異世界の神様からチート能力?を貰いました。   作:名無しの兵六

26 / 196
第26話 交流会

 会場についたのは、僕たちが最後だったようだ。談笑をしていた人たちの視線が集まる。何人かは僕を見て顔を引き()らせている。ありゃ、トラウマになっちゃったかな?まぁ、笑顔でも作っておけばいいだろうと思って、ニッコリと笑った。すると、顔を引き()らせるどころか、顔色まで悪くなる人が増えた。・・・あれ?

 

 アンスガーさんが「気にしないでくれ。」と言ったので気にしないことにした。さて、僕たちは何処に行けばいいのだろうか。アンスガーさんについて行くと、ダヴィド様とヴィンフリート様のいらっしゃるテーブルの近くまで来た。あ、コンラート団長もいる。アンスガーさん曰く「ガイウス君は今日の主賓だからね。」ということで、テーブルがダヴィド様たちの近くになったらしい。

 

 時間になったようで、ダヴィド様が壇上に上がる。みんなの視線がダヴィド様に集まる。

 

「本日は、(みな)ようやってくれた。慣れない状況下での模擬戦だったが、得られることも多かったと思う。特に、ガイウス殿は、我が騎士団を相手に一歩も引かず、果敢に攻めていた姿は素晴らしいものであった。また、竜騎士団のコンラート・バウマン団長も騎士としての礼節を欠かさず、良い勝負を見せてくれた。他の者の範になることだろう。さて、長々と口上を述べると、折角の料理が冷めてしまうのでな。ここで交流会の開始として乾杯をしたいと思う。各々、グラスの用意は良いかの。・・・では、(みな)と領の今以上の繁栄を願って、乾杯!!」

 

「「「「「乾杯!!!!」」」」」

 

 僕も、ブドウの果実水の入ったグラスで乾杯し、口に含んだ。そして、さすがは辺境伯と驚いた。これ、果実水ではなく、純粋なブドウの果汁だ。美味しかったので思わず近くの使用人にお代わりを頼む。うん、美味しい。

 

 ローザさんとエミーリアさんはワインを飲んでいるようで、こちらもその美味しさに驚いているみたい。ユリアさんは慣れたようにワインを飲んでいる。やはり、年齢のおかげで慣れているのかな。と考えたら、ユリアさんの方から殺気の様なものを感じる。まさか、考えを読まれた!?驚いていると、ユリアさんが近づいて来て、

 

「そんなことを考えていると、女性にはすぐわかるものなのよ。」

 

 と、笑顔をつくり小声で言ってきた。僕はただ首を上下に振ることしかできなかった。アンスガーさん達の憐れみの視線が身に刺さる。「さぁ、食事を楽しみましょう。」と言って、ユリアさんは料理の置かれているテーブルへと向かった。

 

 僕も料理を取って来ようとしたら、2人の偉丈夫が目の前に現れた。誰だろうと思っていると、

 

「ガイウス殿。料理を取ってきました。どうぞ、こちらのテーブルへ。」

 

 と案内された。「あの、お名前を(うかが)っても?」と聞くと、

 

「おぉ、申し訳ない。私はヴィンフリート・アルムガルトが長男ディルク・アルムガルト。こっちは次男で弟のベルント・アルムガルトです。」

 

「辺境伯様のお孫様でしたか!?申し訳ありません。お手を(わずら)わせてしまって。あれ、でもお2人と確か模擬戦で・・・。」

 

「そう、竜騎士(ドラグーン)として、ガイウス殿と戦った9人のうちの2人です。いやぁ、ガイウス殿はお強い。我々もですが、コンラート団長が、ああもあっさりと倒されるとは思いもしませんでした。」

 

「あの、その、お言葉遣いは()めていただけませんか。自分はただの平民で冒険者ですので。」

 

 すると、今まで黙っていたベルント様が身を乗り出し、

 

「だが、貴殿は、ゴブリンキングを単独で討伐し、模擬戦とはいえアルムガルト辺境伯騎士団にたった1人で勝ってみせた。実力を見せたのです。貴殿を敬いこそすれ軽蔑する者はこの会場にはいないでしょう。まぁ、貴殿の実力を垣間見て恐怖を覚える者はいたようですが。」

 

「えーっと、ご称讃まことにありがとうございます。しかし、辺境伯様は模擬戦が始まる前に御令孫(ごれいそん)は自分とそれほど年が離れていない、とおっしゃっていたのですが、お2人とも、既に成人を迎えご年齢を重ねているように見えるのですが・・・。」

 

 まさか、お2人ともダヴィド様のお孫様だったなんて、想像もつかなかったよ。

 

「あー・・・。それは、おそらく妹のことでしょうな。」

 

 とディルク様が答える。ふむ、確かにヴィンフリート様の近くに、僕と年齢の変わらないぐらいのご令嬢がいる。あっ、目が合った。取り敢えず頭を下げておこう。顔をあげると、先ほどまでヴィンフリート様の近くにいたご令嬢が、目の前に来ていた。

 

「9級冒険者のガイウスと申します。」

 

 当たり障りのない自己紹介をして頭を下げる。すると、

 

(わたくし)は、クリスティアーネ・アルムガルトです。ガイウス殿、どうか、お顔をお上げになって。」

 

 「ハッ」と言い、顔をあげると笑顔のクリスティアーネ様が目に入る。まるで花が咲いたような可憐な笑顔だ。僕は顔が熱くなるのを自覚した。




見てくださりありがとうございました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。