話数的には9.5話という感じです
それでも構わない方はそのまま閲覧してください
それではどうぞ!」
※はイメージBGMとして小林正典のPerfect Triumphを推奨します
わからない人は仮面ライダーグリスで検索してください
第三学区 高級ホテル
「ダメに決まってるだろうが!」
「お願い、もう3日もホテルに缶詰めなのよ?いい加減外に出てもいいじゃない!許可だってもらったのよ!」
豪華な一室にてγとユニが言い合いをしていた、頭を抱えるγに真剣に頼み込むユニ。二人の話は平行のまま一時間は経過しようとしていた。
「許可だぁ?いったい誰がそんな事を」
「太猿さん」
「太猿~てめぇ~」
「すいません、アニキ…けど姫の頼みは断り辛くて…」
ユニの言葉にγは眉を潜ませる、するとユニは扉の方を指でさして答える。
扉の方には褐色の大男が立っており、γの睨みに視線をそらして答えた。
「ああ、それは良くわかるさ…俺だって何もなきゃホイホイきいちまうだろうさ
けどな、お前だって状況を理解してんだろうが!」
「確かに俺達はボスの取引で学園都市に中期滞在をしてますけども、姫は育ち盛りだ
もう少し自由に遊ばせてあげた方がいいんじゃねぇかな?」
太猿の言葉にγは同意をしながらも今はダメだと言う。自分達の状況を確認するように言いつつ太猿はユニの為に自由な時間が必要だとも進言した。
「お前の言い分もわからんでもねぇ
だがな、育ち盛りの子供と同時に、姫は大企業ジッリョネログループの令嬢である事も変わりねぇ…本国の方からライバル会社の奴らが学園都市に向かっていると入った
今、下手に動けば誘拐される可能性もある、可哀想だが取引終了まではホテルから、出す、わ、け、には?…」
太猿の言葉を理解しつつもγは万が一の事を考えて現状を維持しようとユニへ目を向けるが、そこには既にユニの姿はなかった。
その時、瞬時に気付くユニが太猿を指したのは自分が隠れていく為の陽動であった事に…
「太猿、てめぇ…はかりやがったな…」
「すいません、アニキの目を引いておくようにと頼まれまして」
「ちぃ、こうなったら!」
肩を震わせて太猿を睨むγ、目的を達成した事もあり太猿はユニから頼まれていた事をバラしていく。
γは携帯を取り出して操作を始める。
《ふぁい?なに?アニキ》
「野猿!姫がいなくなった!そっちで見てないか?」
《姫?もぐもぐ、見てないかな…もぐもぐ、そっちにいないの》
「お前、今何を食べてる?」
携帯をかけた先、それは太猿の部下の一人で部屋の外部で警備をしている野猿と呼ばれる少年へだった。
通話に出た野猿は何かを咀嚼しながらγの問いかけに答える。
野猿は単純な性格をしている為、ユニがいなくなればそれだけで大慌てするが、何故かそんな様子もない為、γは苛立ちを隠しながら野猿に尋ねた。
《姫からもらったクッキー、これで来た事は内緒にしてくれって、あ!秘密だったんだこれ》
「いーや、十分だそれだけでな…ったく頭が切れる姫様だよ、ホントに」
野猿は咀嚼をしながら返し、不意に気づいて言うが既に意味は伝わっておりγは額に手を当ててから窓の外へと目を向けるのであった。
ーーーーーーーーーーー
ホテル前
「ごめんね、γ…どうしても探さなきゃならないから」
ホテルから出たユニは自分のしている事に後ろめたさを感じながらも街の方へと足を向けるのであった。
ーーーーーーーーーーー
第七学区
「これで今日の買い出しは終わりですね、ありがとうございます!ツナさん」
「いや別に良いよ、当番なんだし…けどなんか個人的な物が多くない?」
時刻は昼下がり、支部への道のりを初春とツナは歩いていた。
ツナの両手には大きな袋が握られており、歩く度に若干よろけていた。
手元の備品補充リストを見ながら初春が答えると、見栄を張りつつツナは答えると、袋の中に見えるイチゴおでんやリムーバルディスクを見ながら呟く。
「いえいえ、これは必要経費なんですよ?それに私の分は固法先輩に比べたらマシだと思いとますよ?」
「まぁ、確かにムサシノ牛乳を2ケースは流石に、ね…」
袋の中身について初春は得意気に語り、自分より凄い物があるという。
その言葉にツナはげんなりした表情を浮かべて答える。それは少し前での事だ、スーパーの店員に牛乳を2ケース、頼みに行くと店員は特に気にする様子もなく「いつもの所ですね?」と聞いてきたのだった。
固法から行き付けだと聞かされていたが、場所を暗記するほどとはツナは考えてなかった。
「それにしても2ケースなんて置き場所あるのかな」
「支部の奥に業務用の冷蔵庫があるのでそこに入れてるみたいですよ」
「業務用!?」
支部の冷蔵庫に敷き詰めるように入れられたムサシノ牛乳を思い出してツナは呟く、すると初春は配達された時の事を話す、牛乳の保存専用の冷蔵庫がある事にツナは改めて驚かされた。
そして二人が他愛のない話しをしている時、後ろから走ってくる足音が聞こえてきた。
「あう!ごめんなさい…あ、あなたは」
「いや、大丈夫…あれ?君は…」
軽い音と共にツナの背中に衝撃が走る。振り替えるとそこには以前、セブンミストにて出会った少女の姿があった。
「この前の、ナンパの人ですよね?」
「んなっ!?違うって、ナンパじゃないから!」
「ツナさん…それどういう事なんです?」
少女はポンと手を当てて言えば、ツナは慌てて否定すると背後から初春の冷めた声が聞こえてきた。
慌てて振り替えると後ろにいた初春はツナに向けてジト目で睨み付けていた。
「いや、それは誤解というか、なんというか…そうだ、随分慌ててたみたいだけどどうしたの!?」
「誤魔化しましたよね…今」
「えっと!実は追われているんです!」
咎められるように睨まれツナは、なんとか説明しようとするが上手く言えず、少女に事情を尋ねる。
初春からの小言を聞きながら少女は自身の状況を話す、それと同時に遠くの方からツナ達に向けて走ってくる音が聞こえてきた。
「初春!」
「わかりました、こちらです!」
こちらに向かってくる人だかりを見て、ツナはすぐに初春へ呼び掛けると初春は相手を撒くために隠れられそうな場所へと誘導を始める。
ーーーーーーーーーーーー
「いたか?」
「確か、こっちのほうだと思ったんだがな」
「むこうの方を見てみるぞ」
ツナ達がいた場所に黒服姿の男が数人、来ると何かを探すように話し合い、その場を離れていく。
男たちが離れるのを近くの路地裏から顔を覗かせて見ていたツナ達は、ホッと息をついた。
「なんだか、スッゴく厳つい人達でしたけど知り合いですか?」
「えっと…一応知り合いなんですけど…今は見つかる訳にはいかないんです」
「何か訳がありそうだね、良かったら話してくれないかな…その前に離れようか…」
「あ、ごめんなさい、重かったですか?」
話し合っていた黒服達を見て、初春は顔をしかめて呟くと少女は申し訳なさそうに肩を落としてから自分の意見を口にした。
少女の言葉にツナは何故か放っておけないと考え、少女の話を聞こうとするが少女の体勢に思わず顔を背けた。
路地裏に慌てて隠れたせいか、少女はツナに寄りかかるようになっており自分の体勢に気付いた少女は、若干照れながら離れた。
「大丈夫だよ、軽かったから痛くは、イッタぁああっ!?」
「ツナさん、騒いだら聞こえますよ?」
「でも今、初春が足を踏んだんじゃ?」
「え?そんなことしてませんよ?」
「ハイ、ソウデスネ」
少女に対してフォローをいれた途端に、ツナの足に鈍い痛みが走る。
悲鳴を上げるツナに初春がピシャリと言ってくる、足を踏んだ経緯を尋ねようとしたが初春の圧に何も言えずにいた。
「とりあえず路地裏にいても仕方ないので移動しましょう!」
「えっと、この荷物はどうするの?」
「それは近くの宅配便に支部まで送って貰いましょう、それじゃあ行きますよ!」
「はい!よろしくお願いします!」
一度咳払いをしてから初春は、ツナと少女に提案をする。移動事態には賛成しつつも両手の荷物について尋ねた。
すると初春は手早く指示を出して先行するように歩きだしツナと少女はその後に続くのであった。
ーーーーーーーーーーー
第177支部
「こんちは~!初春います~?」
「あ、佐天さん…初春さんはまだみたいよ」
「御坂さん?どうしたんです?」
いつものように177支部の扉を開けて佐天が入ってくると、扉近くにいた御坂が声を潜めて返してきた。
様子の違う御坂に疑問を嘆かけると、御坂は黙ったままソファーが置いてある方を指でさした。
「では、各支部に連絡を取ってみますの…見つけた際はどうします?」
「ああ、それなら第三学区のホテルまで連れてきてくれるか?場所はこの辺りだ」
「かしこまりました、ですが警備員に連絡をいれなくても本当によろしいのですの?」
ソファーに向かい合って座るように白井と黒服の男が打ち合わせをしていた。
内容を確認してから白井は改めて男に尋ねた。男は悩むようにうつ向いてから小さく頷いた。
「ああ、本来なら自分達だけで解決する筈だったが、恥ずかしい話を土地勘のない場所では見つけられるのは難しいと考えてな
ただ、大事にはしたくない…だから風紀委員に頼みにきた」
「騒ぎを大きくしたくないけど、手が足りないから助力してくれ
都合が良すぎる頼み事ですわね」
「耳がいたいが正にその通りだ…だがその都合良すぎる状況を使ってでも見つけなきゃならない相手を俺達は探している」
「わかりましたわ、警備員へはなんとかしますですの…」
男は苦笑を浮かべながら事情を話していく、男の言い分に白井は額に手を当てながら返す。
男は肩を竦めて同意をしてから真剣な表情を浮かべて言う。
その表情に白井は男の要求を飲むようにと返してから他の支部に連絡を取る為に立ち上がった。
二人のやりとりを見ていた佐天は思わず苦い表情を浮かべた。
「なんだか見るからに、ヤのつく自営業の人なんですけど…」
「人探しだって…小さい女の子がはぐれたそうだから探して欲しいらしいわ」
「それってまさか、誘拐…」
「悪いが、見た目と違って真っ当な商売をしているんだ…あんまり誤解を招く言い方はしないで貰えるかな?」
佐天は男の格好からの感想を口にすると、先に来ていた御坂は事情を説明していく。
小さな女の子という言葉から佐天は早とちりをして言葉を口にするが、いつの間にかソファーから立ち上がっていた男が近くまで来ていた。
頭をかきながら男は佐天に頼み込んできた。間近で見ると否応なしに暴力団に見える男に佐天は思わず後退り、御坂が割り込むように前へと出る。
「ああ、一応確認なんだが…この子を見かけなかったかな?」
「探してる子、ですよね?…すみません、見たことは無いです…」
「そっか…やれやれうちのお姫様は本当にお転婆だな…いろんな奴に迷惑かけて」
男は頭をかいてから、懐から写真を取り出して御坂達に見せる。
御坂と佐天は写真に食い入るように見てから、首を横に振ってから答える。
男は元々、ダメ元だったが見た事が無いと改めて言われるとへこみ、写真を懐にしまいながら肩を竦めた。
「姫ってのはなんだか納得します、この子すんごく可愛いですもんね」
「だろう?赤ん坊の頃から見てるが将来はかなりの美人になる筈だ…ただ悪い虫がつかないか、心配でな…」
((親バカだ、すんごい親バカだ…この人))
写真を見ていた佐天が少女について感想を口にすると男はまるで自分の事のように喜んで答えれば、先の事を考えて項垂れた。
肩を落とす男に、御坂と佐天は同じ事を考えるのであった。
「アンタらも風紀委員か?あっちのお嬢ちゃんにも教えたが一応、教えとくな
俺はγ、この子の保護者みたいなもんだ…そしてこの子は」
ーーーーーーーーーーーー
「ユニ、ユニ・ジッリョネロです、助けてくれてありがとうございます」
γと名乗る男が御坂と佐天に説明をしていると同じ時、ツナと初春に向けて少女、ユニは自己紹介をし礼を二人に言う。
荷物を宅配便に預け、公園にて初春とツナはユニから事情を聞く事にした。
(やっぱり、ユニだったんだ…見た目が少し違うのは、獄寺くんが言ってた通りみたいだ)「俺は沢田綱吉、風紀委員をやってる」
「私は初春飾利です、ツナさんの同僚ですよ」
「沢田さんに初春さんですか…本当にお礼をしてもしたりません」
少女がユニであるとわかったツナは初春と共に自己紹介をしてから、獄寺と合流した際に話した事をおもいだす。
ツナがマフィアでないという平行世界では、本来マフィアである者達も違う人生を送っているという可能性があると獄寺は言っていた、目の前にいるユニもアルコバレーノでは無く、普通の子供として生を受けて生きてきたと思われる。
自分達の世界より歳が違うのはそのせいでは無いかとツナは考えた。
(けど、良かった…ユニが普通の女の子で…)
「あの!ジッリョネロってあの超有名企業じゃないですか!ユニちゃんって有名人なんですか?」
(前言撤回、なんか凄い生き方してる!?)
「それはお母様です、私はただの子供ですよ…」
ツナはユニがマフィアと関係のない人生を送っている事を喜ぶが、初春の言葉にすぐにその考えを撤回するのであった。
驚く二人にユニは、照れながら自分には何も無いと返した。
「ねぇ、初春…ジッリョネロってどういう企業なの?」
「ジッリョネログループは資材の貿易を主な事業の企業なんですが、学園都市に使われている建築物や車はほとんどジッリョネログループが関わっているんですよ!
その他にも最新の警備ロボやパワードスーツにもジッリョネロ「ごめん、初春…そろそろ落ち着いて…」…わかりました…それでユニちゃんはどうして追われていたんですか?知り合いという事はあの人達は護衛ですよね?」
ジッリョネロという名前は、未来の世界で聞いていたがこちらの世界ではどういうものかわからず、ツナが尋ねると初春は待ってましたと言わんばかりにジッリョネロについて話していく。
まるで言葉が洪水の如く押し寄せてきたので、一旦中断させると初春は少し落ち込んでからユニに向けて質問を投げかける。
「えっと、はいそうです…先程の人達はお母様の護衛の人達なのですが…
私は学園都市でどうしても探さなきゃならない物があってそれで一人で出てきたんです」
「「探し物?」」
「オレンジ色の炎…多分、ですけどこの街にいる能力者だと思うんです」
いきなり自分の方に声をかけられユニは戸惑いながらも自分の用向きを口にした。
ツナと初春が声を揃える中、ユニは少しずつ曖昧な言い方をして答える。
「炎…能力者でしたら発火能力ですけど…オレンジ色ですか…それだけですとなかなか厳しいですね」
「書庫でもわからない?」
「さすがに炎の色だけでは…特徴があれば特定できるのですが…炎を発現出来るのはレベル3はあるでしょうけど…ユニちゃん、他に何かないですか?」
「ごめんなさい、色ぐらいしかわからなくて」
初春とツナはユニの言葉から該当する能力者について話し合うが、曖昧な状態では特定は出来ず本人も詳しい事を話せずにいた。
「どうしよう…しらみ潰しに探す訳にはいかないよね…」
「確かに…発火能力者だけでも学園都市には数多くはいます…けど…」
「けど?」
「ユニちゃんの顔を見ていたらなんだか、見捨てられないです
ツナさん、ちょっと付き合ってくれますか?」
「わかった、けど実際どうするの?」
声を潜めて初春達は相談をしていく、そしてユニに協力することを二人は決める。
その上でツナが初春に尋ねると初春は笑みを浮かべた。
「勿論、足を使います!ユニちゃん、能力者の力を見ればあなたが探している人はわかりますよね⁉️」
「はい、おそらくですけど」
「ツナさん、少し大変ですけど一人一人、確認していきましょう」
「だよね、それしかないよね…よしやろう!」
初春は携帯を取り出してからハッキリと答えた。ユニは背筋を伸ばしてから頷けば、今度はツナへと呼び掛ける。ツナは苦笑を浮かべながら頷いて答えた。
それからツナとユニは、初春からの指示を受けて第七学区にいる発火能力者を探す事にしたが、さすがにその数は多くユニの探す能力者に出会えずにいた。
そして数時間が経過してからツナ達は元の場所へと戻ってきていた。
「改めてだけど、発火能力者だけでも結構いるよね…学園都市って」
「そうですね…ちょっと予想外でした」
「あの、すみませんお二人共…けどもう良いです…これ以上はご迷惑はかけられませんし…それに、迎えもきたみたいなので…」
公園のベンチに座りツナと初春は肩を落として改めて学園都市の広さと学生の多さにため息をつく。
するとユニが、苦笑を浮かべながらもう付き合う必要がないと話し公園の入り口に目を向けると、そこには黒服達が立っていた。
ユニはゆっくり立ち上がると一礼をしてから黒服達の方へと向かって歩きだす、だが不意にその足が止まる、それはツナがユニの手を掴んで引き留めていたからだ。
「沢田さん?」
「ダメだ…その人達は違う!」
「えっ?…きゃっ!?」
いきなり引き留めた事にユニが戸惑いながら尋ねようとするが、ツナが否定するように叫んだ。
その瞬間、黒服達がユニへ向けて突然に飛びかかってきた。
ツナは急いでユニの手を引いて、黒服達の手から遠ざける。
「ツナさん!」
「なんか、様子が変だ…初春!逃げよう!」
「わかりました!こっちです!」
黒服達の行動に初春が声をあげた、ツナは黒服達のサングラスの奥に見える瞳が正気を失っている事に気付き、急いで決断をすれば初春は逃げるルートを決めて走り出す。
逃げ出したツナ達を追い、黒服達はゆらりと起き上がりまるでゾンビのようによたよたを追い出した。その黒服達から離れた場所に同じ衣装を纏った男が黒服達を目で追いながら懐から携帯を取り出した。
「ターゲットを捕捉、これより目的地点に誘導します」
『わかった、くれぐれもキズをつけるなよ?楽しみが減るからな』
「了解しました、ターゲット以外の2名はどうしますか?」
『ん?あぁ、風紀委員とかいう自治組織の構成員か…消せ、こちらの目的は一つ、姫、姫、ユニ姫!
あの小娘を捕まえて私の前につれてこい、これは最優先事項だ』
「わかりました、グロ・キシニア様」
男は無機質な口調で状況を伝えていく、携帯の向こうの相手は不気味な含み笑いをしながら指示を出していく。
そして、黒服の男は相手の名前を呼んでから携帯を切るのであった。
ーーーーーーーーーーーー
第七学区 路地裏
「はぁはぁ…なんだったんでしょうか…あの人達…」
「わかりません、ただあの服を着ていた人達は間違いなくジッリョネログループの護衛でした」
黒服達から逃げて路地裏へと来た初春達は、息を切らしながら話し合う。
ユニは息を整えながら、襲ってきた黒服が自分の知り合いである事を話した。
「このまま逃げていても拉致があかないと思う、なんとか白井さん達と合流出来ないかな?」
「そういえば、白井さんから連絡がきていた気がします…あ、結構連絡がたまってました」
汗を拭い、ツナは初春へ相談をすれば、初春は気が付いたように携帯を取り出して画面を見て苦い表情を浮かべるが、すぐに何かを思い付いた。
「ツナさん、私に考えがあります!ユニちゃんも耳を貸してもらえますか?」
「うん」
「はい」
初春はこの状況の打開策を思い付き、ツナとユニへと耳打ちをした。
話を聞いた二人だが、その表情はあまり良いものではなかった。
「初春、その方法は止めた方がいいんじゃない?危険すぎるよ」
「確かに、ツナさんの懸念はわかります…けれどこのままでいるわけにはいきません!
例え危険な賭けでも今はこれが最善です」
打開策に対してツナは自分の意見を口にするが、初春はそれでもやるしかないと強く言葉を放った。
初春の真剣な表情にツナは頷くしかなかった。
ーーーーーーーーーーーー
第七学区
隠れたユニを探す為に、黒服達は手分けを探していた時だった。路地裏から一人の少女が飛び出し黒服達の間をすり抜けていった。
顔こそは判断出来なかったが、服装と髪型からユニであると判断した黒服達は少女の後を追いかけた。
「はぁ、はぁ!」
少女は息を切らしながら懸命に走る、だが逃げる先に黒服が先回りをし現れた。
走っていた足を止めて別の道へと逃げ込む少女、しかしその先は行き止まりとなっており、少女は追い詰められてしまう。
少女へにじり寄るように黒服達は距離をつめていき、後、数メートルと言った所で少女は振り替える。
「残念、外れです!」
振り替えった少女はユニの服を着た初春であった、初春は作り物の髪を外した上で宣言をすれば黒服達の前に立ち塞がるように少女が現れた。
「風紀委員ですの!この場合は少女誘拐未遂で全員を拘束します!」
腕章を突きつけるように白井は黒服達に向けて言い放つが、黒服は怯む事無く襲いかかってきた。
一応、警告をしたにも関わらずに向かってくる姿勢に白井はため息をついた。
「全く、話の通じない相手は面倒ですの…お姉様!」
「わかってる、わよ!」
腕を組ながら白井は呟けば、真上に向かって呼び掛けると、建物の上で待機していた御坂が黒服達に向けて電撃を叩きつけるように放った。
上から降り注ぐ雷撃は黒服達へと直撃し、全員を地面へと倒れさせた。
「ふぅ、一応加減したけど大の男を倒すには骨が折れたわね」
「お姉様!骨が折れたのでしたらこの黒子が添え木に、ぶほぉ!?」
「ただの比喩表現よ、だからその変な手つきで近寄らないでくれる?」
全員が動かない事を確認し、御坂は肩を解すようにすると白井が指を艶かしく動かしながら抱きつこうとしたが、御坂はそれを予測し飛び付かれる前に白井の頭部を鷲掴みにしてから遠ざける、その瞬間、グキッという音が白井の首から聞こえてきた。
「白井さん!御坂さん!ありがとうございます!!」
「初春さん、怪我はない?」
「はい!お二人が来てくれたから無事でした」
じゃれつく二人に初春が走り寄ってくる、御坂は白井の頭から手を離すと安否を確かめる。
初春は怪我が無いことを伝えると白井が首を押さえながら初春を睨み付けた。
「全くいきなりこの場所に不審者を誘導しますとメールを送りつけてくるんですの
あまり無茶をしないで欲しいですわ、こちらの心臓が持ちませんの」
「ごめんなさい、けれど援軍を呼んで、この人達を捕まえるには私がターゲットの格好をして誘き寄せるしかなかったんです
暗かったから適当でも何とかなりました」
「お嬢ちゃん達!大丈夫か!?」
白井は携帯に表示された文を読み上げながら、肩をすくめて言えば初春は苦笑を浮かべながら立案した作戦について話し、ビニールテープで作り上げたカツラを拾いあげて答えた。
そこへγが黒服達を避けながら駆け寄ってきた。
「γさん?なんでここに?」
「ウチの部下が子供を追い回してるって連絡が入ってな、様子を見にきたんだ…見た所、大事にはなってないみたいだな」
「理由を話して貰えます?流石に身内を見つけるにしてはいささかやり方に問題がありますの」
「確かにな、だがそれがコイツらの意思には見えねぇ、何か理由があるはずだ」
駆け寄ってきたγに御坂は尋ねると、γは倒れている黒服の様子と初春や白井達の状況を確かめながら安堵を浮かべる。
白井は鋭い視線を向けながら、γに非難をむけた。γは肩をすくめてから倒れている黒服の首を確かめる、するとそこには小さな札が貼られていた。
「なんですの?それは…」
「コイツは人間の首筋に貼り付ければ相手を操れるアンテナみたいな代物だ…まぁ、本来のモンに比べたら大分劣化してるがな…」
「なにそれ、まるで魔法みたい…」
「まぁ、近いもんだ…それよりもその服の持ち主は何処にいる?それはオーダーメイドで他には無いんだ」
「えっと、ユニちゃんでしたら私の同僚と一緒に第二一学区にある自然公園に避難しています」
γは小さく呟いてから黒服の首筋から札を剥がす。すると札は人体から離れた瞬間、勝手に燃え尽きてしまった。更に一枚が剥がれると他の黒服達の首筋の札も同じように燃え尽きていく。
札についてγは驚く御坂達に説明をしていく、人間を操るという科学でも出来ない事に御坂が小さく言えば、γは軽く笑ってから詳しくは喋らずに初春に質問を投げ掛けた。
いきなりの事に初春は戸惑いながらユニがいる場所をγに伝える。
「悪いが案内をして貰えるか?この札を貼り付けた奴はあまり遠くにはいない
恐らく学園都市の中にいる筈だ、早くユニに合流しなきゃならない」
「わかりました、じゃあついてきて下さい!白井さんはこの人達を病院へ連れていって下さい!」
「ちょっ!初春!?」
γはユニの元へ向かわなければならない理由を説明すると初春は強く頷いてから白井に指示を出してから白井の制止も聞かずに走り出す、γもそれに続いて走り出すのであった。
ーーーーーーーーーーーー
第二一学区 自然公園
初春が黒服達を引き付けているのと同じ時、ツナは初春の制服を着たユニを連れて自然公園へと来ていた。
「とりあえず、ここまで来れば良いかな?」
「初春さんは大丈夫でしょうか?」
「大丈夫、ちゃんと白井さん達と合流出来る筈だから…っ、危ない!がっ!?」
辺りに人がいないことを確認しながらツナはユニに言うと、ユニは初春から預かった花飾りに手を当てながら言うと安心させるように答える、その時だった、ツナは嫌な気配を感じユニを突き飛ばす。
次の瞬間、ツナの身体に鈍い衝撃が走り後方へと吹き飛ばした。
「沢田さん!?」
「見つけた、見つけた、ようやく見つけた…ユニ・ジッリョネロの試食会場!」
「貴方は、誰…」
吹き飛ぶツナに呼び掛けるユニの背後よりねっとりとした声が聞こえ暗闇から真っ白な服を纏った赤色のおかっぱ頭の男が歩いてきた、その手には馬術に使う鞭が握られておりリズムを刻むように打ち鳴らし近づいてくる。
その不気味さにユニは後退りをしながら相手に素性を尋ねる。
「これは失礼、私はグロ・キシニア…さるお方より貴女を拐いにきた者だユニ姫」
「…私が狙いならなんで沢田さんを!?」
「ん?あぁ、そこの小僧か…なに、拐うのに邪魔だったから退けただけの事!しかし、自身が拐われる理由には検討がついているようだ、な!」
男は右目の周りをヒクつかせてから、まるで執事のように頭を下げてから自身の名前を名乗る。
ユニはグロ・キシニアという男に鋭い視線を向けながら問いかける。
グロ・キシニアは鼻で笑ってからツナへの攻撃について話せば、指を大きく鳴らす。
その瞬間、グロ・キシニアの背後から生物の触手のようなモノが現れユニの手足にまとわりついた。
触手はユニの手足を潰さない程度ながらもキツく締め上げていく。
「あぐっ!?…何を!!」
「なぁに、ちょっとした躾ですよ…私の雇い主に粗相をしては不味いのでね
貴女の目は何者にも屈しない目をしている、それは不味い、不味い、実に不味い
ひ弱なガキは怯えた目でなくちゃあな!!」
「く、ぅうう…」
ギリギリと力がこもっていく触手にユニは表情を苦悶に歪ませる。
痛がるユニに、グロ・キシニアはさも当然のように言い放ち、鞭を強く地面へと打ちつけた。
その瞬間、触手が更に力がかかりユニの骨が軋み、その目尻に涙が滲んだ。
「いい、いい、実にいい!!強い目の女が己の無力を知り絶望に沈む
そそる、そそる、とてもそそるな!!」
「貴方なんかには、負けません…ぅう」
「それはお得意の予知、かな?」
「え…」
ユニの姿に己の身体を仰け反らせて興奮するグロ・キシニア。
身体への激痛に耐えながらユニは反論をするが、グロ・キシニアの言葉に唖然とした。
「知っている、知っている、知っているとも!お前の能力、未来を読み、選択する!❪原石❫と呼ばれるお前の能力、雇い主はそれを求めているのさ!
今はまだ、数秒先だがその力を発展させれば必ず利益を生む!
その為には、もっと従順になって貰わなければな…その為ならば、腕の一本をへし折るのもやむ無し!!」
唖然とするユニに、グロ・キシニアは高らかに言い放つと狂喜をはらんだ瞳でユニを捉え、鞭を振り下ろす。
甲高い音共に、触手がユニの右手に力を込める。迫りくる未来にユニは目をキツく閉じた、しかし、短い音共に触手の力が抜けた。
「な、に?」
「沢田、さん?」
「悪い、けどもう大丈夫だ…」
地面に触手が落ち、グロ・キシニアは目の前に起きた事が信じられずに驚愕を顔に浮かべる。
薄目を開けたユニの前には吹き飛ばされた筈のツナが立っており、ユニの右手に伸びていた触手をXグローブに灯した死ぬ気の炎で切り落としていた。
ユニへ背を向けながらツナは強く言い放つとその額には大空の死ぬ気の炎が闇を照らすように燃え盛っていた。
「オレンジ色の、炎…」
「ふっ!!」
「あっ!」
ツナの額の炎を見て、ユニは小さく呟くとツナはユニを解放するために残った触手を切り落としていく。
触手から解放されたユニはバランスを崩すが、ツナはその身体を優しく抱き留める。
※
「この力の事を話している時間はない、けどこれだけは信じてくれ…君は俺が守る!」
「はい…お願いします」
「離れていてくれ、危ないから」
「わかりました」
ユニを地面に下ろしてからツナはその表情から聞きたい事について返答をすれば強く宣言をする。
ツナの言葉にユニは目を潤ませながらも強く頷いた。そしてグロ・キシニアに向けて身体を向けるツナの指示に従い、ユニは巻き込まれないように離れていく。
「…なんだ、なんだ!なんなんだ!!お前は!!この街の能力者か!?人の楽しみを邪魔しやがって!!」
「楽しみ?人を傷つける事がか…ふざけるな!!」
ユニを解放された事に、グロ・キシニアは癇癪を起こして頭をかきむしり出した。
触手で人を締め上げる行為を楽しみというグロ・キシニアに対してツナは強く言い放ちながら、グローブの炎を噴射してグロ・キシニアへ殴りかかった。
「ふん!常識を語るか?あいにくだが常識などエロとグロの快楽を得る為に不必要なゴミだ!持ち合わせていないさ!!」
「まだ触手が!?」
ツナの拳を空間から現れた四本の触手で防ぐグロ・キシニア、そして高らかに言い放ちながら更に二本の触手を出現させてツナへと打ち下ろすように攻撃してきた。
ツナは当たる直前に炎を噴射して、避けながら相手の触手の数に驚く。
「どうだ!どうだ!!どうだ!!!私の魔術、Devastation(デヴァステーション)762!!は異界の怪物クラーケンの触手を発現させ相手を締め上げ、蹂躙する正に私にふさわしい術だ!!
たかが後付けされた能力で敵うものかよ!!」
(死ぬ気の炎による匣兵器とも違う…魔術…なんだかわからないが…)「その程度なら、問題ない」
「逃げの一手しかしていない奴がなにを、っ!?」
六本の触手がツナを捉えようと迫る、しかしX グローブで小刻みに動き回るツナを捉えることは出来ずにいた。
しかし反撃もしてこないツナに、グロ・キシニアは高らかに言い放つ。回避をしながらツナは迫り来る触手に対して冷静に思考を重ねていき、断言するように言い放てば真上へと駆け上がる。
余裕のあるツナに対して焦燥を露にすりグロ・キシニア、触手すべてをツナへと向かわせるが、それは罠だった。
「これだけ集まれば、一気に倒せる…ナッツ!!」
「グゥ、ガァアアアアアア!!」
ツナ目掛けて迫り来る触手に対してツナはナッツを出現させ右手の炎で空中で制止しながら左手にはナッツを乗せるツナ。
目の前まで迫った触手に対しナッツは咆哮と共に大空の炎をぶつける。
調和の力を持つ大空の炎は、周りの物質と同化させる能力がある、大空の炎は触手と空気を同化させ、一気に風化させていく。
「バカな、私の魔術が…崩れて、お前は、一体!!」
「お前に話す事は無い、ブッ飛べ!!」
崩れ去る触手にグロ・キシニアは悲鳴まじりに叫ぶが、ツナはその問いに答えずに一気に距離を詰め、グロ・キシニアの顔面に拳を打ち込んだ。
鋭くも重い拳を受けグロ・キシニアの身体は自然公園の奥へと吹き飛んでいった。
ーーーーーーーーーーーー
「ふう…はぁ、はぁ…く…」
グロ・キシニアを殴り飛ばしたツナの額から炎が消え、ツナは息を荒くしながら腹部を押さえる。
最初にグロ・キシニアから攻撃を受けた場所から出血していたのであった。
傷口を塞ぐ事無く全力で戦い、そのまま超死ぬ気状態を解除した為、ツナの身体に一気にダメージが回ってしまっていた。
「沢田さん!」
「ユニ…良かった…護れ…」
「沢田さん?しっかりして!今、救急車を!」
「姫!無事か!?」
「ツナさん!!」
駆けよってくるユニの姿を見て、ツナは安堵しそのまま地面に倒れてしまう。
ユニは慌てて、連絡を入れようとした時、γと初春が自然公園へと到着した。
ツナの状態を見て、初春はすぐさま白井を呼びツナをカエル顔の医師がいる病院へ移送する手配をするのであった。
ーーーーーーーーーーー
自然公園 奥
「ぐぅ…あの小僧…よくも、よくも、よくも私に傷をつけたな!?」
初春達がツナの解放をしている最中、ツナに吹き飛ばされたグロ・キシニアは顔を抑えながら立ち上がった。
殴られた顔面は、赤黒く腫れ、その瞳は憎しみに染まっていた。
「私の魔術は崩れた…しかし、もう一度発動させればまた元通りだ!次こそは」
「ふふ、負けたプレイヤーに次なんてあるのかな?」
地面を叩きながらグロ・キシニアは復讐を誓う、しかしその背後から声がかけられ表情が凍り付く。
「な、なんで…お前が…ここに…」
「ちょっと依頼を受けてね、グロ・キシニア君…君が失敗したら始末するように、って君のご主人から」
まるで錆び付いた人形のように後ろを向きながら、グロ・キシニアは振り替えるとそこには真っ白な髪に真っ白な出で立ちに三白眼の瞳、その左目の下には三つの爪のマークが入った男がまるでアリを観察するようにしゃがみながら、グロ・キシニアに話しかけてきた。
「ま、待て!今のは油断しただけだ!もう一度チャンスをくれれば必ず!「ダメだよ」…へ?」
「君、ターゲットを傷つけようとしたよね?君の任務は無傷で拐う事…
依頼主も困ってたみたい、君の性癖…だからさ、死んでくれるかな?」
涙を流し必死に助命を乞うグロ・キシニアに、男は笑顔で言い放てば指をグロ・キシニアに突きつけた。
その行為だけでグロ・キシニアは全てを理解し、逃げようとしたその時だった。
「バン」
男がそう一言、呟いた瞬間、グロ・キシニアの身体はまるで何かにかき消されたかのように無くなり、そこには初めから何もなかったかのようにただ静けさだけが残った。
「もしもーし、こちら白蘭…後始末、終わったよー…うんわかった
それじゃあ次の仕事までのんびりしてるね」
男は懐から携帯を取り出し、暢気な口調でグロ・キシニアを始末した事を報告していき笑いながら返せば、遠くの方から此方に向かってくる足音に耳を向ける。
「うん、楽しみは次だね…ユニちゃん、それに沢田綱吉くん」
男、白蘭は笑みを浮かべながら聞こえる筈もない相手に再会の言葉を送るとそのまま闇の中へと消えていくのであった。
ーーーーーーーーーーーーー
第七学区 病院
「あれ、ここは?」
「沢田さん、目を覚ましたんですか?」
規則的になる音を耳にしてツナは目を開けた、場所を確認するように視線を動かしていると、ユニの声が聞こえその方向に視線を向ける。するとそこには初春の制服ではなく、元の衣服を着たユニの姿があった。
「えっとここは…病院かな?」
「はい、第七学区にあるとても腕の立つ医師かいる病院です…すみません…沢田さん巻き込んでしまって…」
「大丈夫、思ったよりなんともないよ!」
場所を確認するように尋ねるとユニは説明をしてから肩を震わせながら謝りだした。
ツナは安心して貰おうと空元気で自分が大丈夫である事を告げるが、ユニの表情が変わる事はなかった。
「いえ、すべて私のせいなんです、私の能力のせいで…」
「予知能力だったよね?ゴメン、アイツが言ってたから…」
「はい、これは私の家系には予知能力があります」
絞り出すようにユニは自分に非があることを話す、それについてツナは謝りつつも尋ねる。
事情を知っているツナに隠すのを止めて、ユニは自身の能力を語りだす。
自身の一族は生まれつき勘が鋭く、その精度は代を重ねる毎に上がっていきいつしか近い未来を見通す能力へとなっていた。
「もしかして、一人で出歩いていた理由って」
「私が学園都市にいるときに何かに襲われる未来を見たからです
けど、それにはもうひとつ私を守るモノがありました
それを見つければ、きっとなんとかなると思っていましたけれど…」
「そうなんだ…俺は良かったと思う、ユニが探してくれたから、君を守る事ができた」
ユニの言葉から一連の行動について尋ねると肩を落としながらユニは返答をしていたたまれなさから顔を俯かせる。
そんな彼女を責める事なく、ツナは穏やかな口調で安心させるように言う。
「いえ、私が無事だったのは貴方がいたからです、ありがとうございます…沢田さん」
ツナの言葉に涙を拭い、ユニはツナの手を取り助けてくれたことに礼を言うのであった。
「帰る前に貴方と話せて良かったです」
「帰る?」
「はい、お母様の商談も終了しました、更に私が襲われた事もあり学園都市から離れ帰国する事になりました」
「そうなんだ、じゃあお別れ、かな?」
ツナの手を握っていたユニは名残惜しむように手を戻してから語りかける。
ユニの言葉にツナは意味がわからず首を傾げると、ユニは故郷に戻る理由を話し出した。
状況を理解したツナは寂しく思いながらも引き留める事はせずに言う。
「はい、だけど私はまた貴方に会えると思います」
「それは予知?」
「いえ、私の願いです」
別れを肯定した上で、ユニは優しくツナへと語りかける。その言葉にツナは不思議そうに尋ねるとユニは満面の笑みを浮かべて返すのであった。
なんとか三万前に更新できました
リボーンキャラで遠慮なくぶちのめせるキャラがいなくて苦労しました
作中の魔術や大空の炎の説明は作者の独自解釈と勝手な設定です
間違ってたらごめんなさい
時間がかかりましたが、第9話を執筆しますのでまたしばらくお待ちください
オリジナルは時間がかかるのです
途中の文が消えていた為、改めて最後のツナとユニの会話を書き直ししました
誠に申し訳ないです