『シルヴァリオサーガRPG』RTA 聖戦√   作:生野の猫梅酒

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今回は番外編となり、RTA要素は鳴りを潜めております。
そして後書きに頂いた挿絵を載せておりますので、ご留意ください。


Part9(番外編)

 立ちなさいゼファー、まだ1回裏切られただけでしょう? な番外編はーじまーるよー!

 

 早速本題に入りますが、今回は先日投稿し完走した『聖戦√RTA』の番外編をやっていきたいと思います。

 そちらについては沢山の方にご視聴(あいどく)いただき、しかも感想もたっぷり貰えて感謝の極みです。しかし中でも最後の選択肢、アイナ姉貴がゼファーさんを裏切りヴァルゼライド閣下側に付く場面で様々な感想を頂きました。

 

『またコールレイン殿がひどい目にあっておられる』

『余りにも惨すぎて普段のようにネタに出来ない』

『ゼファーさんの結末が悲惨すぎて草も生えない』

『教えてくれ五○、何でゼファー君はこんな惨い目に遭わなきゃならない……』

 

 などなど、普段はゼファーさんの狂い哭く姿で楽しんでいる諸兄からもドン引きされてしまう始末。RTAなので何を犠牲にしてもタイムを縮める必要はありましたが、やっぱり反応は酷いものでした。やはり問題あるだろうか?(ヘリオス並の感想)

 という訳で、今回の番外編では名誉挽回のIFルートをやっていきます。具体的には最後の選択肢でヴァルゼライド閣下に味方をせず、ゼファーさんと逃走していくルートです。もちろん最初から始めるのではなく、オートセーブから開始していきます。

 

 え、それで能力値とか足りるのかって? まあアドリブですけど何とかなるでしょ(てきとう)

 それと、今回はあくまで番外編なのでRTAではないのであしからず。ただのせっかちプレイな上に語録(へんしゅう)もおざなりなので、ただの参考動画くらいに思っておいてください。

 

 では早速セーブデータをロードしていきましょう。イクゾー! カッカッカカカカーン、デーン!

 

 ……はい、来ました。政府中央棟(セントラル)地下のカグツチの御許ですね。

 ヴァルゼライド閣下から聖戦にまつわる種明かしをされ、アイナ姉貴が決断をする場面です。

 既に表示されている2つの選択肢の内、【ヴァルゼライドに協力する】を選ぶと前回と同じ末路になります。今回は当然ながら【ヴァルゼライドに敵対する】を選択! 裏切りなんて無かった、良かったねゼファーさん。

 

 こちらを選択したことで、呆然とするゼファーさんを庇うようにアイナ姉貴が前に出ます。これを以って聖戦エンドとの乖離が始まりますのでご注目!

 

「……俺が言うのはお門違いという自覚はあるが、お前の決断に心から安堵したよ。お前は俺たちのような破綻者とは違うのだと」

「これはまた、手ひどく振られてしまったな、我が宿敵よ。己はてっきりそちらの側に付くものだと予想していたのだが」

「むしろこの結果こそ順当だろう。いきなり仲間を売れと言われて頷く者こそ、本来ならば度し難い人間なのだから」

 

 敵ながらこちらを褒めてくれるヴァルゼライド閣下と、それを観て面白そうにしているカグツチですが、道は既に別たれました。ヴァルゼライド閣下が剣を抜き放ち、ゼファーさんを捕えるべく動き出す直前です。

 前回は『度し難い同類と言われながら味方になった』のに対し、今回は『心から感心されながら敵対する』という構図が面白いところですね。敬意は払おう、だが殺す──閣下の行動理念はこの一言に尽きるでしょう。

 

「好きに足掻け、吟遊詩人(オルフェウス)とその導き手よ。お前たちにはその資格がある。そして誓おう、お前たちの犠牲を礎にして、更なる明日を描くのだと」

「……さっきから黙って聞いていれば、好き勝手な事ばかり言いやがって! 顔も知らない誰かのために犠牲になれ? 俺はそんなの願い下げだ!」

 

 ゼファーさんの啖呵と共に、ついにヴァルゼライド閣下戦の開幕です。真正面から挑んでも当然ながら勝ち目なんてありません。全力でこの場から逃走することを選択しますが……プレイ中の走者はちょっとだけ欲張っておりますね。

 再三の通り、今回はRTAではないためタイム優先をせずとも問題はありません。せっかくなので多少時間を掛けてもパーフェクトな逃走劇を繰り広げてみようと画策しております。

 そのため、前回チャートから空気だったヴェンデッタ姉貴を連れ出し、さらに崩壊した街に置き去りにしてしまったミリィちゃんを連れて行きます。成せばなる、出来ないは本気で挑もうとしない人間の言葉です(光の亡者)

 

 閣下の攻撃パターンですが、大別すればたった2つです。寄って斬る、ガンマレイビームで焼き尽くす、この2つだけです。そして後者はゼファーさんや施設をうっかり消し炭にしないよう、この戦闘ではほとんど使ってきません。ビーム回避は反射神経が求められるためかなり戦いやすいですね。

 逆にこちらから攻撃しても拘束しても閣下の技量と出力を前に防がれてしまいますが、防御に徹するだけならプレイヤースキル次第で何とかなります。相変わらず直撃すれば終了なオワタ式ですが、これまでも通った道なので気合でどうにかします。

 

創生せよ、天に描いた星辰を──我らは煌く流れ星

 

 今回はせっかくですし、星辰光(アステリズム)発現シーンも鑑賞しちゃいましょう。このゲーム、それぞれの星辰光に対してしっかり詠唱が用意されており、発動値(ドライブ)に移行することで詠唱シーンが挿入されます。これまではRTAなので全スキップ上等でしたが一度くらいは見ておかないとシルヴァリオって感じもしませんからね。

 

混沌より生まれし漆黒よ、お前はその眼に何を見た?

 忌むべき定め、死の運命こそ救いとするか。眠りと夢は儚きものであればこそ、安寧からは程遠い。

 総じて無価値と嗤うのならば、我らの目指す秩序(すくい)何処(いずこ)に在るという

 

 夜の女神ニュクスを下敷きにした詠唱の開始です。

 ちなみに詠唱に使われる神話のベースですが、アドラー軍人ならギリシャ神話、カンタベリーの聖騎士(パラディン)なら北欧神話+ケルト神話、アンタルヤの傭兵ならランダムとなっております。同じ星辰光でも出身で詠唱が違う辺り、作り込みに対する本気っぷりが凄いですね。

 

ならば良かろう刮目せよ、夜の帳は舞い降りた。

 赤き黄昏を超え、微睡みの夜を踏破して、輝く黎明を抱くのだ。運命の三女神さえお前の敵とはなり得ない。

 傷だらけの両手で昨日(かこ)を掴んだその時こそ──纏いし影は必ずや、より善き明日(みらい)を照らすだろう

 

 レズの星改めアイナ・ハーヴェスの星辰光(アステリズム)、ここに開帳です。

 

超新星(Metalnova)──いと赤き黄昏を喰らいて(Rex of the)、夜を纏(Shadows)い舞い上がれッ!」

 

 という訳で詠唱完了です。ここはムービー扱いとなって詠唱妨害といった要素はありません、安心して聞きましょう。

 フル詠唱を見たとはいえ、やることは特に変わりません。とにかく影を用いてヴァルゼライド閣下の妨害と防御に徹します。ついでにその辺りにある機材を投げつけてちょっとでも時間を稼ぎましょう。防御面で凡庸な閣下はしっかりこれを斬り捨てて回避行動をしてくれます。

 しかし戦闘時間を長引かせてしまうと、今度は時間経過でどんどん閣下が強くなってしまいます。公式で言及された『戦闘時間に比例してレベルアップ』というアレです。なので遊び過ぎず短期決戦、上手いことゼファーさんに意識がいっている隙にヴェンデッタ姉貴を掠め取ってしまいましょう。

 

「あら、私のことも面倒見てくれるの?」

 

 そうですわよ(上品)

 影の触手でぐるぐる巻きでも余裕なヴェンデッタ姉貴をゲットしたことで用は果たしたので、後はさっさと逃げましょう。ゼファーさんとヴェンデッタ姉貴の2人を盾にしつつ撤退、操縦性EXの力でガンガン通路を塞ぎながら黄泉から逃げ還ります。

 

「なんでそいつまで連れてきたんだ……何でもいいけどさっさと逃げるぞ!」

「つれないこと言うのね、ゼファー」

 

 ちなみに、ここでのヴァルゼライド閣下は吟遊詩人(ゼファーさん)を殺さないようかなり慎重なので無理な追撃はしてきません。なので逃げ出すこと自体は意外と難しくありませんが、問題は地下から脱出した後です。

 まず当然として閣下が追撃を出してきます。アドラー国内に留まれば閣下と糞眼鏡お兄様が揃ってやって来ますし、かといって逃げ出そうとすれば今度は脱走兵として大々的に指名手配です。追撃をひたすら躱して国境を越えるのは結構な難易度となります。

 さらにヴェンデッタ姉貴とこの後回収するミリィちゃんを連れての逃避行となれば、もはや想像を絶する難易度です。ぶっちゃけマイナ姉貴生存√を走るのと似たような勢いです。こちらについては既に他の方が投稿してくれているので、比較してみても良いでしょう(宣伝)

 

 ま、その辺りは培った知識とプレイヤースキル次第で乗り越えられる壁なので大丈夫です。失敗しても何度だってトライ&エラー、涙を拭って再び歩き出せば良いのです。ミスできないRTAと比べれば楽なモンですよ。

 え、ガバ? なんのことですかね?

 

 余談はこんなところで終わらせて、ちょうどアイナ姉貴一行が政府中央棟(セントラル)から脱出したところです。まだ帝都はアスクレピオスの大虐殺の爪痕が残ったままですが、この混乱に乗じて一気に離れてしまいましょう。もちろんミリィちゃんは忘れずに、です。

 未だに浮足立っている街並みを駆け抜け、ブランシェ邸にまで到着しました。さすがに裁剣天秤(ライブラ)の兵士たちも既に引き上げており、隠しておいたミリィちゃんも無事?に放置されているようです。いやぁ、良かった良かった。

 

 といったところで今回はここまで。これ以降は難易度が爆上がりな逃避行編となりますが、ぶっちゃけまだクリア出来てないので不定期の更新となります。今回は分岐直後だけとなりましたが、上手く行けば今後の展開も見せることが出来るかなと考えてます。

 元より番外編という訳で、あまり期待せずにお待ちいただければ幸いです。とりあえずゼファーさんを苦境から救い出せただけでもやり直した意義はあったかなと。結局ヤバい状況に変わりはないですが、逆襲のチャンスもあるのでこんなもんでしょう。

 

 これより先は安心してゼファーさんが狂い哭く姿を見れると信じて!

 ヴェンデッタ姉貴を連れ出しちゃったので最後のボスはヴァルゼライド閣下固定ですが、ゼファーさんなら乗り越えてくれることでしょう(予言)

 


 

 目まぐるしく状況が変化し、気が付けばゼファーは半壊したブランシェ邸へと戻って来ていた。

 もはや頭が理解を拒む程の展開だったが……とにかくヴァルゼライドがゼファーを犠牲に何かを成そうとしていること、そしてアイナが連れ出した銀髪の少女が聖戦とやらの鍵であることは何とか把握したのだが。

 

「あの場から逃げ出すのは分かるが、なんでそいつまで連れて来ちまったんだよ。余計に狙われるだろうし、足手まといになるんじゃないのか?」

 

 未だ目が覚めないミリィを抱えながら思わずぼやいた。先の戦いの折り、自らに宿った不可思議な力がこの少女が原因なのは分かっている。その力自体は有用かもしれないが……リスクや反動を考えればとても手放しには喜べない。

 アイナもそれは理解しているのだろう。「なんでかなぁ」と呟いて、照れ臭そうに笑ってみせる。気負った様子は一切なかった。

 

「普段のボクならきっと、一も二もなくヴァルゼライド閣下に従ったと思うんだ。君を犠牲にした先でより大きな繁栄が望めるなら──そんな風に考えて、とても酷いことを躊躇なく出来てしまったと思う」

「サラッと怖いこと言うなよ」

「でも、そうはならなかった。やってしまえば最後、きっとボクは後悔すると思うから……気が付いたら、君を庇って足が前に出てたんだ。たとえやりたい事であったとしても、後悔が残ってしまうのだと」

 

 正直に言えば不思議だったし、同じくらいありがたいとゼファーは感じた。普段からヴァルゼライドに対する憧憬を隠していない彼女なら、効率を主張し己を曲げない彼女なら、あの土壇場で選びとる決断など一つだけと思っていた。

 でも、だからこそ。そんなアイナが自分の為に前に立ってくれたことが素直に嬉しいのだ。強大な敵、遠大な真実、それらに圧し潰されてしまいそうな心だったが彼女のお陰でまだ保っている。

 

「ええ、私からも礼を言うわ。ありがとうアイナ、ゼファーを助けてくれて」

 

 銀髪の少女からも礼を言われ、やはりアイナは恥ずかしそうに頬を掻いた。

 

「別に礼を言われる事じゃないよ。でも、あれ……ボクの名前、君に言ったっけな?」

「そういやさっきも俺のこと知ってるような口ぶりだったな……本当にアンタは何者なんだ?」

「私のことはどうでも良いの。それよりもほら、こんなところで油を売ってていいのかしら。早くしないと怖い怖い英雄(しにがみ)様が、私たちを追いかけてくるはずよ」

 

 そう、時間は全く無いのだ。もはやこの状況は国から逃げ出すのと同じようなものだろう。

 この混乱の大元はそもそもが血統派の粛清であり、まもなくアドラーはヴァルゼライドが掌握する。となれば国ぐるみでゼファー達を手配するのも時間の問題だった。

 

「でもアイナは良いのか? 俺らはともかくアンタは別に逃げ出す必要なんてない。今からでも──」

「それを言うのは無しだよ、ゼファー。ボクはもうこの一連の事態に噛んでしまったし、今更君たちを見捨てるなんてそれこそ死んでもやりたくない。だからもう、一蓮托生さ」

「そうか……何だか悪いな、それにありがとう」

「気にしないで、何か一つ掛け違えばボクは君を斬ることだってあったろうからさ。感謝される資格はないよ」

 

 自嘲するように笑ってから、今後は顔を引き締めて──

 

「それじゃ、取れる手段を尽くして何としても逃げ切ろう。大丈夫、諦めない心があればきっと何とかなるはずさ」

 

 たとえ、どれだけ困難な道であるとしても。 

 きっと何とかなるだろうと思わせる説得力を、光を、アイナは確かに持っていたのだった。




という訳で序盤だけですがゼファーさんを斬らないIFルートです
余裕があれば今後も投稿したい所存ですが、しばらくはラグナロクもあるので更新ありません。そんなに期待せずにお待ちいただければ幸いです。

そして最後に、聖戦RTAの主人公ことアイナ・ハーヴェスの挿絵を頂いたので、この場で掲載させていただきます。本当にありがとうございました!

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