とあるマフィアの平行移動(パラレルシフト)   作:梟森つつじ

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ようやく復活しました
アンケートですが、締め切りとさせてもらいます185人も回答頂き誠にありがとうございます
アンケート結果を踏まえて、記念小説に取りかかります



第8話b:嵐と雨がくる

第七学区 ファミレス

 

「ご馳走さまでした!十代目!」

 

「ホント良く食べてたね…獄寺くん、大丈夫?」

 

 食器を下げられた卓上を前に獄寺は手を合わせて言う。獄寺が食べた量を見てツナは苦笑を浮かべた。

 

「後は野球バカと合流してですね、オレが来れたって事はアイツも来てる筈ですから」

 

「山本も!?そうなんだ、他の皆は?」

 

「こちらに転移をしたのはオレと野球バカだけです

恥ずかしながら、他の守護者に連絡を取ったのですが…雲雀は興味がない、芝生頭は部活の一環で山籠り、アホ牛は文字通り使えなかったので外しました

まぁ意外にクロームの奴が駆け付けたのは意外でしたけど」

 

「クロームが!?なんか嬉しいな…力を貸して貰えるなんて」

 

 食べ終えた獄寺は、一緒に来た人物について話してきた。七人の守護者の一人で親友の山本が来ている事にツナは安堵の息を付けば、他に誰か来ているのかを尋ねる。

 獄寺は転移をした数を話し、転移が可能な守護者達が軒並み来なかった事に肩を落として言えば、自分達以外で連絡のついた人物について口に出した。

自身の守護者の一人で、物静かな少女が来てくれた事にツナは驚きの声を上げる。そして、あまり自分達と関わりが少ないのに来てくれた事に嬉しそうに笑みを浮かべた。

 

「まぁ、街中で笹川とアホ女たちと一緒にいるとこを捕まえたんですけど、事情を話したらなんとかなりました!」

 

「それ、拉致だよね!?しかもそれだと京子ちゃんやハルにもバレてるよね!?それ!」

 

「すみません、十代目…けど笹川達は十代目がいない事に気付いていたっす

まぁ未来での出来事の直後だから当然なんですけどね、クロームも二人から頼まれて了解してくれました」

 

 クロームを見つけた時の経緯を聞きツナは思わずツッコミを入れる。更に守護者でない二人にも知れてしまった事にツナは動揺を浮かべた。

 すると獄寺は頭を下げた上で、二人がツナが行方不明である事を察していると二人がクロームに助力の交渉をした事を話した。

 

「そうなんだ、ちゃんと帰らなきゃね…皆に心配させっぱなしじゃ悪いから」

 

「はい!俺も出来るだけ力を貸します!後、山本もいますし」

 

「あはは、あれ?獄寺くん達がこっちに来たんなら向こうにいるクロームは何をしているの?」

 

 皆が協力してくれているのを知りツナは決意を新たにして言う。

獄寺もその言葉に同意をすれば胸を叩いて応え、そしてとって付け加えてきた。

 ツナは笑いながら、ふと気付いた事を口にした。

 

「アイツには十代目がいなくなったのを隠してもらう為に代わりのヤツに幻術をかけて誤魔化してます」

 

「代わりの、ヤツ?」

 

「跳ね馬です」

 

「ディーノさん!?なんでディーノさんなの!!」

 

 クロームの役目について獄寺は話していく。誰かが自分の代わりに学校に言っているのだなとツナは考えたが、獄寺が代理の人間の名前を出した途端、ツナは驚きの声を上げた。

 年の近い人間かと思っていたのに自分の兄貴分が学校に通っているとは思わなかったからだ

 

「リボーンさんが、十代目の代わりは跳ね馬しかいないと言っていたので、まぁ同じマフィアのボスだからだと思いますけどね」

 

(いや…それって、部下をつけないとディーノさんのドジが多くなるから俺の代役に選ばれたんじゃ…)

 

 ディーノが選ばれた理由を獄寺が予想を交えて説明していく、しかしツナは選ばれた理由をなんとなく察して黙っておく事にした。

 

「そういえば、獄寺くん、ちょっと聞いておきたい事があるんだけど良いかな?」

 

「なんです?」

 

「こっちの世界と俺達の世界の時間がズレている事について聞き忘れていたんだけど、確かリボーンの予想通りって言っていたし」

 

「リボーンさんの話によればアルコバレーノが時間を修復した弊害だと言っていました

白蘭が支配した八兆の平行世界、これらを一気に直したから世界毎に時間の流れがバラバラになったんじゃないかという事です

けど、それらは一定の物で時間をかければいずれ世界の時間は均一になるとも言ってました」

 

 ツナはふと気になった事があり、獄寺に世界の時間が一緒ではない理由を尋ねる。

獄寺は身振り手振りで、時間の流れが違う理由を説明した。

 

「そっか、それならまずは炎を強く出す事を優先しないとね」

 

「はい!俺もお手伝いします!それで、十代目…死ぬ気の炎を使った時の状況を教えて欲しいんです」

 

 いつか時間の流れが戻るという獄寺の言葉に頷き、ツナは今、自分がしなければならない事を口にした。

 今後の方針に獄寺も同意を示せば、ツナに質問をしてきた。

ツナは自分が学園都市で風紀委員に所属している事、学園都市の大半が学生で超能力が使えるという事、そして能力を使って騒動を起こしている事を話した。

 

「なるほど、雲雀みたいな事をしているんですね…こっちの十代目は…」

 

「まぁ、そうだね…さすがに雲雀さんみたく武装はしてないけど…

それとさ、獄寺くん…死ぬ気の炎についてなんだけどやっぱり隠してた方が良いかな?」

 

 獄寺はメモを取りながら、ワクワクと楽しみながら呟く。視線を反らしながら自分の中学校にいる風紀委員長の事を思いだして苦笑を浮かべる。そして恐る恐る獄寺へと尋ねた。

 

「オレとしては黙っていた方が良いですね、死ぬ気の炎を悪用されないとは言い切れませんから

勿論、十代目が認めている相手にそういう奴らがいないっていうのはわかりますけど!」

 

「そう、だよね…ごめん…出来れば友達に隠し事はしたくないって思ったんだけど、何かあってからじゃ遅いもんね…」

 

「十代目…よし!」

 

 ツナの問いかけに、獄寺は真摯に答えるとツナは複雑な気持ちを押し殺しつつも世界のためだと納得をする。寂しげに笑うツナに、決意を固めて頷く獄寺。

 

「十代目の状況を考えればオレもその風紀委員に参加するべきですね!」

 

「え!?でも風紀委員には正式な手続きと長期間の訓練があるし、もし風紀委員になれたとしても同じ支部には所属されないかもしれないし…」(何より獄寺くん、絶対に風紀委員の人達と意見が合わない気がする)

 

 学園都市で行動する以上、右腕としてツナの側にいるだけでなく一緒に死ぬ気の炎を隠しつつ事件を解決していこうと考え獄寺は風紀委員に入ることを宣言する。

 だが、それに対してツナは待ったをかける、本心としては別の事を考えているが風紀委員になった時のリスクを口にしていった。

 

「う、十代目がそう言うのでしたら…諦めますけど…やっぱり危険に隣り合わせの状況に十代目を置いておくのは我慢できません!」

 

「獄寺くん…それなら協力者って事でどうかな?会議とかには参加できないけど、聞き込みとか外に出る作業は出来ると思うんだ」

 

「十代目…ありがとうございます!」

 

 ツナに反対され、獄寺は渋々頷くがどうしても心配だと言い食い下がる。

さすがに自分を心配する声を無視する訳にもいかず、ツナは妥協案を提示してきた。ツナからの案に感動を浮かべつつ獄寺は頭を下げて礼を言う。

 

「とりあえず今日は厳しいから…頼むのは明日にするとして、今日は俺の家に行こうか

狭いけど、二人くらいなら大丈夫な筈だから…」

 

「うっす!それなら家の事はオレがやります!ついでに背中も流します!!」

 

「いやそこまでは良いよ…」

 

 ツナはファミレスの時計に目を向けて時間を確認してから獄寺に寝所を提供する。

今日の寝床はホテルかどこかにしようとしていた獄寺はその提案に歓喜して家事を任せるように迫ってきたが、ツナはそれをげんなりしながら断り、二人はファミレスを後にしてマンションへと向かった。

 その際、ツナの頭には獄寺を協力者にするに対して一番の障害について考えていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

第177支部

 

「却下ですの!」

 

 一晩明けてツナは獄寺を連れて風紀委員の支部へときていた。そこには風邪から復帰したばかりの初春といつものように遊びに来ていた佐天と御坂の姿もあり、そしてある意味、協力者の許可を貰う為にもラスボスと呼べる存在の白井がいた。

 そして、白井は用件を告げた瞬間、バッサリと言いはなった。

 

(うわぁ、わかってたけどやっぱりかぁ…)「白井さん、なにもそんなハッキリ「言っておきますが、別に沢田さんの意見をまるっきり否定はしておりませんの」…え?」

 

「確かに風紀委員では、昨今の書庫に登録されていない能力者への対処が足りず被害が増えているのも事実ですの

しかし人員の不足、それを外部の人間に任せては我々の面目は立ちませんの!」

 

「面目もわかるけどよ、デカイ被害が出てからじゃあ遅いだろうが、だったら部外者でもなんでも使って見せろってんだ!」

 

 白井の言葉に、予想はついていたツナはなんとか理解して貰おうとするが、その後に続いた言葉にキョトンとした表情を浮かべるツナ。

 白井は現状を話した上で、風紀委員の意味が無くなると答える。しかし話を聞いていた獄寺がまるで挑発するように言ってきた。

 

「その部外者にも問題がありますの、獄寺隼人さん?」

 

「はぁ?何を言ってんだ?」

 

「おやおや、自分がどれだけヤンチャをしているか理解していないご様子ですのね

…獄寺隼人、学園都市…第一八学区にある有名中学に所属、レベル3の原子崩し(メルトダウナー)…成長すればレベル4も間違いないと噂される程…しかし家庭の都合により学校を中退し、今ではゴロツキのリーダー…罪状で言えば暴行、恐喝、強盗…余罪も多々あり…

これだけの人物が風紀委員の捜査に協力するなど…小学生でもわかる子芝居としか思われませんわ」

 

 だが白井は負けじと獄寺を睨み付けて言い放つ。指をつけられ獄寺は若干たじろぎつつ答えると白井は机の上に置かれた資料を手にして、ツラツラと学園都市での獄寺について語り、その上で呆れたように言う。

 

「今までは悪さばかりしてたかもしれねぇけどオレはこの方、十代目に助けられて改心したんだ!もう悪さはしねぇ!!」

 

「それが誰に信じられますの?というか十代目とかB級の任侠映画でもあるまいに、ッハ!」

 

「なんだと…このチビ女…」

 

「誰がチビですの!?このタコ頭!!」

 

 この世界の自分がしでかした事に獄寺は歯を食い縛りつつも自分の決意を進言した。

すると、白井はその言葉を鼻で笑い飛ばす。白井の言葉に獄寺は頭に血管を浮かべて拳を握りしめ怒りを押さえ込む。

 自分の身体的特徴を言われ、白井はお返しとばかりに言い返した。

 

「誰がタコ頭だ、こら!!やろうってならやってやんぞ!」

 

「はぁあっ!?上等ですわ!それならこちらとしても遠慮はしませんでしてよ!」

 

「二人とも!落ち着いて!!」

 

 売り言葉に買い言葉、今にも臨戦態勢に入ろうとしている二人の間に割って入りつつ、獄寺と白井が似た者同士なのだとツナは考えた。

 

「沢田さんにお聞きしますわ、この方に脅されて協力者の話を私たちに持ち掛けたのですか?」

 

「いや、そうじゃないよ…獄寺くんは信用できる、だから協力の話を俺から出したんだ」

 

 間に割って入ったツナに向けて、白井は咳払いをしてから尋ねる。白井の問いに対してツナは真っ直ぐに返答をした。

 

「私は沢田さんをある程度は知っていますので、信用はします…

けれどこの方が、もし、なにかしらの悪事を働けば、監督責任として沢田さんを処罰する事になります、場合によってはこの方よりも重い罰になりましの…よろしいですか?」

 

「んだと!?それならオレだけで十分だろうが、なんで十代目まで!」

 

「それが、私がこの方を協力者として認める条件ですの、よろしいですか?流石にこれを譲歩には「いいよ」…はい?」

 

「その条件なら、獄寺くんを認めてくれるんだよね?なら俺からは特に無いよ」

 

 白井は息をついてから、ツナの表情を確かめながら条件について口にしていく。

自分の失態でツナに余計な迷惑がかかることに文句を言う獄寺、しかし白井は決して条件を曲げるつもりは無いと言おうとするが、ツナはその前に答え戸惑う白井に、改めて条件をのむ事を伝えた。

 

「……沢田さん、意外にも肝がすわってますのね…わかりましたですの

そこまでおっしゃるのでしたら、その人の監視と監督をしっかり全うして欲しいですの

初春!確か、何件か回って欲しい箇所がありましたわよね?そこを沢田さん達に任せます、データをまとめてくださいまし」

 

「わ、わかりました!」

 

「白井さん、ありがとう」

 

「礼はいりませんの、ただし、私が信用したのは沢田さんの人となりを見ていたから、他の風紀委員と遭遇した場合は注意する必要がありますわ

状況においては拘束される可能性がありえますわ」

 

 ツナが素直に条件を飲んだ事に、白井は驚きつつも納得すれば奥にいた初春に指示を出す。

初春がパソコンを操作し始めるのを見ながらツナは白井に礼を言うが、白井は獄寺を連れていくリスクを口にした。

 その言葉に頷いてから初春の元へ向かい聞き込みに行く場所のデータを確認しにいく。

 

「ずいぶん、十代目を見てるんだな?」

 

「まぁ、一応…風紀委員としての教育係でしたので、私の事よりご自分を気にしたらどうです?

アレだけの信頼を簡単には無下にするおつもりですの?」

 

「わかってる、信頼には信頼で答える!」

 

「まぁ、貴方のような直情バカの類人猿にそれが出来るですか見物ですわね」

 

「あんだと!?誰が直情バカだ、この蛸足女が!」

 

「タコ頭の貴方に言われたくありませんわ!!」

 

 白井の言葉を聞いていた獄寺は小さく尋ねる、すると自身の髪を弄りながら白井は返答をし獄寺に向けて挑発するように言いはなつ。

獄寺は自身の拳を受け止める仕草をしてハッキリと返す。

 白井はその言葉に、肩をすくめながら小馬鹿にするように言うと獄寺は怒りを露にして返した。

二人が再び言い合いを始めたのを聞き、ツナ達は慌てて二人の仲裁に入るのであった。

 

「ツナ!」

 

「御坂、えっと、どうしたの?」

 

 支部を出ようとした時、ツナは御坂に呼び止められた。

虚構爆破の一件から少し疎遠になっていた為、ツナは尋ねつつも何が聞きたいのか理解していた。

 

「あぁ、モヤモヤするのは趣味じゃないから、ハッキリするわね

あんたの能力についてだけど…私は誰にも言うつもりは無いから

ああやって隠してたのはなんか理由があるだろうし、何より命の恩人だから言いふらしたりはしないから」

 

「御坂…」

 

「けど知りたいのは本当!いつか話せるようになったら聞かせて」

 

「うん、わかった…話せる時がきたらね」

 

 少し言いづらそうにしてから御坂はツナに言葉をかけた。

そして、それでも能力については聞きたいとツナに言ってきた。

黙っていた方が良いという獄寺とのやりとりを思いだしながらツナは小さく頷いてから答えた。

 

ーーーーーーーーーーー

 

「ったく、あの女…今度会ったら絶対に言い負かしてやる」

 

「獄寺くん、白井さんは悪い人じゃないから仲良くね?」

 

 支部を離れ、獄寺とツナは最初の聞き込みの場所へと向かって歩いていた。

仲裁をいれられた獄寺は、納得がいかない事をまだ根にもっており、ツナは苦笑を浮かべながら宥めた。

 

(二人とも、本当に似てるんだよな…雰囲気が…)

 

「そういえば、支部にいた奴ら…あいつらも風紀委員なんですか?」

 

「え、初春は同僚だけど、御坂と佐天は違うかな…御坂は白井さんと同じ学校の上級生で、佐天は初春とクラスメイトなんだ」

 

 獄寺と白井が似ている点を思い浮かべるツナ、すると話を切り替えるように獄寺が尋ねてきた。

 いきなり尋ねられツナは戸惑いつつも初春達について話していく。

そして二人は、最初の聞き込み場所へとたどり着いた。

 

ーーーーーーーーーーー

 

柵川中学校 校門

 

「まさか、最初が俺が通ってる学校からなんて…」

 

「くそぅ、なんでこっちの世界のオレは学校に通ってねぇんだ…今から転入の手続きをするか」

 

「いや、やめとこう獄寺くん」

 

 最初に初春から聞いた時にも驚いたツナだが、改めて学校の前に立ってから呟く。

その隣で獄寺は、悔しがりながら画策を始めだす。後々、面倒になると思いツナはやんわりと制した。

 

「っく、こうなりゃ変装してでも学校に紛れ込んで…」

 

「とりあえず、行こう…」(この世界に来てまで知り合いがコスプレして学校に来るなんて嫌すぎる!?)

 

 なんとかツナと同じ学校にいようと画策する獄寺の背を押し、ツナは校門を通りすぎグラウンドへと向かっていく。

 

「確か花冠の話によればここの野球部員が何か取引していたって話なんですよね?」

 

「初春だよ、野球部員かはわからないけど、目撃者によれば柵川中学のバッグを下げていたらしいからとりあえず運動系の部活から話を聞いてみよう」

 

 自分で歩きだし、獄寺はツナに柵川中学に来た理由を尋ねる。

ツナは手元の携帯に表示された情報を読み上げていき、グラウンドへとやってきたが、そこには人がほとんどいない状態だった。

 

「休み、すかね?」

 

「どうだろ、そういえば…あんまりこの学校で運動系の部活が活動しているの見てないかも」

 

「とりあえず、あそこの奴にに話を聞いてみましょう!」

 

 人気がほとんどないグラウンドを見ながら獄寺は呟く、ツナは柵川中学に通いだしてからの記憶を掘り返した上で呟く。

 すると獄寺は、野球グラウンドをトンボをかけている人影を見つけ、ツナの手を引きその人影の元へ向かった。

 

「おい、そこのお前、少し聞きたいんだが良いか?」

 

「ん?俺か?」

 

「はぁっ!?てめぇは」「んなっ!?山本!?」

 

 グラウンドに入り獄寺が人影に声をかけた、呼び掛けられた男子生徒はツナ達の方に振り替える。

トンボをかけていたのは、獄寺と共にこの世界に来たツナの親友で雨の守護者、山本 武だった。

 キョトンとしている山本に、ツナと獄寺は慌てて背を向けた。

 

「あれって俺達の世界の山本、なのかな?」

 

「わかりません、一応、オレと山本にはジャンニーニが死ぬ気の炎で動く通信機内蔵のブレスレットが渡されているんですが…持っていないようですね」

 

 ツナと獄寺は声を潜めながら後ろにいる山本がどちらの世界なのかを判別しようとする。

獄寺は自身の右手首に装着されたシンプルなデザインの銀色のブレスレットを見せる。

そして、山本の腕を確認するがいつも付けているリストバンドのみだった。

 

「じゃあ、こっちの世界の山本で…俺達の世界の山本はどこに…」

 

「十代目!落ち着いてください、大丈夫ですってアイツもボンゴレリング持ってますから、ちょっと遅れてるだけですよ!ぽわぁっとしてますからね」

 

「なぁなぁ、どうしたんだ?二人して話し込んで、仲間外れにすんなよな?」

 

「うるせぇよ!今は立て込んでんだ!つうか、何ニヤついてんだお前は!」

 

 山本が入れ替わっていないことにおたつきだすツナ、落ち着きを取り戻そうと獄寺がフォローをいれていると、トンボを持ちながら山本が寄ってきた。

初対面の筈なのに、何故かニマニマ笑っている山本に獄寺はイラつきながら返した。

 

「いやさぁ、世界が違っても二人が仲良くしてるのはなんか嬉しくてさ」

 

「はぁ?訳わかない事を…ってお前、なんつった?今」

 

 ヘラヘラ笑いながら返す山本に獄寺は頭の痛みを覚えるが一つ気になった単語があり、ツナも同じく気がついた。

 

「仲良くしてんのは嬉しい?「微妙にちげぇ!その前だ!世界が違う?お前、まさか!」

 

「俺達と同じ世界から来た!」

 

「「山本か!!?」」

 

「なぁんだ、ツナ達だったのか!そうなら早く言ってくれよな~、ビックリしたぜ」

 

 キョトンとした表情を浮かべてから山本は言葉を言うが、獄寺は素早くツッコミを入れた上で、ツナと声を揃えて言えば、当の本人はあっけらかんとした口調で返すのであった。




次回予告

山本「なんとか二人に合流出来て良かったぜ!」

獄寺「おい!なんでお前と次回予告なんだよ!ここは十代目とゲストのコーナーだろうが!!」

山本「そんな決まりは無いってよ、とりあえず次回予告だな
柵川中学で俺と合流したツナと獄寺、そしたらちょっと訳わかんない奴に襲われるんだよな」

獄寺「なんでそんなに曖昧なんだよ!お前は!!良いか?今からオレが手本をだな」

山本「わりぃ、獄寺…尺がもうないみたいだ!次回、とあるマフィアの平行移動!第9話:拭え、雨の一太刀!
楽しみにしててくれよな?」

獄寺「ちょい待てコラ!それだと俺が活躍しねぇだろ!それにその前に二万UA記念だろうが!」


獄寺と白井の会話は個人的に一番やりたかったです、二万UAは、アンケートの多かった票を書きます、それではまた
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