DDS 真・がっこう転生 MythLive   作:想いの力のその先へ

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 こんにちは作者です。
 今話からタグにある『準』最強主人公タグが仕事をし始めます。
 そのことを念頭に楽しんでいただけたら幸いです。


第五十六話 強き者、弱き者

 美紀と圭、二人を庇うように移動しながら晴明は絶斗と相対する。

 警戒した、ピリピリとした空気を纏いながら絶斗を睨み付ける晴明に対して、絶斗は気楽に、それこそ今にも雑談でも始めそうなほどにリラックスした状態で見つめている。

 

 対照的な二人であるが、それもある意味当然だった。

 高城絶斗は先に言ったように大悪魔の化身(アバター)であり、いくら人間界へ訪れるためにその身を弱体化させているとはいえ、それでも神ならざる人の身では強大すぎる存在だ。

 

 ――それこそ、蘆屋晴明の全力を以てしても何とか撃退するのが限界。と言えるほどに……。

 

 しかも、現在の晴明陣営は主力となり得る仲魔、英雄-ジャンヌダルクに魔人-アリス。さらには魔人-大僧正がいない状況なのだ。

 ……まぁ、アリスは役割としては雑魚キラーなので、まだ何とかなる。しかし、ジャンヌと大僧正は違う。

 ジャンヌは主に二枚壁(テトラ・マカラカーン)を主軸とした補助役。大僧正に至っては常世の祈りや瞑想を主軸としたある程度自己完結した回復役なのだ。

 つまり、今の晴明PTは専属の回復、補助役が欠けている状況だ。

 ……尤も、他にも補助や回復を行える仲魔も存在はするのだが、それでも専属には劣るのは致し方ない。

 

 とにもかくにも、今の晴明たちでは高城絶斗という怪物を退けるのは、かなり分の悪い賭けになる。

 かと言ってそれが諦める。という理由にはならないが……。

 

 しばらく睨み合っていた両者であるが、不意に晴明が口を開く。

 

「お前は――」

 

「うん?」

 

「お前は、誰の指示でここに来たんだ。ルイ=サイファーか。それとも――」

 

 晴明の問いかけを静かに聞いていた絶斗。しかし、次に晴明が放った言葉に目を見開く。

 

「――ホシガミか?」

 

「――! ……へ、ぇ」

 

 晴明から出てきた()()()()という単語に反応した高城絶斗。

 それはある意味当然であり、同時に人間の口からは本来聞くことのない筈の言葉だった。

 

 ――ホシガミ。

 

 それは真・女神転生デビルチルドレンに於いて万物の創造主。

 無論それには人間や天使は当然として、深淵魔王-ゼブル。即ち高城絶斗も含まれる。

 そして、さらに言えば深淵魔王-ゼブル(高城絶斗)は世界の監視者として生み出されたホシガミ(創造主)の側近である。

 

 しかし、それはあくまで()()()()()()()()()()()での話。

 この世界に於いてはホシガミは存在せず、その権能は各地の神話に存在する創造神たちに継承されている。

 即ち、本来この世界の住人は誰も知らず、ホシガミという存在の記憶を持つのは、デビルチルドレン世界の記憶を継承する高城絶斗と()()()()だけなのだ。

 それなのに晴明はホシガミの存在を口にした。

 無論、それは晴明が理外の存在(転生者)であるが故。

 それ故に、デビルチルドレンの知識があったからだ。

 

 しかし、それを知らない。大魔王-ルシファーですら知らなかった情報を知っていた晴明を、絶斗は警戒する。

 そして、同時にルシファーが興味を持った事実に得心する。

 

「ふぅん? ……なるほど、ね。閣下が興味を持つ訳、だっ――!」

 

 そう言いながら絶斗はおもむろに両手を掲げる。

 そして、次の瞬間には絶斗が掲げた腕に突撃する影が二つ。まるで来ることを予期していたかのように吸い込まれていく。

 

「なにっ……! おぉぉぉぉぉ!」

 

「ふっ――!」

 

 蒼と紫の閃光。

 それは幻魔-クーフーリンと女神-スカアハが魔槍ゲイボルクを以て、奇襲を行おうとしていた。しかし――。

 

「ぐ、ぅ……!!」

 

「なんと――!」

 

 二人の、クーフーリンの一本、スカアハの二本。計三本の魔槍は絶斗の両手に展開された不可視の力場で、火花を散らしながら防がれていた。

 そのことに驚愕の表情を浮かべる仲魔たち。

 そのまま三人は力比べのように攻撃と防御を拮抗させている。だが――。

 

「ぬるいっ!」

 

 絶斗が気炎をあげると同時に、力場を防御から攻勢に反転!

 クーフーリンとスカアハは、絶斗の突然の攻勢に対応することが出来ず吹き飛ばされた!

 しかし、絶斗もまた二人を吹き飛ばした行動によって、一瞬とはいえ硬直する。

 その隙を目敏く見つけた晴明は突撃!

 倶利伽羅剣で刺突の構えをみせ――!

 

「……八相、発破ぁ!」

 

 倶利伽羅剣にMAGを注ぎ込み、破壊的な一撃を絶斗に叩き込もうとする。しかし――。

 

「……がぁぁぁぁぁぁっ!」

 

「な――!」

 

 なんと、絶斗が発した咆哮による衝撃で押し留められ、さらには――。

 

「――ふっ!」

 

「ぐ、あぁ……!」

 

 少年の見た目ではあるまじき()()を伴う蹴撃をお見舞いする。

 それを倶利伽羅剣を盾とすることで、なんとか防ぐ晴明。だが――。

 体から、防いだ腕から、みしみし。と、鈍い音が響く。晴明の腕の骨が軋む音だ。

 それは即ち、咄嗟の事とはいえ、八相発破のエネルギーを防御に転用して、なお晴明の防御を突破。攻撃が、ダメージが貫通したということだ。

 

 ――これは……。骨が逝った、か?

 

 防御した腕に奔る痛みに顔をしかめる晴明。もしかしたら骨にヒビが入ったのかも知れない。

 それ自体は回復アイテムや、魔法による治癒は可能だろう。……但し、相手が待ってくれたら、の話だが。

 

 そうやって顔をしかめる晴明とは対照的に、絶斗は手応えを感じたのか、どことなく得意気な顔をしている。

 しかし、次の瞬間――!

 

「……なっ!」

 

 絶斗の周囲に砲弾もかくや、という威力の矢の雨が降り注ぐ!

 着弾とともに辺り一面に轟音が響き渡り、地面が、道路がめくれ上がったことによる粉塵が巻き起こる。

 そして、高城絶斗の姿は粉塵の中に消えていった……。

 

 

 

 

 

「……ふぅ、マスターも無茶を言いますね」

 

 とある、晴明たちが戦っている戦場から離れた電柱の上で、秘神-カーマは弓を射った状態で佇んでいた。

 彼女こそが、絶斗を矢の雨で爆撃した下手人だった。

 

「まったく。本当に、なに考えてんですかね。あの人は……。()()()()()()()使()()なんて」

 

 呆れたように呟くカーマ。

 そう、すべてはあらかじめ決められていた作戦だったのだ。

 そもそも、晴明自身も高城絶斗。深淵魔王-ゼブル相手に正攻法で敵うなどと考えていなかった。

 それ故に、彼はまず絶斗の気をそらすためにクーフーリンとスカアハ、二人を突撃させることにした。

 勿論、それで討ち取れるほど簡単な相手ではないことは承知している。

 

 そのために二の矢として自身も攻撃。そして、仮に防がれたとしても、その場合の三の矢としてカーマに狙撃させたのだ。

 現に絶斗は晴明の目論見通り、攻撃を凌いだことで油断し、その結果、カーマの攻撃が直撃している。

 

「まぁ、何にせよ。マスターの読み通り直撃したんですし――」

 

 そこまで独りごちていたカーマだったが、ぞくり、と全身に悪寒が駆け巡る。

 そのことで彼女は自身が射った場所。絶斗がいた地点を見つめる。

 そこには、いつの間にか粉塵が晴れ、()()()を見ている絶斗の()()な姿が――。

 

「しまっ――」

 

 こちらを見る絶斗の姿を確認したカーマは、慌ててその場から離れようとする。

 しかし、今一歩遅かった。

 遠く離れた位置にいた絶斗がフィンガースナップをすると同時に、彼女の周囲に先ほど絶斗が防御に用いたものと同じような不可視の力場が形成され、そして――。

 

 轟音、そしてすべてを焼き尽くす爆炎が辺り一面に拡がるのだった。

 

 

 

 

「…………カーマ!」

 

 絶斗が生み出したもう一つの太陽、とでも言えそうな大爆発をみて叫ぶ晴明。

 そう、叫ぶ。即ち、晴明は一瞬とはいえ絶斗から意識をそらしてしまった。

 そして、絶斗はその隙を見逃すような甘い存在ではない。

 

「――晴明さんっ!」

 

 圭が叫ぶ。

 その声で正気に戻った晴明だが、既に目の前には絶斗の姿が――!

 

「――――!!」

 

 しかし、そこで何故か絶斗はバックステップで晴明から距離を取る。が、その答えはすぐに訪れた。

 先ほどまで絶斗がいた場所に、夥しい数の投げナイフが投擲されてきたのだ。

 それはジャック・リパーの投げナイフだった。

 そして、さらに――!

 

「やあぁぁぁぁぁ!」

 

 気炎をあげながら絶斗に迫るジャック。そのまま彼女は両の手に持つダガーを縦横無尽に奔らせ、絶斗を切り刻もうとする。

 だが、絶斗は彼女の攻撃を完全に見切っているのか最小限の動きで躱し、一瞬の隙を付いて彼女の片腕をとると――!

 

「邪魔だっ……!」

 

 そのまま力の限り振り回し、投げ飛ばす。

 

「…………!」

 

 その結果、彼女は声なき悲鳴を上げながら住宅の塀に激突!

 それだけには留まらず、塀を突き破り、住宅を破砕し、粉塵を撒き散らしながら吹き飛ばされていく!

 しかし、ジャックの決死の行動により時間を稼いでくれたおかげで、晴明は態勢を整えることが出来た。

 それと同時に、彼は自身に能力向上の魔法をかける。

 

「……ラスタキャンディ!」

 

 その力ある言葉とともに、晴明の周囲に様々な光が集まり吸収される。

 それで自身の能力が上がった晴明は、さらに【気合い】を入れて自身のMAGを練り上げる。

 

「――――ッ!! これでぇ!」

 

 そして晴明は、メギドファイアを絶斗に向けて構える。

 その銃口には、晴明が練り上げたMAGの光が収束している。

 晴明の切り札たる単体物理最強スキル、至高の魔弾だ。

 遅まきながら、晴明が攻撃態勢に入っていることに気付いた絶斗。

 しかし、既に至高の魔弾は発射寸前であり、回避するには遅きに失していた。

 そのことから絶斗は不可視の力場を形成、防御に活路を見いだそうとする。

 絶斗の前に複数の力場が形成されると同時に、晴明のメギドファイアから至高の魔弾が放たれた。

 

 

 

 

 

 

 バチバチと拮抗する魔弾と力場だったが、まず一枚が即座に割れ、二枚目も多少持ちこたえはしたものの割れてしまった。

 このままでは三枚目もほどなくして割れてしまうだろう。

 しかし、ここで絶斗は思いもしなかった行動に出る。

 それは、最後の自身の前方を守らせるのではなく、斜めに置く。即ち、防ぐことから受け流す事に変えたのだ。

 

「く、ぅ、おおぉぉぉぉぉぉお!」

 

 気炎を上げる絶斗。

 その彼の気迫が乗り移ったように最後の力場は至高の魔弾からの猛威に堪え忍ぶ。

 そして、最後には絶斗の機転が功を奏したようで、目論見通りにそらすことに成功し、魔弾は文字通りに空へ消えていった。

 

 至高の魔弾を受け流す事に成功した絶斗は、額から流れていた冷や汗を袖で拭う。

 そうして冷や汗を拭った絶斗は晴明を見つめて称賛の声を上げた。

 

「正直、驚いたよ。()()()()()()()()でもない君が、これほどの力を持ってるなんて、ね」

 

「……くっ。失敗、か」

 

 一方、絶斗から称賛を受けた晴明は、今の攻撃で肉体、精神両面で限界が訪れているのか、脂汗をかきながら軋ませた腕を押さえて膝をついている。

 そんな晴明を興味深そうに見ていた絶斗だったが、ぽつりと何事かを呟く。

 

「……まぁ、これで最低限、閣下のお願いは聞き届けられたかな?」

 

 そうこぼすと絶斗は、自然な仕草で自身の背中からエネルギー状のなにかを顕現させる。

 すると、そのエネルギーは翼のような形になる。

 そして絶斗は、まるでそのことが当然、とばかりに宙に浮かぶ。

 

「――さらば!」

 

 そうして絶斗は最後に一言。そう発すると目にも留まらぬ速さで飛び去っていった。

 それを見た晴明は独りごちる。

 

「逃げた……? いや、違う。()()()()()、のか」

 

 その顔はどこか悔しげに歪んでいた。それは、つまり高城絶斗にとって、蘆屋晴明という存在は取るに足らないもの。いつでも始末できる、と断言されたに等しいのだから……。

 そんな晴明の耳にどさり、と何かが倒れる音が聞こえた。

 

「あ、はっ、は…………!」

 

「う、ぐ……。ぅぇぇ……」

 

 それは晴明の愛弟子である二人。

 美紀は膝を付いて自身の胸を抑え、浅い呼吸を繰り返し。圭は四つん這いになってものを吐くようにうめき声を上げている。

 特に圭に関しては、過去にカーマから殺気をあてられたことを思い出したのか、もし俯いた顔の表情が見れたのなら、死人のように青ざめているのが確認できただろう。

 

 事実、二人にとって晴明と、彼を赤子扱いしかねない高城絶斗の戦いはあまりに刺激が強すぎた。

 そして、その果てに晴明の実質的な敗北。そのことから、二人は次は自分たちの番だと考え、極度の緊張を強いられた。

 だが、実際には絶斗が去ったことで緊張から解放されて、その結果二人は倒れこんだのだ。

 

 二人の惨状に気付いた晴明は、痛む体を押して駆け寄る。

 

「美紀、圭。大丈夫か」

 

 晴明に声をかけられた二人。

 声をかけられた彼女たちは、晴明の方に振り向くと彼の無事な姿を確認して涙めになる。

 そして二人とも、自身の感情が抑えられずに晴明に、どん、と体当たりをするように抱きつく。

 そのことに驚きと、何より痛みから声を上げそうになるが……。

 

「ヒック、ぅぐ。うう……」

 

「晴明さん、はるあきさぁん……」

 

 緊張から解放されたことと、何より晴明が無事なことに歓喜した二人は、怖さと喜びで心がぐちゃぐちゃになりながら涙を流す。

 泣いている二人を見て晴明は安心させるように、宥めるようにやさしく抱きしめる。

 そして、二人の背中を優しく擦って話しかける。

 

「すまない、心配をかけちまったな」

 

 その言葉に、美紀と圭はさらに強く晴明に抱きつく。

 彼女たちの仕草に、本当に心配をかけてしまったことを申し訳なく思いながら、晴明は二人に聞こえないようにぽつりと呟く。

 

「やっぱり、俺もまだまだ弱い。もっと強くならなくちゃ、な……。お前たちを守れるように……」

 

 そう言いながら、二人を守るように晴明は再びぎゅ、と彼女たちを抱きしめる。

 そして、その場には少女二人の静かに泣く声だけが木霊するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――ここはアマラ深界。

 

 閣下、大魔王-ルシファーから蘆屋晴明の調査依頼を受けた高城絶斗は報告のために、かの大悪魔のもとへ訪れていた。

 

「閣下、言われたことしてきましたよ――……」

 

 だが、絶斗は報告の途中で口を閉ざす。目の前の光景があまりにも、あんまりだったからだ。

 そして絶斗はその光景の()()たちに話しかける。

 

「……えっと、あの…………。なに、やってるの。()()()()()()()()()()()?」

 

「このっ! このっ、糞親父……! ん、ああ。高城くん、おかえり」

 

「いくらなんでも、やって良いことと悪いことがあるわよ。おじさんっ! ……あら、いつ帰ってきたの?」

 

「いや、えっと……。今、なんだけど……。それよりも――」

 

 ミライと呼ばれた赤髪の同年代に見える少女が放った質問に反射的に答えつつも、困惑した表情であまりにもいたたまれない光景を見つめる絶斗。

 そこには赤髪の少女と同じく同年代の銀髪の少年。セっちゃんとミライちゃんと呼ばれた少年少女が、よりにもよって大魔王を、ルイ=サイファーをげしげし、と足蹴にしている光景が広がっていた。

 もし、配下の者が、なにも知らない者が()()を見たら、悲鳴を上げ、同時に少年少女を殺してでも止めようとするだろう。

 しかし――。

 

「えっと、セっちゃん。ほどほどに、ね……?」

 

 何故か絶斗は止めるでもなく、少年を宥めるように声をかける。

 その様子に少年、【甲斐(かい)刹那(せつな)】は、憤った様子でとある人物を指差して語りかける。

 

「だってよ! 高城くん、この()()()。よりにもよって、そこのお姉さん拐ってやらかしてんだぜっ!」

 

「そうよ! いくらなんでもあんまりだわ!」

 

 刹那の怒りに便乗するように吐き捨てるミライちゃんこと【(かなめ)未来(みらい)】も気炎を上げている。

 そんな二人の怒りの原因となっている、指差されたお姉さんを見る絶斗。

 そこには、未だに虚ろな表情をしている恵飛須沢胡桃の姿があった。

 

 そこで、ようやく足蹴にされていたルイ=サイファーが口を開く。

 

「あ痛たた……。セツナにミライくん? そろそろ、私の話を聞いても――」

 

『問答無用!』

 

 何らかの言い訳をしようとしたのだろうが、ルイ=サイファーの言い分は、その言葉が出る前に二人に切り捨てられてしまう。

 そんな二人のとりつく島のなさに、ルイ=サイファーはどこか悲しそうに絶斗に話しかける。

 

「……なぁ、ゼブル殿。最近()()()()が冷たいんだが、これが親の宿命。というやつなのだろうか?」

 

「閣下の場合、ただの自業自得だと思いますけど」

 

 その言葉に間髪いれずに否定する絶斗。

 そのことでルイ=サイファーはがっくし、と肩を落とす。

 

 ……時に、ルイ=サイファーの口から息子、という言葉が出たが、これは暗喩などではなくそのままの意味。

 甲斐刹那は正しくルイ=サイファーの、大魔王-ルシファーの息子なのだ。

 

 ――甲斐刹那。

 

 真女神転生デビルチルドレンの主人公の一人にして、大魔王-ルシファーと人間の子の間に生まれた半人半魔。まさしくデビルチルドレン(悪魔の子供)と呼ばれる存在だった。

 また、要未来もルシファーの子ではないが、彼女もデビルチルドレンと呼ばれる存在である。

 

「まったく、()()()()()()はちゃんとしてたのに、こっちのはここまで駄目なんだよ!」

 

 そして、この二人こそが高城絶斗以外にデビルチルドレンの世界の記憶を保持するものだった。

 

 ……もっとも、それ故に二柱を比較してルイ=サイファーに当たりが強かったりするのだが……。

 とにもかくにも、この親子喧嘩(一方通行)が終わらない限り報告も出来ない。ということを理解した絶斗は――。

 

「……うん、それじゃボクは席を外すから、ゆっくり話し合ってね?」

 

 即、上司(大魔王)を切り捨てることにした。

 

「ちょっ、ゼブル殿?!」

 

 あまりの変わり身の速さに絶斗を止めようとするルイ=サイファーだったが、その前に場から撤退する絶斗。

 そして、そそくさと安全圏に撤退した絶斗は静かにルイ=サイファーの無事を祈る。

 

 

 ……因みに、甲斐刹那。要未来の両名ともに、やろうと思えば高城絶斗(深淵魔王-ゼブル)はもとより、ルイ=サイファー(大魔王-ルシファー)すらも殴り殺せる猛者である。

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