異世界の神様からチート能力?を貰いました。   作:名無しの兵六

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第170話 ハンス・ウルリッヒ・ルーデル

『タワー、こちらライトニング1。ルーデル大佐だ。滑走路進入許可を。』

 

「『ライトニング1、こちらタワー。滑走路への進入を許可する。』」

 

 管制塔に上がってルーデル大佐が操縦するA-10Cの姿を双眼鏡で確認する。その間も管制官とやり取りを行なっている。そして、ついに“魔王(ジョージ曰く)”が空へと解き放たれる瞬間が来た。

 

「『ライトニング1、風は148より2ノットの微風。クリアード フォー テイクオフ。』」

 

『了解。ライトニング1、離陸滑走を開始する。・・・V1、・・・VR、・・・ランディングギア格納。3,000フィートまで上昇中。』

 

 ルーデル大佐のA-10Cがグングン蒼空へと上昇していく。旋回してクレムリンの上空に差し掛かった時に管制官が「『高度制限を解除する。』」と伝えたら、上昇の速度が増した。すぐに雲の中に入り肉眼では見えなくなる。

 

 滑走路にはすでにP-8AGSが離陸準備に入っていた。僕は離陸を見届けることなく基地の指令所へと向かう。指令所内にはシンフィールド中将がすでに居て隣の椅子を勧められて着席する。「紅茶を閣下と私に。」副官さんにそう命じた後、

 

「AWACSを早期導入する必要がありますな。」と提案してきた。

 

「えーわっくす?」

 

「はい、閣下。早期警戒管制機、あるいは空中警戒管制機という機種です。P-8並みの大型機となります。航空管制や指揮・統制を行うのですよ。」

 

「ふむ、なるほど。確かに今後も航空機を増やしていけば必要になるな。」

 

 持ってきてくれた紅茶を飲みながら【遠隔監視】でルーデル大佐のA-10Cの様子を見ながら会話を進める。楽しそうに歌を口ずさみながら操縦しているよ。

 

「極端なことを言えばGPS衛星を打ち上げたいものです。それがあれば航空機をはじめとして船舶、人間など全ての移動するモノはエシダラにおける自分の居場所を即座にわかることができます。」

 

「地球ではそれが一般の人にも使えるようになっているかね?」

 

「ええ。最初は軍事用でしたが今では子供でも使えるようになっていますよ。」

 

「それは、素晴らしい。ところでGPS衛星?だったかな。打ち上げるとは常に上空にあるということかい?」

 

「ええ。複数個を宇宙空間に打ち上げます。」

 

「宇宙!?はあ、それはまたとんでもないことだ。我々の文明は地球と比べると遅れているのがわかるだろうが、宇宙は星々の瞬く神聖な場所と信じられてきている。それこそ神の住まう場所と言う者いる。そうそう簡単には打ち上げることは難しいな。いらない反発を招く可能性がある。まあ、フォルトゥナ様は笑って許して下さるだろうがね。」

 

 そう言って肩をすくめる。シンフィールド中将もため息をつきながら、

 

「狂信的な信仰は何よりも脅威ですな。何処の世界でも。」

 

 と同意してくれた。

 

『こちらライトニング01。ベース(エドワーズ空軍基地のことだよ)応答を。』

 

「『こちらベース。』」

 

『目標上空に到達した。』

 

 ルーデル大佐の言葉通り、彼は最初の目標であるゴブリンの集落の上空を旋回していた。

 

「『エコー3(P-8AGSのことだよ)が130秒後に合流する。目標確認をエコー3が行なった後に攻撃開始だ。武器使用は自由。』」

 

『了解。』

 

 そして約2分後。エコー3による目標の確認が終わり、ルーデル大佐に攻撃許可が出た。

 

『さあ、戦争を始めよう。』

 

 【遠隔監視】ではルーデル大佐のA-10Cが攻撃を開始する様子が映し出されている。Mk77を投下し火の海になったところでハイドラロケット弾を撃ち込んでいく。森に逃げ込もうとするゴブリンには30mmガトリング砲“アヴェンジャー”が火を噴き、文字通り血煙となって死んでいく。アヴェンジャーによって砕かれた木の破片が弾丸のように周囲のゴブリンに襲いかかり死体を順調に生産している。

 

『・・・凄いな。的確にゴブリンを殺している。これが唯一、黄金柏葉剣付ダイヤモンド騎士鉄十字勲章を授与されたハンス・ウルリッヒ・ルーデル大佐の実力・・・。』

 

『いやいや、エコー3勘違いして貰っては困る。このA-10Cが素晴らしい。ああ、私の部隊にこの機体があれば東部戦線を押し戻せるのにな。これは赤のブリキどもを粘土に変えてしまう機体だ。素晴らしい!!』

 

 そう歓喜の声を上げながらゴブリンを蹂躙していく大佐。素人の僕が見ても無駄弾を撃ってないように見えるから相当な実力の持ち主なんだなあ。戦闘を楽しんでいるように見えるのは呂布や義弘たちに僕が影響されているからかな?

 

『フム、見える分は全て討ち尽くしたと思うが、エコー3どうかね?』

 

『はい、こちらでも大佐の戦果を確認しました。逃したゴブリンはゼロです。』

 

『幸先の良いスタートだな。次は・・・オーク?だったか。そちらに向かう。ベース、指令に変更は無いか?』

 

「『変更は無い。そのまま第2目標のオークの集落を攻撃せよ。』」

 

『了解。それではエコー3、向かうとしようか。』

 

 その通信から15分後、ルーデル大佐のA-10Cはオークの集落も簡単に潰してしまった。途中で『楽過ぎて欠伸(あくび)が出る。』と言っていたけど、欠伸(あくび)をしながら歌を口ずさみオークを殺せる人間はこの世界には少ないよねー。

 

 さて、戦果を挙げたルーデル大佐を(ねぎら)うために昼食を豪華にしようと思って、シンフィールド中将にお願いしようと思ったときに通信が入った。

 

『ガイウス卿、シンフィールド中将、残弾がまだあるのですが他に潰しても良い敵はいませんか?』

 

 というルーデル大佐の声が聞こえてきた。いやはや疲れを全く見せないとは凄いね。ちなみに許可を出したら3つも群れと集落を潰してくれたよ。

 

 何者なんだろうねルーデル大佐って。ただのパイロットじゃないよね。ジョージの言う通り普通のパイロットではないよね。僕にとっては良い意味で“ヤバい人”かもなあ。




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