異世界の神様からチート能力?を貰いました。   作:名無しの兵六

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第160話 悩み事

 退職者の再雇用案はヘニッヒさんからも賛同を得ることができた。後は幹部会議で承認を得るだけだ。自分の執務室に戻りクリスとユリアさんと共に仕事をしていると、ふと気になったことがあったので聞いてみた。

 

「そういえば、ユリアさんは当然としてクリスも書類仕事の手際がいいよね。なんでなの?」

 

学園(アカデミー)でそういうことも学びますのよ。法衣貴族の方々はそのまま省庁勤めになることが多いですから。」

 

「なるほどね。ねえ、トマスとヘレナも学園(アカデミー)に通わせた方がいいのかな?」

 

「そこは、ご家族の問題ですから何とも・・・。しかし、通って損は無いかと。辺境伯であるガイウス殿のご家族でありますから、嫌がらせを受けることも無いでしょうし。」

 

「やっぱりそういうのはあるんだね。」

 

「ええ、人の集まりですからどうしても(いさか)いの1つや2つは起こってしまいますわ。」

 

 むー、兄としてはトマスとヘレナにはのびのびと育ってほしい。しかし、色んな世界を知ってほしい。冒険者登録ができるようになったら旅に出してもいいだろうか?いや、農作業で幾分か筋肉はついているとしても、戦闘技術が無い。ならば、呂布かボブに頼んで修練するか?

 

 書類仕事の手を休めずにそのことをクリスとユリアさんに相談する。

 

「それでしたら、まずは私たちがトマス君とヘレナちゃんを鍛えて育て上げましょう。そして、一定の水準に達したら呂布将軍とボブ海兵隊最上級曹長の訓練を受けさせます。これを学園(アカデミー)に入学するまでに終わらせます。学園(アカデミー)入学と同時に冒険者登録を行い、学業と兼業してもらいます。そうすれば、卒業までには十分な実力を持つことができるでしょうし、所帯を持つまでの間に旅もできます。どうでしょう?」

 

「ああ、それはよいですね。お願いできますかユリアさん。」

 

「ええ、もちろん。ね、クリスティアーネ様。」

 

「はい、ガイウス殿のご家族は我々の家族同然です。」

 

「ありがとう。2人とも。」

 

「ところで、ご家族は何時(いつ)こちらに起こしになっていただくのですか?」

 

「う~ん、完全にゲーニウス領が僕の管理下に置かれる5月末を過ぎてからになるから、6月かな。雨季だから【空間転移】を使うつもりだよ。」

 

 そんな雑談を続けながら仕事を進めていく。お昼はユリアさん達がお弁当を作ってきたので、執務室内ですませた。パンに色んな具材を挟んだもので食べ応えがあって美味しかった。

 

 午後からも普通に仕事だと思っていたら、来客の知らせがあった。誰だろうと思って名前を聞くと、アキームさんだった。すぐに、応接室に案内し椅子を勧める。

 

「お久しぶりです。閣下。書状を戴きましたので参りました。」

 

「お久しぶりです。アキームさん。住居のほうは?」

 

「今、探している途中です。しばらく宿屋住まいです。」

 

「ふむ、ならば、屋敷に来ますか?部屋なら()いていますが。」

 

「いえ、そこまで甘えることはできません。」

 

「家財道具もあるのでは?」

 

「それは、この通り魔法袋があるので。」

 

 そう言って、背負っていた革袋を見せてくれる。魔法袋だったんですね、それ。まあ、これ以上引き留めても悪いし、早く新居が見つかるように何か手伝おうかな。あ、僕の家紋入り紹介状とかあれば融通してくれるかもしれないね。少しだけ時間を貰い用意する。

 

「良い所を融通してもらえるように記載したものが入っています。封筒には封蝋印はあえて押していませんので何回でも使えますよ。」

 

「ご挨拶のみのつもりがお手数おかけして申し訳ありません。それで、私はいつごろから働けばよろしいのでしょうか?」

 

 アキームさんには戦闘部隊での後衛指揮官として働いて欲しいんだけど、まだ、部隊も出来上がってないからなあ。

 

「とりあえずは、こちらで僕の書類仕事を手伝ってください。それと、“シュタールヴィレ”に同行して黒魔の森で実戦の感覚を取り戻してください。これを1日おきにしてもらえれば助かります。」

 

「承知しました。武具の手入れは(おこた)っておりませんので、実戦はいつでも参戦可能です。それでは、私は失礼いたします。お時間を取っていただきありがとうございました。」

 

「こちらこそ、ゲーニウス領に来ていただけて心強いです。あ、それと、他人の目がある場所では上から目線の言葉遣いになると思いますので、申し訳ありませんが・・・。」

 

「いえ、閣下。それが普通なのですよ。お気になさらず。」

 

 アキームさんが退室した後、僕は頭を抱えた。兵士の教官は【召喚】したけど、指揮官の教官を【召喚】していないことに気づいたからだ。終業後にエドワーズ空軍基地で【召喚】しないといけないよね。

 

 というわけで、終業時刻になると同時に、クリスとユリアさんと共にエドワーズ空軍基地のシンフィールド中将とジョージを訪ねた。

 

「ふむ、指揮官の育成ですか。となると、士官学校の教官が良いでしょう。ですがお(すす)めできません。普通にこちらの世界の退役軍人などを教官にしたほうがよろしいかと。兵のほうは海兵隊方式でも大丈夫でしょうが、指揮官の錬成にはこちらの世界の方法がよろしいでしょうね。」

 

「理由を聞いても?」

 

「単純なことです。アメリカ陸軍の戦略・戦術を教えても意味がないからです。剣や魔法を使った戦闘の指揮経験など誰もありませんから。随時マーティン中尉のように専門分野を持った個々人の士官を召喚して指揮官として組み込んでいった方が効率が良いかと。ただ、今後を見据(みす)えて士官学校のようなモノを設立するのはよろしいかと思います。」

 

「なるほど、参考になったよ中将。中尉もありがとう。」

 

 シンフィールド中将の言うようにした方が良いかもね。となるとオツスローフ方面軍司令官のジギスムントさんに、良い人材がいないか相談をしてみようかな。それと、

 

「話しは変わるのだが、龍騎士(ドラグーン)が運用できるようになるまでに、“空の目”が欲しい。やはりRF-4Cが良いかね?」

 

「閣下がどこまでの範囲を求めておられるかにもよります。哨戒飛行ならば極端ではありますが、どの航空機でもできます。」

 

「地上や海上を見張りたい。」

 

「それならば、P-8“ポセイドン”及び派生型のP-8AGSがよろしいでしょう。速力はRF-4Cに劣りますが大型なので哨戒能力に優れています。8,300kmの航続距離がありますし、空中給油機がいれば航続距離の延長も可能です。兵器倉と左右の翼に1カ所ずつ兵装を吊り下げるハードポイントがありますので、地上、海上、海中の敵に対しての攻撃も可能です。」

 

「わかった。明日、【召喚】することにしよう。」

 

「ありがとうございます。これで基地としての本領が発揮できます。」

 

「夕食前に時間を取らせてすまなかった。それでは、明日の朝にまた来る。」

 

「「はっ、閣下。」」

 

 2人に敬礼で見送られながら、応接室をあとにする。クリスとユリアさんは別室に案内されていたので、2人と合流してクレムリンへと帰る。やらないといけないことが山積みだ。っていうかさ、これって12歳のすること!?地球の神様、恨みますよ~。




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