異世界の神様からチート能力?を貰いました。   作:名無しの兵六

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第183話 雑談

 オリフィエル領都ナドレンの近くの森にクリス達シュタールヴィレの面々と【空間転移】をする。人数分の馬を【召喚】し、騎乗しナドレンの門へと向かう。みんなは普通の格好だけど、僕とジョージが通信機を背負ってヘッドセットを付けているのでちょっとだけ異様な集団になっているね。

 

 シンフィールド中将が四方に飛ばしているAWACSのE-3Gが通信を中継してくれるから安心安心。そう思っていたら早速の通信だ。

 

『こちらライトニング1。ルーデルだ。中将閣下は?』

 

『シンフィールドだ。どうしたライトニング1?』

 

『いやなに、離陸直前にフライトプランが変わったでしょう?閣下は“敵性艦隊の集結状況の偵察。”と言われましたが、攻撃をされた場合は反撃してもよろしいので?ナパームなら敵性艦隊も【火魔法】による攻撃と考えるのではないですかな。』

 

 おっと、これはどうもよくない。帝国艦隊に警戒をされると困る。今回の作戦は帝国艦隊を王国領海に引きずり込んでそこで殲滅する予定なのだから。警戒して領海ギリギリの示威行動なんてされちゃったら手が出せないからね。僕は通信に横入りする。そのため、一時的に通信が混戦し雑音が入る。

 

『ん?誰だ?ガーデルマン、お前か?』

 

『私じゃないですよ。このランターンとかいう装備を試しているんですから話しかけんでください。』

 

「私だ。ガイウスだ。通信の内容を聞かせてもらっていたが、ルーデル大佐、攻撃をされても反撃は無しだ。」

 

 その後、帝国艦隊殲滅作戦について話しをした。そしたら普通に納得してくれた。よかったぁ。理由を聞いたら、

 

『殲滅戦に小官も参加できるのであれば文句などありません。木造船はさぞよく燃えるでしょうな。』

 

 と少し弾んだ声で言われて返事に戸惑っちゃった。まぁ、なんとかこれで不慮の事態を回避というところかな。一安心していると、クリスが馬を寄せてきた。

 

「ガイウス殿、ガイウス殿。今、お話しされていた作戦については(わたくし)達も参加できるということで理解しているのですが、その、旗艦はあの“霧島”という鋼鉄艦になさるのですか?」

 

「いや、違うよ。オリフィエル海軍の旗艦“ヴァルター”を連合艦隊の旗艦にするつもりだよ。その話しも今日、関係するみんなと話そうと思ってね。あ、ジョージは航空支援の管制をするから“霧島”に乗艦してもらうからね。」

 

 ジョージは嬉しそうにガッツポーズをして敬礼してくれる。僕は笑いながら答礼し、クリスの次の言葉を待つ。

 

「“ヴァルター”はオーラフ級帆船でしたわね。シントラー海軍はより大型のレナート級帆船の“ヘンリク”が旗艦ですからそちらの方がよろしいのでは?」

 

「う~ん、そうなんだけど、艦歴がね。“ヘンリク”は14年。対して“ヴァルター”は5年。【風魔法】や【水魔法】で無理やりに船を機動させるから新しい方が耐えられると思ったんだ。それに“ヴァルター”は快速中型帆船に分類されるからね。二つの艦隊を指揮するには船速があって無理のきくこっちのほうがいいかなぁとね。」

 

「なるほど。わかりましたわ。それならば、装備を厳選しないといけませんわね。」

 

「う~ん、クリス達が戦うことはほとんどないとは思うけど。」

 

「貴族としての義務ですわ。連合艦隊の大多数の将兵は平民でしょう?平民より先に立って戦ってこその貴族ですから。」

 

「確かにそうだけど、クリスやみんなをあまり矢面に立たせたくはないなぁ。」

 

 そう言うと、エミーリアさんがボソッと、しかしはっきりと聞きとれる声量で、

 

「自分は先頭に立って戦うくせに・・・。」

 

 と言われてしまい困っているとレナータさんが、

 

「んじゃ、私が龍にもどって戦うのはどうだい?」

 

 と、とんでもないことを言い出したので、僕は驚きつつも制止する。

 

「他の龍の方々を刺激しかねないのでダメです!!」

 

「黒龍のじいさんと白龍のばあさんは笑って許しくれそうだがねぇ。緑龍は基本的に我関せずだしね。あー、青龍らへんは海が住処だから怒るかもしれんなぁ。リヴァイアサン共も暴れるかもしれないねぇ。」

 

「尚更、駄目ですよ・・・。」

 

「そうかい?じいさんとばあさんが許してくれたら他の龍も納得するよ?」

 

「え?龍って序列があるんですか?」

 

「ん~、明確な序列ってもんじゃないけど、とりあえず黒龍のじいさんと白龍のばあさんの意思決定にはみんな従う感じだね。あっ、そうだ。あんたに近いんだよ。」

 

「僕にですか?・・・あぁ、フォルトゥナ様のお言葉が聞こえるとか?」

 

「そんな感じだね。2人ともフォルトゥナ様に生み出されたからフォルトゥナ様の子供みたいなもんなんだよ。」

 

「へぇー。それって、本とかには書いてないですよね?」

 

「ああ、龍の常識みたいなもんだからね。」

 

 これは、書き留めておこう。龍の研究に手助けできるかも。そう思いながら、馬上でメモをしていると、アントンさんが声をかけてきた。

 

「なあ、ガイウスよ。俺達が旗艦に乗り込んで戦闘に参加するのはわかるが、俺とローザの嬢ちゃんはどうするよ?前衛だから、クリスティアーネ様やエミーリアの嬢ちゃん、レナータ嬢のように遠距離攻撃はあまり役に立たんかもしれんぞ?それとも、旗艦で接舷攻撃でもするかね?」

 

「まぁ、状況次第ではそうなるかもしれませんけど、当日にならないとわからないですよ。」

 

「そうだろうな。すまんな、つまらんことを聞いた。」

 

「いえ、質問があればいつでもどうぞ。ローザさんはどうですか?」

 

 ローザさんの方を見ながら話しをふる。ローザさんは少し考え、

 

「特にないわね。ああ、でもいつもより魔法の練習時間を増やしてくれると嬉しいかも。当日に遠距離攻撃ができるまで上達するかもしれないし。アントンさんもどうかしら?」

 

「僕はかまいませんよ。」

 

「ああ、俺もそうしてくれると嬉しいな。頼むな。」

 

「はい、任されました。」

 

「しかし、人の相手は久しぶりだな。うまく()れるかねぇ・・・。」

 

 そんな感じで雑談をしながら進んでいれば、もう門に着いた。僕の姿に気付いた衛兵さんが走って来る。鎧の形と赤い二本線から領都衛兵隊第3中隊第2小隊長のダミアンさんだね。

 

「ガイウス閣下。シュタールヴィレの皆さま、ご無事で何よりです。昨晩は野営すると仰られていたので心配しておりました。いくら我々、衛兵隊や領軍が巡回しているとはいえ夜の森の支配者は魔物に獣ですから。」

 

「問題は無かったが、貴官にいらぬ迷惑をかけたようだ。今夜からはピーテル卿の所にやっかいになるとしよう。」

 

「ええ、ピーテル様もご安心なさるでしょう。本日もピーテル様は行政庁舎にいらっしゃいますので、ご案内いたします。」

 

「いや、場所は昨日、覚えたので大丈夫だ。貴官は職務に戻るといい。」

 

「はっ、了解いたしました。では、皆様の身分証を確認いたします。・・・ありがとうございます。それでは、どうぞお入りください。」

 

「ありがとう。」

 

 どうやら、昨夜の行動はピーテルさん達を心配させてしまったみたいだね。ん~、【空間転移】の能力をピーテルさんに伝えるべきかなぁ。悩むところだね。




読んでくださりありがとうございます。
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