マクロスΔ スイートプリキュアの軌跡 作:水無月 双葉(失語症)
「カナカナごちになりやしたー」
マキナが上機嫌で敬礼をするとそれに合わせて豊満な胸も大きく揺れる。
「また、明日」
レイナは干物の切れ端を咥えつつ挨拶をするとマキナと一緒に歩いて行く、2人を見送りながらカナメが気を付ける様に伝え、カナメとフレイアに響達3人で女子寮へと向かう。
「あの2人ね、一緒に暮らしているのよ」
女子寮内の案内をしながらカナメがマキナとレイナの事を教えてくれる。
「へー、美雲さんは何処に住んどるん?」
美雲の事が気になるのかフレイアがカナメに訊ねる。
「さあ、私も知らないのよね」
軽く答えウインクをするカナメ。
「流石、ミステリアスビーナス……」
フレイアが腕を組んで納得していると、不思議な泣き声を上げながら部屋に黒とピンクのボーダーのスーツを着たウミネコ、キュルルが入って来る。
「あー、サッパリした」
そう言いながら部屋に入って来たのはミラージュ、風呂上がりなのだろうラフなロングティシャツを着て髪の毛の水分を拭き取っていた。
「あ、ミラージュさん」
一番最初に反応したのは響だった、響はミラージュに近づくと笑いながら声を掛ける。
「今日から私達もお世話になります」
「こちらこそよろしく頼む、一緒に暮らす以上ルールがあります、食事や朝のゴミ出し等、色々と当番があるが私がしっかり教えますから安心して下さい」
響と話すミラージュの表情は何時もより柔らかく遠目で見ていたカナメは一応アラドに話しておいた方が良いかもしれないと考えていた。
「ただいま、どう、例の彼?」
カナメの質問に表情が険しくなるミラージュ。
「ハヤテ・インメルマン……」
「隊長さんから直接スカウトされるなんて、凄かったんですねぇハヤテって」
キュルル抱き寄せながら感慨深そうに話すフレイアにミラージュの表情は益々険しくなる。
「全然凄く無いです、完全に駄目です、指導を真面目に受ける気が無いのなら即刻辞めるべきです」
憤慨するミラージュにカナメは苦笑いを浮かべており、響はかける言葉が見つからなかった。
「ハヤテ・インメルマン候補生出て来なさい!」
食堂内にミラージュの怒号が響き渡る、食事を取っていた職員達はまたかと溜め息をつく者、気にしない者、面白がっている者、三者三様である。
「ここには居ませんよ」
「まーた、バックレちゃいましたか?」
ミラージュは整備班の言葉を聞き眉を寄せると踵を返して食堂を出て行く、その姿を見送ったオペレーターのベス、ミズキ、ニナは声を潜めて話しだす。
「大変ですね、ミラージュさん」
「飛行実技以外ほとんどサボっているんでしょう」
ミズキが同情するとニナが呆れたように答え小さく溜め息を吐く。
「アーネスト艦長の柔道にも出なかって……」
ニナがご飯を口に入れながら思い出したように話す。
「ワルキューレの新人ちゃんも調子出てないみたいだし、調子が良いのは例の3人組ぐらいだよ」
「ね、聞いた話なんだけど、あのプリキュアの3人って変身して無くても結構出来るみたいよ」
ミズキの言葉にベスとニナが少し身を寄せる。
「私、噂で聞いたから本当か嘘か分らないけど、響がアーネスト艦長を投げたらしいね」
「ウソ? 柔道で?」
「うん、柔道で、あの3人もミラージュさんの講義も受けてるけど、奏が座学をあっという間に覚えているみたい」
「「うわぁ」」
ミズキの噂話にベスとニナは呆れた声を上げる。
「で、信じられないのが3人ともバルキリーのシュミレーションは終わってるんだって、実機でも何度か飛んだみたいでも戦闘で飛ぶ気は無いんだって、で一番上手いのがエレンだったかな」
「新人の彼も大変ねそんなのと一緒じゃ」
3人が深いため息を吐く。
「でも、何でそんな事してるの? 変身すれば戦えるのに?」
ニナが周りを気にしながら訊ねるとミズキがお茶を一口飲んだ後に答える。
「何があるか分らないから念のためだって、奏の発案らしいよ」
「あの3人どんだけ修羅場くぐっているのよ……」
ベスの呟きにニナとミズキが大きく頷いた。