(完結)成層圏にて燃えるもの【IS×DARKSOULS】   作:エーブリス

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そういえばヒロイン全く考えてなかったなー。
出来ればおっぱい大きい人がいいなー、それなりでもさあ。

…でもハーレムはやりたくねえなー。





いや、やっぱヒロインいない方がいいか。
作ったらひっそりと殺すことになる…そう、シーリスちゃんとかアリアンナとかのように…。










ていうか遅れてスンマセンシタぁ!



ジレンマに叫べない。

生徒が皆食堂に出向いているので教室には誰もいない。

…一人を除いて、だが。

 

言うまでもなく【彼】である。

 

 

自分の机でただ一人持参したノートパソコンのキーボードを拙い手つきで叩いている彼は、表情を見るにどうやら何かの検索を行っていて、しかし結果は芳しくないらしい。

眉間に指を添えて、疲れ目をほぐす間にこれ以上の調査を打ち切るかどうかの判断をする。

 

――――欲しい情報は中国の代表候補生[凰 鈴音]とその専用機[甲龍]の情報。

先程このクラスに突撃して一夏に宣戦布告してきたのだ。曰く2組のクラス代表は彼女に変わったという事だ。

…妥当だな、というのがその時の【彼】のコメントだった。同程度(暫定)の技量で量産機と専用機では分が悪すぎる。

 

スイーツ券という重荷だってある、2組の元クラス代表はさぞ肩の荷が下りたと安堵しているのだろう。

 

 

ただ単に国の代表候補生というだけならば彼は歯牙にもかけないのだが、彼女の出身地である中国に、というよりは国の権力者及び政治関係にきな臭い部分が多くある…との噂を小耳に挟んだ事と更に一夏と鈴音が過去に関わりがあったとの事でもしもを想定し検索エンジンに様々な言葉をつぎ込んで直接に中国政府の内情を調べているのだ。彼は。

 

 

 

―――――――ご察しの通り、徒労である。

彼がやろうとしている事を端的に言えば、人狼ゲームで一々「貴方人狼ですか?」と聞いて回っているようなものである。はい、と答える人狼はいない(例外有だが)。

 

彼は…インターネットに対する認識が甘かった、というよりは誤っていた。

 

そもそも中国が怪しい云々もゴシップの域を出ないような話である。

実に不死とは情報において全くの無力だ…何も知らされないし知ることができない。故に言葉に踊らされるのだ、いつの時代も…どの不死も。

 

 

…自分で得られるものは無いと悟った彼は“保護者”に相談することにした。

 

―――――――そして何があったか事細かに話して盛大に笑われるのは後の話。

 

 

それはともかく、彼はノートパソコンを閉じて自分の鞄へとしまい、体を伸ばした頃には既に授業再開時刻が迫っていた。

次第に生徒も戻ってきており、空気もワチャワチャと騒がしくなって来る。

 

 

 

 

さて、今ちょうど例の3人…織斑一夏と篠ノ之箒、そしてセシリア・オルコットが帰ってきた所だ。

一夏はまあ…いたって普通な顔だが、箒とセシリアがどうも雲行きの怪しそうな顔をしている。

 

そして教室に入った時点で【彼】をじつと睨んでいる。

 

 

…この状況で【彼】は何も感じないか。

―――――――否、である。一夏と違って彼は鈍感ではない。

 

波乱か災難を予期しながら、しかし観念した様子で歩み寄り近づく2人を見た。

最早避けた所で“何か”にぶち当たる…さらに言えば、避けると更に面倒な災難に遭うだろう。

 

 

 

 

 

セシリアが彼の机をバンッ!と強く叩いた。

 

「佐々木さん!、お願いがありますわ!」

 

お願いなど…結局のところ命令かそれに近しいモノだろうに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夕暮れ時のアリーナ。

空赤く染まり、まるで大気がすべて火炎に包まれたようにすら見えるだろう。

 

そこで【彼】はやたら哲学的な自問を繰り返していた。

自分はなぜ居るのか、自分の居る意味とはなんなのだろうか――――聞こえは良いだろう、しかし実態はと言われれば…。

 

 

「遅いぞ!一夏!

ハァアッ!」

 

「おわっ!?」

 

「後ろががら空きですわ!」

 

「のわぁあっ!?」

 

 

…3人で訓練を初めてしまったことにより、自分が呼ばれた意味が結局なんだったのかわからずに居るのだ。

そもそもが“お願い”の内容が「放課後アリーナに来い」との事だったので、この時点では代表戦が近いことによる一夏の訓練だと察しはついていた…が、これではタダのギャラリーである。

なんだ?この…訓練という名の、歯痒くて煮え切らない一方的なイチャコラ(またの名を、女々しい男の取り合い)を見せられているのか?それだけが心の声であった。

 

 

IS2機に翻弄される一夏をアリーナの縁で胡坐をかいて眺めるのにそろそろ限界を感じてきた【彼】は、そろそろ呼ばれた意味を与えようとISを纏う。

 

 

手にした武器は大斧…ではなく、拡張領域に格納されていた大型マシンガン…と、それに似た武器である。

謎の射撃兵器については開発元曰く「威力の高いマイクロミサイルをフルオートで放つ」だそうだが、要はばらまいてなんぼの武器だ。マシンガンと変わらない。

 

FCSを起動、それぞれをロックオンして3機がより密集するタイミングを狙った。

 

「ッ!?ロックオン!?どこから――――…ッ!

佐々木!余計なことをするな!」

 

「貴方は手を出さないでくださいましッ!」

 

知ったこっちゃない、と彼は容赦なく引き金を引いた。

吐きだされる40㎜の弾頭とマイクロミサイルの暴風雨が打鉄、白式、ブルーティアーズ共々を巻き込んだ。

 

実戦がごとき混乱っぷりである。

FCSを起こしたとは言え1次ロックオンすらしてないので命中率など雀の涙ほどもないが、それこそが今の混沌を生み出す要因ともなる。

 

1マガジン撃ち切った後に今度こそ大斧…ではなく、背部ハンガーにマウントしていた大型の物理ブレード(詰まる所の特大剣)を構え、切っ先を白式に向けたまま猛スピードで上昇、間合いを一気に詰めた。

 

…真下より来襲した大剣の突きを一夏はどうにか躱したものの、とっさの行動だったために空中でおおきくバランスを崩し隙を晒したところに【彼】が容赦なく横薙ぎを喰らわした。

 

 

フルスイングのバットで繰り出したホームランが如く吹っ飛ばされた白式はしかし途中…アリーナのシールドに激突する直前でスラスターを思いっきり吹かして、その大推力で折り返すように再び【彼】…アックスマンへと突撃する!

 

圧倒的速度で華麗にカーブを描きながら大剣の刃先の反対側に回り、大振りな刃の大剣故に対処しきれない超至近距離まであっという間に辿り付く!

 

「せぇいッ!」

 

渾身の横払いを踏み込みとほぼ同時に放つ白式!

…が、その刃は大剣の柄の底で相殺されてしまった…柄の底という細い部位で、刃という薄い部分をピンポイントに迎撃したのだ!

 

「ッ!??

しまっ―――――――がはッ!…っだッ!」

 

白式の手の中でカウンターの重みが鈍く響き、一時の間麻痺した一夏の身体に大剣の突きが容赦なく襲う!

吹っ飛ばされた先のアリーナのバリアに背中と後頭部を打ち付けた彼は意識が飛び落下してしまった。

 

 

…しかし戦意まで削られている素振りは一切見せず、一夏は直ぐに立ち上がって見せた。

 

 

 

 

 

―――――――そしてその頃の【彼】と言えば…。

 

「おい!佐々木!なぜ手を出した!」

 

「貴方は見ていて下さいといったでしょう!?」

 

…うるさいのに注意されてた。

とは言え、【彼】を呼んだ(正しくは連れ出した)のは彼女らなのでその上で「お前が見ていろ」など蛇の生殺しの極み…いや、無理やり連れ出しておいてコレなので生殺しどころかタダの虐めにも近いといっても過言ではない…多分。

 

その点を冷静に指摘すると、流石に痛いところを突かれたのか彼女らは黙り込んだ。

…の、だが。

 

 

「こ、ここぞ!という時に貴方に出番を与えようとしたのですわ!

それなのに…貴方は」

 

「そうだ!まだ、まだお前の出番ではない!」

 

最早スカッとする程の開き直りである。

ともあれ、待て!を喰らった【彼】はそのまま大人しく待機―――――――するほど素直な人間ではない、というかやるなと言われてやらない不死の方が珍しいわけで、彼も寡黙でストイックな印象に似合わず例に漏れずろくでもない不死の一人だ。

 

 

【彼】は言った、ゴチャゴチャした戦いは好きじゃない…と。

一夏へと向かう2人の背中に、一夏もろともロケット砲…というかアックスマンに搭載されている(一部補給の手間のかかるのを除いた)全銃火器の一斉射撃をぶちかました!

 

 

 

 

ボンッ――――――――――――――どこか遠い所で、そんな感じの破裂音を聞いた者が居たそうな。

1組のトレーニングは想定よりかなりハードなものになりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてと。

所変わって更衣室、想像以上のハードさでクタクタになった一夏と、なんとも無いようにいつものやや神妙な仏頂面を浮かべる【彼】が居た。

 

彼は一夏に問うた、この程度でへこたれるものか?と。

 

「いや、お前…。

…でもスラムって、やっぱりこう…タフじゃないと生き残れんのか…?」

 

 

そうだ、忘れていた。

ここで一つ、彼の身の上話をしよう。

 

【彼】はある国のスラムで生まれた…国の名前は明かされていない、どうやら中身はともかくとして相当プライドのある国のようだ。国連にも登録されていないのだそう。

彼には生まれてこのかた、親と呼べるような人物はおらず、たった一人で戦い生き延び続けてきた。ある時はスーツに身を包んだ大人を殺し金を奪い取った…ある時は少年趣味の大人に自身の貞操を売り渡した…地獄のような環境の中、彼は何時しか戦う術と生きる術をほぼ完ぺきに身に着けていた…もう孤独を恐れることはない、思うがままに生きるだけだ。

 

そして最近の新たな出会いが本当に彼の恐れを殺す。

織斑一夏の事件をきっかけに行われた全国的な男性検査…偶然的にその列に並んでいた彼は見事世界を動かす力…ISの末端を手に出来た。ならばと国々が彼をIS学園へと送り付けた…さて、彼はここで次は何を掴もうものか。

 

 

 

――――――――――――――無論、真っ赤な嘘である。

というより、この話も実際使われているカバーストーリーに大分色を付けた、“保護者”と…そして“姉弟”で。

この時ばかりはむやみやたらと壮大で無理のある物語が作られ、よもやそれが奇跡となる神々の心地よさを知ったという…案外悪くない、と。

 

奇跡【固い誓い】の内容を見たときの彼と言えば、んな馬鹿な…と苦笑いをしたという。

 

 

「この調子じゃ…対抗戦まで持つかどうか…」

 

そう項垂れる一夏の頭をコツンと軽く叩きながら彼は定型文のような激励を送る。

がんばれよ、と。その一言を最後に彼は更衣室から消えていた…元々そこには一夏しか居なかったかのように。

 

 

「がんばれって、他人事みたいに…あれ?」

 

…本当に、【彼】は透明人間のようだ。

 

 

 

 

そして更衣室の空気は、とある来客によってまた色付く。

 

「一夏、お疲れ様」

 

「!。

…鈴、どうしてここに」

 

「ずっと待ってたの。

…はい、コレ」

 

突然やって来た鈴音は、一夏にスポーツドリンクとタオルを手渡す。

彼はそれらを受け取って軽い礼を言った後タオルで汗を拭いた。

 

 

「そういえば鈴、お前、潤のやつ見なかったか?」

 

「ジュン…ああ、二人目ね。

なんか遠いとこ見てるような顔しながら出てったわよ」

 

「遠いとこ…まあ、あんな感じの奴なんだ」

 

「まさかあいつも幼馴染だったりしないわよね?」

 

「違う違う、知り合ったのは最近だって…。

授業中も大体あんな感じだから千冬姉によく“生存確認”されるんだよ」

 

「生存確認?何それ」「冊子…」「あー、納得」

 

微笑んだり、苦笑いしたり、血の気が引いたり…表情のバラエティに富んだ、普通の会話がそこにあった。

只々色彩に溢れ、輪郭のはっきりとしたものがそこにあるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

色の無い何か、そう呼ぶようになったのは何時であったか。

極まれに見るそれは【彼】が数多く抱える中でも最大級のジレンマだ…彼がこれを見たとき、物事は彼の知覚せぬままに全てが流れていく。

 

そして今もまた幻視が晴れて、気が付けば自室のドアの前であった。

 

 

最近酷い、かなり酷いのだ。

当時はまだ本当に極まれにしか起きなかったこの幻視も、最近ではかなり頻繁に見る。

 

 

おかげで強烈な冊子の一撃はしょっちゅう喰らい、クラスメイトのノート等を見せてもらうなど日常茶飯事だ。

後、セシリアに“ボケ老人”と揶揄されたのは少々心に刺さった。

 

 

…そんな些細なことはどうでもいい。

 

 

慌てるようにドアの向こうへ駆け込んだ。

ぐしゃぐしゃのベッドに、脇に抱えてた同じくらいぐしゃぐしゃの制服を放り投げてまた立ち止まる。

 

…流石にまた色の無い何かを見た、という事はない。

そうなればもうお終いだと彼は自覚している。

 

 

彼は更衣室からここまでずっと着っぱなしだったISスーツを脱いだ。

タイツとレザーアーマーの中間のようなそれは、体全体をすっぽりと覆いつくすものであり…不死故の歪な身体を隠すにはちょうど良かった。

 

…スーツを着ていた身体に一切の蒸れは無かった。このスーツの通気性ではない、むしろこの特製ISスーツは通常のものに比べて通気性が格段に悪い。

それはただ、【彼】が不死人という時の止まった死体のような体の持ち主だからだ。

汗の一滴も流さず、ほんの少しの垢すら出さず、僅かな脂すら滲ませない…人形との違いや隔たりが真人間よりもずっと少ないその体であるからこそ、動物由来の汚れがほとんどない状態になる。

 

 

脱ぎ終わったと同時に部屋着に手を伸ばし着替える。

たったそれだけの光景だ…彼が“彼”たる故に別に何もない、“彼女”だったらまた話が変わるがそれはあり得ぬ話だろう。

 

 

 

 

 

着替え終わり、漠然と部屋を見渡す彼の視線の先にはゲーム機があった。

…何も言わずに彼はコントローラーを手に取った。わずかな月明りのみの暗い一室に、ブルーライトの薄く鋭い光が灯った。

 

 

 




個人的な主観だけど、フロム作品×ISのssで使いやすいISキャラってせっしーかシャルロットだよね(適当)

博士?あの人は何処とクロスしてもどうにでもなっちゃうディケイド的なキャラだから。
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