死にかけの無敵少女を拾うのは間違っているだろうか? 作:スキマ時間
ギルドで魔石を換金して、「青の薬舗」へと帰ってきた。
ミアハさまにステータスを更新してもらった。
ナァーザは力と耐久が少し上がったようだ。
私はなにも変化がなかった。もう少し強いモンスターと戦う必要があるようだ。
「ピュラ、中層の手前近くまで行ったそうだね。でも手応えは感じなかったんだね。」
「そうですね。とはいえ、装備が整っていないので、今の状態で強敵と出会うとオーラを消耗して力尽きる可能性がありますね。」
「なるほど、ちょっと私もなにか協力できないか考えてみるよ。君のおかげでナァーザも希望を持てるようになったし、本当に感謝しているんだ。」
「えっ、そんな。わたし、生き返らせてもらった恩すら返せてませんよ。」
「君は慎み深いんだね。頑張ってる二人のためにできることがないか考えてみるよ。」
「ピュラ、わたしも頑張るからね!」
「ふたりとも、ありがとう。」
ピュラとナァーザが眠ったあとミアハは考えた。
『ナァーザが前向きになれたのもピュラのおかげだ。あの子の魂は光輝いている。そういえば、ヘスティアのところも、まだ眷属が一人だけだと言っていたな。相談してみるか。』
翌日、二人の眷属が探索にでかけた後、ミアハはじゃが丸の屋台にやってきた。
「やぁ、ヘスティア。元気にしているかい。」
「ミアハじゃないか。このあいだは、ベルくんがポーションをもらったみたいでありがとう。」
「じつは、相談したいことがあるんだが、時間はとれるかい?」
「もうすぐ休憩なんで、大丈夫だよ。」
広場の噴水に腰掛けて、ヘスティアと話す。
「ミアハから相談なんてめずらしいね。僕にできることなら何でも言ってくれ」
「ナァーザが探索を再開することになったんだ。」
「え、怪我をしてふさぎ込んでいた子だよね。」
「それなんだが、最近、ピュラという子が家族になってね。その子のおかげなんだよ。」
「ミアハがそこまで信頼するということは、ずいぶん良い子なんだね。」
「うん。相談というのは、探索に関することなんだが、ヘスティアファミリアにクエストを依頼しようかと思っているんだ。」
「えっ、なんでまたうちみたいな零細ファミリアに依頼するんだい」
「ミアハファミリアも眷属は二人だけ、前衛一人に後衛一人、装備もまだそんなに揃っていない。ヘスティアファミリアも眷属はベルくんだけ。前衛が二人に後衛一人になれば、探索しやすくなるんじゃないかと思ったんだ。クエストの支払いは探索で必要となるポーションの無償提供を条件にしようと思っている。」
「それはうちが一方的に有利な条件じゃないかい?」
「いや、そうでもない。ピュラは相当優れた素質を持っているんだが、オラリオにくる前、つまり恩恵を授かる前、無理な戦いをして一度死んでいるんだ。」
「もしかして、エインフェリアだとでもいうのかい?」
「まだわからないが、恩恵を受けるまえから相当に強いかわりに、恩恵で成長することがあまりないかもしれないんだ。恩恵を授ける前ですら、level2のナァーザを武器なしで圧倒している。だが、十分な装備なしで稼ぎを増やすことも難しく、伸び悩むことになりかねない。」
「恩恵なしでlevel3以上って、御伽噺の英雄なみじゃないか。それじゃ成長するには深層にいくほか。。。そういうことか、それは危険だ。」
「仲間を大事にする子だから無理はしないが、装備を整えるにも、もう少し仲間が必要なんだ。クエストを受けてくれるかい?」
「わかった。ベルくんがそれでいいと言えば、受けるよ。ベルくんにとっても悪い話ではないし、ミアハにはいつも世話になっているからね。」
(つづく)