異世界の神様からチート能力?を貰いました。   作:名無しの兵六

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第100話 お城

 アルネバーの町から離れた林の中で、【空間転移】を行い、ツフェフレの町の近くの黒魔の森に出る。【空間転移】ができるから、アルムガルト辺境伯家本邸の近くまで転移してもよかったけど、時系列が合わなくなるからね。まあ、アルネバーからツフェフレまででも、十分に怪しまれる時間だけど。

 

 隊列を街道まで出すと、呂布とアントンさんに指示を出して、馬車の防衛をしてもらう。ツフェフレまでは3kmといったところかな。アルネバーよりも立派な防壁が目を引くね。僕は、翼を生やし、空を飛んでツフェフレへ向かう。途中で街道をいく人々が、僕の姿を見つけ騒いでいるが気にしない。

 

 すぐにツフェフレの町の南門に着く。門で検査を受ける人々の列の近くに着地すると同時に数名の重装の衛兵に囲まれる。槍は向けられていない。いやあ、即応性が素晴らしいね。感心していると、1人進み出てきた。隊長さんかな。

 

「どうも。ようこそ、ツフェフレの町へ。私は衛兵隊長のバルブロという。貴方の身分を確認させていただきたいのだが、よろしいか?」

 

 笑顔で言ってくるけど、目が笑ってない。一部の隙も無いね。僕は、「少々、待たれよ。」と言い、兜を外し、ヴィンフリート様が書いてくれた書状と僕自身の貴族証を取り出して、バルブロさんに渡す。

 

 封蝋印を確認した彼は両手で書状と貴族証を受け取り、確認をする。確認が終わるとすぐに、「お返しします。」と貴族証を返して、書状は部下の1人を呼んで、彼に持たせ壁内へ走らせていた。そして、残りの全員で(ひざまず)き、

 

「辺境伯様とは気づかず、申し訳ありませんでした。部下の行動は規則に(のっと)ったものであります(ゆえ)、責は私にあります。」

 

「いや、誰も、罰する気など毛頭ない。さあ、立たれるがよい。バルブロ殿たちは規則通りの事を行なったまで、誰がそれを罰せようか。」

 

「お心遣いいただきありがとうございます。」

 

「書状の返事が来るまで、少し聞きたいことがあるのだが、よろしいか?」

 

「何なりと、閣下。」

 

「バルブロ殿たちの装備について聞きたいのだ。私は未だにインシピットの町で冒険者業をしておるが、インシピットの衛兵隊はそこまで重装備ではなかった。黒魔の森がインシピットよりも近いという理由もあるのだろうが、それだけだろうか?」

 

「はい。いいえ、閣下。我が町の北からは旧ナーノモン領になります。万が一、帝国と争うことになった場合、浸透してきた帝国軍が後方攪乱(こうほうかくらん)をする可能性がありますので、代官のユーソ様がアルムガルト辺境伯様にかけあい、このように重装備となりました。また、詰所には馬が1分隊分いますので、黒魔の森から(あふ)れた魔物どもや野盗にも即応できるようになりました。」

 

「なるほど。確かに初動は大切だからな。」

 

 へー、そういう理由なんだ。ダヴィド様に直訴するとは、やりての代官さんだね。感心していると、門のほうから馬が3頭駆けてきた。2頭には、剣を()いてはいるが、明らかに文官らしい格好をした人が、先導の1頭には先程、書状を持って行った衛兵さんが騎乗していた。

 

 彼らが近づくと、バルブロさんと部下の人たちが頭を垂れ出迎える。僕は、兜を左脇に抱えたまま突っ立っている。騎乗した彼らは下馬すると、すぐに(ひざまず)き、

 

「ゲーニウス辺境伯様、(わたくし)がツフェフレの町にて代官を(つと)めるユーソ・マルトラ男爵と申します。隣の彼は秘書官で護衛のカールレであります。」

 

「うむ。ガイウス・ゲーニウス辺境伯である。ユーソ殿、此度(こたび)は急な訪問で申し訳ない。さあ、お立ちになられよ。」

 

「はっ、ありがたく。バルブロ隊長ご苦労。任務に戻りたまえ。君たちもだ。護衛はいらん。カールレがいるからな。」

 

 ユーソさんがそう下命(かめい)すると、バルブロさんたちは深く礼をして門へと戻っていった。それを見送り、声が届かない距離になったことを確認して、

 

「それで、ユーソ殿。書状は確認して戴けたかな?」

 

「はい、しかし、本当に壁外でよろしいので?壁内の宿屋を強制徴用できますが。」

 

「非常時でもない今、そのようなことをすれば無駄に民心(みんしん)を不安がらせる。提案には感謝するが、こちらには、奥の手があるのでな。それで、場所だが、なるべく黒魔の森の近くに宿舎を置かせてもらう。そこなら、街道の邪魔にもならんし、私の兵が魔物どもを蹴散らせる。良い訓練に、小銭稼ぎになる。」

 

「わかりました。宿営地の準備ができれば、また、バルブロに声をかけてください。この町の防衛隊長のラッセと共に安全かどうかを確認させていただきます。もし、安全が確保できないような状態であれば、閣下がどう言われようと壁内に入っていただきます。」

 

「安心したまえ。私は奴隷だからといって、粗末に扱う気は毛頭ない。彼らも庇護(ひご)すべき民だと思っている。」

 

「そのお言葉、信じさせていただきます。では、(わたくし)共は政務に戻らせていただきます。」

 

「うむ、ご苦労だった。それではな。」

 

 そう言って、兜をかぶり、翼を生やして広げ、飛び立つ。すぐに、馬車が待機しているところまで戻ってこられた。奴隷の人たちも思い思いにくつろいでいるようで何よりだ。さて、僕はもう一仕事だ。

 

「アントンさん、呂布、みんなを少し下がらせて。・・・。うん、そのくらいでいいよ。それでは、今日からしばらくみんなの寝床になるところを【召喚】。」

 

 地面には今までで一番大きな魔法陣が現れ、光があふれる。そして、光が消え去ると、お城があった。【鑑定】すると、マルボルク城というらしい。地球のドイツという国の騎士団が使っていた城で、今の状態は第2次世界大戦?とかいう戦争時の一番頑丈な時のものらしい。雨風を凌ぐには最適だね。やったね。

 

 だからさ、みんな喜ぼうよ。そんな、ありえないモノを見る目で僕を見るのはやめて?




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