異世界の神様からチート能力?を貰いました。 作:名無しの兵六
「いやー、大変だったみたいね。」
「ローザさん・・・。」
いつの間にかローザさんとエミーリアさんが側まで来ていた。2人とも椅子に座った。
「冒険者になって、いや村を出てからまだ2日ですよ。なんでこんなことに・・・。」
「大丈夫、私たちがついている。」
そう言いエミーリアさんがグッと僕の頭を掴み、その豊満な胸に顔を
ガバっと頭を胸から引き剥がし、
「ありがとうございます。少し落ち着きました。」
「その割には顔が赤いわよ。」
「そ、それは・・・」
「それは?」
「言えませんよ!?」
「フフ、照れてるのね。そうしていると歳相応で可愛いわね。」
何も言えず黙っていると、今度はローザさんが僕を抱き寄せて頭を撫で始めた。僕にお姉ちゃんがいたらこんな感じだったのかな。少しだけ流れに身をゆだねてみる。剣ダコのある手だけど優しい手つきだ。
「ガイウスさん。査定カウンターへお越し下さい。」
呼び出しがかかる。どうやら査定がすべて終わったようだ。僕たち3人は査定カウンターへと向かう。査定カウンターにはデニスさんがいた。カウンターには革袋が二つ置かれている。
「やぁ、ガイウス君。さっきぶり。こっちの革袋がゴブリン関係の査定金額で全部で白金貨1枚、金貨80枚、銀貨50枚だよ。いやぁ、久しぶりの大金だね。こっちの革袋かお願いされていた別査定のモノで金貨34枚、銀貨25枚だよ。」
「ありがとうございます。別査定のモノはそのままパーティ名でギルドに預けます。さっきもお願いしていて、確かエレさんだったかと思います。」
「エレだね。わかった。彼女に頼んで来よう。」
デニスさんが革袋を一つ持ってエレさんのいる受付の奥の方へと向かって行った。その間に残った革袋の中身を確認する。白金貨1枚で金貨100枚分だから凄い大金だ。金貨も80枚ある。本当ならそれなりの大金の銀貨50枚が霞んでしまうほどの存在感だ。
「はぁ、1人でこれだけ稼ぐなんてすごいわね。ガイウス君。」
「やっぱり、ガイウスは規格外。今のうちに手を付けて他の女に取られないようにしないと。」
2人して両側からくっついてくる。
「なんでお二人とも今日はこんなに近いんですか!?昨日はそんなことなかったのに。」
「それはパーティメンバーになったからよ。もっとスキンシップを取っていきましょう。お互いのことを知るために。」
「パーティメンバーとしてお互いの知ることは賛成です。でも過度なスキンシップは必要ないと思います。」
「あら、振られちゃったわね。残念。」
笑いながら離れるローザさん。
「からかっていただけでしょう?」
「私はからかっていない。」
そう言ってさらにギュッと抱き着いてくるエミーリアさん。それにより胸が押し付けられる。あぁ、僕はどうしたら・・・・。
「イチャイチャするのは宿の方でお願いします。」
いつの間にか猫獣人の受付嬢エレさんが査定カウンターまで来ていた。そして、とても冷めた目で僕を見ている。エレさんの後ろにいるデニスさんはニヤニヤ笑っている。僕はエミーリアさんを引き剥がしながら、
「これは、その・・・、違うんです。そのイチャつくとかじゃなくて・・・。一方的にというか・・・。」
「ガイウスは私が抱き着いて嫌だった?」
エミーリアさんが悲しそうな顔をしながら聞いてくる。
「あ、いえ・・・。嫌ってわけではなくて・・・。その・・・。あの・・・。」
僕がしどろもどろしていると、
「フフ、エミーリアさんそこまでにされたらいかがですか?ガイウスさんが困っていますよ?見ているほうとしては
エレさんが助け船を出してくれた。
「預かり証ができたんですね。」
「ええ、正式名は『冒険者ギルド預金証明証』ですね。長いのでほとんどの冒険者の方が『預かり証』や『預金証』などと省略しています。それで、こちらが『シュタールヴィレ』の3名の『冒険者ギルド預金証明証』です。現在、表に表示されている金額が現在ギルドで預かっている金額です。3名のうち誰かがお金を引き出したりすれば証明証を更新した際に引き出した方の名前と金額、日付が裏に表示されます。」
「わかりました。ありがとうございます。デニスさんもありがとうございました。」
「俺は面白いものが見れましたから。ガイウス君モテモテですね。」
デニスさんの皮肉に僕は苦笑いを作って応えた。デニスさんはそのまま「それじゃ。」といって、「処理・解体室」の方へと戻っていった。
「そういえば、アラムさんに冒険者証を預けたまま返して貰ってないんですけど。」
「あら、そうなんですか?サブギルドマスターならすぐに9級の冒険者証を作っていましたよ。」
「その通り。遊んでいたわけでないよ。」
いきなりエレさんの後ろからヒョッコリとアラムさんが現れた。しかも、笑顔で。嫌な予感がまたする。「はい、これ新しい冒険者証。」とアラムさんからローザさんとエミーリアさんと同じ鉄製の冒険者証を渡された。これで初心者卒業ということかな。まだ2日目だけど。
「さて、ガイウス君。君には本ギルドのギルドマスターである『アンスガー・アルムガルト』からの指名呼び出しがあるよ。しかもパーティ『シュタールヴィレ』のメンバーも同じで呼び出しだ。一緒に来てくれるね。」
笑顔で手を差し出される。はっきり言って握りたくない。だってギルドマスターが家名持ち。しかもこの町「インシピット」や僕の故郷の村などを治めている領主様と同じ家名。あっ、これ厄介なやつだ絶対。
「その呼び出しは絶対ですか?」
「まぁ、普通は任意なんだろうけど、今回はギルドマスターが是非ともと言いているから拒否権は無いに等しいね。」
「もし、拒否したらギルドを追放されるんですか?」
「そんなことはないよ。肩身が狭い思いをするぐらいかな。もちろん君だけでなくパーティメンバーのお嬢さん方もね。どの程度かはわからないけれど。」
アラムさんが笑顔でそんなことを言ってくる。僕1人なら別にいいけど、ローザさんとエミーリアさんまで巻き込むことになるとこれでは脅しではないかと思っていると、1つだけ案が浮かんだ。と言っても今朝したばかりのこともう一度しようということなんだけどね。
「それなら、
アラムさんは一瞬ポカンとした表情をしていたけれど、すぐに笑い出しながら言った。
「今朝のアントンと同じことをしようというのかい。度胸があるし面白いね。ちなみに依頼内容としてはどんなものをお望みかな?」
「サブギルドマスターのアラムさんとギルドマスターのアンスガー・アルムガルトさん2人と僕たち『シュタールヴィレ』との対決です。成功条件は僕たちの勝利。報酬は白金貨3枚と呼び出しの拒否です。」
「んー、少し時間をくれるかな。ギルドマスターに相談してくるよ。」
そう言ってアラムさんはカウンターの奥にある階段へ向かって行った。
「ちょっと、ガイウス君。サブギルドマスターは2級でギルドマスターは準1級なのよ。アントンさんよりも強いのよ。私たちで勝てるわけないじゃない。」
「大丈夫ですよ。ローザさん勝機はあります。」
なにしろさっきアラムさんを【鑑定】したらチートの助力がある僕よりも能力値が低かった。ちなみに僕はゴブリンキングを倒したことでLv.が上がって33ある。
名前:アラム
性別:男
年齢:35
LV:55
称号:サブギルドマスター
経験値:24/100
体力:334
筋力:353
知力:350
敏捷:341
etc
・
・
能力
・識字 ・格闘術Lv.72 ・剣術Lv.84 ・火魔法Lv.70 ・防御術Lv.88
・回避術Lv.89 ・騎乗Lv.65 ・気配察知Lv.70
以上がアラムさんのステータスだ。さすがサブギルドマスター全般的に高水準だ。特に【火魔法】を持っているのが僕的にはありがたい。上手くすればこの試合で【火魔法】を覚えられるかもしれない。使ってくれればだけど。
「私はガイウスを信じる。」
エミーリアさんが僕の目を見てしっかりと答えてくれる。ローザさんはため息をつきながら、
「エミーリアがそういうなら、私もガイウス君を信じるわ。エミーリアの言葉に従って後悔したことなんてないからね。」
3人でそんな風に雑談しているとアラムさんともう一人男性が上階から下りてきて僕たちの目の前までやって来た。
「私が冒険者ギルド「インシピット」支部ギルドマスターのアンスガー・アルムガルトだ。9級冒険者のガイウス君とは君のことでいいのかな。」
ずいぶんと丁寧な対応をしてくれる人だなと思いながら「はい。」と返事をする。
「先ほどアラムが持ってきた件についてだが、2点変更してくれるなら
僕はその呼び出しが嫌で今回の案を出したんだけどなぁ。それでもすぐにアンスガーさんを【鑑定】をして笑顔で返事をする。
「いいでしょう。受けます。さぁ、手続きをしましょう。」
勝てそうな試合なら報酬もいいし戦うしかないね。呼び出しの拒否は諦めよう・・・。
ギルドマスターと共に受付カウンターまで向かう。また、並んでいた冒険者の皆さんがサァーと両脇に避けて道を開けてくれた。
「おい、ガイウスさん今度はパーティでギルドマスターとサブギルドマスターと闘うらしいぞ。」「マジかよ!?今度こそは負けちまうだろ。」「いや、わかんねぇぞ。さっきチラッと小耳に挟んだんだが、アントンさんとの試合の後に1人で森へ行ってゴブリンキングを討ってきたらしいぞ。」「2級推奨の魔物を1人で!?ヤベェな。目ぇ付けられないようにしとこ。」
また、好き勝手に言ってくれちゃって。まぁ、事実だから否定しようがないけど。受付につくとユリアさんがいた。
「ガイウス君は本当に周囲を飽きさせない人ですねぇ。ギルドマスターも大人げないですよ。」
「ユリアさん、ガイウス君と直接会って分かりましたよ。彼は強い。もしかすると私よりもはるかにね。だから、確かめたくなってしまいましてね。」
「まったく、まるで新人冒険者みたいじゃないですか。」
ん?なんかユリアさんの方が立場が上というか、ギルドマスターが下手に出ている。
「あのー、お二人ともどういうご関係なんでしょう?今の話を聞いていると、まるでユリアさんの方が上司みたいな印象を抱いてしまったんですけど。」
2人して顔を見合わせ、ユリアさんが「あっ」という表情をする。
「ガイウス君には言ってませんでしたね。私はエルフでこれでもギルドマスターの倍以上は生きているんですよ。それこそギルドマスターが子供のころから知っています。」
彼女は耳を覆う髪をかき上げ、エルフ独特の耳を見せる。僕は慌てて【鑑定】をかける。今まで種族の表示をステータスにさせていなかったが、表示するようにすると確かに『エルフ』と出た。年齢も・・・。ちなみに他のステータスも軒並み高水準だった。びっくりだ。
「でも、驚かされっぱなしだったガイウス君を初めて驚かすことができたみたいですね。」
笑顔で言われるとなんも言えない。見惚れる笑顔だ。顔が赤くなるのがわかる。
「おや、ガイウス君は年上のお姉さんが好きなのかな?パーティメンバーも年上のようだし。」
「あ、いや、そういうわけでは・・・。」
ギルドマスターが
「人生、経験だよ。様々なことを今から経験するといい。」
そう言って、また記入にもどる。第一印象といい悪い人ではないのかもしれない。しかし、ギルドマスターを【鑑定】して出てきた称号に嫌な予感が当たったと思うのだった。
名前:アンスガー・アルムガルト
性別:男
年齢:38
LV:62
称号:ギルドマスター、アルムガルト辺境伯次男
経験値:56/100
体力:400
筋力:411
知力:432
敏捷:398
etc
・
・
能力
・識字 ・格闘術Lv.80 ・剣術Lv.90 ・槍術Lv.89 ・弓術Lv.75
・火魔法Lv.70 ・水魔法Lv.65 ・風魔法Lv.72 ・防御術Lv.92
・回避術Lv.90 ・騎乗Lv.88 ・気配察知Lv.74
アルムガルト辺境伯次男って、領主様のご子息ということじゃないか。怪我でも負わせたら処罰されるんだろうか。しかし、さすがギルドマスターだステータスに隙が無い。【水魔法】を【風魔法】を取得したいから試合では使ってほしいな。
「あの、ギルドマスター。試合は全力でいいんですよね?」
「ああ、全力でお願いするよ。」 記入しながらギルドマスターが答える。
「でも、領主様のご家族に怪我をさせたら・・・。」
「そんなことは気にしないでいいよ。試合中の怪我なんて普通だろう。ましてやギルドマスターといえども冒険者だ。そのくらいの覚悟ぐらいなければ此処にはいれないよ。」
記入を終えた用紙をユリアさんに渡し、僕の目を見てそう言ってくれた。
「それでは、全力でいかせていただきます。」
「望むところさ。」お互いに握手をする。
「お二人とも、
ユリアさんの言葉に従い、それぞれのパートナーとパーティと合流し、練習場へ向かう。
見てくださりありがとうございました。
お気に入り、しおり、評価共に励みになります。ありがとうございます。