死にかけの無敵少女を拾うのは間違っているだろうか? 作:スキマ時間
あのあと、喜んだナァーザたちとちょっとしたお祝いにお酒を飲んだ。よほどうれしかったのか、二人は今、気持ちよさそうに寝ている。
明日から素材集めにダンジョン探索を再開するにあたって、準備が必要だ。自分の中で、状況を整理してみる。
まず、以前との違い。
失ったもの:
ダスト、ミロ(槍、剣、ライフル)、アクオ(盾)、サークレット
得たもの:
恩恵
まずは、武具について、ダストがない時点で、ミロがあってもライフルとしては機能しない。
剣か槍があればミロの代わりになりそう。ただあの頑丈さや変化することでの戦略の拡がりには欠ける。いずれにせよ、弓が中心のナァーザとの連携を考えると投槍を使って武器を手放すのはあまり得策ではない。遠距離はナァーザの距離だから、今は近接と盾に徹するべきだ。
そう考えると盾だ。火を噴くモンスターもいるそうなので、盾は早いうちに手に入れたい。
アクオはオリハルコンでできた盾だった。オリハルコンは、ここではデュランダル(不壊属性)として扱われ、入手は相当に難しいようだ。
オリハルコンの入手には、ゴライアスという中層中盤のボスモンスターから取れるレア素材がたくさん必要なのだそうだが、単独討伐は難しく、レベルが上がっても当面は討伐不可能と考えたほうがよいそうだ。
武具については長期にわたって、壊れることを前提に戦い方を考えないと、チームを危険に晒すことになる。武具のメンテナンスも確認しておこう。レムナントでは武具は自分で作ったり手入れしていたが、ここには道具もないし。武具についてはこんなものかな。
眠くなってきたけど、もうちょっとだけ。
チームについても考えておこう。
飲みながら聞いた話では、ダンジョンの浅い階層ならナァーザも来れるそうだが、中層から下だと、過去のトラウマが原因で今は難しいそうだ。私もシンダーとの戦いで失った武具を調達する資金が今はないので、無理をせずに浅い階層でナァーザとのチームワークを高めるのがちょうどよいのかもしれない。
ジョーンとの鍛錬は良い経験になった。ナァーザもオーラを開放したばかりなので、毎日鍛錬して、一緒にトラウマを乗り越えたいな。私も気づいていないだけで、死んだときやペニーを死なせてしまったことがトラウマとして出ることがあるかもしれないのだから。危機的状況でそんなことになったら、悔やんでも悔やみきれない。
ミアハさまの話によると、恩恵とは魂の輝きをエクセリアとして昇華するものなのだそうだ。だとすれば、今のわたしやナァーザにとって、それを克服することが第一の目標だ。
もうぼちぼち、今晩は限界かも。でもすこしだけ。
「青の薬舗」の経営が苦しいことについてだ。ナァーザの右手が借金の原因なのだそうだ。
まずは、返済と収入をイーブンに戻す。これに尽きるだろう。それだけなら、討伐で頑張ればなんとかなりそうだ。そこからファミリアを立て直すには、ナァーザの言っていた新商品の開発が必要だ。
そこでダストだ。ここオラリオにはオーラを知る人もいないようなので、ダストのことも知られていないだけで、もしかしたらあるのかもしれない。モンスターに立ち向かう上で、ダストがあると、もっと多くの人の助けになる。もしダストを見つけたとして、ワイスのお爺さん、ニコラス・シュニーみたいにダストを精製することも必要だ。幸いにして、ミアハファミリアは薬屋「青の薬舗」を構えており、精製するための知識もあるかもしれない。
今はただの妄想かもしれない、でも悪くないアイデアのように思う。眠い。もう無理。今夜はいい夢が見れそうだ。
『ジョーン。ありがとう。ちゃんと決断できたよ。』
(続く)