マクロスΔ スイートプリキュアの軌跡 作:水無月 双葉(失語症)
コンファレンス・ルームにはケイオスの全員が集まった。
「皆、言いたい事もあると思うが、ケイオスとしては今話した状況になる、もう一度どうするか考えてくれ」
アーネストがケイオスメンバーを確認する様に見回すと、アラドが一歩前に出ると、全員の視線が集まる。
「今、話に居なかった3名がいないが、気にしているうと思うが説明をする」
会場がざわざわとしてくるがアラドが合図をすると、ドアから響達が出てくるとアラドの隣に立つと、カナメが話を始めた。
「この3名は、ワルキューレメンバーになってますが、正確にはワルキューレの協力者です、皆が判りやすい為に便宜上デルタ小隊の分隊にしてます」
更に一歩でると、響が皆を見まわす。
「私達は別に世界から来ました、なぜ私達がこの世界に来たのかは分かりません──……」
響は目線を下に向けると、小さく首を振ると顔を上げると雰囲気を変える。
「私達プリキュアの使命は人々の心を守る事、私達はその為にこの世界に来たと思います、ワルキューレを守るケイオスの皆さんと一緒に歩いて行きたいと思います……
人々を守ると言う事はそれは当然ウィンダミアの人々も含まれています! どんな理由があったとしても罪の無いウィンダミアの人々に攻撃をするなら私達プリキュアは戦います! たとえケイオスの皆さんと別れる事に成ったとしても……」
『ウィンダミアは民間人の出入国にとて厳しいんですよ。それがそうして──……』
「フレイア。テレビの人間の都合のいい話を見るの止めなさい」
後ろから話をしてきたエレンは溜め息を吐くと、フレイアのデバイスの画像を消す。
「おい、いたぞ!」
「どこだ? あー! いた!」
明らかに食事に来たのでは無い人物達が、カメラを持ってフレイアを集まった。
「フレイア・ヴィオンさんですね?」
「一言お願いします!」
「スパイという噂が出てますが?」
「ワルキューレに入った目的は!」
「あなたがウィンダミア軍の手引きをしたと──……」
「黙りなさい!!」
一喝が部屋全体を振るわせた。
「ここは食事を楽しむお店よ、貴方達は不要な人達よ!」
室内の全員の視線がエレンに集まる、エレンは腕を組んだまま軽く全員を見渡す。
「ソコの貴方!」
エレンが鋭い視線向けると、まるで全員がエレンの視線から逃げようとする。
「ワルキューレは唯のアイドルでは無いのは分かっている? ヴァールシンドロームから世界を助けているのよ? 分かっているの? 答えなさい!」
ざわめきが信じられない様に静寂につつまれる。
「もし、ヴァールシンドロームになったらフレイアに助けてって言うの? 教えてもらえる?」
「それは……その……」
「ね、分かったでしょう? フレイアがどんだけ頑張っているのを、応援する方が人達も喜ぶわ」
お互いに顔を見合わせると、困った様な表情を合わせた。
「丁度食事の時間よ、今からマキナとレイナが歌ってくれるわ。食事しながら楽しみなさい」
視線がマキナとレイナに集まると確認すると、全員はいそいそとテーブルに向かって行った。
裸喰娘娘の裏側の海岸はプライベートビーチの様に関係者しか入って来ない。
エレンがマスコミを受け止めたので、ハヤテはその瞬間にフレイアと海岸に移動した。
フレイアはハヤテと浜辺に座ると、夜の海と月を眺めている。
「ワルキューレに残りたい、でも……やっぱりウィンダミアの村のみんなの事も気になるし……」
浜砂を握りると、フレイアは指の隙間から下に落とす。
「何で……仲良くできんのかね……」
「フレイア、悲しくて涙が溢れたのなら月を見上げなさい、そうすれば涙を呑み事が出来るから」
後ろから掛けられた言葉にフレイアとハヤテは振り返る。
「エレンさん……」
「苦しいけど、ワルキューレに残るか村に帰るか考えないとね……」
下唇を噛むとフレイアは足元に視線を落とす。
エレンはゆっくりと波打ち際に移動すると、両手を広げて囁く様に歌い出す。溜め息の様に可愛らしい印象を感じるが、またゆっくりと雰囲気を変えると切ない印象を感じさせる。
「……すごい……」
フレイアが呟き、ハヤテは驚嘆した。
「フレイアの心は何処に行ってしまったの? 飛べば飛べるんでしょう?」
「怖いんよ、エレンさんが言う様にワルキューレとウィンダミアに板挟みで……」
エレンは溜め息を吐くとフレイアの肩を掴むと優しい視線を向ける。
「フレイアは少し覚悟が足りないわ。ワルキューレはね、歌姫なのよ? 成りたくて成りたくて、でも、諦めた人達の心も受け止めるの」
「それフレイアに滅茶苦茶プレッシャーかけてねえか?」
エレンにハヤテが睨みつけるがエレンは悲しそうに微笑んだ。
「でもね、そのプレッシャーも力にするの。ハヤテも同じでしょう? ミラージュの試験にプレッシャーに勝って、今空に舞い上がってるじゃない」
「でもよ……」
口ごもるハヤテを見てエレンは笑みをこぼす。
「優しいのね」
エレンに言われたハヤテは動転する。
「ハヤテは少し人の力を借りなさい、ミラージュでもメッサーさんでも、ううん、チャックでもアラド隊長でも良いの、ハヤテがフレイアを助けたいなら頭を下げなさい」
「メッサーが助けてくれる訳ないだろう、この前だって何も言わなかっただろう?」
憮然とするハヤテに見てエレンは溜め息を吐いた。
「メッサーさんが教えてくれる訳ないでしょう? 技術は盗むのよ」
一瞬呆気に取られると頭を抱えるハヤテ、エレンはフレイアに視線を合わせる。
「ついさっきの私の歌、どう思った?」
「すごかったんよ、私もあんな歌を歌いたんよ」
フレイアは先程を歌を思い出して溜め息を漏らす。
「ありがとう……
ひとつ昔話を教えてあげるわ──……これはある世界であった話。その世界は音楽で幸せで美しい都。『メイジャーランド』では毎年妖精が歌姫でコンテストして決まっていたの。その年の新しい歌姫は本当に素晴らしかった嫉妬するほどね、先代の歌姫は苦悩して追い詰められて『メイジャーランド』から消えたの、そして戻って来たの『マイナーランド』の悪の歌姫として」
エレンは、雲間からゆっくりと姿を見える月を眺める。
「そう、私が元の悪の歌姫セイレーン。響も奏もハミィも私が何時も苦しめていた、私はプリキュアの敵だったの……」
「ホント?!」
柔らかい風がエレンの長髪を弄ぶ、手で髪を抑えるとエレンは寂しそうに月を眺める。
「でも、今仲間なんでしょう?」
フレイアは心配そうな表情をエレンに向けた。
「大切な友達。響と奏が何かあったら私は絶対に助けるわ」
エレンの言葉を聞いたフレイアは満足そうに顔をほころばせる。
「是非善悪の歌姫だけど、ううん、もう歌姫じゃ無いけどね……こんな私の力でも歌と心は教えられるわ……」
お読み頂きありがとうございました。
月光ダンシング終了となります。
お付き合い頂きありがとうございました。