あの事件って、何です?」

 

「えっとね……」

 

 

 コナンが、毛利小五郎の知人の中でも、名前に数字の入った人間が狙われた事から始まり、最終的にその娘の毛利蘭が人質に取られてしまった事件について話した。

 コナンはその時、人質になった毛利蘭を助けるために彼女の足を撃ったのだと言う。おい、こら。銃を使うのは危ないだろう!

 と、俺が怒るまでもなく、降谷達が叱っていた。秀一も頷いていたのを見るに、おそらくこいつも話を聞いた後で叱ったんだろうな。

 

 

「……まぁ、話は分かりました。しかし、あなたは赤井を責めても許されると思うんですがね……当たり所が悪ければあなたも無事では済まなかったはず……」

 

「責める?何を責める必要があるんだよ。あの時俺は、自分の命運を秀一に預けるしかなかったんだ。そんな責任を押し付けちまった事に謝りはするが、責める事はしない。それに……」

 

「それに?」

 

「――俺は秀一を信じていた。こいつならきっと、あの状況を打開してくれるはずだ……ってな」

 

 

 そう言って、ちょうど手の届くところに座っている秀一の頭があったので、軽く手を置いて撫でた。

 すると、秀一は俺の手をそのままに、自分の両手で顔を覆って俯いてしまった。

 

 

「ん?……ど、どうした?」

 

「すみません……すみません、放って置いて下さい。今みっともない顔になっていると思うので……」

 

「赤井のみっともない顔、だと!?……よし、見せろ。今すぐ見せろ!思いっきり笑ってやる!」

 

「!?おい、何をするんだ降谷君、やめろ!」

 

 

 と、いい年した2人の男が攻防を繰り広げた(じゃれあった)結果、降谷が勝利した。

 

 その顔を見た瞬間、宣言通り降谷は大爆笑。結果的に顔に湿布を増やす事になった。……こればかりは、自業自得だな。というかお前らやっぱり仲良いんじゃないのか?

 

 

 

 

 

 






・忠犬の頭をなでなでした師匠兼飼い主

 雑魚共の対処に夢中になっていた俺は、背後から近づいてくる奴らの仲間に気がつかなかった!俺はその男に毒薬を盛られ、気がつけば……体が痺れてしまっていた!(例の定型文より)
 また、その後のジンの対応を全力で怪しむ。……ジンが優しい、だと……!?何を企んでいる!?


 自分が寝ている間の赤井のご乱心を聞いて唖然。何やってんだよ秀一!皆に謝りなさい!……って、土下座?いや、そこまでやれとは言ってないんだが……
 その後、改めてジンの行動について皆に説明する。結果的にますますジンのイメージがよく分からないものになってしまって混乱中。


 降谷に赤井がオリ主を撃った事について聞かれ、正直に心境を答えた。責める?そんな事するかよ!感謝はするけどな。さらに赤井を信じていたと堂々と口にした。お前ならやれるって信じてたぜ(頭なでなで)
 するとすぐに赤井が顔を隠してしまったため、首を傾げた。……どんな顔してたんだ?気になるな……


・決して見せられない顔になった弟子兼忠犬(キャラ崩壊が激しい奴その1)

 オリ主を人質に取られて激怒。しかしオリ主の指示に従って辛うじて冷静さを取り戻した。
 その後、最下層でオリ主のぐったりした様子を見てジンへの怒りが増した。できる事なら殺してやりたい……!!また、選べるはずのない2択を迫られ焦るが、土壇場で第3の選択肢を取る。どちらか一方を選択できないのなら、新たな選択肢を自分で作ればいいじゃないか!
 無事に助ける事ができたオリ主に"信じていた"と言われ、つい泣いてしまった。


 3日間のご乱心について、心から反省した。日本では土下座が最も分かりやすい謝罪だと聞いたんだ……
 オリ主自身もジンに狙われていたと聞いて驚愕。また、オリ主が捕まっていた間のジンの行動を知ってさらに驚愕。……和哉さんには優しかったとしてもお前だけは決して許さん。


 降谷がオリ主に自分がオリ主を撃った事についての心境を聞き始めたため、内心嫌われたんじゃないかと怯えていた。……しかし、それが杞憂だったと知り、さらには改めて信じていたと言われながら頭を撫でられて、決して見せられない顔になってしまった。やめろ降谷君!無理やり手を剥がそうとするんじゃない!!
 だがしかし、結局見られて大爆笑されたために、思わずぶん殴った。……俺は悪くない……!


・再び殴られた元トリプルフェイス(キャラ崩壊が激しい奴その2)

 今回、ほとんど何もできなかった事を内心、心苦しく思っている。だからこそ、状況を打開できるチャンスを作った赤井の行動に、すぐに合わせる事ができた。


 赤井の3日間のご乱心に対して苦心する。大人しくしてろ赤井秀一ィィ!!……しかし、苦労させられたにも関わらず決して見捨てる事はしなかった。べ、別にお前のためじゃないからな!……なお、このツンデレは赤井に対してのみ発動する模様。


 赤井曰く、みっともない顔を無理やり見て、さらには大爆笑したために再びぶん殴られた。赤井がどんな顔をしていたのかは、降谷のみぞ知る……




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