アルゼンチン帝国召喚   作:鈴木颯手

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第七話「戦後処理」

第七話「戦後処理」

「ゴート殿、まずはロウリア王国との戦争の勝利、おめでとうございます」

「ありがとうございます。クリタクリルク殿」

 

インペリオ・キャピタルに存在するアルゼンチン帝国のヌナブト連邦共和国大使館にてメイアンは大使であるイキアク・クリタクリルクと会談を行っていた。ヌナブト連邦共和国はアルゼンチン帝国の一番の友好国であり同じ新大陸の国という事もあり何かと協力を行ってきた国であった。特に南北アメリカ相互援助条約を結び両国の結びつきを強くしていた。

 

「それで今日はどのような要件でしょうか?」

「実は旧ロウリア王国領の一部を貴国に譲渡しようと考えています」

「何と!?」

 

クリタクリルクは驚く。それはつまり異世界にヌナブト連邦共和国が建国できることを意味している。アルゼンチン帝国の転移によりヌナブト連邦共和国の国民が十万単位で存在していた。現在は集合住宅を建設しそこに住んでもらっていた。

 

「我が国に滞在している外国人にロウリア王国領を与えようと思っています。しかし、ヌナブト連邦共和国以外ではあまり滞在している人はいませんので領土は少ないですがヌナブト連邦共和国にはロデニウス大陸以西の沿岸部をと考えています」

「それは……とてもありがたい事ですが……」

「安心してください。貴国に対して臨むことはありません。これは友好国であるヌナブト連邦共和国とよりよい関係を築きたいがための事です」

「……分かりました。貴国のありがたい申し出に深く感謝します」

 

こうしてヌナブト連邦共和国はロデニウス大陸西側に建国された。他にも神聖オーストリア・ハンガリー帝国や高天原帝国などが領土を与えられ国として独立して行くのであった。

そして戦後処理としてクワトイネ公国とクイラ王国は国境を押し込む形で拡張しアルゼンチン帝国はジンハーク等の沿岸部を直轄領として中央部に自治領である帝国領ロウリアを建国したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「これでクワトイネ公国の危機は去ったな。次はパーパルディア皇国か」

 

アイルサン・ヒドゥラーは執務室にて地図を見る。これは衛星写真をもとに作成されたものである。

 

「ロウリア王国を裏で支援していた様でワイバーンなどにその傾向があります」

「確かあの国にも使者を送っていたよな?どうなっている?」

「門前払いだそうです」

「やはりか」

 

アイルサン・ヒドゥラーは予想していたとはいえ予想以上のひどさに頭を抱える。クワトイネ公国からの情報でこの世界では国力のある国による横暴が許されておりアルゼンチン帝国の様に寄り添う形で外交する国など稀らしい。

 

「別に国交がなくても問題はないがパーパルディア皇国は領土拡張が激しいらしいからな。ロデニウス大陸に圧力をかけられてはたまらない」

「そうですね。いっそ艦隊を動かしますか?」

「それも考えるか。だがもう少し粘ってみるか。他国はどうだ?」

「アルタラス王国は友好的、ガハラ神国はクワトイネ公国以上に歓迎してくれました」

「フェン王国にはガハラ神国の口添えで今向かっているのだったな?」

「その通りです。願わくば友好的な事を祈るばかりですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここがフェン王国か……」

「日本を思いだしますね」

 

アルゼンチン帝国外交官フェイルナン・デウルはフェン王国の様子に感心していた。国中が厳しく、厳格な雰囲気の国。それがフェン王国の第一印象だった。

 

「剣王が入られます」

 

その言葉に外交官は立ち上がり頭を下げる。

 

「そなた達がアルゼンチン帝国の使者か」

 

剣王の圧倒的な武の雰囲気にフェイルナンは武人というのはこういうものなんだろうなと感じていた。

 

「はい、貴国と国交を樹立したく参りました。こちらはお近づきのしるしにと持参しました」

 

アルゼンチン帝国で作られた銀製品や装飾品、更には切れ味の良い剣などがあった。

剣王は真っ先に剣を取り引き抜くとしげしげと見つめる。

 

「ほう、これは良い剣だな」

 

剣王は気を良くしアルゼンチン帝国外交官の提示条件を話す。内容は対等な国交の樹立と両国の交流等であった。

 

「ふむ、失礼だが私は貴国について何も知らない。だが、少なくとも貴国は高い技術力と礼儀を持っているのは分かる。貴国との提案も悪くない」

 

剣王の良い言葉に外交官が上手くいきそうだと考えた。

 

「しかし、国ごとの転移や海に浮かぶ鉄の船などとても信じられない。そこで提案なのだが貴国の船団を我が国に派遣してくれまいか?今年我が国の水軍船から廃棄する船が4隻出る。それで力を示してくれないか?」

「それは……」

 

用は力を見せろとの事らしい。確かに手っ取り早く国力を示せるだろうがまさか威圧外交を相手から望まれるとは思っていなかった。フェイルナンは本国に報告しますといいこの場は一旦お開きになった。

 

「……陛下」

「言うな。これも我が国の為だ」

 

宰相の言葉を剣王は遮る。現在フェン王国は存亡の危機に陥っていた。パーパルディア皇国が攻めてくる可能性が高まっていたのである。相手は列強の一つでフェン王国などとても対抗できる相手ではなかった。そんな中でやってきたアルゼンチン帝国。話が本当ならパーパルディア皇国に対抗できるかもしれない。

 

剣王はアルゼンチン帝国をパーパルディア皇国に使おうと考えていたのであった。

 




ロウリア戦後

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