(完結)成層圏にて燃えるもの【IS×DARKSOULS】   作:エーブリス

17 / 46
割と無茶させる。


黒に跪け、千の闇よ

目の前にいる織斑千冬…というより、ブリュンヒルデのデーモンと化したVTシステムはゆっくりと重厚かつ鋭利な刀を構え、目の前に立つアックスマンを睨む。しかしその目には本人のような遠山の目付に似た鋭さは形のみでしか感じられず、【彼】の感覚からはデーモン特有の、猛獣の気配が漂っていた。その気配こそが(己の知るモノとの類似度は分からないが)あの擬きをデーモンであると断じた判断材料でもある。

 

【彼】もまた斧だけでなく中盾も同時に構え迎え撃つ準備を整えた。流石にこれだけの相手を斧1本で戦うとなるとかなり厳しくなるだろう。

 

 

大斧や大剣といった武器はこのデーモンにはあまり向かないだろう、恐らくは振り切った隙に此方を斬りつけられる。

 

 

両者、斬り合いに行かず長い間睨み合った。どちらにも等しく相手を崩し叩き切るだけの技量があるからだ…どちらが守り、どちらが攻めても行きつく先は対して変わらない。だからこそ下手に手出しを出来ない。

なので、デーモンも【彼】も相手が隙を見せるのをじつと待っているのだ。どんな僅かでも隙を見せた方から崩され斬られる。

 

にじり寄り、そして後ずさる…どちらもこれをゆっくりと繰り返しながら勝機を待つ。デーモンはどうか知らないが【彼】は先ほどの戦闘を遥かに超える程の緊張感に包まれていた。

 

 

 

…彼の背後で何かが動いた。

恐らく一夏の白式だろうが――――そう微動だにせず考えた瞬間、デーモンはグッと構えた後瞬く間にアックスマンとの距離を縮め斬りかかった!

 

間一髪、攻撃に反応できた彼はデーモンの一刀をパリィしてがら空きの胴体へ斧の一撃を叩き込む!――――のだが流石は世界最強を模した存在のデーモン、パリィされて尚神速の剣捌きで致命の一撃を防ぐ!ここですかさずアックスマンは斧で刀を引っかけ武装解除を試みるが、デーモンもまた同じく刀で斧を引っかけようとしていたため互いの行動が縺れて、変わり種の鍔迫り合いが発生する。

 

 

両者がどんなに力を入れても、踏み込んでもこの縺れは解けない。

再び隙の探り合いが始まった…獲物を持つ手に力を入れたまま、再び動かなくなる。

 

 

 

――――――――――――――――はずだった。

 

 

 

「佐々木!そのままで頼む!」

 

突如一夏が【彼】の上空からデーモン目掛けて斬りかかった!

あの馬鹿!とそちらに気を取られていた彼は突如腹にデーモンの蹴りを受けて体勢を崩し、それでも得物を保持したまま後ずさってしまった。

 

そしてデーモンは白式の刃を何でもないかのように受け、そして弾き、最後には斬り返して残り少ない白式のエネルギーを完全に消滅させて解除させた。

 

 

彼は生身の一夏を庇うように前に出て突貫し、デーモンのガードをタックルに似た攻撃で崩した!その勢いで盾を持った左手によるボディブローを炸裂させ、そこに繋げる様にして斧を切り上げた!

 

だが、それで落ちるようなデーモンではなく、直ちに斬り返す。

それをどうにか咄嗟の盾で防いだ彼はカウンターとして打撃を主とした突きを放つ。

 

 

しかしほぼ至近距離で放たれたはずのソレも刀の柄頭で打ち落とされ、再びデーモンの刃が差し迫る!

 

今回はかなり危なかった、本当に一瞬でも彼のガードが遅れていればアックスマンはその一撃で落ちていたのかもしれない…それほどにデーモンの攻撃は重く、そしてアックスマンのエネルギーは残り僅かであった。盾殺しが大分響いているようだ。

 

 

彼は盾ごとアックスマンを押しつぶさんとしていた刀を力で押しのけ、再び…今度は盾を捨てて両手持ちで鍔迫り合いに挑んだ。そして今回は互いの引っかけ合いで縺れる前に彼が上手く相手の刀の力を逃がしてすり抜け、そのまま胴体へと振り切る!

 

直撃――――渾身の斧は確かにデーモンの装甲を削ったがそこで攻撃は止まらない。

続いて刀を持つ腕を打ち、その対の手も打ち、次に両足を打ち…と、ブロック崩しの様に順番に相手の体勢を崩していく。

 

殺意と理性の狭間から繰り出される連撃にデーモンは手も足も出ない、最早詰みにも近かった。

 

 

彼は今度こそと斧を高く振り上げ、その頭をかち割らんとする!

すーっと大きく息を吸って柄を握る手に力を込めた時、何処からか声が響いた。

 

「待て!佐々木!

中にはラウラが居るんだぞ!」

 

一夏の声であった…よもや友人を傷つけ自分をも殺そうとした相手を庇う等と。

彼はその一声に硬直し、その隙にデーモンはバネの様に起き上がって刀を振り上げ斧を突き飛ばし、そしてアックスマンに向けて刺突を放った!

 

 

間一髪で白羽取りに成功するものの、凄まじい勢いであったので刃先が手を滑って突き抜け、アックスマンのシールドを、そして絶対防御を“突き抜けた”。

 

 

 

そうだ、たった今ISの不滅神話が小さな音で崩れたのだ。

幸い刃は【彼】の胸を少し傷つけた程度で止まったので大したダメージにはならなかったが、これでアックスマンのエネルギーは搾りカス程度となってしまった。

 

【彼】は最後の悪あがきとして、痛みを気合で打ち消し白羽取りをしたままの手に全力を込め、雄たけびを上げながらその刀をへし折る!刀は短くなったものの、元が粘土だからか成形を開始し日本刀特有のカーブのある先端が復活した。

 

その勢いで刀を掴みデーモンを引き寄せて、アックスマンの胸部に突き刺さった刀の破片を引き抜いてデーモンの首筋に突き立てた所でISが解除され、生身の【彼】が地面にドサリと落ちた。

 

 

しかしここで彼の戦いは終わらない、直ちに“ポケット”から【黒騎士の大剣】を引っ張り出してデーモンの刀を回避した後奴の足を斬りつける。その反撃としてデーモンは踏みつけを繰り出すものの、巨人だろうが何だろうがと巨体の相手を腐るほどしてきた【彼】に取ってその程度は何でもなく避けられて、死角に跳び込んで再び足へと攻撃を差し込む。

 

しかしデーモンはいつまでも踏みつけを続けるわけではなく、刀の切っ先が十分届くまで距離を取り足元を切り払った。彼はそれをバックステップで避けて再び足元へと突貫…今度は人間のアキレス腱に当たる部分へと刃を叩きつけた。

 

 

 

『佐々木!さっさと逃げろ!

もうすぐ教師のIS部隊が突入する、直ちに退却しろ!』

 

待機状態のアックスマンのネットワークを通じて千冬の声が響くが、彼は撤退を拒否する。そして彼はあのデーモンがISのシールドエネルギーや絶対防御を突き抜けてくることを報告し、すぐさま教師部隊の突入を中止させるように呼び掛けた。

 

『それはこちらでも承知だ、見ていたからな。

…だが貴様らを危険に晒すわけにもいかん、突入は予定通り実行する』

 

 

彼は向こうに聞こえないようにクソッタレと呟き、1度2度とデーモンの攻撃を躱しながら通信を続ける。自分はいいから教師たちには一夏とシャルロットだけでも引きずってさっさと撤退するよう指示してくれと。

 

だが、流石に生徒を一人残すなど教師として出来ない千冬は首を縦には振らなかった。

 

『ダメだ、貴様も隙を見て逃げろ…!』

 

出来ない相談だと一方的に通信を切った彼は再びデーモンの足を切り裂いた。

黒騎士の武器はデーモンに対して有効なハズであるものの、一向に倒れる気配がない…流石にISを元として生成された存在というだけはあるようだ。

 

しかしコイツにはエネルギーシールドや絶対防御の類は無い、その証拠に楔石の原盤で強化されているとは言え黒騎士の大剣で斬り傷を付けられている…コイツはエネルギーシールド並みに硬い体表を持つだけのIS擬きだ。

 

その体表が何分硬すぎる。元々が粘土の塊であった等と信じられない硬さだ。まるで巨人ヨームと戦った時を思い出すような肉体の硬さだと彼は感じた…。

 

――――ふと、彼はまさかと思いストームルーラーと取り出すものの、そんな都合の良い話があるはずも無く現実は無情とばかりと嵐の王は静かに眠っているだけであった。第一、コイツは巨人ではない。ここで使えたらいくらなんでも酷い。

ストームルーラーは剣自体は弱くどうしようもないので直ぐに仕舞い込み、再びチマチマと削り続ける戦いが始まった。彼は再びデーモンの死角へと跳び込む。

 

 

デーモンはちょこまかと動く【彼】に痺れを切らしたのか、なんと空高く飛んだ!そしてアリーナのバリアが張られているギリギリまで跳んだデーモンはその天井を蹴って急降下の勢いをつけ、とんでもない速度で彼へと斬りかかった。

 

彼は跳び込むように回避し、なんとか無傷で済んだもののデーモンはすかさず今度は比較的低空を飛んでグルリと一回転した後、仰向けの【彼】に一刀を振り下ろした。

 

流石にこの一撃は急すぎたために多少ISスーツを切り裂いた…が本人自体にダメージは無い。

 

 

 

急に動きを変えてきた…彼はそう感じた。

或いは向こうのペースが乗って来たか、それとも身体が温まってきたか。

 

 

続く第二撃、これは単純な突き…だが、その速度はかの竜狩りオーンスタインと見間違うかの様な神速で放ってきた!彼は背中に傷を追うが寸での所で回避…だがこれ以上は流石にスタミナが持たず、次の攻撃は直撃が約束されてしまった。

 

そんな事などお構いなく無慈悲な第三撃、上段構えから振り下ろした斬撃は…確かに彼へと直撃した!

 

 

 

――――しかし彼もタダでやられるつもりはない。

寸での所で黒騎士の大剣によるガードを挟み、かなり重い衝撃はきたものの斬撃による一瞬の絶命は防ぐことが出来た。

 

だが、デーモンもデーモンでそのまま大剣ごと押しつぶさんと刀に力を入れる。

どうにか押し返そうとする【彼】だが、体格的にも筋肉の質的にも奴との腕力の差があり過ぎて中々それも叶わない。受け流すにも(流石達人の力を模したデーモンとだけあり)向こうもそうできない様にしているのか、中々大剣の上で刀が滑らない。

 

彼は別の試みを実行した。“ポケット”からクロスボウを取り出す。

昔から使っていたアヴェリンや騎士のクロスボウにライトクロスボウ等ではない、通販で買ったフルサイズの滑車式のものだ。文明の利器は時として神を超えることもあると、自分の使うクロスボウより軽い上に威力も高かった(それこそ原盤を使ったものより)ので引っ張り取り寄せたものである。

 

爆裂ボルトを装填したクロスボウを大剣の下から這い出させ、腕が刃に押し付けられて痛みを感じるのも気にせずデーモンの頭へと照準を合わせる。そして照準がバッチリ合ったのを感覚的に確認したのち引き金を引いて、炸薬の詰まったボルトを奴の眉間へと直撃させた!

 

 

 

 

一瞬デーモンが怯む瞬間を狙って勢いよく刀を退け、滑り込むように走って奴の右足に駆け寄り、黒騎士の大剣を思い切り突き刺した!痛みはあるのかデーモンは野太い声で呻き、悶えた。先ほどからのダメージの蓄積が今ここで身を結ぶ。

 

更に柄頭を押し込んでより深くにまで刺すことを試みる。

ずぶずぶと大剣が沈んでいくが、最後の一押しで一気に力を籠めてデーモンの足を大剣が貫いた。

奴は右ひざを付き、左足で右足を引きずるように歩き【彼】を頭から叩き切らんと詰め寄る…が、流石にワープも出来ない膝立ち歩きに翻弄される程彼は鈍足ではなく、刃を掻い潜り、取り出した【黒騎士の剣】を使って通りすがり様に左足を切り裂く。

 

 

 

――――その時、デーモンへと銃撃が飛んだ!

どうやら教師部隊のIS、そしてラファールカスタムが援護射撃を開始したらしい。

 

「潤!今のうちに逃げて!」

 

シャルロットの声が響き渡るが、それでも彼は戦いから逃げない。

最早憑り付かれているようだった…何処までも敵を倒すことに忠実なその様はまるで狂気。いつその魂を墜とすのか分からぬ程に危うく、しかし歴戦の戦いはそれを塗り潰しかねない程に安心できる。

1f8b08000000000000ff7bdcb8fe7153f7e346205af5b8b1e571e3eac78dd31f377680449a3a1f37b63d6e9cf8b87109586a3948aaa911cc5e005100007c44287f3f000000

そして当然の様にデーモンの標的はシャルロットや教師たちへと向いた。奴にはエネルギーシールドや絶対防御、つまりISの安全性を保障するようなその全てが通用しない。

奴は四つん這いに近い体制を取った…腕を前脚として使う事で移動能力を補おうとしているようだ。

 

それがどれほどの効果をもたらすのか分からないが、彼はマズイと、思うよりも早く直感的に理解した。

彼はデーモンへと駆け付ける―――――――――――のだが、その途中背中と胸に激痛が走った!

 

 

どうやら先の傷が開いたらしい…激しい戦闘か、それとも叩き付けによるモノか。

彼は今回で何度目か分からない程に吠えた。痛みを乗り越え、彼はついにデーモンの左足へ黒騎士の剣を突き刺す!

 

先ほどよりも細身の刃は案外簡単にデーモンの足を突き抜け、そのまま地面に刺さり文字通り釘付けにした。

再び奴は悶え始め、足から剣を引き抜こうとして暴れる。

 

【彼】はデーモンの胴体の下をスライディングし、通り過ぎる直前クロスボウで奴の顎を狙い撃つ。

爆裂ボルトのアッパーカットを喰らったデーモンは、しかしまだピンピンしているようで再び彼を視界に入ると暴れ始めた。

 

 

動けなくなっても元がブリュンヒルデとだけあって、凄まじい剣捌きで【彼】を攻め立てるが、これ以上ダメージを貰う訳にも行かない彼はその全てを紙一重で避けて最終的に【黒騎士の大斧】を奴の眉間へと叩き付ける!

 

――――瞬間!デーモンの裏拳が眼前に迫る!

この間合いでは避けられない、避けても恐らく四肢の何処かの骨を折りかねない。

 

何より反応が遅れてしまった…彼は応急の対策で腕を使い体と頭を守る。

 

 

…だが、彼を襲った衝撃には殺意は無かった。

裏拳が直撃するその前に、一夏が【彼】にタックルして共に裏拳を避けたのだった。

 

「佐々木!無事か!?」

 

気を使う一夏に彼は馬鹿野郎と怒鳴り、何故逃げなかったと問う。

…よく見ると一夏は右手にのみISを展開し、その手には雪片が握られていた。

 

まさか…。そう思って彼は一夏に零落白夜を使うつもりかと聞く。

 

 

「ああ…。シャルからエネルギーを貰ったんだ。

コイツならば、きっとあの千冬姉の偽物野郎だけ剥がしてラウラを救えるハズだから…」

 

この期に及んで、まだ彼は命を救う事を諦めていないようだ。

…最早あのデーモンはラウラをも取り込んでいるだろう、彼女が助かる望みは薄い。やるのは危険であり危険の先に見えてくる可能性もほんの僅かだ。

 

 

そう彼は一夏の言葉を吐き捨てようとした時、1週間前の自分の言葉を思い出した。

“挑むのならば僅かだって可能性の光はある”“だからこそ一か八かの最後の手段を行使する価値があるのだ”確かに彼はあの時シャルロットへそう言っていたハズだ。

望みが薄いと言うが、無いわけじゃない。

 

彼は自分に嘘をつく所だったと反省し、わかった…と己がデーモンの気を引き付ける事を名乗り出た。

 

 

「でも佐々木は傷が――――いや、何でもない。ありがとう…」

 

 

その言葉を聞き届けた後、【彼】はアックスマンの予備アーマー(別名:インナーアーマー)を呼び出した。

これは一応ISではあるものの、より“鎧”としての性質が近く着用者の伸長も底上げされない。おまけにアンロックユニットは無く飛行能力も無い。ただ着用者を守り多少の身体能力向上を与えるだけのISだ…更に1分40秒の時間制限もある。

 

胸部に亀裂の入ったその鎧を纏い終わると、彼は【黒騎士のグレイブ】を手に持ち真っ直ぐにデーモンの正面へと突撃した!

 

 

当然デーモンは【彼】を殺さんと刀を振るう!

迫る刃を避け、受け止め、いなし、そして先ほど大斧で叩きつけた顔面の亀裂へとグレイブを突き刺す!その瞬間刀の横薙ぎが迫るがそれを回し蹴りで弾き返し今度は喉元を切り裂く!

 

少ないがISのパワーの乗った一撃は先ほどの生身による攻撃よりも大分有効だ。

彼はデーモンの顔面へと跳び、1!2!3!と連続で蹴りをお見舞いした後に縦斬りを放つ!

 

 

――――その時、デーモンが立ち上がった!

一瞬彼の背筋が冷えたものの、教師たちの援護により脚部がズタズタになり再び膝立ち状態となったことで彼は安心して再び攻撃を続行する!

 

だが、ここで先ほどまでの傷がまた響いた。

ぐっと耐える様に呻きをあげ、胸元を抑えていると刀の切っ先が眼前に迫っていた!

 

 

グレイブの柄でそれを防ぐものの、刃のカーブでするりと抜けてしまい再び胸元へと突き刺さる。

彼はグレイブを手放し、刀を掴んで引き抜こうとするもアックスマンの時の様にはいかずびくともしない。精々抑えるのが精いっぱいだ。

 

 

「ッ!佐々木!!!」「潤!」

 

駆け寄ろうとする一夏とシャルロットに【彼】は助けるな、気にするんじゃない!と叫ぶ。

 

「けど…ッ!」

 

つべこべ言うなと躊躇する一夏を牽制し、このまま奴を斬れと命じる。

大丈夫だ、お前ならばやれる…そう一夏を励ましながらも、刃の激痛に苦しむ。

 

尚も【彼】を助けようとする一夏に、彼はもう一つ言葉を放った。

命を救いたいという猛る想いが本当ならば、この俺ごとあの女を救って見せろ!と。

 

 

更に刀が食い込む。

最早絶命も近い…――――一夏は迷いを振り切って、デーモンの背後へと回り背中へと飛び乗った。

 

 

スッ…と彼は零落白夜を発動して狙いを付ける。

雪片を振り上げ、気合を練り、そして最後の覚悟を固めた…!

 

「ッ!!!!!!!!」

 

白い一閃が、デーモンの背骨に沿って薄く放たれる。

 

 

 

中身を切り裂かない程の薄い斬撃は、しかしデーモンの息の根を止めるには(零落白夜によって)過剰な程十分で…それでいて、ラウラを助けるには丁度良かった。

 

…デーモンの背中からラウラが蛹から出る成虫の様に飛び出し、やがてデーモンはVTシステムの泥へと還っていった。

 

 

 

 

 

同時に【彼】を蝕んでいた刃も溶け、激痛から解放された後、予備アーマーも解除され多少ふらつきながらもなんとか気を失って命までも落とす前に【女神の祝福】を服用し一気に体力気力共に息を吹き返した。

 

それでもふらつくので、駆け付けたシャルロットが彼に肩を貸した。彼はその体制のまま、全てが終わった事を確認してもう一度気を立て直し、今度こそはと彼女の肩から離れて立ち上がった。

 

 

ラウラも気を失って多少衰弱したようだが、命に別状は無いようだ。

それを見届けた【彼】は、一人去って行った。

 

 

今回の“仕事”は予定通りに進む事は無かったが、結果的には想定通りの結末を迎える事となった。だが彼の道はここで終わるわけではない…更に過酷な試練がこの先幾つも待ち構えているだろう。しかし…もしも彼が一人で無いとすれば、きっと試練は以前よりも進みやすいものとなるかもしれない。

 

 

 

「潤!ダメだよ、怪我してるんだから!」

 

献身的に気遣うシャルロットに、彼は大丈夫だと健全さをアピールするようなジェスチャーを取って見せた。

111110001101000100010000000000000000000000000000000000000000000000000000111111111101111000111011000111011111011110001110110001110100000111100011101100011101011101111000111011000111001001111110001110110001110100011111100011101100011101001101111000111011000110110100111100011101100101011101100000000111001011010111001001001001001000011000000000000000000000000000

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。