異世界の神様からチート能力?を貰いました。 作:名無しの兵六
ヘラクレイトスの
ツァハリアスさんのお屋敷を訪ねると、丁度、行政庁舎から昼食のために戻ってきたツァハリアスさんとバッタリ会いそのままお昼に誘われた。断る理由も無いので、ありがたく同席させてもらうことにしたよ。案内された食堂には、ツァハリアスさんと奥さんのドゥルシネアさんがいて、他に2人の男の人がいた。多分、以前に名前だけを聞いていた長男のフィンさんと次男のアンテロさんだろう。【鑑定】をかける前に自己紹介をしてくれる。
「お初にお目にかかります。フィン・シントラーと申します。」
「同じく、お初にお目にかかります。アンテロ・シントラーと申します。」
「うむ、ゲーニウス領領主ガイウス・ゲーニウス辺境伯である。以後、よしなに。」
そう言って、お互いの挨拶をすませる。
「いつも通りで構わないだろうか?」
とツァハリアスさんに視線を向けると頷いてくれたので、貴族調の口調はおしまい。いつも通りの口調で話し始めると、フィンさんとアンテロさんはビックリしていた。まぁ、そうなるよね。昼食が終わると、僕はツァハリアスさんと一緒に行政庁舎に向かう。フィンさん達はシントラー領海軍司令部に戻っていった。
行政庁舎に着くと、すぐに応接室に通してくれた。
「人払いは必要でしょうか?」
「いや、必要はない。ツァハリアス卿には例の救助隊の件について、どうなったかを聞きたいのだ。」
「そうでしたか。教会の方からは承諾を貰えました。救助船も艦歴の古い船の武装を外し、外装を白く塗り、フォルトゥナ教の紋を描くように手配しています。」
「それはよかった。それでは、私はこれから国軍艦隊司令部に行くので失礼する。」
「お送りしましょう。」
「いや、大丈夫だ。ありがとう。」
そうお礼を言って、行政庁舎をあとにする。
軍港について、国軍の水兵さんをつかまえて、シントラー領国軍艦隊司令のホベルトさんの所へと案内してもらう。ちなみに、ホベルトさんはドワーフだよ。司令官室にもすぐに通してもらえた。マヌエルさんと一緒で、従卒の水兵さんはいないみたいだね。
「ガイウス閣下、どうぞおかけになってください。お久しぶりです。クラーケンの件以来ですかな?」
「ええ、そうなりますね。」
「今日はどのようなご用件で?っと、お飲み物を用意しておりませんでしたな。パッションフルーツの良いジュースが手に入ったのですが、そちらでよろしいでしょうか?」
「はい、ありがとうございます。」
「では、少々お待ちを。」
そう言って隣の部屋にジュースを取りに行く。
「お待たせしました。」
そう言って、氷で冷やされたジュースが目の前に置かれる。朝のオリフィエル領国軍艦隊司令マヌエルさんとのやりとりを思い出して笑みがこぼれる。
「何かおかしなところがありましたか?」
ホベルトさんが聞いてくるので午前中にあったマヌエルさんとのことについて語る。すると、ホベルトさんは笑い声を上げて、愉快そうに言う。
「そうでしょうとも。マヌエルとは同期でして、ドワーフと人族で人種は違えども、互いに平民出身でしかも得意な【魔法】は同じ【水魔法】。やつとは気が合いまして、腐れ縁と言えばよろしいのか、最初に配属された船は同じ。その後の参謀教育に入った期日も同じ。その後、配属された司令部も同じ。勿論、昇進の早さも同じでした。そして、今はこうして隣り合う領でお互い艦隊司令を
「なるほど、そうだったのですね。」
「ええ。おっと、無駄話をしてしまいましたな。本日のご用件をお伺いしましょう。」
「はい、こちらの書類をご覧いただきたいのです。」
「お借りします。ふむ・・・。」
ホベルトさんが書類に目を通している間に、パッションフルーツのジュースを飲む。控えめの酸味にそれに打ち勝つほどの甘味がとても美味しいね。カラフェからおかわり貰おうっと。
2杯目のジュースを楽しんでいると、書類に目を通し終わったホベルトさんが長く息を吐いた。
「閣下に指揮権を移譲するのは承知しました。確認ですが総旗艦はオリフィエル領海軍の“ヴァルター”ですな。」
「はい。」
「あと、一つ。この走り書きの書類。昨日、帝国の強行偵察艦隊と遭遇し、戦闘を行い、ダーニャ級1隻を撃沈。2隻を拿捕し、艦隊を殲滅したのは本当でしょうか?」
「本当の事ですよ。ですから、その続きの捕虜の人数や捕縛した指揮官のイリダル・レオンチェフ男爵が教えてくれた敵の総司令の名に敵艦隊の総数も進発日時も本当の事です。」
「なんともまぁ・・・。流石は閣下ですな。」
そう言って、ホベルトさんは自分の分のジュースを一気に飲み干す。
「しかし、人生で1度あるか無いかの大海戦となりそうですなぁ。武人としては大変に心が躍りますが。」
「ええ、まさしく。600の寡兵で1,000を超す大軍を破るのです。王国の歴史に名を刻む海戦となるでしょう。」
「しかし、大胆な作戦ですな。ネリー山脈の端、エルカン岬に閣下の私兵艦隊以外の全艦隊を配置し、押し負けるように演技をしながらシントラー領のラルン岬沖で反転、寡兵にて帝国艦隊を薄く逆包囲。それとほぼ同時に岬に待機させていた
「12歳ですよ。ホベルト殿。ただ、助けてくれる仲間がいるのです。」
苦笑しながら答える。今回の作戦を実行できるのだって、シンフィールド中将やルーデル大佐、レドモンド大佐、コールドウェル大佐にジョージやボブ達とかの他のみんなのおかげだよね。僕1人なら無理だもん。
ホベルトさんとはしばらく雑談をして国軍艦隊司令部をあとにした。ラルン岬にはすでにシントラー領軍が防衛陣地の構築と救助船から降ろした弩砲とかを設置中で帝国艦隊の襲来までには間に合うそうだ。
さて、次は、救助隊を運用してくれる教会に挨拶に行こう。ネヅロンの教会には初めて訪れた時に一度行っているから場所は覚えている。司祭様はカルラ・エシュさんと云って珍しい貴族出身の女性司祭様だ。神父様はツェーザルさん。聖騎士団の医療団に所属していたらしいけど、年齢で一線を
ま、その2人に今から挨拶に行くわけ。
そして、着きました。フォルトゥナ教教会ネヅロン支部。早速中に入ると僕の事を覚えてくれていたらしい巫女さんが挨拶するなり、
「すぐに、司祭様と神父様をお呼びいたします。」
と言って、教会の奥へと駆けていった。別に急いでいるんじゃないけどなぁ。あ、そうだ。最近、お祈りできていなかったから、フォルトゥナ様の像にお祈りしよう。そして、視界が白い光に包まれる。
「久しぶりね。ガイウス。貴方のことをよく見ていたわ。」
目を開けると、フォルトゥナ様が椅子に座っていた。
「貴方のも、今、用意するわ。それと、飲み物もね。こちらにいらっしゃい。」
そう言うと、何もない所から椅子と紅茶とお茶菓子が乗ったテーブルが出てきた。フォルトゥナ様の言う通りに椅子に座る。
「まずは、ガイウス、貴方に感謝を。貴方たちが黒魔の森の魔物を討伐してくれたおかげで邪気が弱まりつつあるわ。邪神が出現するのが遅くなるでしょうね。でも、今度、大きな
フォルトゥナ様が笑顔で言う。僕はその言葉に戸惑いながらも紅茶を口にする。
「ところで、今日は“地球の神様”はいらっしゃらないんですか?」
「あら、アイツが居た方がよかったのかしら?」
「あ、いえ、そういうわけではなく・・・。」
「フフ、わかっているわよ。意地悪してごめんなさいね。ちょっと、地球のほうでほとんど同時に30万人近く死んじゃったみたいでね。しかも、その地域が
「はぁ、大変なんですね。でも、同時に30万人も亡くなるなんて何が起きたんですか?戦争ではないですよね。」
「それは、秘密よ。アイツが此処に来たら聞くといいわ。話してくれるかどうかはべつだけどね。」
「わかりました。ところで、今回、僕を此処に呼んだ理由を聞いてもいいですか?僕はただ祈りを捧げていただけなので。」
「貴方に会いたかったからに決まっているじゃない。1,000年後か5,000年後か10,000年後になるかわからないけど、私の夫となるのだから、定期的に会いたいのよ。ただ、それだけ。さて、今回はここまでにしましょうか。教会で貴方を待っている人達がいるからね。」
その言葉と共に視界が真っ白になり、僕は教会に戻ってきた・・・はずなんだけど、まだ視界が白い。よく見ると僕の背から生えた純白の翼らしい。その翼が僕を包み込むような形になっていたみたい。
翼を消して立ち上がると、僕とフォルトゥナ様の像に向かって祈りを捧げている教会の皆さんがいる。すぐに僕が言葉をかけるとみんな「良いものを拝見しました。」と口々にお礼を言ってくる。別にそんなに大したことじゃないんだけどね。
さて、此処に来た本来の目的を
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