とあるマフィアの平行移動(パラレルシフト)   作:梟本つつじ

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最初に報告します、今回はリボーンキャラが出てきます!
ただし元の世界とは多少の変化があります、それについては見てから判断してもらいたいですがあえて言わせて貰うのならば平行世界は可能性の世界なのです!



第7話a:虚空爆破と再会?

 それは少し前に行った事だった、学園都市の中でそれは急に行った。

 都内のある場所にて、重力の変動を感知された。

風紀委員は急ぎ出動し店の中にいた人を避難させはじめる。その時に、一人の女生徒が逃げる際に足を挫いてしまった。

すぐに風紀委員の一人が手を貸したのだが、手を貸した彼の目に映ったのは棚の下に置かれていたぬいぐるみが急激に収束し始めている光景だった。

 次の瞬間、大きな爆発音が店の中に響き渡る。幸い足を挫いた女生徒は無事であったが、彼女を守る為に手を貸していた風紀委員が怪我をおう事になってしまった。

 

この事件を皮切りに学園都市のあちこちで同じ手口で同様の爆破が起こるようになった。

 

「以上が、一週間前に起きた連続爆破事件、私達は虚空爆破事件と呼称し犯人の特定と犯行の阻止を目指し動きます

その際には出来るだけ、複数で動く事、この爆発の規模に単独で防ぐのは厳しいです

各員は一層の警戒をお願いします!」

 

「「「はい!!」」」

 

 暗室となった会議室の中で事件が起きた状況を改めて確認し、固法は会議室にいる風紀委員に告げ会議に参加していた全員、ツナ、白井、初春を含めた風紀委員は一斉に返事をするのであった。

 

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柵川中学校

 

「あれから数日は経過しましたが、全く進歩しませんね…」

 

「相手がどんな目的を持ってるかがわからないからね…場所、時間、人…つながりが全然見当たらない…」

 

 時刻は昼過ぎ中学校の廊下にて、初春とツナは疲れたため息をついた。警戒を強めたが、犯人の動きや犯行の法則が見つからず完全に泥沼にハマっていた。

 疲れている二人の前にパックジュースが置かれた。

 

「奢りだよ、二人、大分参ってるみたいだからね」

 

「ありがとうございまふ…」

 

「なんか、染み渡る…」

 

 ジュースを置いたのは佐天だった、苦笑をしながら二人を心配してくる佐天に二人は気だるげに礼を言いジュースをすするが、なんとも弱々しかった。

 

「眠そうだけど…徹夜した?」

 

「いつ起きるかわかりませんからね…私は情報整理…」

 

「俺は時間ギリギリまで見回り…一回寝ただけじゃスッキリしないや…」

 

「「はぁ…」」

 

 二人の様子から佐天は思わず問いかけると、欠伸をしながら初春は答えツナは軽く舟を漕ぐように揺れていた。

そして、二人は同時に重いため息をついた。そんな二人に佐天は何も言えずに押し黙るしかなかった。

 

ーーーーーーーーーーー

 

学園都市

 

「ふわぁああ…佐天には悪い事したな…心配してくれたのに」

 

 放課後となりツナは市内の見回りへと入った、大きな欠伸をしながら昼に佐天が気にかけてくれた事に申し訳無く思った。

 だが事態が好転していない事以上、これからも無理をするのだろうとツナは考えた。

 

「多分だけど…これを使う事になるんだろうな…だけど」

 

 大きくなる被害を考えツナは死ぬ気丸とXグローブを常に持ち歩いていた、しかし超死ぬ気モードになるために必要な死ぬ気丸は一回分しかなかった。もし今回で超死ぬ気モードになれば、もう超死ぬ気モードにはなることは出来ないのであった。

 

(戦う事が出来なくなるのは別にいい…けれど、これが無くなったら俺は本当に帰れなくなるような気がする…

ああもう!さっきから悪い事しか考えてない…こんな時、リボーンならなんて言うかな?…)「なさけねぇって蹴り飛ばしそう…」

 

 ケースに入っている死ぬ気丸を見つめ、ツナは表情を暗くしながらケースを握りしめるとすぐに首を振って落ち込んだ気持ちを払い、なんだかんだでいつも一緒にいる赤ん坊の事を思い出すと言いそうな口調を予想して肩を落とした。

 

(獄寺くんなら絶対戻れるって言いそうだし、山本だったらなんとかなるって笑い飛ばしそうだし、お兄さんだったら極限に~とか言うよな…)「こっちにきて一ヶ月か…みんなどうしてるかな…」

 

 なんだか首辺りが痛くなったツナは、仲間の事をおもいだし彼らが言いそうなセリフを予想して自分がこの学園都市に来てから経過した日にちを口にした。

 

(考えても解決しない!今は虚空爆破だ、新しい被害が起きない内に止めないと)「…え…あれって…」

 

 元の世界へ帰れるかどうか気になったツナだが、思考を別な事に割いていたら虚空爆破を止められないと考え、決意を固め横断歩道の前で立ち止まった時だった。

ツナは横断歩道の向かいに並ぶ人々の中にいる人物に目を向けた。

 それは、ツナにとって忘れる事が出来ない男だった。

 

「白蘭っ!?」

 

 全身を白に統一した格好に白い頭髪と目元のマーク、それは未来で死闘を繰り広げ、最後は自分が止めをさしたマフィアのボス、白蘭だった。

 ツナの声と共に赤信号が青へと変わり、待機していた人々が一斉に動きだした。ツナは後ろから押される形で進むが反対側にいる白蘭らしき人物は、人の波から出ていくように歩きだした。

 

「っく、待って!」

 

 立ち去ろうとする白蘭を呼び止めるようにツナは足を動かすが、あまりの人の多さに足が止まり向かい側についた時には白蘭らしき人物の姿はなかった。

 

(なんで白蘭が学園都市に?別人?いやそれはなんか違う気がする…本人にしては若かったみたいだし…でも俺が知ってるのは10年後だから、今は、あれくらいなのか?)「いやそもそも白蘭がここにいる訳が…ああもうワケわかんない事だらけだ…一体何がどうなってるんだ?」

 

 周りを確認し見かけた人物はいない事にツナは片手で顔を覆い思考を巡らせる、しかし情報が足りない状況では答えが出る筈が無くツナは絞り出すように呟いた。

 

ーーーーーーーーーーー

 

side:ツナ

 

 白蘭との戦いは未来の戦いが終わってもまだ鮮明に思い出す。

俺の中で、あの時の怒りはどんな状況を思い返しても比べられないくらい大きくて、あの時の悲しみはとても深くて学園都市に来てからも夢でたまに思い返す。

 

 夢の中での俺はあの時よりも無力でどれだけ手を伸ばしてもあの娘、ユニを助ける事が出来ずにいた。

 

 復活したアルコバレーノ達はユニが命をかけた事は無駄じゃないって言ってたけど、俺は納得出来なかった。

納得したくなかった、現代には戻りたいと願っていたけど誰かの命を使いたくなんてなかった…

白蘭だってそうだ、あの時はああするしかないって思って戦って…そして殺した。

 人を初めて殺したと自覚した時、俺はベッドから飛び起きてトイレで思いっきり吐いた、そうしないと自分の中にある何かに押し潰されてしまいそうだったからだ。

 白蘭のした事を許しちゃいけない、けれど、だからって命まで奪う必要はあったのだろうか?

その事は皆には話していない、勿論リボーンにもだ…皆から肯定されてしまったら俺は多分、自分を許してしまうだろう。

きっと、それはしちゃいけない事だと思う。許したら皆消えてしまいそうな気がしたからだ。

 

「ツナ!」

 

「…えっ?」

 

 白蘭に似た人を見てからずっと頭の中で考え込んでいた時、誰かに呼ばれたような気がして俺は顔を上げた。

 

ーーーーーーーーーーー

 

「…え?」

 

「こっちよ!ツナ!」

 

 いきなり呼び掛けられツナは辺りを見回す、どうやら横断歩道の辺りから離れた場所へ来ていたようで周りの景色が全く違っていた。

 視線を泳がせるツナに、声が更に呼び掛けてくる。声の方向に目を向けるとそこには御坂と佐天がカフェのテーブルについている姿が映った。

 

「どうしたの?なんかボーっとしていたけど」

 

「あ、ごめん…ちょっと考え事していてさ、二人は休憩、かな?」

 

 ツナの様子が違う事に御坂は不思議そうに尋ねると、ツナは苦笑をしながら答え、二人が何をしているかを聞く。

 

「いやぁ、初春達が最近疲れてるなって話を御坂さんとしてましてね

あ、そうだ!今度の非番の日にセブンミストって店に初春達を連れてこうって企画してたんですけど、ツナさんもいきますか?」

 

「あ、ごめん…今月は初春と非番が一緒じゃないから俺は行けないや」

 

「そうなんですか…残念、せっかくツナさんにコーディネートをお願いしたかったんですか」

 

「うえっ!?俺に?」

 

 ツナに問いかけられると佐天が明るい口調で返し、ツナに今度の非番に気分転換として一緒に出かけようと誘ってきた。

しかしツナは申し訳無さそうに非番が違う事を話して一緒にいけないと答える。すると佐天は肩を落としてツナに言う、いきなりの頼み事にツナは慌てふためいた。

 

「あれ?本気にしちゃいました?冗談ですよ!それとも選んで欲しいって頼んだら本当にコーディネートしてくれます?」

 

「いや、流石にそれはちょっと…遠慮したいかな…センスないし、俺」

 

 慌てふためくツナに佐天は冗談だと返すが、少しだけ挑発気味に笑みを浮かべればツナに問いかける。

コーディネートについてツナは苦笑いをしてから自分にはそういうのは苦手だと返した。

 

「うぁああ、御坂さーん、ふられちゃいましたよー」

 

「そうねー、佐天は可哀想よねー」

 

「ちょ!二人とも!」

 

 佐天は棒読みで御坂へと泣きつく、御坂も悪乗りをして棒読みで言う。

明らかな演技にツナは思わず声を上げた、ツナの正直な反応に二人は思わず笑ってしまった。

 

「ごめんごめん、ツナも非番になったら教えてそしたら気分転換に付き合うから」

 

「あ、あたしもご一緒しますね!二人より三人って言いますからね」

 

「ありがとう、二人共!それじゃあ見回りに戻るから」

 

 笑いながらも御坂はツナに謝り、心配するようにリフレッシュがてら遊ぶ時には一緒に行くと言ってきた。

 佐天も手を上げて人が多い方が良いと言ってくる、二人の気遣いに感謝をしつつツナは都市内の見回りに戻るのであった。

 

ーーーーーーーーーーー

 

数日後 第177支部

 

「お疲れ様です、あれ?白井さん?」

 

「あぁ、沢田さんお疲れ様ですの」

 

 ツナが支部へ入るとそこにはパソコンに向かう白井の姿があった、白井はツナの姿だけをチラリと確認すれば再びパソコンへと視線を戻してしまう。

 

「今日は御坂達とセブンスミストに行くんじゃなかったの?」

 

「えぇ、初春と一緒に誘われましたわ…けれどもう少しで何か法則のような物が見つかると思うのですの」

 

「でも根を詰めすぎるのは、不味いんじゃない?」

 

「その辺りはちゃんと管理していますわ…沢田さんは今日も見回りですわね?もし何かあれば連絡いたしますの…」

 

 本来なら非番の筈の白井に尋ねるツナ。すると白井は手を動かしつつも事件を解決する為に尽力を尽くしていた。

 そんな白井を心配するようにツナは無理しすぎだと忠告をすると白井は目元に手を当てて返せばツナに、虚空爆破の反応があればすぐに伝えると言う。

 白井の真剣な表情にツナは頷くしか無く、そのまま見回りへと出るのであった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

学園都市 市内

 

「さてと、今回は初春がまとめてくれた被害情報の場所を中心に動いてみよう」

 

「あ、ツナだ!」

 

「本当だ、風紀委員のお兄ちゃんだ!」

 

「あれ、タイキにこの前のバックの女の子、どうしたの?」

 

 ツナは携帯を開き、ここ数日の間に初春が編集した情報を表示し行き先を決める。

すると、後ろからツナの名前を呼ぶ声が聞こえた。振り替えるとそこにはバックを無くして風紀委員に保護された女の子とバックを探すのを手伝ってくれた子供達のリーダー格のタイキがツナに向けて手を振り駆け寄ってきていた。

 近くまで来た二人に視線を合わせるようにツナは屈み何か用事があるのかを尋ねた。

 

「実はさ!ミユの奴が行きたいとこあるらしいんだけど場所がわかんなくてさ、案内してくれよツナ!」

 

「ちょっと待て、ミユって誰?」

 

「こいつ」

 

「はーい、ミユです!」

 

 ツナに事情を聞かれタイキは説明をしていくが、内容がいまいちわかりづらくツナは先ずは誰の事を言っているのかを尋ねるとタイキは少女を指でさすと少女、ミユは手を上げて自己紹介をしてきた。

 

「なるほどね…それでミユちゃんは、何処に行きたいの?案内はするけど場所がわからないと連れて行けないんだよね」

 

「えっとね、セブンスミストってお店!タイキくんも行くんだよ!」

 

「俺はセブンスミストの屋上にアトラクションがあるって聞いてやってみたくなったんだけどよ、行ったことなかったから困ってたんだよな、頼むよツナ」

 

 ツナは頭が痛くなるのを感じながらミユに何処へ行きたいのかを尋ねると、ミユは元気に行きたい場所を告げてきた。

タイキも同じ場所に行くと言うが笑いながら行ったことが無いと告げ、ツナに案内を頼んできた。

 風紀委員としては案内をするべきだと考えたが、虚構爆破の見回りもしなければならないとも考えた。

 

(白井さんが手掛かりを見つけられそうだって言ってたし、今はこの子達の案内をしていた方が良いよな…それにほっとけないし)「わかった、それじゃあセブンミストに案内するから二人ともついてきてくれるか?」

 

「おー!流石、風紀委員だぜ!」

 

「レッツゴー!」

 

「慌てない慌てない、転ぶぞ?」

 

 思考を巡らせてからツナは、最終的に見過ごせないという理由から二人を案内することを決めた。

ツナが案内してくれる事に二人は喜び、はしゃぎながらツナの手を引いて歩きだした。

 案内して欲しいと言っていたのに先行する二人に、ツナは苦笑を浮かべながら転ばないように注意を促すのであった。

 

ーーーーーーーーーーー

 

セブンスミスト

 

 ツナは、タイキとミユを案内をしセブンスミストへとたどり着く。休日の昼間という事もあり店の中には沢山の学生で賑わっていた。

 

「おー!すげぇな!ゲームの中みてぇ!」

 

「わぁひろーい!」

 

「こら、あんまりはしゃぐと怪我するぞ?」

 

 始めて来た場所にテンションが上がり二人は大いにもリアがていた。

今にも駆け出しそうな二人を止めようとするツナだが、好奇心旺盛な子供が言葉程度で止まる筈がなかった。

 

「よし!ミユ、探検すっぞ!」

 

「おー!」

 

「あ、二人とも!?全く…とりあえず、追いかけないと」

 

 感極まってタイキはミユへ提案すると二人は一気に店の中を駆け出した。

案内を終えて帰ろうとしていたツナは走り出した二人を放っては措けず急ぎ足で追いかけ始めた。

だが、二人を追い店の曲がり角へ入った時、曲がり角の先から人がスッと出てきた。

 

「うわ!?危ない!」

 

「きゃ!?」

 

 ツナが声を出すと、相手は短い悲鳴を上げた。ツナはぶつからないように身を捩って出てきた人を避けようとする、なんとかぶつかる事はなかったがバランスを崩した事により派手に転んでしまうツナ。

 

「あたた…」

 

「大丈夫ですか!?」

 

「あ、はい…大丈夫で、す?」

 

「?」

 

 尻餅をつきツナは盛大に打ち付けた腰を押さえて痛がる、するとぶつかりそうになった相手が心配をしてツナに手を差し出してきた。

出された手を握ったツナは差し出してきた相手を見て呆けた顔になってしまった。

 黒髪のショートカットにしっぽのように長い後ろ髪、空色の瞳と左頬の花のマークが入った少女は呆けているツナを見て不思議そうに首を傾げた。

 その少女はかつて未来の戦いにおいて自らの命をかけてくれた少女、ユニであった。




閲覧ありがとうございます、以前感想にて白蘭は出るのか?という問いかけの際にはまだ出すつもりはなかったと答えましたが、それは戦闘スタイルが決まってなかったからです
ただ、あるキャラクターの戦いを見てなんとなく決まったのでなんとか出演させる事が出来ました

ただ、レベルアッパー事件には白蘭は関わりません、というか白蘭の立ち位置は科学か魔術かと聞かれたら魔術サイドです
それだけは教えられます、感想やメッセージで聞いても大丈夫ですよ
その際はネタバレしない程度に話します

それでは、また

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