(完結)成層圏にて燃えるもの【IS×DARKSOULS】 作:エーブリス
まあそれは兎も角として…人生山あり谷ありって言いますけど、アレどっちが良い意味で使われてるんでしょうかね?イメージ的には山がポジティブ的で谷がネガティブ的な雰囲気がありますが、いざ歩くとなると山の方が上りで辛くて、逆に谷の方が下りだから楽かなぁ~って。
でも結局、順番が前後するだけで上り下りはあるんですよね。そういう事なのかな…まあどうでもいいですけれど。
そんな事は兎も角、兎も角!だ。いい加減ラストの戦闘を書きたいISダクソのDLC風シナリオやっていきまーすよー。
“他の何かなんて捨ててやる”
…暗闇の中で、全てが無意識の内に役目を終えた端末をポケットへ突っ込んだ。
戦術や事前準備、そして計画等必要な部分は9割揃えた…残りの1割は“覚悟”だ。
これが正解なのだ。元より予定していた事は絵空事の英雄だけが成せる業だ…そうではない者に出来る所以などない。先人でさえたった2人の家族で手一杯だったのだから。
とは言え、成功はするだろう。問題はその先にて何が待ち受けるのか、彼の命運はどうなるのか――――【彼】は
今は個人の証明など要らない。
何故なら今、【彼】には使命がある。
“綱渡りの時間だ。”
SIMULATION START
日本、[情報規制]県、[情報規制]市、某演習場中央管制塔
―――――――――――――――――――――――――――――――――灰鴉、舞う
0015,2022,08,02
送信# 3311-3324, 指定:為替のカ
IS学園所属の専用機部隊を[情報規制]と共に投入
coordinate:431-142-15,TANGO-ALPHA
標的:L・ヴィラン(通称:アンサング)、クロード・ペレック他
32.11.42.13.24.15.32.11.42.13.24.15 CODENAME:OtherMike
救出対象:シャルロット・デュノア
dummycode:X-ray
【
―――――――――――――――――――――――――――――――――巨刃、墜ちる
戦没者名:マイク・エイブル、タリー・シュガー・アンクル、ドッグ・エイブル、タリー・オーボエ、アンクル=ヨーク・エイブルそいつは捨てた、もういらない。墓石にも刻まない。
Archive Open――――――――――ERROR:data corruption
フォーティスリー、フォーティファイブ、トゥエンティワン、トゥエンティワン、フィフティーン、フォーティトゥー
フィフティトゥー、トゥエンティフォー、フォーティフォー、トゥエンティスリー
サーティトゥー、フィフティーン
ドロドロに溶けた蝋燭の蝋、それに埋もれたチョコのドーナツ。
その奥で、絶望し…彼女にナイフを突き立てる。
他の王を殺せ。
何度も何度も
他の自分など要らない。
……――――『生命断ちを成す覚悟へツナグため』の記憶より。
Data recovery:40%――――――――――――Archive close.
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
【切り詰めて尚、犠牲は有る】
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ThirtyFive,Fortyfive,ThirtOne,FiftyOne,Fifteen,FortyTwo,TwentyFour,FiftyFive,Fifteen,FortyTwo
FortyFour,TwentyThree,Fifteen.ThirtyFour,ThirtyOne,Fourteen.ThirtyFour,ThityThree,Fifteen.
TerntyThree,FiftyFour,Fourteen,FortyTwo,Eleven.Tare,Oboe,Uncle,Mike,Able
:本当の寄る辺は見つけたか?
~遡ること■時間前、輸送ヘリ内~
―――煩いし、座り心地が悪い。
率直な【彼】の感想がそれだった。煩いのはヘリの中だからであり、座り心地が悪いのは軍用故の快適さの切り捨てと、彼自身の行いが招いた結果である。
現在、彼の両隣には一夏と箒が【彼】のシートベルトをガッチリと抑える形で待機し、その正面には若干シートベルトを緩めてある鈴音とセシリアが何時でも飛び出せるように待ち構えていた。
頼みの綱のラウラが何処かと言えば、奥も奥。ほぼほぼ操縦席に近い様な所かつ怖い怖い千冬女史の隣で、そして嫌みのように彼の正面には何故かアルベールが鎮座している。相変わらずの仏頂面だ、今の
認める理由は兎も角、認めない理由なんかないハズだった。なのにそうはなれない、己は歳ばかりは無駄に取っていたと思っていた。感情も枯れ果てて、心を何処かに落とし、最早人とも言えないセンスさえ持ってしまったと。
しかしそうではなかった。認められないソレの前にどこか乱れ、当たり散らしそうにもなる心はきっと常人のそれだろう。
…まあ、今はどうでもいい話だ。心がどうとかよりも、目の前にある“それ”だ。
間もなくして千冬によるブリーフィングが開始され、彼女の手元の端末から映し出されるホログラムが作戦の全情報を記していた。
「今から■時間後、お前達は―――――――――」
話の途中、ふと彼はある矛盾を思い出した。先の記憶巡りの中で感じた食い違いの一つの中に、何故か生身での戦闘の記憶があったのだ。確かにあの2機のISが来る前は生身で由来不明の亡者たちと戦っていたが…その記憶では【彼】が戦っていた場所は――――。
…と思い出そうとすれば、【[a player]】という単語(恐らくは人名)がいきなり脳裏を過ってしまい結局先ほどの様に頭の中がごちゃごちゃとしてしまった。相も変わらず考え事に向かない、頭の弱い男である。
咄嗟にペンダントを取り出す、六角星が描かれた…いつも肌身離さず持っていたものだ。蓋を開けばそれはそれは中身など悍ましいもので、普通何かの肖像画が描かれているであろう場所には、蒼い髪の少女の惨たらしい死体が象られていた。彼は目を擦り、再び瞼を開いても――――詳細は変わるが――――少女の死体が象られているだけだ。蓋の裏の文字も『火継ぎ』『脳髄』『罪状』『新たなる円環』と、何の脈絡もない様な言葉が、瞬きをするたびに代わる代わる刻まれていた。
えすUFFER WITH Mtoいー
――――流石に可笑しい。そう思った彼は咄嗟にペンダントの蓋を閉じ、それをポケットの中に入れた。疲れているのか何なんだか…全く見当が付かない。だが今はそれでいいのだ…【彼】には使命があるのだから。
しかし、とうとう自分自身も亡者化が来る所まで来たか?と、根拠もない様な心配をする頃には既にブリーフィングが終わったようで空気が物凄く冷たく、気が付けば千冬が物凄く不機嫌そうな顔で【彼】を見ている。
あ…と彼は呆気に取られてしまった。
「――――聞いてなかっただろ」
割と尋常でない“威”に圧されて、彼は素直に答えた。そして殴られた。
結局は作戦内容を一夏から聞かざるを得なかった。
…どうやら【彼】のロードオブシンダー1機が奇襲をかけて、掻い潜るには数が余りにも多すぎる
そして返って来たのは、合理的判断に基づいた答えだった。
「“有効な”広範囲火力が望めるのが貴様しかいないからだ」
成程…。確かに確実に火炎を広範囲にばら撒ける他、幅広い武装を扱えるロードオブシンダーと戦い慣れた【彼】ならば“露払い”には最適だ。しかも作戦の初動ともなれば一番肝心な部分である。他様々な事情含めて他の16そこらの子供たちに任せる訳にはいかない。
彼はどうにか身を捻って、窓から外の景色を眺めた。
生憎の曇天ではあるもののヘリはその雲の上、故に朝焼けがよく見えた。しかし次に彼が出撃することにはあの太陽の光も沈み逝き、それを借りて月が輝いている事だろう。
「――――…お前宛だ、ラウラ」
「はい…――――何?クラリッサ、それは…――――」
~そして、現在に至る…~
月明かりの元、奇襲は行われているのだ。
目標地点をハイパーセンサーで確認した【彼】はロードオブシンダーの両翼を3連弩砲型レールガンに変形させ、怒涛の連射で“燃え盛る矢”を放った。その数は無数!いくら三連射とはいえ、たった2つの砲から飛び出したとは思えない…弓兵の軍勢が放ったと言ったほうが納得のできる物量だ、いくらその光景が時代錯誤であったとしても。
この現代兵器の
この攻撃で、もしかするとシャルロットも巻き込まれたかもしれない…いや、しかしそれ自体は彼は“割り切っている”。だからこその綱渡りなのだ。寧ろ踏みしめる
『敵迎撃兵装70%破壊!残りも人員不足で先ず動かん。いいぞ、そのまま進め。
…それと、今入った情報によればシャルロットは秘密裏に建造されたシェルターの地下深くに幽閉されているそうだ。貴様のソレがどれほど貫通力に優れているか知らんが核を想定したモノだ、易々と貫けるとは考えん事だ』
…今の通信で【彼】は中程には安心した。
準備砲撃を終えたので、次に己の後方で待機していた一夏と箒に指示を出して遂に総攻撃を開始。彼もまた【薪の王】を展開して高度を下げて地上とそう離れていない程の超低空を飛びつつ地面に掌を向けた。
――――揺らめく火の粉はやがて“四つ足の何か”を形作り、突如として起きた爆発でとうとう実体化した。
現れたるは、一つの胴体に双頭を持った巨大な燃え盛る軍馬!言うなれば【刑吏のチャリオット】の馬が燃えていて、更に巨大化もしている状態だ。
彼はその
…しかし敵とてタダではそれらを近づけさせないようで、7割の武器が燃えようとも残る3割の戦力を用いて【彼】らを全力で迎え撃つ。
上空を飛ぶ数機の味方機はすでに回避行動に出た。が、彼はそうしない。それは自らの能力への自信でも秘策でもない、それは“狂気”!先ほどより記したように綱渡りである今の状況を、一か八かの賭けに出てでも使命を成し遂げんとする、怒りを含んだ捨て身の狂気が故。
手にした六角の銃口を持つライフルで、撃ち放った弾丸と跨る双頭馬と共に迎撃兵器の吐き出す鉄の激流の中を逆走していく様を、他に何と呼ぶべきか?
肩に、腹に、そして騎馬にミサイルや弾丸を受け、それでも尚双頭馬の俊足に物言わせて真正面から突き抜けている内に、先ほどまで気が遠くなる程離れていたハズの目標地点がみるみるうちに近づいてくる。
到着の寸前に【彼】は己の手にあるライフルを捨て、また別の武器を顕現させた。
しかしそれは、少しばかり大きな“剣の柄と鍔”にしか見えず肝心な刃が何処にも見当たらない。あまりにも不格好なそれはしかし、徐々に薄い紫色(或いは濃い桃色)の光の刃が現れたと思えばそれがまた少しずつ力を溜める様に光を増し、最後には煌びやかなエメラルドグリーンの大きな刀身と化した。
――――それを知る者はこう呼ぶだろう、【月明かりの大剣】或いは【月光の大剣】。
いや、【月光の聖剣】や【ムーンライトソード】【MOONLIGHT】等と呼ぶものさえいる。
燃ゆる手綱の指揮によって、双頭馬はあちこちに飛び跳ねてはその全てを踏み潰し、やがてその場の誰もの“怖気”さえ焼却していく。それさえ逃れて尚――――薪の王の進路に居る限りは――――【彼】の月光剣が結局の所赦しはしないのだ。破壊は止まらない、最早此処に有る全てが憎くて憎くて仕方が無いかのように。
X-ray“…臭いだ”別に「要剛」でも何でもよかった――――
馬上の彼が月虹剣を振るうたびに放たれる光波はそこら中の建物を容赦なく、まるでチーズのように容易く切り裂いてゆく。スクランブルで駆け付けた敵のラファールリヴァイヴでさえ突きにより打ち出された月光の奔流に押し流され、更には双頭馬が口から吐き出した火炎に巻き込まれてあっという間に消えてしまった。恐らくはISの恩恵でまだ死なぬだろうが…。
X-ray“鉄が、鋼が灼ける臭いだ…”最悪、シルベスター・シュワルツェネッガーでもアーノルド・スタローンでも
地上の迎撃兵器を全て鎮圧した【彼】の頭上では、残りの6機(白式、紅椿、甲龍、ブルーティアーズ、レーゲン、ミステリアス・レイディ)が空中を舞うドローン兵器及びに数機の敵ISと戦闘を行っていた。
応戦するべきか?いや、高性能の第三世代5機とそれすら上回るスペックの第四世代1機のチームだ。今更第一世代ベースの彼が向かう必要もあるまい。
X-ray“火薬が燻り破裂した臭いだ…”その似ても似つかない違和感だらけの「佐々木潤」って[肩書]が…――――
拡張現実のガイドマップに従い、シャルロットが居るという地下シェルターへの道を辿る途中、目の前に2機のラファールリヴァイヴが下りて来た。片方は先程双頭馬の火炎で燃やされた者だ、生きていたようだ。
どうやら易々と通す気はないらしい…が、正直な話彼女ら二人は【彼】の敵ではない。
X-ray“呪術師どもの火の臭いだ…”いままでも、これからも…
邪魔だ…そう言わんばかりに放たれた光速の刃が、ラファールリヴァイヴを一蹴する。
しかし量産機とは言えISはIS、ダメージこそ中々に深刻だがまだ戦えると再び【彼】の目前へと迫り来る!
真正面から迫ったアサルトライフルの掃射を月光剣の刀身で全て遮り、その隙に背後から来ていたアサルトカノンの弾丸を強力な火炎放射で押し返しつつその先に居たラファールリヴァイヴごと焼き払う。それに驚愕し、同時に焼かれた味方の無事を案じていた真正面のラファールリヴァイヴへと…脚力と焔揺らめくスラスターの力で一気に距離を詰めて、相手が反応し切るより前に月光剣の刃を振り下ろした。
X-ray“薪の臭い…そうだ”頑固で、痴呆癖があって、夜更かし気味の廃ゲーマーで――――。
魔力と熱量と質量の複合的パワーを全力で叩きつけられたラファールリヴァイヴは地面にめり込み、そのうつ伏せの背中へと【彼】は切っ先を向け、処刑めいたとどめの一撃を振り下ろす。
…エメラルドグリーンの爆発が、周囲を容易く薙ぎ飛ばして行く!
X-ray“人が、命が燃え逝く臭いだ…!”それが本当の―――…
しかしこの一撃月光剣は光を失ってタダの柄へと戻り、当分使い物にはならなくなった。しかし彼の記憶にはまだ数多の武器がある。その中に、己を定義する
そうだ、今の【彼】には使命がある。
――――まず最初に、壁へとぶち当たった。
当然の事だ。敵が来たら城は門を閉める、開けっ放しで敵の侵入を許した城など阿呆の極みであり汚名は例え末代過ぎて尚も語られてしまうだろう*1。
以上のワケで先ず【彼】はこのシェルターの門を叩き割る必要がある…のだが、それについては何の問題は無い。彼は数歩ほど下がると斧を両手で天高く構え、身を包む炎をそれに集中させた。
火炎が急速に成長する樹木が如く伸びてはやがて巨大な片刃斧と成った炎を、彼は渾身の力で振り下ろすと強烈な爆音と共に門は爆ぜ散ってしまった。元々開いていたのか、そもそも門など存在しなかったかのような風貌へと化したそれの奥からは阿鼻叫喚の声が爆音に紛れて囁くように聞こえる。
誘爆した火器、流入する熱気、飛び散った破片や破片に苦しみ命を絶たれた者達。これらの地獄が己によって生み出されたと知りつつも彼は戸惑わずそして躊躇わない。燃え盛る1歩1歩を確実に歩み、更なる焔をシェルターへとなだれ込ませる。
…地獄にまだ抗う者たちがいた。
無反動砲か、それとも古めかしいロケット砲か。それらの対物兵器を【彼】及びにロードオブシンダーへと向けて放つ5人か6人ほどの兵士たち。それらの弾頭を彼は振るった手から噴き出した火炎放射で蒸発に近い形で焼き焦がし、その余波で奥の兵士達もまた火だるまにした。
更に十字路から、火炎を裂くようにして現れた
1本の薪による火災、それによる誘爆や延焼。それによって【彼】の目に映る
『おい!佐々木!何をしている!
クソッ、案の定か…誰か!佐々木の援護に回れ!』
『無理だ千冬姉!こいつ等…何なんだ!?ゴリラに翼が生えた様な奴らが沢山出てきた!』
『このままじゃ、物量に圧される…!』
座標が指し示す場所まであと少し。彼は握った斧でシャッターを叩き割り、こじ開けて進む。その道中に、ロードオブシンダーから逃げ惑う兵士らしき武装した者共や、研究員らしき白衣の者共が【彼】から容赦なく噴射される劫火に燃えて火だるまとなり、灰と化して屠られて。尚もそれを気に留めることすらなく、歩みを速め、やがては走り去ってゆく。
走る…走るのだ。どこまでも、例え身体の全てがズタズタに引き千切られようとも。
何せ、【彼】の目の前には…その眼に映る中央には、ここまで探し続けていたシャルロットが居る。
あのサングラスの男と一緒だ。彼女はどうやら後ろ手に拘束されているようで、抜け出すに抜け出せない…だから、彼は手を――――なりふり構わずに燃ゆる手を伸ばした。例えどれだけ汚れて居ようが、今この瞬間この手が届くのならば構いやしないのだろう。怒れる炎の巨人が、自らの熱と質量すら顧みずに薄氷の上を駆ける。
【彼】には、使命があるからだ。
――――そして火が、燃えるものごと消え去った。
「手が届くのに手を伸ばさなかったら死ぬ程後悔する。それが嫌だから、手を伸ばすんだ」
――――火野映司(仮面ライダーオーズ)
この後どうするか…。って悩んでるふりしとく。
<次回までのロード時間中のアイテム紹介>
【“山”】
ラウラが「これは山だ」と言い張る、削られた幾つかの石。
そう思えば何気なく古竜の頂にも見え…いや、無理がある。
日帰りキャンプで作ってた。