マクロスΔ スイートプリキュアの軌跡   作:水無月 双葉(失語症)

23 / 29
6

 ワルキューレ達は四方に分かれながら歌を歌い続けた。ドローンが機能しなくなったがプリキュア達が側に居るお陰で何とか均衡を保っている。

 

「デルタ4! チェック6!」

 

 メッサーの警告を聞いたメロディは、ミラージュの後ろに着いた敵機を見つけミラージュ目掛けてジャンプした。

 

 すんでの所で敵機の翼の先端のブースターに蹴りを入れると、切り離されたブースターが爆発をした、敵機は回避しつつも、もうひとつのブースターを切り離すと、そのブースターが変形をしてメロディに襲い掛かってくる。

 

「この!」

 

 メロディは、小さく叫ぶと体を捻り迫って来たブースターを殴り飛ばす、ひしゃげながら落ちて行き爆発をしたブースターを確認し、切り離した敵機を見上げると既にメッサーが追っていた。

 

「メロディ!」

 

 ミラージュが名前を呼ぶと、メロディはミラージュに向かって拳を突き上げ地上へと戻って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 ビートは、迫りくる新統合軍のバルキリーに対し容赦なく手足をもぎ、翼を砕きレイナとマキナを守っていた。

 

「レンレン凄い……」

 

「貴女達二人は絶対に傷付けさせない!」

 

 気炎を吐くビートに向かって無数のミサイルが襲いかかるが、ビートは慌てずにラブギターロッドを掻き鳴らす。

 

「ビートバリア!」

 

 3人を青く輝く障壁が包み込み、全てのミサイルを防ぎきる、レイナはビートに守られながらも今自分の出来る精一杯の事をやるべく歌を紡ぎだす。

 

 ビートは、戦っているリズムに目線を向けると、リズムが必死の形相で空を掛けていた、目線を動かすとリズムの向かう先にはフレイアとカナメがおり、敵のバルキリーに襲われそうになっているのを見つける。

 

「間に合え! ビートソニック!」

 

 ラブギターロッドを掻き鳴らすと、3人の周りに輝く青い音符が複数現れ、槍の様に形を変えると意思を持つかのように飛んで行き、リズムの先に居たバルキリーの片腕を粉砕した。

 

 

 

 

 

 

 

 リズムは、カナメとフレイアを守る様に移動をしていが、自分達にミサイルが飛んで来るのを確認すると急制動を掛けその場に留まった。

 

「リズム?!」

 

「逃げて下さい! 早く!」

 

 カナメの問い掛けにそれだけ伝えると、ミサイルに向かってジャンプし迎撃をし、二人の無事を確認しようと目線を向けると血の気が引く。

 

 眼前に迫るバルキリーがガンポッドを二人に向ける、リズムはミサイルの爆風を利用し二人の元に向かうが間に合うか微妙なタイミングだった。

 

 自分の直ぐ側を青い音符が群れを成して通り過ぎ、フレイア達の前に居たバルキリーの腕を粉砕する。

 

「ビート!」

 

 体を捻りビートソニックが飛んできた方を確認すると、ビートバリアでマキナとレイナを守りながらも多方面にビートソニックを放ち奮戦するビートの姿があった。

 

 片腕を粉砕されたバルキリーが必要にフレイア達に襲い掛かろうとする、リズムは振り上げられた腕を受け止めると掴んだままジャンプしバルキリーの背中に回ると、バルキリーを一気に投げ地面に叩きつける。

 

「「投げた!?」」

 

 カナメとフレイアは声を揃えて驚きの声を上げる、しかしリズムは油断なく倒れているバルキリーに目を向けた。

 

 小さなスパークを撒き散らしながらも、攻撃を仕掛けてこようとするバルキリーの執念にリズムは小さく溜め息を吐き、完全に動かなくするしかないとゆっくりと近づくが、微かに聞こえて来た歌声に足を止める。

 

「歌?」

 

「美雲さん!」

 

 呟いたリズムに被せる様にフレイアが叫び建物の上を見上げると、メロディを伴った美雲が全身に力を溢れさせながら歌を紡いでいた。

 

 メロディが美雲の腰に手を回し、もがいていたバルキリーの直ぐ側に着地すると、メロディはバルキリーのコックピットを掴み強引に引きずり出す。

 

 美雲がパイロットに歌を聞かせると、浮き上がっていた血管が徐々に納まる、メロディに向かって頷くとメロディは美雲の腰にまた手を回し、建物の屋上にジャンプする、それを追うかのように走り出したフレイアをリズムが後ろから横抱きにすると、ジャンプし美雲の隣に下ろす。

 

 二人は競い合う様に歌い出し次々と鎮静化させていく。

 

「フレイア、フォールドレセプターアクティブ」

 

「あの二人増幅装置無しで!」

 

 信じられないと言った表情のレイナに、満面の笑みのマキナ対照的な二人の側にカナメが合流する。

 

 カナメもデバイスを起動させ数値を確認し声を弾ませた。

 

「互いの歌で刺激し合い、メロディ達の存在が後押しになっているの……」

 

 

 

 

 

 

 

「アラド少佐、やられた!」

 

 メロディの小型通信気にアーネストの切羽詰まった声が流れた。

 

「アイテールが?!」

 

 間髪いれず聞き返すアラドに、メロディはアイテールの乗組員の安否を心配する。

 

「いや、陽動作戦だ! 君達が戦っている間に惑星ボルドールの首都が敵軍に陥落された!」

 

「陥落……?」

 

 アイテールが無事なのを知り、胸を撫で下ろしながらも状況が飲み込めないメロディが戸惑いがちに呟くと、戦っていた敵の航空団が戦闘空域から離脱し編隊飛行をしながら機体にエンブレムとカラーリングが浮き出しだす。

 

 綺麗な編隊飛行をしながらスモークを吐きだし、真っ白な壁を作り出すと4枚の翼を広げた紋章が空中に浮かび上がる。

 

「あれは、空中騎士団……?」

 

 空に描かれた紋章を睨みつけりリズムが小さく呟くと、戦闘機が変形を始めバトロイド形態になり整列をする。

 

「やっぱりSvシリーズ……でも、アラドさんは開発者は散り散りになっている筈だって……何で……?」

 

 リズムの疑問をあざ笑うかのように、上空に濃いグレーの長髪に神経質そうな切れ長の目をメガネで隠した、豪華な装飾のされた外套を纏った青年が映し出された。

 

「ブリージンガル球状星団、並びに全銀河に告げる。私はウインダミア王国宰相ロイド・ブレーム、全てのプロトカルチャーの子らよ、我がウインダミア王国は大いなる風とグラミア・ネイリッヒ・ウィンダミア王の名のも元に、新統合政府に対し宣戦を布告する!」

 

「宣戦……布告……」

 

 メロディの零した言葉が、全員の心に黒い染みと成り広がった。




お読み頂きありがとうございました。

衝撃デビューステージ終了となります。
お付き合い頂きありがとうございました。

宜しければ次回もお付き合い頂ければ幸いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。