とあるマフィアの平行移動(パラレルシフト)   作:梟本つつじ

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前回の投稿から2年、最近ようやく書く意欲というものが上がり執筆いたしました。

※はこの小説のイメージopの君にこの声が届きますようにを入れてもらえればなと思います。

一応概要欄には自己解釈を入れておりますので作中の内容について作者の頭ではこう思ってる程度でお願いします


第16話:君にこの声が届きますように

それはツナ達が10年後の未来へときて、未来から現在へと戻るために特訓を始めた頃の話である。

身体を鍛える以外にも未来での戦闘特に匣や死ぬ気の炎の属性についてラル・ミルチからレクチャーを受けたツナ、獄寺、山本。

元々頭の回転が早い獄寺はともかく座学が苦手なツナと山本、ラル・ミルチから罵声と共にこってり搾られフラフラとなっていた。

 

「ひぃ~…頭が痛い…」

 

 

「確かに何が何だかだったな」

 

ひとまずの日程を終えて自室に戻りながらツナと山本はそれぞれに呟く。

獄寺はやる事があると言って別れており、通路灯に照らされた道を歩いていた。

 

「あ、俺トイレ行くから山本は先に戻っててよ」

 

「おう、そんじゃまた明日な」

 

通路が別れ道となった時、ツナは思い出したように言うと、山本は軽い口調で返すと自室へと向かいツナは1人通路を歩き出した。

静かな室内に水が流れる音だけが響いていた、ツナは顔を洗い水が流れる洗面台をじっと眺めていた。

 

「ほれ」

 

「…ありがとう、って熱!!?」

 

不意に差し出されたタオルをそのまま受け取りツナは礼を言いつつ顔に押し付けるが、思った以上に熱を持っていたタオルに驚きそのまま身体を反らすと尻もちをついてしまう。

 

「やれやれ、絵に書いたようなダメっぷりだなツナ」

 

「リボーン!?なんの真似だよ、危ないだろ?こんなタオル渡してきてさ!」

 

尻もちを着いたツナに呆れたように声を掛けてきたのはリボーンだった。

その手にはツナが思わず手放したタオルが握られており、いきなりの事に思わず文句を言い放つツナ。

 

「京子達が洗濯していたからそっから持ってきてやったぞ、乾燥機から出したてのタオルで顔を拭くと気持ちいいだろ?」

 

「むしろ火傷するとこだったぞ!」

 

「俺なりの心遣いだぞ、それにお前も聞いておきたい事あったんじゃないか?ラルに聞いたらまた怒鳴られると思って黙ってる事があるだろ」

 

リボーンはタオルの出所について話せばいつものように聞いてくるが、ツナはすぐさま否定した。

憤りを顕にするツナに、リボーンは特に反省するよう様子も無くいうと本題を切り出した。

 

「それは…まぁあるけどさ…」

 

「言うだけ言ってみろ一応は答えてやるから」

 

「死ぬ気の炎、大空の調和ってなんなの?獄寺くんや山本はわかるけどさ、イマイチ解りづらいんだよ」

 

リボーンの問いかけに顔を渋らせながらツナは返す、そして促されてから改めて自身の死ぬ気の炎について尋ねてきた。

獄寺の嵐は分解、山本の雨は鎮静、ハッキリとした特性であるが自分の大空が掴みにくい事を話す。

 

「まぁ死ぬ気の炎は未知の部分があるしな、ツナには早いと思ってたがちゃんと教えてやるか」

 

ツナの質問にリボーンはトレードマークの帽子に指を添えながら返すのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

「…ツナ…」

 

触手の攻撃により立ち上る砂塵を見つめながら御坂は小さく呟く、突き立てた触手を引き抜きながらAIMバーストは御坂へと身体を向ける。

しかし引き抜こうとした、1本の触手が止まりそれどころか逆に引かれている事にAIMバーストは気づく。

 

「…まだ、終わりじゃない!」

 

砂塵の中からハッキリとした声が聞こえ、薄れいく砂を吹き飛ばすようにオレンジ色の炎が吹き上がる。

そこには、AIMバーストの触手を右手で掴み、左手で炎を薄く噴射している姿がありツナの額に燃え盛る炎の勢いが増していた。

 

「ツナ!」

 

「御坂!少しの間だけAIMバーストから守ってくれ、やってみたいことがある!」

 

「何をするつもりなの!?」

 

砂塵から姿を見せたツナに安堵と共に呼びかける御坂。するとツナは身体の向きを変え、噴射していた左手を前へと突き出し掴んでいた右手を後ろへと引く体勢を取りつつ、御坂へと呼びかける。

守るように言われ御坂はその真意を問いただそうとする、すると右手の炎の勢いが増し触手を伝ってAIMバーストに燃え移り瞬く間にその巨体を燃やしだした。

 

「熱っ!?…?なんだろうこの火、激しく燃えてるけど痛くない暖めてくれるような火?」

 

飛び散る炎に御坂は思わず身構えるがしかし、炎には火傷させてくるような痛みなどはなくまるで優しくつつむように燃え盛っていた。

しかし、御坂が暖かさを感じるとは裏腹にAIMバーストは苦しみ火元であるツナに目掛けて氷の槍を生成し投擲してきた。

 

「っく!?」

 

「ツナ!っ!」

 

放たれた槍に対してツナは回避せずに立ち尽くしていた、直撃はしなかったが掠った部分の皮膚が裂け血が流れ出す。

呆けていた御坂は、すぐさま雷撃を放ち次弾の氷を破壊した。

その間もツナは死ぬ気の炎を燃やし、AIMバーストを包み込んでいきその全体がオレンジの炎に包まれた。

そしてツナの意識は暗闇に覆われるように落ちていき、目の前には上下すら判別のつかない空間が広がっていた。

 

(よし、上手くAIMバーストの内部に入り込めた)

 

目の前の空間にツナは驚く様子を見せずに目論見が成功した事に一先ず安堵をした。

右も左もわからない状況であるがツナは意識を集中すると自身の身体は何かに吸い寄せられるように動き出した。

流れに身を任せながらツナはリボーンから教えられた事を思い返す。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「大空の炎、コイツの調和の力だが簡単に言えば均一にするんだ」

 

「均一?…それってみんな同じにするって事?」

 

「ツナらしいな、まあそういう事だ」

 

リボーンは腕を組みながらツナへと説明をしていく、首を傾げて自分なりの回答を口にした。

ツナらしい言葉にリボーンはため息をついてから返す。

 

「大空の炎を受けた相手は周りの物質、大抵は空気だな、コイツと調和する事でその素材を脆くする、それが石化したように見えてるんだな」

 

「大抵って事は他にも出来るの?」

 

「そうだな、骸とのバトルを覚えているか?忘れてねぇとは思うが」

 

大空の炎が起こす現象についてリボーンは説明をしていき、その言葉の中から気になった部分について尋ねるツナ。

リボーンは例題として過去にツナが経験した戦いについて問いかける。

念を押すように聞かれ頷くツナ、それは初めて超死ぬ気状態で戦ったからだ。忘れようとしても無理な出来事である。

 

 

「あんときの骸は人間道を使い、お前は死ぬ気の炎で人間道を解除した

あれは骸の精神を大空の炎が調和した結果なんだ」

 

「骸の精神?」

 

「人間道の状態の骸は、マイナスの面に精神が寄っていた

一方お前は初めての超化もあって死ぬ気の状態がプラスの面になっていた、それを大空の炎がお前ら精神性を均一化してプラスの方へ持っていった

それで人間道が解除されたみたいだ」

 

「精神の均一か…」

 

そのバトルの際に起きた事をリボーンは説明をしていく、その言葉にツナは自身の手のひらを見つめながらあの時の感覚を思い出す。

どうしてああしたのか今では身体、超直感に身を委ねた結果だったから分からなかったがリボーンの説明を受けてようやく納得し、そして1つ頭の中に案が浮かび上がってきた。

 

「そいつはやめとけ」

 

「えっ!?いきなりなんだよ」

 

まるで考えを見透かしたかのようにリボーンはツナにキッパリと言い放った。

何も口にしていないのに言われツナは思わず身じろぐ。

 

「お前の事だ、大空の炎を使えば戦う気を無くせるんじゃないかって思ったろ?そしたら作戦は上手くいくし、何よりみんなが傷つかないと」

 

「うっ…」

 

ツナの反応からリボーンは考えていた内容を推理し理由を付けてから尋ねる。

一言一句違わない問いかけに思わずツナは言葉を詰まらせた。

 

「お前の炎が骸に通じたのはアイツ自身が本心じゃ望んでいなかったのと、あくまで人間道は死ぬ気の炎とは別物だからだ

そして同じ死ぬ気の炎を使う相手に使っても勝負にすらならない」

 

「それは、やってみなきゃわからないだろ!?」

 

「いや死ぬ気の炎で重要なのは覚悟の強さだ、けどな相手がどんな悪人だろうと覚悟、意思の強さは強い、それをやると決めてるからな

そんなやつに触れたら逆にお前がその精神に取り込まれて、奴らの仲間になっちまう可能性がある

だから、それだけは絶対にするんじゃねぇ」

 

 

骸の例が成功した理由を説明をしていくリボーン、ハッキリと否定されそれでもくらいつこうとするツナ。

しかし成功しない理由を話し、もしもそれを行った場合の危険性を告げるリボーン。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

(リボーンに強く言われたけど、今みんなを助けられるとしたらこれしかないんだ)

 

リボーンからの警告を思い出しながらもツナは深くへと潜るように進んでいく。

すると、何も聞こえないはずの空間にわずかだが誰かの声らしきものが聞こえてくる。

その声にツナが耳を傾けると途端に辺りに水泡のような物体がいくつも現れだした。

 

「これは?…っ!?」

 

辺りに現れだした物体に思わず手を伸ばすツナ、その瞬間、ツナの中に身に覚えのない記憶が入り込んできた。

 

それは中学生の少女。ある時、能力に伸び悩んだ後輩から相談を受けて小さなアドバイスをした。

するとその少女はつまづいていた壁を一気に飛び越え、さらには自分よりも遥かにいい記録をだした。

最初は素直に成長は嬉しかった、しかしそれと同時に小さな妬みが彼女の中に生まれた。

少女はそれを隠しながらも後輩の元へ労いの言葉と祝いを送ろうとしたがその後輩が友達の前で自分をけなし笑いものし、利用していた事を聞いてしまう。

その瞬間、強い悲しみと憎しみが湧き出し自分をドス黒い何かに変わっていくのを感じた。

 

その記憶の波を受けて思わず手を離すツナ。まるで実際に感じた感覚、痛みがツナを襲った、だがあれはツナの記憶では確実に無い事だ。それならば

 

「もしかしてこれ1つ1つがレベルアッパー使用者の記憶?」

 

自身の胸ぐらを掴み、息を整えながらツナは周りにある物体がなんなのかを理解する。

その上でそこの方に何かがいるのがわかる、おそらくそこにはレベルアッパー使用者達とAIMバーストがいると思われる。

しかしソコへ向かうにはいくつもの物体を超えていかなくてはならない全部が全部、今の少女のようか記憶では無いかもしれない、もしかしたらそれ以上かもしれない。

他人の過去のトラウマを見ることを味わうことにツナは躊躇うがそれでも意識を集中しさらに深くへと入っていく。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ぐ、うぁぁぁぁ!?」

 

「ツナ!?ちょっと大丈夫なの?」

 

「待つんだ!」

 

AIMバーストが炎に包まれた途端、ツナが苦悶の声をあげだす。突然の事に御坂は駆け寄ろうとするが木山が前を遮り行く手を阻む。

 

「なにをしてるの!どいてよ!?」

 

「ダメだ、恐らく彼は今AIMバーストと繋がっている、無理に引き探せば脳にどれだけダメージがあるかわからないし触れば君まで取り込まれてしまう」

 

「そんなじゃあどうしようもないっての!?」

 

「ワクチンプログラムが発動すればあるいは助かるかもしれない…」(あるいは彼自身が数多の人間の精神を上回る事ができれば)

 

立ちはだかる木山を押しのけようとするが、木山は御坂の肩を掴みツナの状態を説明する。

見ているしかない状況に御坂は歯噛みをすると、木山は学園都市の方に目を向けながら望みを口にし、さらに万が一の可能性を思案するが直ぐに排除した。

自分の脳波に合わせた状態ですら制御ができないのに赤の他人が入れるはずが無いと思ったからだ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

闇の中、ツナは膝をついていた。レベルアッパーの使用者たちの過去を見て彼等の痛みや苦悩をまるで自分の事のように体感し押し潰されようとしていた。

消えかける死ぬ気の炎、倒れそうな脚…それでも、ツナは重い足を動かし前に進む。するとまた使用者の記憶が目の前に現れる。

その記憶はまるでツナへと吸い込まれるように入り込んできた。

 

それは、ずっと能力が発現しない少女の記憶。周りには明るく振る舞うがそれでも能力が無い事、周りから取り残されていく事が嫌だった。

そんな時に出会ったのが記憶喪失した能力者、能力の扱い方も忘れた少年に少女は嬉しくなった

自分のような、いや自分よりも不幸な目にあう人間に思わず交流を交わしていく。

けれど彼の人柄に触れていく中で、少女の中にあった優越感は無くなり徐々に心を寄せていく事になる。

しかし、彼は力を隠していた。能力以上の強力な能力(ちから)、少女は思わず彼に感情をぶつけてしまった、だが離れてから少女は思う。

その感情は勝手に彼に抱いていたものだ、勝手に仲間あつかいして違っていたら怒鳴り散らすそんなつもりじゃなかった。

そんな時に自分の手の中にレベルアッパーがある事に気づいた、コレを使えば彼や友達のようになれる。

そうなれば本当に仲間になれる、酷い事を言ってゴメンなさいと謝れるはずだ。だから少女は…

 

「っ!!」

 

少女の記憶に触れ、ツナは折れかけた脚に力を込め立ち上がるそれと同時に消えかけていた死ぬ気の炎が燃え上がった。

謝らなきゃならないのは自分だ、彼女が能力が発現しない事に悩んでいた事は知っていた。

関係ないからいずれは別れるからそれを理由に隠していた、それがこうなった原因だ

ならば折れる訳にはいかない、ちゃんと彼女に説明する為に彼女達に向き合う為に

 

 

《誰だ?》

 

立ち直ったツナの頭に複数の声が響き渡る、それと同時に目の前に異形の物体が姿をあらわした。

 

「AIMバースト…いやレベルアッパーを使った人達か」

 

《ここはお前の来る場所じゃない!》《能力者のくせに!?》《何しに来た!?また私たちを傷つけるのか》

 

「俺は、君たちを助けにきたんだ」

 

《嘘だ!》《騙されるものか!!?》《お前は敵だ!?》

 

異形の物体、思念体にツナは拳を構えることはせずに見つめていた。

使用者達の思念はツナへ近づき威嚇するように言葉を投げつける。

両手を広げツナは敵意が無いことを示せば言葉を返す、しかし思念達は強く否定すれば触手をまとめツナの腹部を貫いた。

精神の世界だから出血はしなかった、しかし激しい劇痛がツナに襲いかかる。

 

「うぐぅ…みんな聞いてくれここにいちゃいけない、学園都市に帰ろう」

 

 

《帰るものか!?》《あそこにもどりたくない!》《ここが良いんだ!!》《能力を持っているお前に俺たちの気持ちが分かるものか!?》

 

痛みに耐えながらツナは触手に手を添えながら使用者達へと語りかける、呼びかけに対し使用者達はそれぞれに拒絶の意志を示しツナを排除しようとする。

だがツナはその攻撃を防ぐ事もせずに一心にして受けた。

 

「わかるよ、俺はみんなの記憶を見てきたから…つらさが痛さがわかる」

 

《だったら何故!?》《放っておいてよ!》

 

「それは出来ない、君たちは今…1番壊しちゃいけないものを壊そうとしている…君たち自身だ」

 

攻撃を受けながらもツナはさらに言葉をかけていき、そして絞り出した言葉に触手の動きが止まった。

 

「君たちが本当に許せないもの、それは変わることが出来ない自分自身…だからAIMバーストは施設の破壊をしようとした

この街ごと自分達がいなくれば、苦しむ必要が無くなるから

けど、それはダメだ!」

 

手を添えながらツナは今まで使用者達の記憶を体験して、こうして思念達と向かい合って感じた事を口にしていく。

その上で、彼等の行動を止める為に叫ぶ。

 

「今、君たちを助けようと必死になって動いている人達がいるんだ、その人達は君たちに帰ってきて欲しいと願ってる

君たちにまた立ち上がって、日常に戻ってきて欲しいって!」

 

《けど…》《戻っても、また》《同じことを繰り返すんだ》

 

「いや、君たちはまた前に向けるよ、だって君たちは独りじゃない…同じような苦しみ、痛みを知っている人がいる、助けようとする人がいる」

 

ツナの言葉と共に彼の背後の闇がひび割れだし、そこから光が漏れ出ししていく。

不安が残る彼等にツナはさらに言葉をかけ死ぬ気の炎を燃やしていく。

それと同時にリボーンの言葉を思い出した。

 

 

「まぁ反対はするけどな…もしもお前が本当に必要ならそんときは遠慮なく使え」

 

「でも負けたらどうすんだよ…」

 

「簡単だ、負けなきゃいい」

 

リスクを説明した上でリボーンは言い放つ、散々不安にさせられてきたツナは思わず問いかけるとキッパリと言い放つリボーン。

その言葉を思い出したから自分はこの方法をとったとツナは思い返す。

 

 

「俺も助けるよ、君たちを!死ぬ気で、そうじゃなきゃ死んでも死にきれないから!!」

 

激しく燃え上がる死ぬ気の炎、それは闇に包まれた空間へと広がり遂に空間の亀裂が砕け白い光が包み込んだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「うぉおおおおおお!!」

 

ツナは雄叫びと共にAIMバーストの触手を引きちぎる、するとAIMバーストの身体が震えだし、まるで糸が解けるように崩れだした。

 

「まさか、勝ったのか1万を超える人の思念に?」

 

「ツナ!!」

 

互いの状態から木山は精神世界で起きた出来事を理解し、驚愕の表情を浮かべる。

AIMバーストとの接触が途切れたのを確認し、御坂はツナに駆け寄ろうとするがツナは手を伸ばしてそれを制した。

 

「まだ、終わっていない」

 

「えっ?」

 

「そうだ、どうやらワクチンプログラムも作動したようだがAIMバーストが居続ける限りまだ終わりじゃない」

 

疲弊しながらもツナは御坂へと呼びかける。脚を止めてAIMバーストに視線を戻す御坂。

木山もツナの言葉に同意をして、崩れながらもまだ完全に消滅していないAIMバーストに注目していた。

 

 

「実体化した奴は中にあるコアを破壊しなければまた再稼働するだろう」

 

「コア?壊したら使用者の方に影響とか出ないわよね?」

 

「わからない、だがコアがあるかぎり使用者の意識は戻らない、アレが使用者達をつなぎ止めているようなものだからな」

 

木山はAIMバーストを観察しながら状況を解説していく。御坂は慎重に確認をとるが、木山は首を振ってから確実に分かることを口にした。

 

「ならやろう、助けるってみんなに言ったから」

 

「わかったわ、けどあのデカさからどうやって見つけるの?時間をかける訳にはいかないみたいだし」

 

「俺がやる、何とか吹き飛ばしてみる

だから御坂はコアを撃ち抜いて欲しい、多分超電磁砲なら可能だと思う」

 

立ち直してからツナは拳を構える、未だに原型を留めるAIMバーストに御坂はコアの場所を探しながら尋ねる。

ツナは己の拳を手のひらで包みながら御坂へと指示を出した。

役割を任せられ、御坂はツナを信じポケットからコインを出して構えた。

御坂が超電磁砲の体勢をとった事を見てからツナは空中へと浮かび上がり右腕をAIMバーストへ向ける。

 

(コンタクトが無い状態では完全なシンメトリは出来ない、けれど身体に染み付いた感覚で近い威力なら出せるはず!)「オペレーションX(イクス)!!」

 

それは未来の世界で習得した必殺技、だが必要な道具が無ければ安定して使用はすることは出来ない。

それでもツナにはこれしか無かった巨大なAIMバーストに対して放つ事の出来る技。

覚悟を決め、技を放つ為のルーティンのように叫ぶツナ。

左手から柔の炎を出し支えとして固定、そして今ありったけの剛の炎を右手に集中し狙いを定める。

 

「XBURNER!!」

 

放たれるオレンジ色の高出力の炎、それは崩れていたAIMバーストの身体を一瞬にして消し飛ばした。

狙いを定めていた御坂はオレンジの炎の中に光る結晶体を見つけ、身体中に電流を迸らせる。

 

「アンタ達に言いたい事、あたしにもあるけど今はソコから帰ってきなさい!!」

 

レベルアッパー使用者達に対して、御坂は思うことはあっただが、今は彼等を助ける為に最大級の超電磁砲をうち放つ。

弾かれたコインは一瞬にして加速し衝撃波へと変わる、そして露出したAIMバーストのコアに命中し粉々に砕くのであった。

 

 

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