(完結)成層圏にて燃えるもの【IS×DARKSOULS】 作:エーブリス
しかし困った事に私はこの小説で曲がりなり(本当に曲がりくねっているが)にも話を今の今まで進められてきたように感じる。私が可笑しいのか?確かに多少の整合性を雰囲気的に持たせるためにミッシングリンク(裏設定)は容易したしそのメモを粉々に千切って本編の至る所に貼り付けた。しかしそれでマトモに話が進められたと言えるのか?
もし話がまともに進んでいたとしよう、そして上記の発言を真実とするならば「この小説の主人公は不死人ではない」という事だ。つまりこの小説はDARKSOULの終わりと言う壮大な物語をプロローグとする別物の何かとインフィニットストラトスのクロス小説と言う事になる。
ではこの小説の主人公とは結局何者なのか?おっと、ここで「ISを好き放題しまくる自己満0721小説の“ぼくかんさい”系オリ主」と言うのは止めてくれカカシ、その術は俺に滅茶苦茶効きまくる。
そしてここで自分が何を言いたいのかよく分からなくなってきた、そもそも俺がね、前書き後書きで真面目にやる事自体可笑しいことなんですわ!前回の超狂気回のお陰で今も頭がぐっちゃぐちゃよ!
謎解き仕掛けた自分が分からなくなってどうすんだって?分かってんだよ(エンディング並感)ヤバい状況だって事くらいさあ!
どうすんだよ馬鹿野郎!もう600字超えてきちゃってるよ!あああああもおおおお!本編始めまーす!
つかれた。
あ、そうそう(唐突)。
多分皆思ってるだろうけどこの章の話が全部終わったらこの小説も本当に最終回です。というか今の所考えてるラストを通過した時点で最早ISとダクソのクロスssである意味が何処にも無くなりまする。
というわけで最終回以降の話は独立した作品か、もしくは短編集に収録されると思いますのでどうぞよろしこ。
あ、ついでのついでですが、今回の話も前回に引き続き色々狂ってます。特に時系列はかなり取っ散らかっている様に見えるのでご注意。
2022/01/17:一部内容を追加、及び特殊タグの一部修正。
2022/01/26:一部内容を追加、アイテムテキストの変更。
世界は少なくとも1度滅んでいる。
比較的新しき“それ”には隕石や氷河期といった天変地異のような急激な変化は無く、ただ緩やかに薪に灯した火が消えていくが如く。ちりちりと残る火の粉達もやがては闇に飲み込まれ、その闇もまた虚無の中に沈み逝く定めを受け入れた。
最早当時の業や奇跡など、今の人はより深くを征かねば出会う事さえない。所謂「日本からブラジル」という奴を本当に行うのであれば、その残骸に出会う事にはなろう。しかし今の人はそれ程の技術をまだ有していない、ずっとずっと…それは遠い話。
――――で、一度終わる筈だったのだ。
…この存在を何と呼ぶのか?王、戦士、始まりの存在、神、騎士、王を殺す者、太陽の光の王、灰の人、聖職者、デーモンを殺す者、魔術師、簒奪者、神を殺す者、火を継ぐ者、不死の者etc。
これだけの数があれども、刻まれたその全てに一つとしてある個人を示す“それ”は無かったのだ。その、【[a player]】と呼ばれる確証が存在しなかった。
棺の中身は、誰の様でもあり、同時に誰の様でも無かった。あの時代の全ての芥でありながら、生まれながらにして呪いを身に受けし萎びた遺体は、やがて多くの人々の合理と言う意思によって呪いを上書きされた。
後の時代の、広く普及した神話における“生”の呪いを…ただ一人の証明を。
後はそれらを定着させるだけだった。
これを確定させるだけで
だから――――その声を使い、
悲しみが終わる場所
「お、き、ろ」
切り札は自分だけ
< ARCHIVE OPEN <
【記録タイトル:存在したハズの一幕】
「どうしたんだ…どうしちまったんだよ、佐々木…!
何で、こんな――――!」
余りの惨劇に慟哭する一夏の先には、黒い汚泥に塗れて変わり果てた【彼】が、たった今その右手の代わりに長く伸びる
一夏は崩れそうな心と身体を、雪片の柄を再び握りしめる事でどうにか形を保つ。
吐き出さない様にするだけでも精一杯だった…多くの友がただの骸へとなり果て、その原因が一人の友であるという事実。これを飲み込むには余りにも衝撃的で、そして一夏が若すぎた。
巻き戻しも出来なければ、先送りも出来ない。
それは間違いだった。だから彼は全てを虚無に還した
未来と過去、二つの価値にどのような差があるのか分からない。
積み上げて積み上げて。時に壊しながら存在しうるそれに。焼却されて逝く、あの日の星が願った全てを書き換えながら。
君が教えてくれたのは、あの日の約束
> ARCHIVE CLOSE >
ちゃぷ、ちゃぷ…と、黒外套の男は巨木が並ぶ湖のほとりにて足を水に浸し、その広大な風景を眺めた。見つめる先に並ぶ巨木には「く」の字に曲がった人工物が無数に引っかかっている。
嘗て、人全ての揺り籠と謳われたそれらが今、無垢な赤子たちの代わりに内側へと収めているのは星を殺しうる種だ。その種を巡り、戦いが起きたことは世界でも今やこの男しかいない。先陣を切った3つの大国の長達とその配下は天寿を全うしている…しかしこの場ではそうとは限らないとも言い切れるのだ。目前にて孤独に歩みを続ける【 】という男がそうであるように。
彼は不思議な男だ…ずっとずっと、虚空へと消え去った霧の壁の向こうを見るためにじつと動かないのが常であるから。
確かに黒外套の男にも幾万幾億幾兆…と、無限に時を重ねて尚、補強し続けて保っている暖かな記憶はあるし、それに対して強い情熱さえ今も覚えている。牙獣の使者の証がその全てを示しているのだ。しかし【 】は違った…ただ単に観ている――というより見ている――だけ、と形容する方が随分としっくりくる有様であり、最早“命の源”でさえ抜かれたかのようである。
正に「虚」という一文字の体現者でもあった。
男も、ましてや【 】でさえも既に覚えている筈もないだろう、霧の向こうには消えた世界があった事実など。
例えどれだけ使命の中に生きていたとしても、例えどれだけ生きる糧として好んでいたとしても。目視はすれども、このボーレタリアと呼ばれる王国の情景を思い出す事は二度と無いだろう。
暫し“竜”へと歩む【 】を観察していた男は、やがて飽きたのか彼に背を向けて何処かへと去った。いずれは目を覚ますのは間違いない事であり、何より次の行き先など決まっている。記されている事象は全てが此処で複雑に絡み合い、同じ刻にて並列ではなく同一化する。故に全ては起こっていると呼ぶのだ。
< ARCHIVE OPEN <
【WARNING:CORRUPTED】
【記録タイトル:■■■■■の発掘現場の事実】
記録1:20■■/■■/■■
ID:2124556-899224832-8743972
現場より謎の石像を発見。
備考:材質は既存の石材や金属とは大きく異なる特徴を持つ。
【画像】:データ破損
記録2:20■■/■■/■■
ID:2124556-899224832-8743972
レントゲン検査で内部に人型の死体らしき確認。
石像は原始的な石棺であると推測。
記録3:20■■/■■/■■
ID:2124556-899224832-8743972
現場の機材では棺の解体は不可能と判断、棺を研究所に輸送。
この際新型の輸送ヘリ4機を使用した。
【グラフ】:データ破損
記録4:20■■/■■/■■
ID:2124556-899224832-8743972
最新の荷電粒子式掘削装置を用いて、解体し死体を摘出。
解剖直前、死体が動き出す
備考:以降、死体を「非検体」と呼称。
【画像】:データ破損
記録5:20■■/■■/■■
ID:2124556-899224832-8743972
非検体に生命反応及び知性らしきものは見られず。
拘束後、より詳しい調査を開始。
記録6:20■■/■■/■■
ID:2124556-899224832-8743972
体内より由来不明の高エネルギー体反応検出。
上層部の発案により、抽出作業を試みるとの事。クソくらえ
◆事案◆
記録部門主任の問題行為が発覚。 内容:記録文書に不適切な記載
直ちに降格処分及びに後任の配置が行われた。
「20■■/■■/■■:違反行為記録に記載」
記録7:20■■/■■/■■
ID:2191856-729624212-9217590
エネルギー体抽出作業は現在難航中。
研究部門はエネルギー体の更なる解明を提案、現在許可証の受理待ち。
【データ破損】
【データ破損】
【データ破損】
【データ破損】
記録8:20■■/e69c88/92ef
ID:XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
データのかィ坐ンを発ケん。
くワ思惟げん因はe78fbee59ca8丁サ宙。
【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】【データ破損】
記録1f8b080ff700db845c9c030:/あなたのなまえを/
【コードを入力】
00100001110001111000000110110101110001111000000100100001110001111000000111010101110001110100000111001101110001111100000100111101110001111100000110010001110001110100000101001001110001111000000111010101110001110100000110100001110001111000000101100001110001110100000101010001110001110100000111100001110001111000000111110001110001111000000111101001110001111000000111111001110001110000000101000001
【M】
110001111000000111001001110001110100000100110001110001111000000111100101110001111000000101000001110001111000000101110101110001111000000101100001110001111000000110101001110001111000000101110001110001111000000101010001110001110100000111001001110001111000000101010101110001110100000101000001110001111000000111001001110001111000000111001001110001111000000111010101110001111000000111110001110001110100000111010001110001111000000100000101110001110100000110110001110001111000000101100001110001110000000101000001110001111000000100100001110001111000000101011001110001110100000100110001110001111000000111110101110001111000000110101001110001111000000100100001110001111000000111101001110001110100000111100001110001111000000101110101110001111000000111101001110001111000000111101001110001110100000111000001110001111000000100010101110001111000000101010101110001110100000111010001
【A】
110001111000000101000001110001111000000100100001110001111000000110111001110001111000000101100001110001111000000100100101110001111000000110110001110001111000000111111001110001110100000100010001110001111000000101100001110001111000000101010101110001111000000101010001110001111000000100010101110001111000000111100101
【R】
110001111000000110101001110001111000000111001101110001110100000100110001110001111000000111111001110001111000000110101101110001110100000111010001110001111000000100100001110001111000000101111101110001111000000110010101110001111000000111110101110001111000000111001001110001110100000111110001110001110100000100110001110001111000000111111001
【C】
110001111000000111111101110001111000000101000001110001111000000110110001110001111000000111111001110001111000000111010001110001111000000100101001110001111000000111110101110001111000000111011101110001110100000110010001110001111000000110011001110001111000000101100101110001111000000101100101110001111000000100100001110001111000000111110001
【Ⅰ】
110001111000000110101101110001110100000101010001110001111000000111010001110001111000000100010001110001110100000111010001110001111000000111001001110001111000000100010101110001111000000111110101110001110100000101000001110001111000000101100001110001111000000101010101110001111000000100100001
【E】
1111100011010001000100000000000000000000000000000000000000000000000000001111111110100010001100011101110001010000000000010000001000101000001000110111010101110110011110000110100001001101010100000100010110111101000100010001110101111110010101101111010100101001110100010001110111011010000100011011001001010001100001001100100010010010010011011001001110010100101101010011000101001110110110001010000110111101001101111111101100011101010110110000010011010001100011000001001110100110001000010011110010101010000100010010011000110011011010111101111010001110010011010011100001001100101111111011100100010111011110101011011110001100010011110010000101011010000000000000000000000000
記録L:2022/4/1
ID:001SAURON
俺はここにいる (http://・・・
備考:わかった。
駆け出したら、手に出来る…
【WARNING:CORRUPTED】
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大渦の嵐さえ起こすような、心の乱れから【彼】が解放された時には既に例の灰の大地に居た。
しかし、ここで良くなかったのは少々長く横になっていたせいで全身に灰を被り、よりにもよって口の中にまでそれが蓄積されていた事だろう…彼は勢いよく起き上がり、ペッペッと*1口の中でパサつく灰を必死に吐き出す。
ようやく口内の清掃が終わり、粉っぽい気持ち悪さも抜けた時【彼】は先ず頭を上げて目前に居る存在を確認した。
この重い銃火器を背負う黒外套の人物には見覚えがある。何度も見た、という訳でも無いがあらゆる意味で強烈に目立ちうる存在感は忘れようもない。ここが、あの“灰の大地”であるのならば尚更だ…何よりも、激しく一戦を交えた者は記憶に強く焼き付く。
黒外套の男――――【悔やみ続ける者】は、頭上から見下ろしながら、倒れ伏す【彼】に手を差し伸べ、そして口を開いた。
「やっちまったな…奴ら、封印を解いたぞ。
魂が、神秘の無ぇ人の業で抜けるハズ無かろうに。火が消えりゃ、おとなしく燃えていた世界も暴れ出すだろうに」
この、悔やみ続ける者の言葉の直後に【彼】は事の全てを思い出し、そして取り乱す…が、悔やみ続ける者が「ほら、早く」と立ち上がる事を催促したために一度平常心を取り戻し、彼の助けを借りて起き上がった。
最後に身体に付着した灰を全て振り払った後、改めて彼は悔やみ続ける者に詳細を聞いた。一体何が起きてしまったというのだろうか?
悔やみ続ける者はその問いに答える…という訳でも無ければ、濁すような様子も見せず、端的に今の状況を説明した。
「心配なさんな、そこまで酷い状況にゃ陥っちゃいねぇよ」
そうは言うものの、【彼】はソレを信用する素振りを見せてはいない。
「気持ちは分かる。が、此処にはDVDプレーヤーやプロジェクターとかその類は無いし、なんならご都合主義のように空中とか水面とかに映像が浮かんだりお前の脳内に突然身に覚えのない視界が飛び込んできたりとかは無いんだ。
だから証拠、と言われたってどうしようもない…だが信じては欲しい」
随分な物言いである。悔やみ続ける者に対する【彼】の印象は、初めて対峙した時のそれとは大分かけ離れていた。正直な話、悔やみ続ける者の様子や言動・仕草はとても胡散臭い、黙っていてくれてた方がずっとずっと良かった。
しかし【彼】の直感はこの黒外套の男が噓を言うような男ではない、何なら嘘がヘタクソな類であると感じて居た。この際引き合いに出したのは、あの更識楯無である。嘗ては「心理戦の申し子」とまで評した彼女の様な饒舌さに比べると、どうも
…いや、身元すら分からないと言う点では楯無以上に悔やみ続ける者は
物的証拠がいらない訳では無かった、なんなら勘に頼りたくも無かった。
しかし、これ以上の膠着は望まない。仕方なく彼は悔やみ続ける者の目的を、静かで低い声で尋ねた。
すると男は、それを待ってたかの様にあからさまな表情を見せ、【彼】を指差しながら何度も何度も頷いた。どうしようも無く、先ほどの意見を撤回してやりたくなりそうだった。
「実を言うと、お前の手助けをしたい。
それが目的…と言えば、そうだな、目的だ、うん」
やはり非常に胡散臭い、本当の本当に前言撤回したくてたまらなくなった。
そんな【彼】の訝しむ様子を察した悔やみ続ける者は「あぁ…」と、同じく落胆したかのような表情と所作を見せて次の言葉に繋げた。
「そんな顔をせんでくれ、正直傷つくぞ?
…まあ、ちょっと脅すようだけどさ、正味このままずっと此処に居たってなにも解決しねえよ?お前の学友達も、まあ…お前ほど長く息は続かんだろう」
悔やみ続ける者の言葉に、彼はまた別の不快感を覚える。
まるで悪質な商売人に己の足元を見られたかの様な苛立ちであった…果てしなくもどかしいのに、“そう”するしかないという事実がそこにある。
男の言う“手助け”とやらを信用するしか元より道が無かった、故に彼は渋々と首を縦に振ったのだ。
「…ついて来い、先ず見なきゃいけないものがある」
手招きの後、直ぐに――いつの間にか銃火器を捨てていた――背中を見せた悔やみ続ける者の後を【彼】は直ぐに追いかけた。
< ARCHIVE OPEN <
【記録タイトル:それではだめだった】
「ん…っ」
シャルロットが目が覚めると、そこは知らないベッドの上だった。
自分が何故ここにいるのか理解もせずいる内…次第に脳が醒めてきて、記憶が戻る――――しかしそれはどうも、【彼】の傍らで映画を見ていた所で途切れているようだった。見ていたのは、確か最近か1年ほど前に最新作の出た古い名作映画で、バーチャル空間と現実世界の両方における人と機械の戦争を描いた作品だ。そのコンピュータのプログラムを思わせるパッケージが何故か己の目の前に転がっている。
この映画の主演俳優によるアクションシーン等含めて、この作品は当時の社会現象ともなった。特にこの日本では当時の掲示板の住人達が結束し、集団で映画の登場人物の仮装をして町中を歩き回ったとか。
まあ何をどう言っても、既に彼女は何度も何度も見た作品だ。
次のシーンを知っていてはスピリチュアルな体験も何もない訳で、結局眠気に耐えられずに深い眠りについてしまったようだった。
「…。(あれ?そうするとここは――!)ッ!!」
彼女が推測を立てようとした時にはもう直感的に気が付いていた、このベッドは間違いなく【彼】のものだろう。事実に気付いて、盛大に赤面したシャルロットは一先ずベッドから出た。
「おはよ、潤。
潤?ねえ?聞いて…ね、寝てる…?」
数時間ぶりのリビングへ行くと【彼】はソファーで座ったまま動かないでいた。やはり眠らないかと思っていたが意外とそうでもないようで、まだ彼女が起きた事に気が付いていない…目の前に居るにも拘わらず、だ。
シャルロットはそっと、彼を覚醒させるために顔を近づけた。
だがしかし、それ以上の“進展”は無かった。何故なら彼は瞑っていたハズの眼をぱっちり開き、じつと彼女を見つめていたからだ。
「う、うわぁあッ!?あ、あわわ…わっ、え、え?潤…お、起きてた…の?」
彼女の問いに、【彼】は一切答えない。何のつもりだろうか?
しばらくの沈黙の後、ようやくその重たそうな口をゆっくりと開いた――――そして只一言、カンフーを覚えた。
「…え?」
今のは彼のギャグのつもりだった、昨夜見た映画の。しかし通じなかった、シャルロットは映画にそこまで思い入れのある人物ではない。
ネタの盛大な滑りを感じた彼は、忘れてくれと言った後に初めて起床の挨拶をしたのだった。
そのままシャルロットの困惑を他所に、彼女の為にコーヒーを淹れるため電気ケトルで湯を沸かし始めた。途中、フランスは紅茶文化だったかと妙な勘違いを起こして必死に茶葉を探し始めたりしたが。
結局、最終的にはコーヒーでも問題なかったことを思い出し、インスタントコーヒーの粉と沸かした湯をマグカップに適量入れ、それをシャルロットに渡した。
「ありがと…」
この時、彼女は寝起き以上に赤面し、心の内も揺れ動いていた。
何せ自分自身が“しようとした事”が【彼】に見られていたかもしれない、否、確実に見られていたのだ。それが堪らなく恥ずかしくて恥ずかしくて…最早死んでしまいそうな気持ちでいっぱいだった。
そんなタイミングで、インターホンが鳴った。
シャルロットは台所で何か作業している彼に変わり、「僕が出るよ」と一言残し、そのまま逃げるように玄関へと向かった。
これがさいしょのはなし。
それでもまだ生きて…
> ARCHIVE CLOSE >
今【彼】と入学当時の【彼】は、悔やみ続ける者と共にIS学園の教室の一角にいた。
あれから長い事あちこちを歩き回ってはいるが、しかし此処に居る間は時間の問題は無いものだという。
彼は悔やみ続ける者に問う、そもそもこの灰の大地が何であるのかと。
そのより根本的な質問に男は直ぐに答えた。
「あれ?あの太陽の戦士が言わなかったっけ。
しかし、そっちなのは…ちと以外だったな」
相変わらず意図的なのか無意識なのか主語を幾つか抜かして喋るので、男の言いたい事がいまいち分からない。
まあ要領を得ない事を話し続ける存在は何も此奴が初めてでもないので【彼】は結局その答えをスルーして、当時から勝手に持ち出していた白いサインろう石を己の鞄に、そしてただのボールペンだかシャープペンだかを机の下に投げ捨てた。
【彼】と悔やみ続ける者、両者は互いに目を合わせると同時に頷いた後、教室を後にして学園からも脱する。
二人がモノレールの駅までたどり着いた時、今度は悔やみ続ける者が【彼】へと問いかけた。
「なあ、あんた…ちと、いいか?」
彼は男の問いに、何も言わずに首だけを向ける。
「まあその、別にこれと言って今重要って訳でも無い。
何なら自分の過去の正当化をしたいだけなんだが…今しかないんだ」
今までの胡散臭さはどこへやら、何か哀愁さえ含んだどこか冷えたような空気を漂わせて男は【彼】への問いかけをついに投げつけた。
「お前は…誰だ?」
問いに対して【彼】はぴくりとも反応を示さない。
「お前は…“不死人”か?それとも“薪の王”か?」
物言わぬ石像のようになった彼は、しかし悔やみ続ける者はそれを一切気に掛ける事無く続けた。
「所謂“絶望を焚べる者”か?若しくは…“灰の人”って奴?
いや、それとも――――」
最後の問いの前に、男はしっかりと身体ごと【彼】へと向き直る。
「――――お前は、“佐々木 潤”か?」
その最後の問いだけには【潤彼】も思わず悔やみ続ける者の方を振り向いた。二人は互いに、迷いや後悔にも似た感情が誰にも見て取れるような眼を向けあったまま黙りこくっている。
その間、モノレールが既に肉眼でも見える所まで近づいており、その独特な金属と機械の音を静かに響かせている。
【彼潤】から一度目を離し、それを見た悔やみ続ける者は、まるで黄昏の夕日を見つめているかのように、何物にも疲れてしまったような声をその――黒い布で隠れた――口から発した。。
「俺も、似た様な存在だった、と思う。
最初はちゃんとした名前もあった…親から貰った。でも、いつだったかソレを忘れて、名乗る事を止めたら…鴉頭って呼ばれた。嘴付いたお面を被ってたんだ。
ミィって、ちんちくりんな名前を付けられたこともあった。
そしてお前は、俺を“悔やみ続ける者”って、それらしい名前で呼ぶ」
もうじき、駅にモノレールが到着する。
【潤彼】もまた、それを確認して乗り込む準備を整えた。
…その隣で、何を想ったのだろうか。悔やみ続ける者が突如として自らの顔を覆っていた古い布を脱ぎ捨てる。
露わになったのは、銀髪の――――というより、色素の抜け落ちた長髪の、存外若い男の顔だった。というよりも若すぎる、自分の同級生達とも遜色ない程には若い顔だ。
全体的に古びた様な痕跡さえ無ければ年齢の認識を違えていたのかもしれない。
「…一つ、ものすごく気に入ってる名前があるんだ。
鴉頭っていう顔以外不定形の悪魔から、俺を…人に戻してくれた名前」
遂にモノレールが到着した。
車両の自動扉が開くと、二人はそこに向かって静かにそしてゆっくりと歩み始めた。
「また、どこかで合流しよう」
【彼潤】と、悔やみ続ける者。
それぞれ別の車両に乗り込んだ2人は、そのまま閉じた自動扉の向こうへと消えていった。
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【記録タイトル:人の始祖たるもの(作者不詳)火とは(著者不明)】
この星に置いて生命の定義は2つほど存在する。片方をA、片方をBとして捉えた時、BはAのデチューニング版とも呼べるかもしれない。何故ならAの定義ではどんなに卑小な命でも神秘的な源があるのに対し、Bの定義ではなんてことは無い…単なる物理の相互作用が複雑に絡み合った上で成り立つ。もしも宗教じみた表現を用いるのなら、Aを“浄土的”と、そしてBを“穢土的”と表す事が出来るのだろう。しかしそのデチューニングが悪いものかと問われれば私は「yes」と首を縦に振ることはできない、寧ろ「No」と横に振り続けるだろう。その際たる理由として、既にAの定義における生命はほんの極一部を残して完全に滅びている。生存者の証言によれば前述した“神秘的な源”が衰えた事に起因しているようであり、とても自然な命とは呼べなかったのだと思われる。Aの滅亡から暫くして、Bは【閲覧規制対象】を経てこの星に広く普及し、そして我々人類もまたその定義の内の一つである。これを踏まえると前述した“デチューニング”という言葉は相応しいとは呼べないだろう、何せAとBは――少なくとも【閲覧規制対象】が調べた限りでは――互いに別々のものを起源とする、似て非なるもの同士であるのだ。そして我々はAの始祖が何であるのかは未だ調査が及んでいないが、Bの始祖は現在■■体はとうの昔に管理下にあり、残る2体【閲覧規制対象】及び【閲覧規制対象】もまた現在は「六多七瀬」という偽名での活動を確認している。元よりそれらが全く同じだと言えるはずも無かったのだ。一度滅んだ物を同じように構成するとして、そこに全く違うものとやり方を用いてしまえばそれは所謂「似て非なるもの」であるのではないだろうか?見てみるがいい、今目の前に灯る火を。それが“火の時代”と呼ばれた時のそれと全く同じだと証明できる所以はどこにある?命さえその在り方は全く違うのだ、今や人共も獣共も等しくソウルなど持たない。そして考えてみるがいい、今や嘗ての火は何を糧に燃えているのか。薪の王は現在、当時を書き記した“生ける”歴史書であるとも言える。それはかの火の時代のすべてを単一のISに集中させたためだ、覗けば物理的に当時の情景が炎の中に見えるであろう。美しい星のために燃えて消えて行く嘗ての源を薪の王は自由自在に操っているのだ。それ即ちソウル、つまり生命を操っていると、本質的にはそう結論付けられるのではないだろうか?まだまだ議論の余地はあるだろうが、今、私はそうであると考えている。しかしここまで高圧的に綴っておいてだが、私もまたこのあらゆる全ての根本たるものの本質は未だに掴み損ねている。しかし気にはなるのだ、あの時一瞬だけ見えた黄緑色の閃光、もしくはあれが。
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そこは墓場、白い墓石が何処までも均一に並ぶ広大で煌びやかな…清廉な空気が漂う死者達の寝床。そのはずれにある森の中の、小さくてみずぼらしい木製の十字架の前に【彼】は立っていた。
彼は今まで己が見て来た墓場とは全く違うこの空気に、何かしっくりと来ないような感じ――――言うなれば、違和感を覚えつつも、それ以上に居心地の良さも感じた。
そこで先ほどまで着ていた赤と青の塗料塗れの作業着と、使い古した幾つかの工具を投げ落とすと何やら人影が遠くに見えた。
「随分と早いじゃねぇか…」
ようやく悔やみ続ける者が到着し、【彼】に対して大きく手を振った。
己の真後ろに立つ男に対して彼は問いをかける。
いずれ己の学友…一夏や箒にセシリアと鈴音に、そしてシャルロットとラウラ。皆が此処に還るいつかを己はいずれ見届ける事になるのだろうかと。
「それはもう、何もかんもお前次第だ。
皆を暖かな棺桶や骨壺に収めるか、冷たい土のベッドに沈ませるか…俺の知ったこっちゃないし、俺が知り得る事でもない」
問いに答えた悔やみ続ける者は【彼】の隣に移動し、最寄りの樹木にその身を預けた。
「なあ、お前…もう分かってるんじゃないのか?
俺がやらせてきた事のワケってのが。でなきゃあの大穴に…なあ」
彼はまた男の尋ねに対して黙る――――のではなく、間を置かずして答えた。
結局の所、あの時に悔やみ続ける者が聞いた【彼】が何者であるのかという問いの答えを出し損ねているようで、何よりも今はやるべき事がまだあるのでそちらを優先させてほしい…というのが今の【彼】の答えであった。
暫くすれば燃ゆる定めにある、あの町のネオンサインを脳裏に浮かべながら…。
「そうか…珍しいな、お前が答えを保留するなんてよ。
ともかくだ。まさか自分から【The ILL】を持ち出そうとしていたとは…正直驚いたぜ、バカになったのかと思ったよ」
かなり失礼な言い分を続ける男に対して彼は睨みつけつつも、やるべき事の話をつづけた――――その眼には一切の畏れ無く、本質を良く知った上での第一歩だ。
その間、悔やみ続ける者は【彼】の仮説や説明、そして目的に一切の口を挟まず真摯に聞き続けていた。自分の人生のオリジナルであると同時に自分と言うオリジナルの派生でもある目の前の不死に…嘗ての自分の面影を重ねながら。
一頻り、【彼】の話を聞いた後に男はそっと口を開き、最後のピースを埋めた。
それと並行して剣の柄を差し出す…刃は鋭角に折れていたが。
「…教えてやるよ、使命があるのは丁度4回だ。そんであのもう何も蝕めない疫病擬きは目覚める。
ただまあ、蝕めないつってもパワーだけならいっちょ前だ。本当にやる気か?」
【彼】は強く確かな二つ返事で、肯定して剣を受け取った。
それは嘗ての
破壊していく戦慄が、目指すこの場所で――――一つ一つ、まだやるべき使命への道を辿る。
1度目は、濃霧で別たれた世界を再び楔で繋ぎ止めるために…しかし、最後と言えば獣を呼び覚まし女の顔を踏み越えて、結局は失敗したのだった。
2度目こそが、あの灯火が消えて冷め逝く世界の存続を託されて…これも結局の所は女の顔を踏み越えた先で、世界の僅かな温かみを血と共に己に取り込み、結果的にはあの世界を殺したのだった。
3度目に立ち上がったその時、朧気な視界で見た景色はとても明るかった。そこで過去2度の後始末を自ら行った…何のためだったのだろうか?後悔か?贖罪か?それともまた、この日の為に?
そして4度目の使命で、それこそが…。
――――その一瞬の隙を突かれた時、【彼】は敗北を予感した。
その予感通りに、己の胸に
「やってくれたな、お前のガールフレンドは。
いや…お前にツキが来たってだけかも」
【彼】の綱渡りはこれで始まった…ソレを見届けた、悔やみ続ける者は彼の胸に深々と刺さる剣の柄に手を掛ける。
「…じゃあ行ってこい、結果をその眼で確かめてこい」
剣を、緩やかな力でそっと…【彼】の傷が痛まぬように丁寧に引き抜いた悔やみ続ける者は、今度は壊れたBARを拾い上げる。
その光景を眺めつつ彼は、次の戦いへの覚悟を決めてそっと…目を
「…ったく、派手にぶっ壊しがやって」
【深く、赤い血の衝動】
【天】と【地】!双斧と、螺旋槍が激しく衝突した!
余波で荒野の灰が荒々しく巻き上がり、埋もれていた廃墟が露わになる程大地が抉れ上がる。
【地】による超高速の奇襲を受け止めた【天】はそのまま左手の斧で螺旋槍を受け流した後に、右手の斧を振り翳して相手の脳天をかち割らんとする。しかし【地】もまたタダではやられぬと、螺旋槍とは対の手の爪でガッシリとその斧を掴み、【天】が反応するよりも早く素早い蹴りで相手を吹っ飛ばしつつ、己もまた【天】と距離を取った。
なんとか先の衝突で出来たクレーターの淵に着地した【天】は、その名が示す通り大きく戦翼を展開して、尋常ならざるスピードでの飛行を始める。その速度たるや【地】の空間を裂くような走行速度とさえ劣らない程であり、遂に【天】は【地】と並走!たがいに何度も刃を交えながら灰の大地を突っ切って行く。
途中、この鍔迫り合いが埒が明かないと判断したのか【地】が奥の手の一つを繰り出した…百戦錬磨の【天】でさえ意識していなかったその瞬間、【地】が5機に分裂し、【天】の周りを惑わすようにぐるぐると移動し始めたのだ。
まさか5機とも実体などと言う訳ではあるまい、実体はただ一つだ…そう思いたかった【天】だが、【地】のとんでもないスピードを知っているからこそ、その考えから脱却できたのだ。例え実体は1つでも、それが実際に5つある様に戦えるのが【地】の特性。
【天】は一度立ち止まり、その瞬間を待った。
…腹か、鳩尾辺りで熱く昂るような何かが暴れ狂う。それを一気に放出すれば間違いなく必殺の1撃にもなり得るようなソレを「ほんの一瞬」の為にチャージし続ける。
5機揃って、殺意が一直線に――――そして同じところで交わった。
それを間一髪感じ取った【天】は直前に飛び上がり、空中で大の字に身体を開いて、鳩尾に集中した超エネルギーを一気に…交わった5機の【地】へと放射した!!
【天】の試みは成功したのだ…もし失敗していれば、逆に5本の螺旋槍によってズタズタに引き裂かれていたその賭けに勝ったのだ!
しかし、【地】の死体が確認できない。
かなりの高出力で放ったあまり、塵も残らなかったか。そういった油断を付くように、突如【地】が【天】の足元から飛び出し、背後に回って螺旋槍を振り下ろさんとして来た!
【天】は振り向きざまに、腕から生える3枚の
結果は【地】が【天】を貫く――――よりも速く【天】の鰭が、焼け焦げて露出した【地】の
【地】は目の前の相手を穿つパワーすら残されておらず、力なく己の主戦場たる大地に斃れ伏し、そのままドロドロとした何かへと成り果てて…やがてはこの灰の大地の奥底へと染み入って消えたのだった。
【生の証にて魅了され】
「もう、いいだろう…」
その問いに、彼は頷きで答えた後に――――その眼を
既に胸の傷は癒えており、何の痛みも無く壁から立ち上がった【彼】は、その時すでに墓場ではなく灰の大地に立っていた。
もう何もかもが分かっている、この次に打つ一手が如何にこの局面の全てを左右しうるか。
それを表情で表して見せた【彼】は、それを見届けて遠ざかっていく悔やみ続ける者に声をかけた――――また数千年後、かの地で逢おうと。
悔やみ続ける者は、ただ笑って…その場から消えた。
00100010111101100111011001000111111000110100010001000000000000000000000000000000000000000000000000000011111111110100000111001111101011100010100000111100111110001010110000110110010100111010101000010100011100100111001000110100010101010010101110000010100001010001111010011101010000011000001001001011010101110001101010100100100000000000000110100111110100101000010000001001011100000000000000000000000000彼の前に二つの扉が現れた。一つは青いドアノブ、もう一つは赤いドアノブだ。110000000110011001001011100000010001100110111101100100111011100110101001100010111000000100100001100000010000010110111101100011011010100110000001001001011001110110000001000010111000010110101001100000010011101110100001100011011000110110011101001011000001010000101100000101000010010010010001110000000110011001101101100000010000110110100101101101011010100110000001001110011000010110111101101100111000101110000001000010111011110110000001000010111010101110010011100111011000000100100101100111011000000100111101100111011000000100001011100001011010100110000001000100111011110110100001100010011001110100101100000101000010110000010100000010001010000110100111100000010010000110011001100010111010100110010011100000010000100110100001101001111000110100000001001001001000000100110011100010111010000110100111100000010010000110010011101111011010101110011101100010011000000100111101100111011000000100011001101000011001001110000001001000011011101110100001101001111001110100101100000101000010110000010100001011000001010000001000101000011010011110000001001000011001100110001011101010011001001110000001001001001001000111000000010001100101101110101001100000010011100110111101100010111000000100100101100010111001110100101100000101000010110000010100001001001001000111011111000110100010001000000000000000000000000000000000000000000000000000011111111110100000111001111101011100010100000111100111110001010110000110110010100111010101000010100011100100111001000110100010101010010101110000010100001010001111010011101010000011000001001001011010101110001101010100100100000000000000110100111110100101000010000001001011100000000000000000000000000青いドアノブの先を行けば、彼はきっと解放されるであろう。00000011001100110110110000001001110011011110110100101100111011011100110000001000010111011110110000001001100111000101110100001100111011000100110000001001111011001110110000001000010111000010110101001100000010001100110001101101111011011110110010011100111010010110000010100001011000001010000010000101001111000000100001011100001011010100110000001001110111010000110100111100011010000000100100100100000010001100110111101101010111001110110001001100000010010000110000001000110011000110110111101101110111010100110010011100000010010000110000001000011011010010110001011100010111000110110101001100000010011101110100001101001111000000100100001101110111010000110100111100111010010110000010100001011000001010000111100100001011000110100000001001110101010000110100111100000010010000110111011101000011010011110011101001011000001010000101100000101000010110000010100000010101011110110000001001110011010010110011011101010011000000100110011101010111001001110010011101010011001110110001001101010011001001110001101000000010010110110100111100000010011001110111101101010111000110110000001001001011011001110000001001110111010000110011101100010011010100110010011101001011001110110111001100111010010110000010100001011000001010000001010101111011000000100010001101000011011000110110101100000010011110110011101100000010011001110100001100110011010100110000001001110011001001110111101101010111001110110001001100000010010010011111000110100010001000000000000000000000000000000000000000000000000000011111111110100000111001111101011100010100000111100111110001010110000110110010100111010101000010100011100100111001000110100010101010010101110000010100001010001111010011101010000011000001001001011010101110001101010100100100000000000000110100111110100101000010000001001011100000000000000000000000000望まぬ受難など存在しなかった、より良い状態のハッピーエンドで終わる世界への入り口、それがこの青いドアノブだ。100100011100000001100110011011011000000100110001101000011000110110001101101001011001110110111001100000010011110110011101100000010001100110100001100100111000000100100001101110111010000110100111100111010010110000010100001011000001010000000100101111011011101110000001000110011010000110010011100000010010000110111011101000011010011110111111001011000001010000101100000101000010110000010100000010001011110110011101100100011100000001100110010010111000000100011001101111011001001110111001101010011000101110000001001000011000000100000101101111011000110110101001100000010010010110011101100000010000101110000101101010011000000100111011101000011000110110001101100111010010110000010100001011000001010000100100100100011100000001100110011011011000000100001101101001011011010110101001100000010011100110000101101111011011001110001011100000010000101110111101100000010000101110101011100100111001110110000001001001011001110110000001001111011001110110000001000010111000010110101001100000010000110110111101101000011000100110011101001011000001010000101100000101000000100010100001101001111000000100100001100110011000101110101001100100111000000100001001101000011010011110001101000000010010010010000001001100111000101110100001101001111000000100100001100100111011110110101011100111011000100110000001000110011010000110010011100000010010000110111011101000011010011110011101001011000001010000000001001011000001010000101100000101000000100010100001101001111000000100100001100110011000101110101001100100111000000100100100100100011100000001000110010110111010100110000001001110011011110110001011100000010010010110001011111111000110100010001000000000000000000000000000000000000000000000000000011111111110100000111001111101011100010100000111100111110001010110000110110010100111010101000010100011100100111001000110100010101010010101110000010100001010001111010011101010000011000001001001011010101110001101010100100100000000000000110100111110100101000010000001001011100000000000000000000000000しかし赤いドアノブは違う。きっとこの先幾多の困難が待ち受けるであろう。しかしそれこそが【彼】は約束であると信じている。00111010010110000010100001011000001010000100100100100011100000001100110011011011000000100111001101111011010010110011101101110011000000100001011101111011000000100110011100010111010000110011101100010011000000100111101100111011000000100001011100001011010100110000001000110011000110110111101101111011001001110011101001011000001010000101100000101000001000010100111100000010000101110000101101010011000000100111011101000011010011110001101000000010010010010000001000110011011110110101011100111011000100110000001001000011000000100011001100011011011110110111011101010011001001110000001001000011000000100001101101001011000101110001011100011011010100110000001001110111010000110100111100000010010000110111011101000011010011110011101001011000001010000101100000101000000100010100001101001111000000100100001100110011000101110101001100100111000011111000110100010001000000000000000000000000000000000000000000000000000011111111110100000111001111101011100010100000111100111110001010110000110110010100111010101000010100011100100111001000110100010101010010101110000010100001010001111010011101010000011000001001001011010101110001101010100100100000000000000110100111110100101000010000001001011100000000000000000000000000今の彼は【彼】ではない、より過去の存在【[a player]】だ。故にこの行き先はあなたに委ねられている。あなたがもし不死である/不死であったのならば…いや、そうでなくとも。0010000100110100001101001111000000100001011100001011010010110011101101110011011001110000001001000011001001110101001100000010001001110111101100011011000110110100101100111011011100110000001001111011001110110011101001011000001010000101100000101000000100010100001101001111000000100100001100110011000101110101001100100111000000100001001101000011010011110000001000010111000010110100101100111011011100110110011100000010010000110010011101010011000000100010011101111011000110110001101101001011001110110111001100000010011110110011101100111010000000100110001110000000100000001101100000101000010110000010100001011000001010000
青いドアノブ→この小説は2020年11月13日(金)の投稿で最終回だ。
気が付けば、【彼】は大勢の敵に取り囲まれていた。
中央には今回の全ての始まり、あの44マグナムを持った黒いコートを纏うサングラスの男と、その腰巾着のようなスーツと眼鏡の男。そして突撃銃で武装する幾多の兵士に…奥には資料で見た、今のアルベールの妻――――確か名前はロゼンタだったか――――が居る。
サングラスの男が自慢の44マグナムを突きつける、その先に居るのは……シャルロットだった。
【彼】は思わず武器に手を掛けた。
「やってみろ、小娘の顔がトぶぞ」
そう警告した男の表情は、サングラスを通して尚も分かるほどに余裕に満ち溢れていた。
当然だろう、客観的に見て状況が有利なのは向こう側であるのだから。しかし【彼】は既に知っていた…だからこそ、彼はサングラスの男以上に余裕の表情を浮かべて見せているのだ。
――――あと3秒。
「何が可笑しい?」
男の問いに、【彼】は答えない。
――――あと2秒。
「待て、ヴィラン。あの男…何か奥の手があるんじゃないのか?」
「そのハズはない。
此処には何も持ち込めなかったハズだ」
――――あと1秒。
この時点で、【彼】の形勢逆転が決定した。
彼は…その口角をぐいぃっと吊り上げる。
――――突如、シェルターの上空がガラリと崩れた…!!
あきらめないよ 君を守り続ける
――――STRAIGHT JET(作詞:栗林みな実、作曲:菊田大輔、テレビアニメ「IS〈インフィニット・ストラトス〉」主題歌)
あ、そういえば…あけましておめでとうございます(激遅)
※ 今回の本文最後の名言欄は諸事情により只今表示を控えております。
2022/01/17:諸事情が解決したため表示しました。
<次回までのロード時間中のアイテム紹介>
【折れた剣】
折れた上に、かなり風化の進んだ最早武器としても使えない鉄塊。
特別な力が宿っているわけでもなく、しかし暗黒へと己の背中を押し進める者たちにそれは強烈な武器となるだろう。
何れ呑まれた時、己をも殺すと知りながら。
今、何でこの話を見てる?
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