異世界の神様からチート能力?を貰いました。 作:名無しの兵六
帰り際に声をかけて私室の応接間にイオアンさん、ツァハリアスさん、ピーテルさんに集まってもらった。メイドさんや執事さんには軽食と飲み物の用意だけしてもらって退出してもらったよ。
「ガイウス殿、改まってお話しとは?イオアン殿やピーテル卿にも関係しているのでしょうか?」
「察しが早くて助かります。ツァハリアス殿。ピーテル卿、
「はい、閣下。私の手の者がアイソル帝国海軍の動きを察知しました。近日中にシントラー領へ向けて侵攻作戦を行うようです。」
「なっ!?ガイウス殿、本当ですか?」
ツァハリアスさんが驚いた顔で僕を見る。僕は頷き、
「イオアン殿からも情報提供がありました。そうですね、イオアン殿?」
「はい、ツァハリアス殿。私の方でも中央の動きが怪しいのを察知しまして探りを入れたところ海軍の動きに怪しい点をいくつか見つけまして。しかし、陸軍閥に属している私は警戒されておりましてピーテル卿のように詳しくは探れませんでしたが。」
そういってイオアンさんはバツの悪そうな顔をして頭を下げた。
「イオアン閣下、頭をお上げください。本来ならばこのような役目は私の領分でありますのに、イオアン閣下とピーテル卿に情報を提供して貰えただけでも十分です。まぁ、私の力不足も感じましたがね。ガイウス殿が我らを集めたのはこのことだったのですね。」
「そうですツァハリアス殿。今こそ先に締結した“相互安全保障条約”の出番です。シントラー領にオリフィエル領から海軍戦力をまわします。それと・・・。」
「横槍を入れて申し訳ないがこの話しは私が聞いても大丈夫なのでしょうか。ガイウス殿。」
「大丈夫ですよ。イオアン殿。もし、貴殿がこの場での話の内容を帝国海軍に持っていったとしても我々に不利になることはありません。」
「ふむ、ならばよいのですが。」
「しかし、我々が帝国海軍の侵攻を見越して防衛戦を行えば貴殿は疑われるのでは?」
「ああ、心配無用ですよガイウス殿。海軍連中はいつだって陸軍閥に良い感情を持っていないので。逆もまた然りです。ま、今回はピーテル卿の手の者が掴んだ情報の方が精度が高いですからな。海軍が何か言ってきても“ガイウス・ゲーニウス辺境伯が開催される式典に参加したが、王国貴族から今回の海軍侵攻の話を聞いた。間者に侵入された海軍が悪い。”と言えますから。」
「そんなものですか?」
「そんなものなのですよ。それにこちらは何と言っても有数の実力を持つ辺境伯家ですから。難癖をつけて皇帝陛下の御耳でも入りでもしたら海軍首脳部の首が飛びますよ。話しの腰を折ってしまい申し訳ありませんでした。先程の続きを、ガイウス殿。」
さすが国境防衛の要の辺境伯家だね。皇帝からの信任は厚いようだ。さて、話しの内容を元に戻そう。
「シントラー領にはオリフィエル領から海軍戦力をまわし、我が領からは
「ああ、あの能力ですね。確かにあれなら守りは万全になるでしょう。」
ツァハリアスさんが首肯する。
「我々には話して戴けないのでしょうか?」
ピーテルさんが問いかけてくるけど、う~んどうしようか。
「イオアン殿は能力の一端を知っています。例の国境砦の件での能力です。ピーテル卿にはお話しするよりも実際に見て戴いた方がよろしいでしょう。オリフィエル領に帰領するのが遅れますがよろしいですか?」
「それは大丈夫です。妻に任せてありますので。」
「わかりました。ただし口外厳禁です。」
「勿論です。」
ピーテルさんにはルーデル大佐とコールドウェル大佐が希望しているモノを【召喚】するところを見てもらえば大丈夫だろう。
イオアンさんは、
「あの力と同等のモノであれば問題ありませんな。」
と言ってくれたので説明の手間が省けて良かった。
「それにしてもこの酒は美味いですな。王国貴族はこのような酒をお飲みになるのですか?」
「いや、私も初めてこれほどのモノを戴きました。ピーテル卿は?」
「ふむ、侯爵位に在ったときにも戴いたことはありませんな。」
「なるほど。ガイウス殿、この酒は一体何という酒ですかな?」
イオアンさんに尋ねられる。【召喚】したとはまだ言えないからふんわりと説明しよう。
「ブドウから造った果実酒になります。名は“ロマネ・コンティ”と。今回、参加した皆に手土産として3本ずつご用意して渡しております。」
「なんと!?これを3本も!?王国のどこで手に入れることができるのかお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「申し訳ありません、イオアン殿。この果実酒は私からしか手に入れることができません。」
「入手経路は・・・無理でしょうな。」
「ええ、欲しいときは私を訪ねてください。」
イオアンさんは深くため息をつくと、
「ならば、もう少しだけここでこのロマネ・コンティを味わってもよろしいでしょうか?」
「ええ、どうぞ。ツァハリアス殿もピーテル卿も遠慮せずに、さあ。ああ、追加の
そう提案すると3人とも笑顔で首肯した。お酒の力って凄い。
十数分後、キーラさんとドゥルシネアさんに父さんと母さん、シュタールヴィレの面々が加わりちょっとした宴状態になってしまった。成人組はロマネ・コンティをかなり気に入ったようで、優雅に飲みつつどんどん空のガラス瓶を量産している。年に6,000本ぐらいしか生産できないお酒みたいだから地球の人が見たら卒倒しそうだね。
読んでくださりありがとうございます。