とあるマフィアの平行移動(パラレルシフト)   作:梟本つつじ

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20000UA記念を企画してた作者です
今、確認したらUAが爆上がりしてました…どうしよ
一応、アンケートを出しとくので良かったら回答お願いします
ちなみに記念は第8話終了してからとりかかります


第8話a:嵐と雨がくる

柵川中学校

 

 超能力を扱う事において必要な要素『自分だけの現実』についての座学が行われていた。

教師が壇上にて説明をしていく最中、佐天は退屈そうにしながら目の前の席を見つめる。

 そこには本来なら真面目に授業を受ける初春の姿があるのだが数日前からその席には誰もついていなかった。

初春は夏風邪を引き、しばらく学校には来ていなかった。連絡はとっているが、まだ熱が引かないとの事であった。

 

(あれ?ツナさんだ…体育の授業かな…)

 

 初春の事を考えつつ、佐天はグラウンドの方に目を向けるとそこにはサッカーの試合をしている学生がいることに気づく。そしてその中に見知った人物がいるのを見つけた。

 味方からパスを受けてドリブルをすればすぐに取られ、ボールを蹴ろうとすれば、空振り挙げ句の果てには顔面でボールを受けたりと運動でのダメっぷりをさらすツナ。

醜態をさらすツナを周りのクラスメイトは笑っており、佐天の教室にいる生徒も数人が小さく笑っていた。

 この学校に通う大半の生徒はツナが、勉強も運動も出来ないのを知ってる、しかも最近では能力が使えないという噂も広まりだしていた。

 

(けど、それだけじゃないんだよな…誰かの為に必死になれるし、後は人の事良く見てるっていうか…良いとこあるし…ダメじゃないと思うんだけどな…この前のアレも多分、あたしの事を気遣ったからだと思うし)

 

 嘲笑を耳にしながら佐天は、ふてくされたようにしながらツナについて考える。

そして、虚構爆破の際に腕章を貸してくれた事を思い出した。

 恐らく予測ではあるがツナは佐天が何か力になりたいと言っていたのを叶えたくて渡してくれたのだと考えていた。

 

(あの時は、特に何かが出来た訳じゃなかった…けど頼って貰えたのは嬉しかったな…)

 

 事件の事を思い出し、佐天はその際に言われたツナの言葉に小さく笑みを浮かべた。

しかし、それで佐天の望みが叶った訳ではなかった、自分が求めているのは能力が使えるようになる事である。

 

「理屈を教えるんじゃなくて手っ取り早く能力を使える方法を教えて欲しいな…」

 

 教師が話す言葉を聞き流しながら佐天は愚痴るように呟くのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

柵川中学校 校門

 

「今日は一旦支部に行ってからだな…それにしても嫌になるくらい日差しがキツイや…」

 

「ツーナさん!良かったら途中まで一緒に行きません?」

 

「いつ!?佐天…いいけど初春の所には行かなくてもいいの?」

 

 授業を終えたツナは昇降口から出ると照りつける日差しに目を細めながら呟く。

そこへ、佐天が元気よく背中を叩いて声をかけてきた。ジンジンと痛む背中を押さえながらツナは佐天に尋ねた。

 初春がここ数日休むという話は聞いていたし、佐天が毎日お見舞いに行っているのも知っていた。

 

「今日は初春の代わりに解熱剤を取りに行くので、その後からいきます

どうです?汗だくの初春を堪能しに行くというのは…」

 

「いやいや!そんな姿見られたくないだろうから遠慮しとく!それに最近の事件を考えると見回りを強化したくてさ」

 

「虚空爆破は終わりましたよね?まだ続いているんですか?」

 

 佐天は笑みを浮かべながら声を潜めてツナに尋ねてくる、一瞬だが汗だくの初春を想像し、慌てて振り払うように断るツナ。そして咳払いをして話題を変えるように話し出した。

 事件と聞いて、佐天は不思議そうに首を傾げて尋ねる。

 

「虚空爆破は解決したんだ、けど書庫に登録されている以上の力を発揮している能力が多くなって来ているんだ

…何て言うか、急にレベルがあがってるみたいな」

 

「それって…レベルアッパー、なんじゃないですか?確か都市伝説で噂になってて使えば簡単にレベルが上がったり、無能力者でも能力が使えるようになったりって話です」

 

「レベルアッパーか…かなり眉唾だけど、こんなにレベルが上がったりしてるなら本当にあるのかな…」

 

 ツナは最近、風紀委員に報告されている事件の中でおかしな点を佐天に話した。

急にレベルが上がる能力者がいると聞き、佐天は指を立てて話し出す。

 レベルアッパーという名前とその効力について、ツナは首をかしげる。

 

「レベルアッパーがあれば、ですよ…あたしやツナさんも能力が使えるようになるのかも知れませんね」

 

「そうかな?なんか話が上手すぎて俺は信じられないよ…本当にレベルアッパーっていうのがあれば学園都市の生徒の大半がレベル0なんてならない気がするんだよな…」

 

 レベルアッパーについて佐天は、同意を求めるようにツナへ尋ねてきた。

意見に賛同して欲しいという表情を浮かべている佐天に、ツナは疑問を口にして答えた。

 能力が使えるかもしれないというチャンスに乗り気ではないツナに、佐天は不服そうにしながら言葉をかけようとした。

 するとツナの携帯が急に鳴り出した。

 

「はい、沢田です」

 

『固法よ、沢田くんに少し頼みたい事があるんだけど良いかしら?』

 

「なんでしょうか?」

 

 佐天から軽く離れてツナは携帯をとる。電話をかけてきたのは固法であり、彼女はツナに用事があると言ってきた。

 固法が自分に頼むとしたら雑務か何かだろうと思い、ツナは話を聞く事にしたがすぐに後悔する事となった。

 

「不良の取引現場を検挙!?俺、一人で!!?」

 

『検挙といってもあらかじめ予測していた場所にいるかを確認してから、警備員に連絡するだけよ

なにも沢田くん一人で取り押さえろとは言っていないわ』

 

「そうですか、わかりました…じゃあ取引現場のポイントを教えて貰えますか?」

 

『わかったわ、それじゃあ沢田くんの携帯に送るから確認して』

 

 固法から聞かされた内容にツナは思わず声をあげた。すると、固法から警備員が突入する場所の下見だと告げて危険は無いことを教えてきた。

 危なくないという固法の言葉を信じてツナは取引現場に向かう事を伝える。

すると固法の言葉と共に携帯に通知が入った。ツナは電話を切りポイントの場所を確認した。

 

「ツナさん、なんだか危なそうな話じゃありません?」

 

「うん、けど固法先輩は心配ないって言ってたし…心配ないと思うよ!

佐天は初春の所に薬を届けて上げて、それじゃあ行ってくる」

 

 話が聞こえていた佐天は恐る恐る尋ねてきた。ツナは若干無理をしながら元気良く返してから、佐天と別れて指定されたポイントに向かう事にした。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

学園都市 第十一学区 倉庫街

 

 そこは学園都市の外周にある倉庫がかたまっているエリアだった。

死角の多いエリアで学生があまり立ち寄らない場所であった。何かを取引をするにはうってつけで隠れたりするには最適の場所だったのだが…

 

(いきなり、見つかって捕まったし!?)

 

「これはこれは、風紀委員がこんな場所に何かようかな?」

 

 ツナは倉庫街に入ってすぐに近くを見張っていた不良に見つかり、連絡する暇もなく捕まっていた。

周りには数人の不良がおり、ツナを逃がさないように取り囲んでいた。

 

「まさか、取引がバレてたなんてな…せっかく例のモンを買って俺らも良い思いが出来ると思ったんだがな」

 

「まぁまぁ、アレを手にいれても実際に使いこなせなきゃ意味がない、風紀委員くんには是非実験台になってもらわねぇとな!はっはっは」

 

(なんか、すごくヤバい感じがするのは間違いない…ついでに俺の命も!!)

 

 ツナの肩へ手を乗せながら不良は、笑いながら話をしていく。

ツナは身の危険を感じながらポケットに入っているXグローブに手を伸ばすが、死ぬ気丸が無くなった事を思い出して諦める。

 

(なんとか、逃げ出さなきゃ!なんとか)

 

「なんだ、お前ら…ずいぶんと速いじゃねぇか」

 

「「「チースッ!!獄寺さん!!!」」」

 

「えっ!?獄寺くん!?」

 

 隙を伺いながらツナは逃げる算段を立てていた時、聞きなれた声が不良達の背後から聞こえてきた。

 その瞬間、それぞれに過ごしていた不良達が姿勢を正して丁寧に挨拶をした。

 不良の間から現れたのは元の世界で、自分の右腕を自称しツナを慕っていた獄寺 隼人だった。

不良を率いる雰囲気は、かつてツナが獄寺と初めて会った時を思わせる刺々しい雰囲気に溢れていた。

 名前を呼ばれた獄寺は取り巻きに、タバコを持たせ火を点けさせればツカツカとツナへ寄り髪を無造作に掴んだ。

 

「気安く呼んでんじゃねぇよ、クソ風紀委員が…」

 

「いだだ!?」

 

「ったく、てめぇらもだ!せっかくアレを流すのに苦労したのに関わらず、風紀委員なんぞに嗅ぎ付けられやがって!!」

 

「「「す、すいません!!!」」」

 

 いつも自分を慕ってくれていた雰囲気など全く感じさせないくらいにドスの効いた口調で、ツナを脅す獄寺。

 ツナの髪を掴みながら後ろに控えていた、不良に向けて怒鳴り散らすと不良達は必死に頭を下げて謝ってきた。

 

「取引は無しだ、警備員がここに向かってきてるそうだからな…」

 

「獄寺さん、コイツはどうします?」

 

「ハン、オレらの取引を邪魔したからな…警備員が来るまでサンドバッグにでもなって貰うさ」

 

「ひぃ!?」

 

 獄寺はポケットから携帯を取り出して内容を確認すればそのまま携帯を地面に叩きつけて破壊し、警備員が来ている事を不良に伝えた。

 警備員が来ると聞き、不良の一人がツナをさして尋ねてくる、獄寺は鼻で笑ってからツナの胸ぐらを掴み拳を握りしめた。

獄寺の拳には多くの指輪がついており殴られれば只ではすまなかった、ツナは痛みに恐怖し短い悲鳴を上げて目を閉じた時だった。次の瞬間、少し間の抜けた音が鳴り響き獄寺が煙に包まれた。

 

「げほげほ!獄寺さん!?大丈夫っすか?」

 

「これってまさか…」

 

「十代、目?」

 

 巻き起こった煙は獄寺だけではなく、ツナと取り巻きまで包み込んだ。

取り巻きが咳込みながら離れ獄寺に声をかける、ツナはその煙に見覚えがあり目を凝らすと自分の胸ぐらを掴んでいた獄寺が聞きなれた言葉を口にした。

 

「獄寺くん?」

 

「十代目~!!お会いししたかったですー!?」

 

「「「「ぇええええっ!?!?」」」」

 

 キョトンとしている獄寺にツナが声をかけると、獄寺は涙を貯めてツナへと抱きついてきた。

この行動に、不良とツナは声を揃えて驚きの声をあげた。

 

「ちょ!獄寺さん、何をやってんすか!?」

 

「今からそいつをシメるんでしょ!?てか十代目ってなに?」

 

「あぁ?誰が誰をシメるって…つうか誰だ?お前ら…」

 

(あ、この感じ…やっぱり獄寺くんだ)

 

 ツナに抱きつく獄寺に取り巻きや不良達は声をかける、しかしその言葉にドスの効いた声で答える獄寺。

その態度の変化にツナは自分の世界の獄寺であると確信し、冷や汗を流した。

 

「こちとら«数週間ぶり»に十代目と再会出来たんだ、邪魔すんじゃねぇよ!」

 

「何を言ってんだ?獄寺さん!あんたはオレらのリーダーだろ!」

 

「はぁ?オレはこのお方、ボンゴレ十代目、沢田綱吉の守護者にして右腕の獄寺隼人だ

十代目の手前、見逃してやる!とっとと失せろ!!」

 

「だ、ダイナマイトだ!?逃げろ!!!」

 

 獄寺は威嚇をするように不良を睨み付ける、突き刺すような眼光に後退りをするが、獄寺に目を覚まして貰おうと呼び掛けるが獄寺は自分の役目と立場を話した上で、暴力を嫌うツナの意見を尊重して得物であるダイナマイトを見せつけながら吼えるように叫ぶ。

 爆弾を目にして不良達はまるで蜘蛛の子を散らすように逃げだし、その場にはツナと獄寺のみが残った。

 

「十代目、ご無事で何よりです!」

 

「う、うん…久しぶりだね、獄寺くん」

 

「えぇ、三週間の間、心配で寝るに寝られませんでしたよ」

 

「そんな大袈裟な…って三週間!?俺がここに来てから1ヶ月半は経過してるよ!?」

 

 不良がいなくなった事で獄寺は再び笑顔をツナに向けて言う。態度の急激な変化にツナは冷や汗を流しながら懐かしい気分で声をかけた。

 すると獄寺は胸を撫で下ろすように離れていた時間を口にして答えた。夜も眠れなかったという獄寺にツナは苦笑を浮かべ、そしてふと気がついた事を口にした。

 ツナが学園都市に来てからと獄寺の言う時間が大きくズレていたからだ。

 

「なるほど、リボーンさんの予想は合っていたようですね…」

 

「リボーンの?それってどういう意味なの?」

 

「えぇ、それは…?なんかこっちに来るみたいですね…」

 

「あ!警備員が来るのを忘れてた!!獄寺くん!まずは場所を変えよう!」

 

 時間がズレているという状態に獄寺は慌てる事なく、納得したように呟く。

自分の家庭教師の名前が出てきた事にツナは問いかけると遠くの方からサイレンが聞こえてきた。

 不良に捕まった事と獄寺が不意に現れた事で忘れていた事を思い出したツナは、獄寺を案内して倉庫街からの脱出を行うのだった。

 

ーーーーーーーーーーー

 

第二二学区

 

 ツナは獄寺を連れて第十八学区を抜けて第二二学区へと入り、そのまま地下へと入った。

第二二学区は学園都市の学区の中では一番狭いが、その分地下街が充実している学区だった。

 

「とりあえずここまで逃げれば大丈夫かな…」

 

「ありがとうございます、十代目しっかしここは凄いですね…最先端科学の街ってのは本当みたいですね」

 

 息を切らしながらツナは追手がかかっていないかを確認しながら携帯にて固法へ適当に言い訳をして仕事を終えた事にして、見回りへ入る事を伝えた。

 移動する過程でツナから少しずつ学園都市の事を教えて貰っていた獄寺は目の前に広がる地下施設を見て納得したように呟く。

 

「獄寺くん、教えて貰えるかな?いろいろ…」

 

「そうですね、わかりました

それじゃあまず十代目がなぜこの世界に移動したかを説明しますね。

事の発端はジャンニーニの改造でしたが、その改造は実に単純な物だったんです」

 

「単純?」

 

 周りに人がいないのを確認してから、ツナは獄寺に説明を求めた。

道端で世界がどうとかマフィアがどうとか聞かれては頭がおかしいと思われるからだ。

 獄寺はツナの言葉に頷いてから、話を初めツナは相槌をうち始めた。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

side:獄寺

 

 本来の十年バズーカは未来と使用した現代の人間を入れ替える物です。

ジャンニーニが施した改造はベクトルの転換、力の方向を変えたんです。

それによって本来は縦の時間軸しか移動する事しか出来ない十年バズーカが横、平行世界に行けるようになりました。

 

 十代目も気付きましたか、今のオレ達はあの白蘭と同じ事をやっているんです。

まぁオレ達はヤローのように好きに平行世界の自分と記憶や情報を共有する事は出来ませんけど…。

とりあえず、ここは数多くあるifの世界、平行世界なんです。

 

 平行世界について説明しますか?わかりました、まぁ簡単に言えばもしもの世界です、例えば、俺が産まれた時から十代目の右腕として活躍してたら、とか十代目がいきなりボンゴレ十代目に認定されているとか、そういうのですよ。

?どうしました?ああ、数多くの平行世界の中でなんでこの世界なのか…ですね…。

 これは、リボーンさんからの話なんで確認なんですが…十代目、転移する直前に十年バズーカにこう言ったんじゃありませんか?マフィアのボスにはならないと…。

 

 そうですか、いえ責めてる訳じゃないんです。ただその言葉がここに転移するきっかけになったんです。ジャンニーニはいらん機能として行き先を音声入力で指定するようにしていたんです…。

その結果、十代目はこの学園都市という場所に転移したんでしょう。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「まさか、俺が言った言葉できまっちゃうなんてな…あ、獄寺くん!俺がこの世界から戻れない原因てわかるかな?」

 

「それも一応ですが仮説が出来ています…ちょっと分かりにくいんで図で説明しますね」

 

(スケッチブックが出てきた!?)

 

 獄寺からの説明を受けてツナは自分の言葉から始まった状況にため息をつき、そして自分がまだこの世界に留まっている訳を尋ねた。

 すると獄寺は考え込むような仕草をしてから背中から小さめのスケッチブックを取り出した。

 いきなりスケッチブックを出した事にツナは驚きつつもその説明を待った。

 

「本来の十年バズーカならこういう風に縦の動きが出来るんですが、横の動きになると出来なくなるんです」

 

「え、けど俺や獄寺くんはここにいるよ?」

 

 獄寺は丸と矢印で十年バズーカの動きを説明するが、平行世界への移動に対して×をつけて不可能だということを告げた。

 しかしそれでは自分達がちゃんと転移をしてきたと答える。

 

「十年バズーカで時間移動が出来たのはその世界が同じ世界だからなんです。

けれど、平行世界になると話は代わります次元の壁というのが存在して大抵の物はそこを通り抜けることは出来ないんです」

 

「次元の壁…大抵って言ってたけど、もしかして転移が出来た俺ってそれから外れていたりするよね?」

 

「流石、十代目!そこを理解するとは!」

 

(俺としては合っていて欲しくなかったよ!?)

 

 獄寺は縦の時間を表現した所を大きく丸で囲い、横に書いた丸の間に壁のような物を描いて説明をした。

大抵と聞いて、ツナは確認をとるように尋ねると獄寺はにこやかに笑いながら答え、違っていて欲しかったと肩を落とすツナ。

 

「オレ達が移動出来た原因、それはコレです」

 

「オリジナルのボンゴレリング?これが…次元の壁を越えた理由?」

 

「横の時間軸を表すマーレリングと同等の性能面を持つボンゴレリング、恐らくですけどこれを所持をしていた、それがオレ達が転移できた理由です」

 

「え!それだけ!?じゃあ…ボンゴレリングを持ってなかったらどうなってた訳?」

 

 獄寺は自分の指にはめた嵐のボンゴレリングを示した。ツナは自分の首のチェーンにかけたボンゴレリングに目を向けて呟く。

 ボンゴレリングの有無が転移できた理由だと聞かされ、ツナはもしも持っていない場合の事を考えて、ゾッとした。

 

「アルコバレーノのヴェルデがトゥリニセッテが起こすのは解明出来ていないと言っていました…だから詳しくはわからないとしか言えないです。

転移しなかった、そんときは多少の怪我をするくらいでしたね」

 

「そんな軽く言わないでよ!?けど…ボンゴレリングを持っていないこの世界の俺や獄寺くんってまさか死んでないよね?」

 

 理由が簡単な事に対して、獄寺は未来から帰る際に言っていた事を口にすればリングがなかった場合について答えた。

 怪我するだけだったと聞きツナは驚きながら、ふと気がついた事を恐る恐る口にする。

 

「こればかりはハッキリとは言えませんが…同じ人間は一つの世界には存在できないと言われています。

おそらく、次元の壁を越える事が出来ずに世界と世界の隙間にいるのだと思います…。

ただ十代目が戻る事が出来れば、この世界に戻ってくると思われます」

 

「そう、かな…うん、そうだと良いね…」

 

「大丈夫です!リボーンさんが現代のスパナや入江の奴を呼び掛けて、オレ達をこの世界から引き上げる為の装置を作ってます!だからオレ達はオレ達で出来る事をやりましょう!」

 

 獄寺は推測としてこの世界のツナ達について語ると、その解決を方法を提示する。

自分達のせいでこの世界の自分達に迷惑をかけている事を気に病むツナ。

 すると獄寺は、戻る為の方法があると言ってきた。

 

「入江さんやスパナが!?そうなんだ、けど俺たちに出来る事なんて…」

 

「ありますよ!死ぬ気の炎です!俺がこの世界に来れたのも十代目の死ぬ気の炎を感知したからなんです!だからより強い死ぬ気の炎を出せば、帰る為の足掛かりになるんです」

 

「そうなんだ…あ、ごめん、獄寺くん…俺、死ぬ気丸がなくなったんだ…。

だから、死ぬ気の炎を強く出す事が出来くなって…」

 

 未来で力を貸してくれた技術者達の話が出て、ツナは喜ぶが自分に何か出来るのかと考える。

すると獄寺は、拳を握り締めて帰る為に死ぬ気の炎が必要だと話した。

 強い炎と聞いて虚構爆破を防いだ時の事を思い出す。しかし、ツナは自分が死ぬ気丸を使い果たし、もう超死ぬ気モードにはなれないと話す。

 

「それについても心配いりません!リボーンさんからコイツを渡すように言われました」

 

(ボックス)?けど現代に匣はなかった筈じゃ…」

 

「実は十代目がいなくなった後、ヴェルデから未来での知識を活用して作ったとリボーンさんの所に空の匣が送られてきたんです。

リボーンさんはモルモット役を押し付けられたと言ってました」

 

(やっぱり、ロクな事しないな…ヴェルデって!)

 

 死ぬ気丸が無いと聞き、獄寺はポケットから黄色い箱を取り出して渡してきた。

未来で見かけた匣を受け取り、ツナはまだ現代ではなかったのではと尋ねると獄寺は入手した経緯を話す。

 モルモット扱いされてツナは以前、ボンゴレ匣や継承の際にヴェルデにされた事を思い出す。

 

「あれ?ねぇ、これって何の属性なの?リボーンが渡してきたって言ってたけど。

匣はその対応した属性じゃなきゃ力は発揮しないよ」

 

「属性は晴れです、リボーンさんは晴れのアルコバレーノですからね。

ただ心配はいりません!十代目の大空属性なら全ての匣を開けられます!それにその中身は十代目じゃなきゃ使えない代物なんです」

 

「えぇ、なんか不安になってきた…」

 

 匣を眺めて、ツナは匣の属性について尋ね、匣の開け方についても口にした。

獄寺は、属性について教えた上でツナが開けるべき匣だと言ってきた。

 自分でないといけないと言われ、ツナはビクつきながらリングを着けて炎を灯しを匣へと押し当てて炎を注入する。

そして軽い音と共に匣が開き、ツナの手に匣の中身が飛んできた。それは死ぬ気丸のケースと同じ形をしているが細部に多少の違いがあるケースでその中にはオレンジ色のタブレットが入っていた。

 

「これって…」

 

「死ぬ気丸のタブレットタイプです、リボーンさんが多分、十代目は死ぬ気丸を使いきっているだろうと言って持たせてくれました

ただ、通常の死ぬ気丸と違って飲み込むんじゃなくて噛み砕いて使用するようにと言ってました」

 

「なんで、そんな手間を…」

 

「なんかマンネリになるから変えてみたそうです、それとそのケースは死ぬ気の炎を注入すると新しい死ぬ気丸を生成する機能があるんです」

 

 ケースを眺めているツナに、獄寺はリボーンが新しく作ったアイテムだと説明した。

何故か仕様変更されている事に対して文句を呟き、獄寺は苦笑をしながらケースに付けられた機能の説明をした。

 

「そうなんだ、助かるよありがとう獄寺くん」

 

「いえ、礼には及びませんよ!あっ…」

 

 新しい死ぬ気丸を手に入れたツナは、渡してくれた獄寺に心から礼を言う。戦う事は嫌だが虚構爆破のような事が起こるかもしれない状態なら必要になる力だからだ。

 礼を言われ獄寺は照れるように笑みを浮かべると、腹の虫が大きな音がなった。

 

「すみません、安心したら腹が減ってきました」

 

「それじゃあ、ファミレスにいこうか、案内するよ」

 

「お願いします!」

 

 獄寺は腹を押さえながら笑って話してきた。それなら一緒に夕食を食べにいこうと獄寺に誘う事にした。

久しぶりに一緒に食事が出来る事を喜びを現しツナは獄寺を連れて第七学区にあるファミレスに向かう事にした。

 

 

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