頑張って投稿するので楽しみにしてて下さい
その日は朝から雨が振っていた。打ち付ける雨粒の勢いは激しくバケツをひっくり返したほど、そう表すのが妥当とも言えた。
そんな中で学園都市に住む者達は、降りしきる雨を時間を見ながら止むのを待っていた。
しかし、その雨の中を必死に走る少年の姿があった。
「天気予報見てなかったから油断したーっ!?早く風紀委員支部に行かなきゃ!」
カバンを傘代わりにしてツナは道を駆け抜けていき、なんとか風紀委員支部へとたどり着いた。
第177支部
「お疲れ様でーす…」
「沢田くん?大丈夫?今タオルを持ってくるからちょっと待ってなさい」
ツナが支部へ入ると中にいた固法は、ずぶ濡れのツナに驚き、奥に置いてあったタオルをツナへ手渡した。
濡れていた身体をタオルで拭きながら、ツナは苦笑を浮かべた。
「全然、予報とか見てませんでしたよ…学校のみんなも傘とか持ってきてなかったし…」
「それはみんな、雨がすぐに止むって知っていたからよ」
ツナは肩を落としながら固法に、雨が振る予兆や他の生徒が何も準備していなかったことを話すと固法は窓の外を指でさしてからツナの疑問に答えた。
ツナが固法の指した方向に目を向けると、窓の外は先程までどしゃ降りが嘘だったかのように晴れ渡っていた。
「嘘、さっきまであんなに降ってたのに!?」
「沢田くん、もしかして樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)の事を知らされていないの?」
「樹形図の設計者?どういうものなんですか?」
雨がすぐに止んだ事にツナは驚きながら、窓に近づき本当に降っていないかを確認する。
その様子を見ていた固法は、不思議そうに尋ねるとツナは聞き慣れない口調で返した。
「樹形図の設計者…学園都市が誇るスーパーコンピューターの名称よ、別名超高度並列演算処理器(アブソリュート=シミュレータ)とも言われているわね
25年先まで追い抜かれる事の無い程の性能で、データを入力すれば確実に結果を導きだせるのよ
今までは予報しか出来なかった事も樹形図の設計者にかかれば予知となるわ」
「……」
「えっと、沢田くん?大丈夫?ついてこれてる?」
樹形図の設計者について固法は説明をしていくが、ツナはキョトンとしたまま固まっており念のために話の内容についてどのくらい理解出来たかを尋ねた。
「いえ…全然…なんか凄いんだなってくらいにしかわかりませんでした」
「そう…でも大体そんな感じだから間違っていないかな」
「すみません…けれど天気を予知とか出来るなんて凄いですね
なんか何でも出来そう…」
ツナは頬をかきながら答えると、固法は苦笑をうかべながら間違いではないとフォローを入れた。
そしてデータを入力するすれば確実に演算し導きだせる事から、ツナは月並みの感想を口にした。
「そうね、けれど何でも出来るコンピューターがあるとすれば欲しがる人はいくらでもいるわ
まぁ樹形図の設計者は人が普通にいけない所にあるから余程の事がない限り、盗まれる心配はないんだけどね」
「普通にはいけない所?あのそれって…ふえっくし!」
ツナの感想に固法は頷いてから樹形図の設計者が様々な人種から注目されていると話、その上で安全な場所にあることを話した。
その場所について詳しく聞こうとしたが身体の冷めてきた事により、ツナは大きなくしゃみをした。
「ちゃんと身体を拭いておいて、今暖かい物を持ってくるから
風邪を引いたりしたら、初春さん達が心配するわ」
「はい、お願いします…ずび」
話を切り上げて、固法は支部の奥にある給湯室へ向かいながらツナに体調を崩さないようにと声をかけた。
ツナはタオルで身体を拭きながら鼻水をすすった。
それから数分後に固法はカップを二つ手にして戻ってきた。
「本当なら着替えて貰いたいんだけど男子の学生服の替えは置いてないのよね
とりあえずホットミルクよ、これで少しは暖まる筈よ」
「着替えとか置いても良いんですか?」
「まぁ、たまに泊まり込みで作業するとかあるから多少はね
あ、私の着替えがあるから着てみる?」
「いや、流石にそれは…男の俺には似合わないと思いますよ…」
固法は申し訳なさそうにしつつ、カップをツナに渡しソファーに座る。
着替えが置いてあることにツナは戸惑いながら固法に問いかけつつ、固法の向かいへと座った。
私物化は厳禁だが必要になる場面があると固法は答え自分の予備があるから着てみないかと聞いてきた。
固法の突飛な発想にツナは若干引き気味に似合わないから遠慮しておくと答えた。
「そう?沢田くんって結構線が細いからスカートとか履いていても違和感が無いと思うんだけどね」
「あつ…勘弁して欲しいです…そういえば、今日は支部に人がいないんですね?」
「ええ、元々この支部は人数が少ない方だけど今日は非番の初春さんと白井さん以外はみんな外に出ているわ」
遠慮するツナに、固法はからかうように笑みを浮かべながら女子制服を着ていても違和感が無いと言ってきた。
ホットミルクの熱さに舌を軽く出しながらツナは支部が静かな事に気付いた。
初春と白井の非番は前日に聞いていたが、それでも他の風紀委員の姿が無いことに首を傾げると、他の風紀委員は外に出ていると教えた。
「そういえば、白井さんも気にしてましたけど最近、能力者が起こす事件が増えているんですよね?」
「そう、しかも大半が書庫に記録されたのより、精度があがっているのよね…」
ツナは以前、白井が話していた事とここ最近、風紀委員に報告されている事件を思い出す。
固法は頷いてから登録されている能力よりも高いと唸るように呟く。
「能力が成長してるって事ですよね?そんなに急に上がるものなんですか?」
「無いとは言いきれないのよね…能力の使用は脳の演算処理で変化するって研究では証明されているから、同じ能力でも演算の仕方では今までよりも精度があがるかもと言われているわ」
「それって脳が計算に慣れて、考える余裕が生まれたって事ですか?」
能力が成長している状態についてツナが固法に質問を投げ掛けると、その可能性は否定出来ないと返して能力が変化する原因について話す。
その言葉にツナは、自分なりの解釈を口にする。
「まぁ、そういう考え方もありね…さてと雑談はこれくらいにしてそろそろ仕事に入るわよ」
「あ、はい…わかりました、あれ」
ツナの考えを肯定した上で固法は手を叩いて仕事を始める事を告げた。
若干、冷めたミルクを一気に飲んだ所でポケットに入った携帯が振動した。
携帯を起動させるとそこにはメールの通知が入っていた、差出人は初春であった。メールを開くとそこには、何故か常盤台の制服を着た佐天とそれを怨めしそうに見る初春が写っていた。
本文には水溜まりで転んだから着替えたと書かれておりその最後には御坂よりと書いてあった。
「多分だけど…佐天が面白がって言い出したのかな?まぁ楽しそうで何よりだけど」
「こら」
「あたっ!?」
ツナはこれを提案してきたであろう人物について考えていると、軽い音と共に固法の声が聞こえてきた。
突然の事にツナは驚きの声を上げて振り替えると、呆れた表情の固法が立っており手には丸められたノートが握られていた。
「仕事するって言ったでしょ?あら?これって佐天さん…へぇ、似合ってるじゃない…」
「今日は非番を利用して常盤台中学を見学しに行くって言ってました」
「なるほどねぇ、初春さん達と仲が良いのは良い事だけど…でもそれと仕事は別よ?」
驚くツナに固法は、仕方ないとため息をついてから言えば携帯の画像を見て感想を口にした。
ツナは前日に初春達から常盤台中学に行く事を聞いており、固法にそれを話すと息をついてからちゃんと公私を分けるように注意をした。
「はい、すみません…」
「わかればよろしい、けれど少し心配ね…実は昨日から常盤台中学を中心に障害事件が起きているの」
「え!?じゃあ御坂や白井さんも危ないんじゃ」
ツナは頭を下げて謝ると固法は優しく言うと、常盤台中学の制服を着ている事を心配する。
常盤台中学の生徒が狙われている事に、ツナは頭によぎった考えを口にする。
「沢田くんの心配はもっともだけど、その二人なら心配いらないと思うわ
わざわざ風紀委員の白井さんを襲う理由もないし、御坂さんはレベル5の電撃使い(エレクトロマスター)なんでしょ?犯人の手口から考えて狙う必要は無いわ」
「そうなんですか?」
「犯人は相手をスタンガンで気絶させてから犯行を行うそうよ
本来なら被害者の状況を教えなくちゃいけないんだけど、これは沢田くんには見せられないわね…」
ツナの言葉に固法はパソコンを起動させながらレベルの高い二人が狙われる心配が無いと言ってきた。
固法が断言してきた理由を尋ねると、パソコンの情報に目を通しながら固法は犯人が使用している手口について語っていき、被害者の情報に関してツナにだけ秘密にした。
「そんなに酷い状態なんですか?」
「というより女の子が被害者だから、風紀委員とはいえ男子の沢田くんには見られたくないと思うのよね」
「あ、なるほど…」
ツナは息を呑んでから固法に被害者について尋ねると、軽く首を振ってから相手の事を考慮して話す事が出来ないと説明をすると、ツナは苦笑を浮かべて納得をした。
「犯人は捕まっていないわ、だからまた起きる可能性があるの
沢田くんは佐天さんに気をつけるように伝えてくれない?私は白井さん達に応援を要請するから」
「わかりました!」
固法は今日も常盤台の生徒が狙われる可能性があると言い、一番危険性が高い佐天に注意をするように伝えるように指示を出してきた。
固法は白井達へ連絡を取るのを背に、ツナは佐天に電話をかけ始める。
《…はい、佐天でーす》
「あ、ツナだけど…今いいかな?」
何度かかけ直しをして、数回のコールがかかってから、不機嫌そうな声を出して佐天が電話に出た。
あまり女子と会話したことがないツナはキョドりながらも電話をしても大丈夫かと尋ねる。
《…大丈夫ですけど…ちょっと考えて欲しかったです》
「え?……あっ…ごめん…」
佐天は言い淀みながらも受け答えをしてきた、不思議そうにしていたツナは、佐天の近くで聞こえる水音と妙に反響している事から佐天がどこにいるかを予測をして顔を赤くして謝った。
《なんだか、急いでるみたいですね…それで何かあったんですか?》
「あ、うん…実は今、常盤台の《あぐっ!?》…え?佐天?佐天!」
「どうしましたの?沢田さん!?」
「佐天さんに何があったんですか!?」
ツナの声から佐天は不機嫌さを無くしいつもの口調で尋ねる。ツナは安堵の息をついてから用件を伝えようとした時、佐天のくぐもった声と共にバチッという音がツナの耳に聞こえてきた。
ツナは慌てて電話に呼びかけるが、携帯の向こう側からは水の流れる音しか聞こえなかった。
PVが五千を越えました、読んでくれてる方には大変感謝しています
そこで記念短編をやりたいと思います!
一応、内容は二つ用意しようと思います、もしも読んでみたいものがあれば感想かメッセージを送って下さい
一つはカップリング小説でツナと超電磁砲のキャラがイチャコラします
二つは日常ギャグ小説、いつものメンツがワイワイする内容です
登場させるキャラは最新話まで登場しているキャラのみです、すみませんがそれだけは限定します
後は記念書いてないで続きをかけと言ってもかまいません
ではよろしくお願いします