ありふれたチートで世界最強 作:漆屋
月曜日。それは一週間の始まりの日。それに憂鬱を覚える者も少なくないだろう。
「よぉ、キモオタ兄弟!また、徹夜でゲームか?どうせエロゲでもしていたんだろう?」
「うわっ、キモ~。エロゲで徹夜なんてマジキモイじゃ~ん~」
声を掛けてきたのは
檜山の言う通りタツヤとハジメはオタクだが、世間一般で言うとこのキモオタの部類に入るとととは言い難く身だしなみや言動が見苦しい訳でない。髪は切り整えており寝ぐせもない。コミュ障という訳でもなく。タツヤは積極的でハジメは大人しいいというだけで陰気さはない。単純に創作物、漫画や小説、ゲームや映画が好きなだけだ。
世間一般ではオタクに対する風当たりが強いがこの四人も褒められた人種でもないのに二人をあざ笑うのは理由がある。
その答えが彼女である。
「タツヤくん、ハジメくん、おはよう!」
ニコニコと笑顔で話しかけてくる彼女の名は
いつも微笑の絶えない彼女は、非常に面倒見が良く責任感も強いため学年問わずよく頼られている。それを嫌な顔一つせず真撃に受け止めるのだから高校生とは思えない懐の広さだ。
そんな彼女が二人を構うのだ当然よく思わない男子が大勢いる。
それで、檜山達は二人を貶めるためにキモオタのレッテルを張り暴言を吐いている。
その姿勢で香織を始め全女性徒から敬遠されがちだ。
「おはよう、香織」
「おはよう、香織さん」
二人が返事をすると男子達から殺気が浴びせられた。
なんであいつらがとでも思っているのだろう。
自分達は苗字なのになんであいつらだけ名前で呼び合ってるんだという訳だ。
実際は二人とも南雲だとややこっしいからお互いに名前で呼ぶようになったからだ。
ハジメだけは当初、名字で呼んでいた。
「また、徹夜?程度にしないと身体に悪いよ?」
「済まないな、つい夢中になってな。」
「あはは、右に同じ」
香織は毎朝二人に構ってくるのだ、当然それを羨む男子は多い。徹夜のせいで普段眠そうにしている二人は不真面目な生徒と思われている(成績は常に上位)、生来の面倒見の良さから香織が気にかけていると思われている。
さすがに授業中居眠りは無いがそれ以外はほぼ寝ている二人の態度は改善されない、それでも香織に親しくされている男子には堪ったもんではないのだろう。ハジメがイケメンなら許容されるだろうが生憎ハジメの容姿は極平凡であり[趣味の合間に人生]を座右の銘にしているハジメの態度は改善されない、方やタツヤの容姿は極めて良くサラサラの黒髪に鋭い目、百八十センチメートル近くある長身に引き締まった体でイケメンの部類に入り香織と同じく面倒見の良さと思慮深さ、成績優秀、スポーツ万能、とあって人気があるがハジメと同じくオタクでどの部活にも所属せずとも負け知らずといったこともあってかえってやっかみを受けている。
そんな二人が香織と親しくしているのが、男子には我慢ならないのだ。女子の場合は香織をとうして二人の人となりを知っているので半ば呆れた感じだ。
タツヤは毎日不思議でならなかった。なぜ、学校で一にを争う美少女が自分たちに構うのか。タツヤの目には、香織には性分以上の何かがあるように思えてならないからだ。
正直、香織とは高校からの間柄でしかなくタツヤ自身、自惚れる訳でもないが自分に恋愛感情をもっているとは思えず其れなりに親しくなったが香織自身の事を考えれば見てくれだけで言い寄ってくる類でもない。もしかしてハジメに気があるのではと思いながらもいまだ聞けずにいる。
まぁ、もしそうだったらでハジメが襲われる等の面倒になるから聞かないが・・・・
そうしていると、三人の男女が近寄って来た。
「タツヤ、ハジメくん。おはよう。毎日大変ね?」
「香織、また二人の世話を焼いているのか?全く、本当に香織は優しいな」
「全くだぜ、そんな奴らには何も言っても無駄だと思うけどなぁ」
三人の中で唯一朝の挨拶をしたのは女子生徒の名前は
百七十二センチメートルという女子にしては高い身長と引き締まった体、凛とした雰囲気は侍を彷彿させる。
事実、彼女の実家は八重樫流という剣術道場を営んでおり、雫自身、小学校の頃から剣道の大会で負けなしという猛者である。現代に現れた美少女剣士と雑誌でも取り上げられるほどで熱狂的なファンが多い。後輩の女子生徒からは[お姉さま]と慕われよく頬を引きつらせるのを目撃されている。
因みにタツヤは過去に八重樫流に在籍しており雫とはその縁で顔見知りであり剣道界では名を知られている。
次に、臭いセリフで香織に声を掛けたのは、
身長と体格はタツヤと同じくらいで鋭い瞳のタツヤと対照的に優しい瞳をしている。誰にでも優しく、正義感も強いが、思い込みが激しく自身の都合の良い解釈しかしない。
彼も八重樫道場に通う門下生で、全国クラスの猛者だがタツヤには敵わない。雫とは幼馴染である。高校入学時タツヤに勝負を挑んだが手も足も出ず負けた過去がある。その際剣道部から勧誘が来たがタツヤは断っている。
その言動と容姿でダース単位で惚れる女子がいるが、いつも一緒に行動している香織や雫に気後れして告白に至っていない。それでも、月二回以上学校に関係なく告白を受けている。
最後に、投げやり気味な言動の男子生徒は
龍太郎は努力とか根性とか熱血が大好きな人間なので、学校では寝てばかりでやる気のなさそうなハジメや、実力と才能を持ちながら部活に所属せずやる気のないタツヤが嫌いなタイプらしい
龍太郎もタツヤに勝負を挑んだが、タツヤが勝ちその際にも勧誘がきたが断った。
趣味の時間が惜しいから帰宅部のはやる気のないやつと思われているようだ。
タツヤ自身、努力と根性、熱血は好きだが表立って表さないだけである。
「おはよう、雫、天之河、坂上」
「おはよう、はは、まぁ自業自得だから仕方ないよ。」
雫達に挨拶をし苦笑する二人
「それが分かっているなら直すべきじゃないか?いつまでも香織の優しさに甘えるのはどうかと思うよ?香織は君らに構ってばかりはいられないんだから」
光輝は二人に注意する。光輝の目にも二人は香織の厚意を無下にする不真面目な生徒に映るのだろう。
二人としてはべつに甘えた積りはない普通にクラスメートと話をしていただけだ、だがたとえ反論しても光輝自身思い込みが激しいので反論しても無駄だと思い何も言わない。
それに「直せ」といわれても、二人は趣味を人生の中心に置くことに躊躇がない。なにせ、父親はゲームクリエイターで母親は少女漫画家であり、将来に備えて父親の会社や母親の作業場でバイトしているくらいだ。
特にハジメは既にその技量は即戦力扱いを受けており、趣味中心の将来設計は出来ており、何れはプロの世界で活躍するだろうとタツヤは思っている。
方やタツヤはハジメほどでは無いが即戦力扱いを受けており、両親の紹介でアクセサリー制作やジュエリー制作のバイトもしてプロの職人から太鼓判を押される程でまたプロゲーマーとして億単位の賞金を稼いでおりそれをもとに株や投資で儲けており資産は途方もない。(冗談でなく)
資産云々は伏せているが香織と雫には話しておりそれを通じて女子には知れ渡っている。其れも在ってか敵意は持たれなくても半ば呆れられている(関心を通り越して)
因みに男子は知らない理由は二人がやっかみを買いたく無いので伏せてもらっているから。
光輝が知っても下らないと一括するか二人に出来るわけないと否定するのは明らかなのであえて言わないし理解できるかも怪しい(特に龍太郎)
檜山達が知れば寄り僻みが激しくなるか集るのが目に見えている。
二人自身、趣味のため色々と切り捨てている自覚があるから多少の事ではへこたれない。
「? 光輝くん、何言っているの?私は、私が二人と話したいから話しているだけだよ?」
男子達はギリッと歯を呪い殺さんバリに二人を睨んだ。
「え?・・・ああ、ホント、香織は優しいよな」
光輝の中では香織の発言は二人を気遣ったものだと解釈されたようだ。完璧超人(笑)だが、そのせいか自身の正しさを疑わないという欠点があり、実態を知るものからは半ば諦められている。故に完璧超人(笑)
ホント面倒な奴と二人は思った。
「・・・・ごめんね?二人共悪気はないのだけど・・・」
「大丈夫だ。気にするな。」
「あはは・・・」
この場でも最も人間関係や各人の心情を把握している雫が、こっそり二人に謝罪する。それにタツヤは答えハジメは苦笑いするだった。
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昼休み
タツヤ達は教室を見渡した何人かの生徒は購買に向かったが三分の二の生徒は残ったそれに加え四時間目の社会科教師であ畑山愛子先生(二十五歳)が教壇で数人の生徒と話していた。
二人は栄養ゼリーを取り出して一気に飲み干した。
じゅるるる、きゅぽん!
午後のエネルギーを補充し睡眠に入ろうとしていた。
そこへ我らが女神が声を掛けてきた。
「二人とも、それだけじゃ足りないでしょう?お弁当を作ってきたから一緒に食べよ」
香織だ。
再び男子達から殺気を向けられる。
タツヤは下手に断る理由は無いので厚意を受けることにした。断ったら後が怖い
「いいのか?・・・じゃぁ折角だから御馳走になろうか?ハジメ」
「僕は、いいよタツヤだけ行ってきたら」
(こいつ、逃げる気だな、もしかしたら香織はお前に気があるかもしれないのに)
タツヤは内心そう思っていると。
「もぉう、ハジメくんも遠慮しないでちゃんと二人の分も作ってきたから」
「・・・そう、それじゃあ、ご馳走になるよ」
逃げ口を塞がれた、これで断ったら後が怖いそう思ったハジメだった。
そこへ我らが勇者(笑)が来た。光輝だ。
「香織。こっちで一緒に食べよう。南雲はまだ寝足りないみたいだしさ。折角の香織の美味しい手料理を寝ぼけながら食べるなんて俺が許さないよ?二人の分は俺が戴くよ。」
よくそんなセリフが吐けるものだとタツヤは内心思った。
爽やかに笑いながら気障なセリフを吐く光輝にキョトンとする香織。少々鈍感というか天然が入っている彼女には、光輝のイケメンスマイルもセリフは効果内容だ。
「え? なんで光輝くんの許しがいるの? これは二人のために作ったんだよ?」
「「ブフッ」」
素で聞き返す香織に思わずタツヤと雫が噴出した。
光輝は困ったように笑ってあれこれと話す
(どんだけ食い意地張ってんだよ。・・・いや、これは独占欲か?・・・何というか主人公の出来損ないって感じだな)
光輝の普段の言動を聞いていると如何にも主人公ポイが何処か自分に酔っている感じだ。悪い奴ではないのだが
(これで、ラノベだったら周りを巻き込んで異世界に召喚されて勇者に祭り上げられてかませ犬で終わるだろうな)
(まぁ、それだと巻き込まれた奴がかわいそうだ、どうせ巻き込むなら坂上と檜山達だけにしてもらいたいもんだ)
非現実的だと分かっていても冗談で非情なことを考えているタツヤだった。
(更に、贅沢を言えば連中が男同士の愛に目覚めてくれればいいんだが・・・人数も丁度だし)
更に非情な事を考えていた。
タツヤがそんなことを考えていると・・・・
凍りついた
光輝の足元に純白に光り輝く円環と幾何学模様が現れたからだ。俗に言う魔法陣だ。
(おい!、冗談だろう)
突然のことに周りの生徒たちは金縛りになったように硬直する。
魔法陣は徐々に大きく成って教室全体に拡大した。
「皆!教室から出て!」
愛子先生が叫ぶと同時に魔法陣の輝きが爆発したようにカッ光った。
光が収まった教室には食べかけの弁当と転がるペットボトル、教室の備品はそのままに人間だけが消えた。
この事件は白昼の高校で起きた集団神隠しとして、大いに世間を騒がせるのだった。