とある特殊小隊の日常前線(デイリーフロントライン)   作:ノア(マウントベアーの熊の方)

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設定資料集によると、訓練中に出てくる標的、アレって「ワーカー」型民間用ターゲットドローンって言うのが正式名称だそうで、カスタマイズ可能な下級AIを搭載して人形の好みに応じて声を変えることが出来るそうです。
つまりそれに設定している声で趣味とか好きな人がバレるかもしれない訳で……
ところで設定資料集日本版第2弾はまだですか……?

とまあ私のどうでもいいことは置いておいて、今回もどうぞごゆっくり、見ていってください。


第6話

『正面に敵!スコーピオン、弾幕射撃!』

 

『おっけー!まっかせてー!』

 

そうヘッドフォン越しに無線が聞こえる中、俺はコンピューターのモニター越しにみんなの姿を見ていた。

もちろん、みんなが訓練している中、俺だけ遊んでいる訳では無い。

まあ、俺はいつもの基地で遠隔操作をして、訓練用ドローンの指揮を取ったり、ドローンを操作して射撃をしたり、半ばゲームのようなことをしているので遊びと言われればそうかもしれないのだが。

 

今、俺たちシグマフォースは、指揮官と隊長である俺が不在、もしくは負傷等により指揮できなくなった時に備えて、戦術人形だけで作戦を遂行する訓練を行っている。

本来、通常の人形小隊なら、安全が完全に確保された場所でのみ自律作戦が許可されるのだが、俺たちはそうはいかず、たとえ安全でなくても、人形たち自身で作戦を遂行しなければいけない場合も出てくる。

そうならないように隊長である俺がいるのだが、もし俺が負傷、もしくは死んだ場合、指揮官に指揮を執って貰うしかないのだが、その指揮官が指揮を執れない場合、つまり無線障害や指揮官自体の負傷、死亡する事案なども、もしかしたらこの先出てくるかもしれない。

という訳でこのような訓練を年に数回ほど行っているのだが、これが俺の数少ない楽しみとなっている。

いつもどのようにしてみんなを嫌がらせてやろうか、どうユニットを動かせばこうなるのかなどを楽しみながらできるというのは素晴らしいものだと思う。

ちなみに、このドローンが射撃するのは鉛の弾丸でもゴム弾でもなく、ただの赤外線レーザーである。

これにより怪我もなく、体に取り付けられた外部センサーにより被弾具合がわかるのだ。

 

「ああクソっ、やられた!やっぱりみんなエイムいいなぁ!」

 

そう叫びながらも別のドローンのコントロールを始め、果敢に突撃を敢行する。

しかし、どう動こうが撃破され、また別のドローンを操作しての繰り返しだった。

 

「面白そう!ねえねえ、あたしにもやらせてよ!」

 

そう急に後ろから言われたので振り向いてみると、楽しそうにぴょんぴょんと飛び跳ねている、デストロイヤーの姿があった。

 

「デストロイヤーはまだ訓練生だから向こうで大人しくしとけって言っただろもう…一応これも訓練なんだぞ」

 

「そうだけどさ…お願い!1回だけ!」

 

「はぁ…まあいいか、1回だけだぞ」

 

そう言って座っていた椅子を立ち、デストロイヤーにコントローラーを渡す。

するとデストロイヤーは新しいオモチャを買ってもらった子供のようにはしゃぎ、操作に熱中し始めた。

最初は戦闘が初めてにしては上出来な動きをしていたが、やがて射線が通った一瞬のスキを、ゲパードに狙撃されてしまっていた。

 

「あああ!今の射線通ってたの!?嘘でしょ!?」

 

「残念ながらゲームと違って実物を遠隔操作してるだけだからバグではないぞ、それだけゲパードが上手いんだ」

 

「うう…くーやーしーいー!」

 

「なんならもう1回やってみるか?そうだな…よし、メンバーに1発でも当てれたら好きな物買ってやる」

 

「本当!?やるやる!」

 

そうデストロイヤーは言うと、別のドローンを操作し始め、一気に集中し始めた。

画面を食い入るように見つめ、必死に操作し、なんとか照準をつけることが出来ていた。

しかし、射撃した瞬間に回避され、そのままカウンターを食らって撃破されてしまっていた。

 

「ああもう!もう1回!」

 

「はいはい、次でラストなー」

 

そう言って軽く流していると、ヘッドフォンから聞こえてくる無線が急に慌ただしくなってきていた。

どうやら、何かが起きているらしい。

なんなんだと思いながらもデストロイヤーの操作する画面を見ていると、全然訓練用ドローンのいない方向に向かって、必死に攻撃している姿が映し出されていた。

 

「攻撃するなら…今しかないよね!」

 

「ストップ、ちょっと貸してくれ」

 

そうデストロイヤーが攻撃しようとしているのを制止し、コントローラーを借りてみんなの方向へと走らせる。

しかし、一方にこちらに気づく気配はなく、そのまま何かと交戦を続けていた。

そのままドローンを操作して交戦している方向にカメラを向けて見てみると、そこには、決して少ないとは言えない量の、ELIDの大軍が押し寄せていた。

 

「…なんてこった、これはマズいぞ」

 

そう言いながら、俺は携帯端末を操作し、指揮官へと電話をかけた。

 

『おうどうした叢雲、電話とは珍しいやんか』

 

「指揮官、TG07にてELIDの大群が襲来、メンバーが襲われてる、至急援軍を頼みたい」

 

『…!わかった、手配する』

 

「頼みます」

 

そう言って電話を切り、俺はロッカーへと駆け出し、急いで装備を整える。

そして弾薬庫へ行き、全員の主兵装の弾薬をかき集めてバックパックへと詰め込み、俺は無線機へと向かった。

 

「イチ、ニコ、至急基地へ帰投してくれ、訓練場が大変なことになってる」

 

『わかってるよ兄さん、今帰投してる』

 

『お兄ちゃん!あと4分弱くらいで着くよ!』

 

「わかった!デストロイヤーはここで待っててくれ!」

 

「ええ!?嫌だ、あたしも行く!」

 

「…その気持ちは嬉しい、だけどまだELIDを相手するのはやめた方がいい、わかってくれ」

 

そう言い、バックパックを背負ってから屋上へと向かい、俺はヘリを待った。

やがて訓練場の方から、イチとニコの操縦するステルスホークが、いつもより手荒く、速度が着いたまま着陸してきた。

すぐさま機体へと駆け寄り、キャビンのドアを開けて飛び乗る。

するとすぐに離陸を開始し、基地を飛び去った。

 

やがて訓練場へと近づいた時、1機のヒューイが、俺たちの目の前を全速力で飛行しているのが確認できた。

やがてその距離はぐんぐんと縮まり、俺たちのステルスホークが追い抜いた。

 

『こっ、こちらガンナーズ01!友軍です!』

 

そう追い抜いた後に、幼い女の子の声で無線が入り、イチとニコが速度を落とし、ヒューイに合わせ、編隊を組んだ。

そしてニコがこちらに目配せとサムズアップをして、無線周波数を合わせたと教えてくれたので、俺はヘッドセットをつけて、交信を始めた。

 

『こちらシグマフォース隊長、叢雲です、援軍感謝します、そちらの戦力を教えて貰えますか?』

 

『こちらマシン・ガンナーズ隊長、雨宮 ナツっす!メンバーはHG1人、SMG1人、あとはMGが4人っす!』

 

そうさっきとは違う女の子の声で返事が届き、俺は友軍のメンバーを把握し、脳内で展開を組み立てていた。

 

『了解、現場に到着次第シグマのメンバーの一時的撤退を援護してください、補給が完了次第横から攻めます』

 

『了解っす!』

 

そう打ち合わせが終わり、俺は一息ふうと援軍が来たことに安心を覚えながら、俺は銃のグリップをギュッと握り、キャビンのドアを開け放った。

そして少し身を乗り出して見てみると、視認できる距離に訓練場が確認できた。

 

「お兄ちゃん!到着2分前!」

 

「了解!降下用意する!」

 

そう言ってロープを投げ下ろす準備をし、俺は今か今かと待ち続けた。

やがて訓練場の広い場所へと到着し、機体がホバリングを開始した瞬間、ロープを投げ下ろし、ラペリング降下をし、地上へと降りた。

 

「M500!到着した、援軍も一緒だ!広場まで撤退できるか!?」

 

『やった!ありがとうジンさん!弾がもうほとんどないけどなんとか行けそうだよ!』

 

「了解!援軍が撤退を支援するから援軍の到着次第撤退してくれ!」

 

『りょーかいっ!』

 

そう無線でやり取りした後、俺たちのステルスホークの近くにヒューイがホバリングを開始し、そこからロープを使って、6人の女の子達が降りてきた。

恐らく全員戦術人形だろう。

彼女たちは降下した後、全員集合してから、人形同士の相互通信プロトコルを使ったのか、迷うことなく援軍として現場へと急行して行った。

 

やがて弾幕を貼る凄まじい連射音が聞こえ始め、その少しあとに、遠くの方からみんなが走ってくるのが見えた。

 

「みんな!大丈夫か!?」

 

「はい!なんとか!」

 

「完璧な私たちですよ?大丈夫に決まってます」

 

「またまた416はそんなこと言ってー、もうマガジン全部空っぽなんでしょー?」

 

「まだ榴弾が残ってるから空じゃないわ、これも計算のうちよ」

 

その反応に安心しながら、俺はバックパックを下ろし、みんなに弾薬を配った。

やがてみんなの装填が終わり、準備が終わった後、俺たちは急いで、今なお射撃音が止まない方向へ向かい、走り出した。

 

~~~

~~

 

絶え間なく続く銃声の中、私は頭を悩ませていた。

 

「うーん…ターゲットが多いなぁ…頭が痛いわ…」

 

「まあまあ、ターゲットが死ぬまで撃ち続ければそのうち終わるって!帰ったらコーラも待ってるし!」

 

「まあSAAの言う通り、撃ち続ければおわるよね!ボクも頑張るぞぉ!」

 

「日頃の特訓の成果をみせてやればいい!この一撃をくらえー!」

 

「みんな脳筋ねぇ、あたしもう疲れちゃったわぁ」

 

「…M2はとりあえず撃ち続けて、12.7mmの火力はあなたしか出せないから」

 

「そういうVectorも9mmパラのはずなのに結構倒してるよねぇ、何かコツとかあるの?」

 

「M1919、アドバイスなんて聞いてどうするの?あなたの方が火力はあるでしょ?」

 

「そうだけどさぁ、なーんか倒せないんだよね」

 

「まあまあ、適当にやれば大丈夫だよ、私はそれで倒せてるし!」

 

「M1918は適当すぎるんだ、だから訓練でも副隊長なのにみんなにスコアが抜かされるんだぞ」

 

「M60は堅物すぎるんだよ、もっと適当に行こう?ね?」

 

そういうマシンガントークと共に銃弾を撃ち続けながら、私たちは向かってくるELIDを倒し続けていた。

各々の弾数をデータリンクを使って共有し合い、弾の切れ目がないように弾幕を貼り続ける。

それが私の属するチーム、『マシン・ガンナーズ』の戦法だ。

MGの面火力にHGとSMGの取り回しの良いながらもマグナム弾という強大な威力を誇る弾を放てるコルトSAA、恐ろしい射速にもかかわらず反動を抑えることが簡単なVectorの2人が加わる事で、撃ち漏らした敵の息の根を止める。

これが私たちのチームワーク。

しかし、弾薬の消費がケタ違いなので、あまり小規模な作戦やテロリスト掃討戦には参戦させて貰えない。

やはり仕方ない事ではあるのだが、やはり戦術人形という存在である事には変わりないので、戦わせて貰えない時は寂しさはある。

…まあ、その寂しさを隊長が紛らわせてくれるのだが。

そんな事を思いながら撃ち続けていると、第1の波が途切れ、一息着くことが出来た。

 

『みんな!約10秒後、第2波、来るっすよ!』

 

そうヘリを現在進行形で操縦し、上空から戦場の指揮を執ってくれている、隊長のナッちゃんから無線が入る。

 

「了解!じゃーみんな、適当に頑張っていきましょー!」

 

「「「「「了解!」」」」」

 

そう返事が帰ってきた後、副隊長である私―――M1918の射撃開始音で、再度弾幕が貼られ始めた。

 

~~~

~~

 

『狙撃班、射程圏内にELIDを確認!ねぇねぇジンさん、わたしも撃った方がいいですか?』

 

「いや、C96は2人の護衛を、いつそっちにELIDが行くかわからん」

 

『了解です!頑張っちゃいますよー!』

 

そう会話を終わり、俺は路地からクイックピークで顔を出し、チラリと覗く。

俺たちは今、大量のELIDが向かっている方向とは違う、別の方向から奇襲をかけようとしていた。

ELIDの進行方向からは、援軍が弾幕を貼り、文字通りELIDの死体の山を築き上げている。

しかし、あのような弾幕を貼り続けるのは、いくら戦術人形が力持ちで弾薬を大量に運べるとは言っても、すぐに弾切れになってしまい無理だろう。

つまり、俺たちで撹乱しつつ確実に仕留めるしかない。

 

「ふぅ……よし、行くぞ、ヤツらには近距離攻撃しかない、距離を取れば勝てるはずだ」

 

「だねー、あの子たちに負けないようにあたしも弾幕貼らなきゃ!」

 

「無駄撃ちはするなよ?……よし、M500と俺、416とスコーピオンに別れて戦闘開始だ、行くぞ!」

 

「「「「了解!」」」」

 

そう言って二手に分かれて散開し、俺たちも戦闘を開始した。

 

 

「くそっ、5.56じゃ突進を止めるのに何発も必要になりやがる!ストッピングパワーが足りねぇ!」

 

「ジンさん!私が散弾で動きを止めるから、その隙に急所を狙って!」

 

「わかった!」

 

そう言い、M500が攻撃し、動きが止まったELIDから順に急所を狙撃し、徐々にその数を減らしていく。

やがて俺たちの方向にやってくるELIDはいなくなり、俺たちはスコーピオンと416の方向へと向かった。

 

~~~

~~

 

「くそっ、私は完璧なはずなのに……!」

 

「あーもー!硬すぎるよ!どう変化すれば普通の生物からこんなに頑丈になるの!」

 

そう私たちはELID相手に苦戦しながらも、着実にその数を減らしていった。

しかし、減ってきてはいるものの、まだ大量のELIDがこちらへと向かってき続け、私たちとの距離を徐々に詰められていた。

 

「416!榴弾お願い!」

 

「わかったわ……散りなさい」

 

そう言い、私はELIDの顔面へと榴弾を撃ち込んだ。

さすがに榴弾の直撃は耐えれなかったようで、その巨体はゆらりと揺らぎ、その場に倒れ、二度と動くことは無かった。

 

「よし…!スコーピオン!弾幕を!」

 

「りょーかいっ!まっかせてー!」

 

そうスコーピオンは言うと、ELIDの群れに向かい、弾幕射撃を開始した。

やがて数体のELIDが倒れたが、未だにELIDが数体、こちらに進撃してきていた。

 

「クソっ…しぶといわね」

 

「そうだねー、でも、あともう少し!」

 

『416!スコーピオン!こちら狙撃班!そっちを援護できる配置に着いたから、いつでも援護できるよ!』

 

「了解、頼んだわよ」

 

そう言い、私はELIDの群れへと射撃を開始し、可能な限り的確に、急所や脚を狙い、その動きを止めた。

その止まっている敵に、狙撃班の狙撃が襲い、先程までよりもELIDを倒すペースが上がっていっていた。

 

『416!スコーピオン!こっちは片付けた、今から向かう!』

 

「了解、でもその前に片付きそうね、スコーピオン?」

 

「だね!日頃の訓練の成果、見せてあげる!」

 

そう言い、私とスコーピオンはELIDへと突撃し、走りながら、ELIDの脚を狙い、確実にダウンを取っていく。

そのダウンしたELIDの頭に狙撃班の狙撃が突き刺さり、私たちの後ろにいるELIDは全て、息絶えていた。

 

「最期の一呼吸が終わるまで―――」

 

「仲間だろうと敵だろうと、誰にも負けたくないの!」

 

そう2人同時に最後のELIDを仕留め、私たちはお互いの顔を見てふふっと笑い、互いの拳を合わせた。

 

~~~

~~

 

『お兄ちゃん!上から見たんだけど、見える範囲にはもうらELIDはいないよ!』

 

「了解、ふぅ……やっと終わったか……」

 

そう言いながら銃を下ろし、俺は周囲を見渡した。

そこには、やっと終わったことによる安堵の顔と、嬉々とした表情を浮かべた、みんなの姿があった。

結局、全て倒すのに持ってきた弾薬のほとんどを使い、残るはあと数発といった、まさにギリギリの戦いだった。

 

「援軍にもお礼を言わないとな…」

 

「だねー、ずっと弾幕貼ってる音してたけど、弾薬の消費どうなってるんだろ…考えるだけでも怖いよ」

 

そんな会話をしながら、俺たちは2機のヘリが駐機する、広場へと向かった。

そこには、援軍に来てくれた6人の女の子たちと、その子たちと楽しそうに話している、2人の女の子がいた。

 

「シグマフォース隊長、叢雲です、救援ありがとうございました」

 

そうバラクラバを取って敬礼すると、彼女たちは先程までの笑顔から、急に緊張した顔になり、こちらに敬礼を返してきた。

 

「こちらこそ助けになったようでよかったっす、まだできて半年も経たない新参小隊なもので……」

 

「その割には戦法が確立されてたじゃないか、大したもんだよ」

 

「いやぁ…全部指揮官のアドバイスを実行してるだけっす、あたしはただ言われた通りにやってるだけで……」

 

そう彼女は言うと、恥ずかしそうに笑った。

それを見て俺も少し微笑み返し、俺は「じゃあまた」と言って、その場を去った。




いかがでしたでしょうか?
ELIDについての情報が日本版はまだ少なくて辛いです。
噂によると12.7とか戦車砲弾とかも上級になると防ぐとかなんとか……
それを相手にしてる正規軍、強くないわけがないんですよね……
ビーム兵器とかジュピターの原型とか持ってるの相手にするって死ぬ気かな……?って

とまあ、また次回、お会いしましょう!
できるだけ早く書きたいです!(願望)

キャラ設定は

  • 1.第1話のあとがきでいい
  • 2.第1話の前に欲しい
  • 3.別に要らない
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