DDS 真・がっこう転生 MythLive   作:想いの力のその先へ

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 学園生活部の戦力増強回(その1)











第二十二話 もう一人の超人

「……お客様、お客様。起きてください」

 

「うーん、むにゃむにゃ」

 

 気持ちよく寝ていた由紀だったが何者かにゆさゆさ、と身体を揺らされる。何者かの揺さぶりによって安眠を妨害された由紀はむずがりながら上半身を()()()()()()()()()()から起こす。

 そして由紀は布団で寝ていたはずの自身が、何故か勉強机、正確に言うなれば教室の席で眠りこけていたことに疑問に思う。

 

「あれ……。なんで私……?」

 

「おはようございます、お客様。……お目覚めになってよかった、本当に」

 

 疑問に思ったことをぽつりと呟く由紀だったが、その時彼女の耳に荘厳なピアノの演奏と透き通った女性の歌声。そして()()()()のある、彼女が敬愛している佐倉慈の声が聞こえてくる。

 歌声や演奏についてはわからないが、その声を聞いた由紀は安心した様子で余人が見れば見惚れるような笑顔を咲かせながら声の出処に振り向く──。

 

「あれっ? なぁんだ、めぐねえも──」

 

 居たんだ、と呟こうとする由紀。しかし、振り向いた先でぴしりとありえないものを見たという様子で固まる。

 彼女の視線の先にいたのは佐倉慈ではなく。

 

「失礼ながらお客様。わたくしは、めぐねえと呼ばれるお方ではありません」

 

 その先にいた人物。

 どこか困ったような声を上げる人物は、青藍色のスーツに身を包んだグラマラスな女性で、そして由紀が固まった原因である彼女の顔は。

 

「……え? めぐ、ねえ? イメチェン?」

 

「いえ、ですから。わたくしは貴女様が知る、めぐねえなる人物とは違うのですが……」

 

 彼女の顔、それは腰まで届く慈とは違い肩まで届くセミロングの髪型であることと、髪色がプラチナブロンド、瞳の色が金色であること以外は、慈と瓜二つ、双子と言われても納得できるような風貌だった。

 

「ふふふ、どうやら偶然ここに訪れられたお客人である貴方様の知り合いに、リディアと同じ風貌の方が居られるとは、中々に面白い偶然でございますな」

 

 呆然としていた由紀の耳に独特な甲高い老人の声が響いてくる。

 それを聞いたリディアと呼ばれた女性は声が響いてきた方向に身体を向けると。

 

「これは我が主。お見苦しいものをお見せいたしました」

 

 その声の主に向かって恭しく頭を垂れる。

 リディアに釣られるように声の主を見る由紀だったが、そこには一人の異形とも言える老人がいつの間にか存在していた。

 教室に設置されている黒板の前、本来は教壇が置かれている場所に一つの執務机が置かれており、その場には血走った目をギョロリと見開くと同時に鷲鼻が特徴の頭に、その頭を支えるがっしりとした肩幅の胴体と、それとは正反対な枯れ枝と見間違いそうなほどに細い腕の肘を机の上に置いて、眼前に両手を組んだスーツ姿の老人の姿があった。

 

「……え? ひっ────」

 

 その老人を見た由紀は、自分でも何故かはわからないが全身に怖気を感じて、無意識のうちにくぐもった悲鳴を上げる。

 由紀の悲鳴を聞いた老人は少し困ったような、それでいて凶悪な形相に笑みを浮かべると、彼女を安心させるように語りかける。

 

「おやおや、怖がらせてしまいましたかな? ですが、心配召されるな。わたくしも、そこのリディアも貴女様を獲って食らうわけではありませぬからな」

 

 そして老人はふふふ、と笑うと自己紹介を始める。

 

「では、改めまして。わたくしの名はイゴール。夢と現実、精神と物質の狭間にあるこの場、ベルベットルームの主を致しております。そして、こちらが助手の──」

 

 イゴールの言葉を引き継ぐように、いつの間にか彼の横に移動していた女性、リディアが頭を下げて自己紹介する。

 

「リディアでございます。どうかよろしくお願い致します」

 

「それで、お客人のお名前をお伺いしてもよろしいですかな?」

 

 自身たちの自己紹介を終わらせたことで次は貴女の番です、と由紀に自己紹介を促すイゴール。その言葉に由紀は自己紹介をしようとして──。

 

「あ、えっと、私は……。あれ?」

 

 そのまま首を傾げる由紀。そして次第に顔に焦りの色が浮かび上がってくる。

 何故か自身の名前が浮かんでこない、他の学園生活部部員の悠里、胡桃、貴依、アレックスや、顧問である慈の名前は浮かぶのに、自身の名前だけポッカリと穴が開いて抜け落ちたかのように。

 そんな由紀の様子に、どこか面白げに見るベルベットルームの住人たち。

 興味津々の様子で見てくる彼らを尻目に、由紀は頭を抱えてウンウンと唸っていたが、ふとした拍子に頭の中で何かがぷつんと切れた痛みを感じるとともに、一つの名前が浮かんでくる。

 

「私は、わたし、は……。っ、丈槍、丈槍由紀ですっ!」

 

 彼女の言葉とともに自身の視界がパァっと広がる。そして彼女が見た光景。それは──。

 

「……ここ、学校の教室?」

 

 彼女が発したようにそこは慣れ親しんだ教室だった、だが一つだけ明確に違う点がある。

 青、蒼、アオ、辺り一面を覆うまるで海の中にでもいるかのように外壁が、床が、学習机が、あらゆる物が蒼色の景色が広がっている。

 

 そこで由紀の耳に笑い声が聞こえてくる。イゴールの声だ。

 

「ふふふ、どうやらお客人、丈槍様は来るべくしてここに来られたようですな。ですが、未だ契約はなされていないご様子」

 

「けい、やく……?」

 

 イゴールの契約という言葉に不思議そうに首を傾げる由紀。

 それを見たイゴールは左様、と一言告げると。

 

「ここは本来、何らかの契約を果たされたお客様のみが訪れる事ができる場所。ですが、丈槍様はそれを果たさずにここに訪れられた」

 

 だから興味深い、と告げるイゴール。

 その事に疑問を思う前に由紀の視界が霞んでいく。

 

「あ、あれ?」

 

「どうやら、お別れの時間のようですな。次に相まみえる時は丈槍様が何らかの契約を果たされた後の事となるでしょう。では、その時までご機嫌よう──」

 

 イゴールの言葉を最後に由紀の視界は白くなり、意識が遠のいていく。

 そして彼女の意識は闇に包まれた。

 

 

 

 

 

 

「うぅ~ん、……はっ!」

 

 眠りから覚めた由紀はガバリと()()から飛び起きる。そして辺りをキョロキョロと見渡すと。

 

「…………あり?」

 

 キョトンとした顔をして不思議そうな声を出す。

 そんな由紀の様子に、既に起きて作業をしていた悠里がどうかしたのかと問いかける。

 

「どうしたの、ゆきちゃん? そんなに慌てて飛び起きて。なにか怖い夢でも見たの?」

 

「あっ、りーさん。ううん、怖い夢じゃなくてちょっと不思議な夢を──」

 

 由紀がそこまで話した時に夢の中で聞いた声が聞こえてくる。

 

「あら、ゆきさんおはよう。よく眠れたかしら?」

 

「あっ! リディアさ──」

 

 思わず由紀は夢の中で出会ったリディアの名前を言うが、そこにいたのは佐倉慈だった。

 そこで由紀は慌てた様子で彼女の名前を言い直す。

 

「──んじゃ、なかった! めぐねえ、おはよう! 私、着替えてくるねっ!」

 

 それだけを告げると、由紀はまさしく脱兎という言葉がふさわしい速さで立ち去っていく。

 彼女の急な行動に残された二人はと言うと。

 

「……めぐねえ、リディアって誰ですか?」

 

「さあ、私にも何がなんだか……?」

 

 それと、めぐねえじゃなくて佐倉先生です。と付け加える慈と、それを聞いていた悠里は二人して不思議そうな顔をして由紀の後ろ姿を見送ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんながあったものの、改めて話し合いの席を設けるために学園生活部は秘密基地から来た生存者たちと合流する。

 その中で秘密基地組のリーダー格である晴明が保護した少女の美紀の指に昨日までなかった絆創膏を貼っていることに気づくと不思議そうに問いかける。

 

「うん? 美紀、その指の絆創膏はどうしたんだ?」

 

 その言葉に美紀は一瞬慌てた様子を見せるものの、すぐに落ち着きを取り戻して晴明に返答する。

 

「……え? これ、ですか。これは昨日、寝てる時に強く噛んじゃったみたいで、血が出てたから念の為に、と」

 

 その返答を聞いた晴明は、先ほどの美紀の動揺から何かしらを隠している、と感づいたが昨日の圭の件もあり、下手に聞くと地雷を踏み抜くかもしれないと思い、追求はせずに注意にだけ留めておくことにする。

 

「ふむ? そうか。まあ、なるべく気をつけるように、な」

 

「はいっ」

 

 美紀の返事を聞いた晴明は、それで話はおしまいだ。として今度は学園生活部の面々の方を向くと代表者の慈に話しかける。

 

「それで、佐倉先生、でよろしかったかな?」

 

「ええ、そうです」

 

 晴明の言葉に慈は首を縦に振ることで肯定する。肯定を受けたことで晴明は彼女にいくつかのことを語る。

 

「それは良かった、では、色々と情報交換を、と言いたいのだがその前に確認したいことがあるんだが良いだろうか?」

 

「はい、何でしょう?」

 

 晴明の言葉に慈は不思議そうな顔をしながらも、問いかけに答える姿勢になる。それを見た晴明は自身の弟子である一人の女性の名前を告げる。

 

「神持朱夏、という名前に聞き覚えがあるだろうか?」

 

「アヤカさん、ですか? ええ、確かに聞き覚え、というよりも私のかつての教え子ですから知っていますよ」

 

 それが、何か? と問いかける慈。その彼女の様子に晴明はホッとした表情を浮かべると、朱夏が慈の心配をしていたことを告げる。

 

「ああ、そうか。人違いでなくて良かったよ。あいつと大学で会った時に佐倉先生のことを心配していてな、もしも生き残っていたら助けてやってくれ、とお願いされていたんだよ」

 

 良かった、良かった。と喜んでいる晴明を尻目に、慈は彼の話しから朱夏が生きている事を理解して彼女は無事なのか、と晴明に詰め寄る。

 

「あ、あの! アヤカさんは、あの子は無事なんですか!」

 

「お、おう。とりあえず落ち着いてくれ、佐倉先生」

 

 心配のあまり自身の豊かな胸が晴明の胸板に密着しそうなほどに近付く慈と、それを感じて彼女の肩を優しく掴むことで接近を抑えつつ慈を落ち着かせようとする晴明。

 そして晴明に肩を掴まれたことでようやく正気に戻った慈は、晴明の顔が目の前、それこそ後一歩でも近付くとそのままキスが出来そうな距離にあることに気付くと。

 

「うひゃぁっ! …………あぅぅぅ」

 

 慈は慌てて晴明から距離を取ると、恥ずかしそうな呻き声を上げる。

 そんな慈の姿を他の女性陣たちは微笑ましそうに見ていた。その中で透子だけが慈を羨ましそうに、あるいは恨めしそうに見ていたが。

 晴明もまた同じように苦笑していたが、こほん、と咳払いをすると朱夏についての話をする。

 

「それであいつの、朱夏についてだが大学で友人たちと一緒に元気にやっていたよ」

 

「そうなんですね、良かった……」

 

 朱夏の事を聞いた慈は心底ホッとした様子で胸をなでおろす。

 そんな慈の様子にとある事を言うか、言うまいか迷っていた晴明だったが今後の心配を解消させるためにとある情報を明かす。

 

「……それに、あいつのことは心配せずとも大丈夫でしょう。少なくとも現状ならあいつを、朱夏を害することが出来る存在はそう多くない」

 

「それはどういう……?」

 

 晴明の断言に慈は何故そうも自信満々に言えるのか、と首を傾げる。その事に晴明は、彼女に戦いの手ほどきを施したのが自分であることを告げる。

 

「佐倉先生は聞いていないだろう、と言うよりも俺が口止めをさせていたのだが、あいつも異能者の一人でね。そしてその時に俺も現場に居合わせた縁でしばらくの間、あいつの戦いや異能について色々と教え込んでいたんだよ」

 

 所謂弟子というやつだな、と晴明が語るとその言葉を聞いた慈は掌を口の部分に添えてびっくりした表情をする。

 慈の様子が珍しかったのか、由紀はおずおずと彼女に朱夏のことを尋ねる。

 

「……ねぇ、めぐねえ。その、アヤカって人の事を聞いても良い?」

 

「え? えぇ、アヤカさんの事ね」

 

 そう言って慈は彼女の事について自身の知る限りのことを話す。

 最初に出会った時は自身が教育実習生の時で、その時点でただしく文武両道という言葉を体現したような子であった事。

 物静か、と言うよりもどちらかと言えばクールな女性で何を考えているかわからないこともあったが、心根は優しい子であったこと。

 しかし、友達と一緒に行動するということが少なく、由紀とは別方向で心配な子であった事。

 

 それらの事を聞いた由紀や、他の学園生活部の面々はおおー、と興味津々な様子で聞いていた。晴明もまた高校での朱夏の様子を聞いて、そんな風に暮らしていたんだな、頷いて聞いていた。

 

 そのように聞いていた晴明だったが、慈の話が終わるとどこか気不味気な様子でもう一つの話をする。

 

「……あぁと、だなぁ。朱夏の話が終わった以上、本題に入るべきなんだろうが……。ちょっともう一つ話さなきゃいけない内容があるんだが良い、かな?」

 

 後頭部を掻きながら言いづらそうにしている晴明に一同は不可思議そうな顔をしているが、その中で慈が代表して質問する。

 

「えっと、それは今話したほうがいい内容なんですか?」

 

「ああ、後回しにするよりは、先に話したほうがいい内容だろうな」

 

 そちらの方が後の話し合いも円滑に進む可能性もあるしな。と告げる晴明に慈は。

 

「それなら、今話したほうが良いでしょうね。皆も良いかしら?」

 

 と、全員に確認を取る。その確認に学園生活部は問題無しと頷き、透子達秘密基地のメンバーも同様に頷いている。それを見た晴明は一言、ありがとうと告げると。

 

「アレックスさん、でよかったかな? 少し良いだろうか?」

 

 とアレックスを名指しする。呼ばれると思っていなかったアレックスはびっくりしながら彼の前に出てくる。そして晴明は前に出てきたアレックスをまじまじと見つめて一言。

 

「……やはり、そうか。圭たちに聞いた時は間違いであればいいと思ったが」

 

 と苦虫を噛み潰したような表情で独りごちる。そんな不躾な晴明の行動にアレックスは身動ぎし、由紀は小さい体ながらも後輩であるアレックスのかばうように前に出て自身の意思を告げる。

 

「いくら貴方でも、あーちゃんをいじめるなら許さないよ」

 

 由紀の絶対に守るという決意の言葉を聞いた晴明は、驚きながらも誤解だと告げる。

 

「いや、いじめるとかそう言うわけではないんだが……」

 

 そう言いながら晴明はアレックスに話しかける。

 

「アレックスさんに一つだけ聞きたいことがあるんだよ」

 

「……何でしょうか?」

 

 晴明の言葉に、不審者に話しかけられたかのように警戒しながら返答するアレックス。その事に晴明は一瞬苦笑を浮かべるが、すぐさま真面目な表情になって彼女に一つの質問を投げかける。

 

「もしかして君はこの頃、妙な夢を見ているんじゃないか? ……それも、昨日現れた化け物たちが出てくるような夢を」

 

「なんで、それをっ……!」

 

 晴明の質問にアレックスは驚きの表情を浮かべると思わず、と言った様子で言葉を零す。

 その事で晴明は困ったような表情を浮かべながら、さらにアレックスに話しかける。

 

「……俺はその原因も知っているし、その解消法になり得る方法も知っている」

 

「それはっ──」

 

「だが、それを行うと君は再び地獄に、今この環境が天国に思えるような、そんな地獄の道を再び歩むことになる。それだけの覚悟はあるか?」

 

 悪夢を解消する方法がある。そう言われたアレックスは晴明に問いかけようとしたが、それを遮ってさらに言われた言葉にヒュッと息を呑む。

 そんなアレックスの様子に由紀は現況である晴明を睨むが、件の晴明は首を横に振って。

 

「こればかりは俺を睨まれてもどうしようもないよ。決めるのは彼女次第だ」

 

 といっそ冷淡と言ってもいい言葉で告げる。その事に由紀は文句をつけようとするが、その前にアレックスに肩を掴まれて止められる。

 

「ゆき部長、まってください」

 

「……あーちゃん」

 

「大丈夫、ですから」

 

 それだけを告げると力強い視線で晴明を見つめて一言。

 

「その方法を教えて下さい」

 

 と晴明に告げる。その事に晴明はガシガシと、頭を掻くとバロウズに話しかける。

 

「バロウズ、()を起こしてやってくれ」

 

《……良いのね、マスター》

 

 晴明の左腕から急に女性の声が聞こえてきたことでびっくりする学園生活部の面々。そんな驚く面々を尻目に晴明はバロウズとの会話を続ける。

 

「仕方ないだろう、本人の了承もあるし、何よりもこれはかの御方からの指示でもある」

 

《……オーライ、マスター》

 

 その言葉とともに晴明の腕には黒いスーツと赤いフード付きの外套が顕現する。それを丁重に持つと晴明はアレックスの前に立って、それを、()()()()()()()()()()()()を差し出す。

 

「これはとある御方から託された君のためのモノだ。今こそ君にお返しする」

 

 彼女にとってはいきなり訳がわからないことを言われたことから、困惑した表情で手に取るが、彼女が触れた瞬間、スーツから男性の声が聞こえてくる。

 

《──ハロー、アレックス。いや、この場合は初めましてと言ったほうが適切かな?》

 

 その声を聞いたアレックスの脳裏に夢の中で見た光景が一気の流れていき、あまりの情報量に脳が悲鳴を上げる。その痛みでアレックスは苦悶の表情を浮かべて膝を付き、側にいた由紀は心配そうに彼女を抱きとめると晴明をキッと睨みつける。

 

「貴方はっ! あーちゃんに何をしたの!」

 

 晴明に罵声を浴びせる由紀だったが、そこで再びアレックスに肩を掴まれる。

 由紀は肩を掴まれたことで彼女を見るが、アレックスはそのまま首を横に振ると自身が大丈夫であることを告げる。そして──。

 

「大丈夫です、()()()()。心配しないで。……それとジョージ、初めましてじゃくて()()()()、でいいわよ」

 

 アレックスは立ち上がりながらそう返答する。そしてその返答を聞いた、ジョージと呼ばれた男性の声はどこか嬉しそうに彼女に語りかける。

 

《そうか、では久しぶり相棒(バディ)。君と再びともに戦えることを光栄に思う》

 

 そのジョージの言葉にふっ、とアレックスは柔らかい微笑みを浮かべて。

 

「私もよ相棒(バディ)。また色々とお願いするわ」

 

《ラジャー、相棒(バディ)。では我々の(Journey)を再開するとしよう》

 

「そうね、私たちの新たなる過酷な旅(strangeJourney)を始めましょう」

 

 かつての、彼女の前世とも言える地獄の旅(シュバルツバース)の記憶を思い出したアレックスは、相棒とともに決意の言葉を告げるのだった。

 

 






 読了お疲れさまでした。
 前回の更新時に言った、R-18版がっこう転生ですが、今日の23時に予約投稿いたしました。
 タイトルは【真・がっこう転生 ~秘め事~】となりますので、よろしくお願いします。
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