DDS 真・がっこう転生 MythLive 作:想いの力のその先へ
では第十九話をどうぞ。
ジャックたちの活躍もあり、なんとか安全を確保した学園生活部。
死んだと思われていた悠里が後輩やジャックたちに救助されていたことにより、学園生活部にとっては結果的にではあるが大団円と言える状況だった。
特に胡桃にとっては、あの時見殺しにするしかなかった彼女が生きて、無事であることに涙ぐんでいる有様だった。
そして、学園生活部を含めた一行は安全地帯である放送室に移動していたが、その中で胡桃はあの絶望的な状況からどうやって悠里が生還できたのか、その事を彼女に問いかけていた。
「りーさんが無事で良かった。でも、あの状況でどうやって助かったんだ?」
その胡桃の問いかけに、悠里はうふふ、と優しく微笑みながらその時の事を話す。
「ええ、そうね。あの時は──」
胡桃が去った後、悠里は俯き嗚咽を漏らしていたが、そんな事はお構いなしにかれらが彼女に覆いかぶさるように迫ってきた。
彼女自身、その事には気付いていたが、気付いていたからと言って何か出来るわけでもなく、心中には絶望と、そしてそれ以上に瑠璃に会えないという悲しみの気持ちでいっぱいだった。
そしてかれらのうち、一体がとうとう悠里の側まで近付いてきた。後少しでかれらに噛みつかれて悠里もかれらの仲間入りを果たすだろう。その事を理解した悠里は。
(いや、だなぁ。……せめての時は、くるみやアレックスさんが私を終わらせてくれるのかな)
そう思う悠里の脳裏には、昨日の、自身の想い人を再び喪い、それでも気丈に振る舞っていた胡桃の姿が思い浮かぶ。
(また悲しませちゃうなぁ……。るーちゃんの事といい、くるみの事といい、私は結局、何も出来なかったのね)
二人に対する申し訳無さ、そしてそれでも何も出来ない自分自身の不甲斐なさに虚無感を抱く悠里。だが、だからといってこの状況が好転するわけでもない。
そう思っていた悠里だったが、しかし──。
彼女の心の中が絶望に支配されかけていた、その時。
自身の胸元から暖かい光が淡く、しかし同時に力強く輝き出す。
その事に驚き、上擦った声を出す悠里。
「え?! な、なに! なにが──」
その悠里の声をかき消すように、光が風船のように膨れ上がると、次の瞬間には破裂したかのように周囲に拡散する。
そしてその暴力的なまでの光に思わず目を瞑った悠里は気付かなかったが、その光に触れたかれらはもれなくその身を焦がし、塵芥へと還っていく。
その光景はまるで不浄なる者の存在を許さないと、そう言わんばかりの神の裁きにも見えた。
しばらくすると極光とも言うべき光の奔流も収まり、付近が普段の光量に戻ったことに気付いた悠里は恐る恐る目を開くと周囲を見渡す。その周囲にはそこかしこに
その事に疑問を覚える悠里だったが、どうしてか胸元がぽかぽかと温かいことに気付く。
その違和感と、そして過去に大僧正に御守のことを問われたことを思い出した悠里はハッとした表情を見せると、自身の首に掛けた御守を胸元から取り出す。
胸元から取り出した御守は、かつて見た時とは違い淡く光り、そして人の心を落ち着かせるかのように、まるで愛しい人に抱きしめられているかのような温かさを感じた。
懐から出した御守を見て悠里は晴明との出会いを思い出す。
確かに、あの時彼はこれを持っていればご利益があると言っていたが。
「でも、まさか本当に守ってくれるなんて……」
正直、悠里にとってこの御守、そして彼の言葉は気休めか何かだと思っていた。その後、現れた大僧正が法力と呼んだ理外の力、それを見てからは多少は信じていたがまさかここまで凄まじいものだったとは予想もしていなかった。
その時、遠くで物音が聞こえてくる。
「くっ、そう言えば、まだこんな呑気にしている場合ではなかったわね」
今の悠里はあくまでも、直前の危機が去っただけで、まだ危機的状況を脱したわけではない。その事を思い出した悠里はまず倒れてきたバリケードから、足を引き抜こうとするが。
「痛ぅ。……これは、まずいわね」
引き抜く以前に、身じろぎをした瞬間に挟まれた足から鋭い痛みが走る。どうやら折れてはいないようだが、もしかしたら骨に罅くらいは入っているかもしれない。
そんな事をしている合間にも少しづつ物音は近付いてきている。早く脱出しないとまずいのだが、しかし。
「こうも踏ん張りがきかないと……」
痛みの所為か、体に力が入らずにバリケードを少し浮かせるのにも難儀する悠里。
その時、悠里の耳に物音以外の音、具体的に言うならば人声が微かに聞こえてくる。
「ジャ────ん、本当に────あってるの?」
「うん。こっ────が聞こえたよ? それと何か────音も」
その声は段々こちらに近付いてきているようであった。そしてその声の主たちは遂に悠里を発見したようで。
「あ! 本当に居たっ!」
「圭っ、それよりも様子がおかしいから助けに行かないと」
そんな声を発すると同時に、ぱたぱたと複数の足音が聞こえてくる。
その足音の主たち。そのうち二人はアレックスと同じ制服、つまり巡ヶ丘学院高校の生徒で、なおかつ悠里の後輩であることは明白だった。
そして二人の他にも駆け寄ってきた女性たち。そのうちの一人は全体的に際どい服装をした白銀の髪の女性、もう一人は妹と同い年にも見える銀髪で襤褸切れのような外套をまとった少女。そして最後の一人は──。
「──りーねえっ!」
「……るーちゃん? るーちゃんなの、本当に!」
悠里の妹である若狭瑠璃その人であった。
その姿を見た悠里は、瑠璃に駆け寄りたい一心で痛みなど一切構わずに無理矢理バリケードから抜け出そうとするが。
「痛っ、……こんなのでっ!」
抜け出そうと痛みを堪えて藻掻いていた悠里だったが、そこにストップの声が掛かる。
「……あ~、そこの貴女。あまり無理しないほうが良いですよ?」
「……え?」
その声を聞いた悠里が、声の主に顔を向けるといつの間にか際どい服装の女性がすぐ側に立っていた。
驚いた悠里が、先ほどまで女性が走っていたはずの地点に目を向けると、そこには悠里と同じように驚いている後輩二人と妹の姿があった。
尤も、この女性はその様な事は一切気にせずに顎に手を当てて何事かを呟いていた。
「ん~……。この邪魔なのを持ち上げてもいいですけど、ちょっと面倒くさいなぁ。って、事でジャック。この邪魔なのを適当に切り裂いてくださいな」
「…………はぁい」
女性がそんな事をいつの間にか横に来ていた少女に告げる。すると少女は呆れた顔で女性を見ながらも了承の返事をして──。
「え、ちょっ!」
いつの間にか逆手に構えていた大型のナイフを慌てふためく悠里に、正確にはバリケードに押し潰された彼女の足付近に対して振るう。
そのまま少女の腕の軌跡をなぞるように銀閃が数度煌めく。そして一瞬、間を置いた後にまるで唐突に時が動き出したかの如くゴトリ、と悠里の足を避けるようにバリケードが解体された。
「うんうん。やっぱりこちらのほうが楽でいいですね」
と、満面の笑みで頷く女性。そしてその女性はしゃがみ込むと悠里に話しかける。
「それで、貴女があの子。瑠璃ちゃんのお姉さんの悠里さんでいいんですね?」
女性に問いかけられた悠里は呆然としながらコクコクと頷きつつ肯定すると、彼女に対して疑問を告げる。
「え、ええ、そうです。それで、あなた達は一体……」
「私はカーマ、それでこっちがジャック。それとその他大勢ですよ?」
「ちょっと、カーマさん! その他大勢ってなんですかっ!」
悠里の質問にカーマはニマニマ笑いながら彼女に告げる。おそらく冗談で言ったのだろうが、その言葉を聞いた後輩の一人が憤慨したようにツッコミを入れる。
そのツッコミにカーマはエサに食いついたとばかりに妖しい笑みを浮かべると、圭と呼ばれた少女をからかうように語りかける。
「えぇ? だって戦力としては私とジャックだけで、あなた達がここに居るのは避難の意味合いが強いですからねぇ」
「……むむむ」
「圭、むむむとか言ってないで」
そんな二人のやり取りをどこか呆れたように、曖昧な笑みを浮かべながらツッコミを入れつつもう一人の後輩が悠里に話しかける。
「えっと先輩、はじめまして。私は二年の直樹美紀、こっちは同学年の祠堂圭です」
そう言って自己紹介を始める美紀。そしてその中で自身の名が出たことで圭も慌てて悠里に頭を下げる形で挨拶する。
そのやり取りで毒気を抜かれたのか、悠里はくすりと笑うと自身も名前を告げる。
「ええ、美紀さんに圭さんね。知ってるかもしれないけど私はるーちゃんの姉で、ここの三年の若狭悠里よ。カーマさんも、妹を助けてくれてありがとうございます」
悠里はそう言いながら妹を保護してくれていたであろう彼女に礼を告げる。その言葉を受けたカーマはどこか気不味げにしながら悠里に頭を上げるようにお願いする。
「ああ、そんなの良いですから。頭を上げて、ほら」
「それにそもそもるーちゃんを助けたの、カーマちゃんじゃなくて、おかあさんとわたしたちだもん、ねっ」
「うぐっ」
カーマは気不味げにしていた理由をジャックにズバリと突っ込まれて呻き声を上げる。
しかしその事を知らなかった面々は驚きつつも、ジャックが言っていた言葉に疑問を覚える。
『おかあさん?』
部外者の中では、瑠璃だけはジャックが晴明の事をおかあさん呼びしていることは知っていたが、なぜそう呼んでいるかを知らなかったので、ここぞとばかりに質問する。
「そう言えばジャックちゃんっておじさんの事、おかあさんって言ってるけど、なんで?」
「? おかあさんは、おかあさんだよ?」
しかしジャックには質問の意図がわからなかったのか、首を傾げながらそう告げる。それを見たカーマは慌てて話題を反らすように悠里に質問を投げかける。
「それよりも悠里さん! ここには貴女以外生き残りはいないんですか?」
カーマから受けた質問で悠里は助かった安心感から、今がまだ非常事態であることを忘れていたことに気付き慌てて起き上がろうとする。
「そうだ、まだ皆がっ! あぐぅ!」
しかし、急に立ち上がろうとした結果、負傷した足から痛みが走り倒れそうになる。それを美紀が支えると圭に話しかける。
「圭、蘆屋先生からもらってたやつ!」
「うんっ!」
美紀の言葉に、圭はどこからともなく青色の石を取り出すと、患部にそれを押し当てる。するとその石は淡く発光する。
そして発光した石は段々と大きさを縮めていくと、最終的には無くなってしまう。
その結果どうなったかというと。
「え、痛みが少し引いた……?」
悠里が驚きから小さく呟いたように、青い石によって彼女の足が完全とまではいかないが治療されていた。
その事に悠里はもとより、使用したはずの美紀と圭も驚きをあらわにする。
しかし、驚いている悠里に対してそんな事は関係ないとばかりにカーマは急かすように問いかける。
「それで、他の生存者たちの場所は? 他にも襲われているのでしょう?」
「は、はい。場所は──」
カーマの質問に慌てて答える悠里。それを聞いたカーマは。
「ジャック、良いですね?」
「うん、先に行ってるねっ」
二人の短いやり取りの後、ジャックは常人とは一線を画す速度で飛び出していく。
その事に驚く他の面々だったが、カーマはまるで平常運転だと言わんばかりに語りかける。
「それじゃ私達も移動しますよ。美紀と圭は悠里さんに肩を貸して。もしも危ないものが来たら私が守りますんで」
そう言っていつの間にか具現化していた弓を握っているカーマ。
彼女の言葉に三人はコクコクと頷きながら他の生存者、学園生活部が籠城する場所へと向かう。そしてそこで胡桃たちと悠里は短い別離を終えることとなる。
「へぇ、そんな事があったんだな」
悠里からその時の状況を聞いた胡桃は、そうなのかと何度も頷く。しかし、そこで彼女は、はたと疑問を覚える。
「そう言えばよ、りーさん。妹さん、るーちゃんだったか?」
瑠璃を見つめながら悠里に話しかける胡桃に、何かあるのかと二人を同じように首を傾げる。
それを見て胡桃は、やっぱり姉妹なんだな。と笑いそうになるが、それを抑えて質問する。
「この子が言ってたおじさんってのは、どこに居るんだ?」
その言葉に悠里は、ぴしりと石化したように固まる。
そしてギギギと、錆びたブリキのように不自然な動きで首を動かすと、恐らく親しい友人だったのだろう、アレックスと感動の再会をしている二人の後輩を見る。
「ね、ねぇ。美紀さん、ちょっと良いかしら?」
「? はい、何でしょう?」
なぜ呼ばれたかわからない美紀は、不思議そうな声を上げながら悠里のもとに来る。
「あなた達を助けてくれた人は、今どこにいるのかしら……?」
「え、蘆屋先生ですか? 先生だったら、今──」
と、何かを話そうとして固まる美紀。その体からは冷や汗がだらだらと流れていた。
そしてガバっと、何故か大僧正を指差してゲラゲラと笑っているカーマの方を向くと。
「カーマさん! 蘆屋先生の方は大丈夫なんですか!」
と、問いかける。その美紀の焦りように良くないものを感じたのか、胡桃は再度悠里と同じ質問をするが。
「な、なぁ。結局その、蘆屋先生、だったか? その人は何してるんだ?」
胡桃の質問に、美紀は心底焦っていますと言わんばかりに、早口で捲し立てる。
「あの人はこれ以上学校にかれらを入れないために今、他の人と一緒に入り口で防衛戦をしてますっ!」
「はぁ! まじかよ!」
胡桃は驚くと同時に、それを早く言えと悪態をつきながら駆け出すが、しかし。
「はい、ストッ~プ」
いつの間にか胡桃の背後まで来ていたカーマにツインテールの片方を握られていた結果、首からゴキリ、と嫌な音を響かせて無理矢理止められる。
そしてもう必要ないとツインテールを放された胡桃は、首の痛みで蹲りながら下手人であるカーマに文句を言う。
「い、いきなり何すんだよ!」
その言葉にカーマは呆れながら。
「何ってそんなの、いきなり自殺しに行こうとしてたら、止めるに決まってるじゃないですか」
そして、馬鹿なんですか? いえ、馬鹿なんですね? と更に胡桃を煽るカーマ。
それを聞いた胡桃は憤るが、カーマはそんな胡桃に対して、ぞんざいに一言だけ告げる。
「そもそも本当に助けが必要なのかは、実際に見れば一目瞭然ですよ」
と、言いながら窓を指差すカーマ。
その言葉を聞くと同時に悠里は窓際に駆け寄り外を見るがそこで再び固まる。彼女の背中からは困惑した雰囲気が漂っていた。
そんな悠里の様子に訝しげに思いながら胡桃も、首の痛みを堪えながら外の光景を見る。
見るのだが、彼女の眼前に広がっていた光景は、ある意味大惨事だった。
その光景、入口付近にバリケード代わりにキャンピングカーらしきものが置いてある。それはまだ良い。勿体ないが、まぁ理解は出来る。
しかし、そのバリケードの筈のキャンピングカーを守るように、それぞれ三方向に一人づつ居るのはどういう了見だ。普通に考えるならば、どう見てもただの自殺行為だろう。
だが目の前の光景は、実は今、夢の中にいるんじゃないのか? と言いたくなるほどに現実離れしていた。
まず一人目、青いタイツに身を包んだ男性が手に持った、自身の身長よりも長い槍らしきものを振るうたびに、かれらが空高く吹き飛ばされる。人って、あそこまで空高く飛べるんだなって、新たな知見を得ることが出来た。
二人目、こちらも男性で手にそれぞれ剣と銃を握っている。そして彼が剣を振るうたびに剣閃が一重、二重どころか倍々に膨れ上がっていき、かれらは微塵切りにされていく。ジャックって子の師匠なのだろうか?
そして三人目、この人物がある意味一番現実離れしていた。
その人物、紫色の全身タイツの身を包み、赤紫色の長髪をした妙齢の女性。その女性は、青タイツの男性と同じ槍らしきものをそれぞれ片手に一本づつ持ってそれを軽々と、まるで新体操のバトンのようにくるくると曲芸じみた動きで回しつつ周辺のかれらを屠りながら、更に槍の範囲よりも遠くのかれらに対してはまるで魔法のようなものを放ち、その全てを
つまり端的に言うと、本来彼らに対して恨み骨髄な筈の胡桃をして、思わず同情したくなるような(かれらにとっての)地獄がそこにはあった。
ほら、今も青いタイツの男性によって打ち上げられたかれらが、雷雲から落ちた雷のオーバーキルを受けて──。
「……は?」
そこまで見た胡桃は驚きから、あんぐりと口を開ける。
雷雲から落ちた
それは、猿の顔と虎らしき手足、そして狸のような胴体に蛇の頭が付いた尻尾を持つ化け物であった。
その化け物は口に加えていたかれらをバキリ、と噛み砕いて咀嚼すると身の毛がよだつほどの咆哮を上げる。
「あ、ぐぅぅ」
その時、すぐ側で同じく外の様子を見ていたアレックスがくぐもった声を上げると同時に、痛みを堪えるかのように頭を抱えてドサリと膝をついて窓の縁に凭れ掛かる。
『アレックス!』
その只事ならぬ様子に、貴依と後輩二人がアレックスのもとに駆け寄る。しかし、アレックスはその事に気付かずに、譫言のように独りごちる。
「う、あぁ? アク、マ?」
そのアレックスの口から出た言葉を聞いて驚きの表情をあらわにする後輩二人。その様子に何かを知っているのかと、胡桃は問いかけようとするがその前にカーマが口を開く。
「あらまぁ、【妖獣-ヌエ】ですかぁ。これは困りましたねぇ」
と、カーマは言葉とは裏腹にニコニコと愉しそうに嗤いながら告げる。
その様子に、胡桃は彼女がなにか知っていると思って話しかけようとするが、続いて更に二つの雷が校庭に落ちる。
そしてその落雷があった場所には、雷で構成された獣の上半身だけが宙に浮かぶ、先ほどのヌエとはまた違う二体の化け物の姿があった。
その化け物の姿を見たカーマは心底可笑しいとばかりに嗤いながら更に告げる。
「あらあら、【妖獣-ライジュウ】まで現れましたか」
カーマの態度に不安を持った圭は、彼女に話しかける。
「あ、あの、カーマさん。蘆屋先生は大丈夫ですよ、ね?」
「さぁ?」
「さぁ? って、そんな」
カーマの気のない返事を受けた圭は呆然とした顔をするが、その顔を見たカーマはくすくすと咲いながら。
「そこまで心配することもないでしょう。それに──」
「それに?」
カーマの言葉に不安そうな顔をして続きを聞こうとする圭。そんな圭に対してカーマは。
「どのみち、この程度で死ぬようなら、そこまでの男だった。ただ、それだけの話ですよ?」
と、微塵も心配した様子もなく裏世界、そして、自然界のたった一つの掟。即ち弱肉強食というコトワリを淡々と告げるのだった。
次回、再び主人公たちによる対悪魔戦。