異世界の神様からチート能力?を貰いました。 作:名無しの兵六
結局、テスト試合は30秒で僕の勝ちとなった。観覧ブースからは割れんばかりの拍手と歓声が上がったけど、「化け物じゃねぇか・・・。」って言葉が聞こえたのは、ちょっとショックだ。まだ、化け物じゃないよ。ただ、チートを持っている12歳の一般人だよ。
さて、練習場の待合室に戻ると、少し落ち込んでいる女性陣が3人と、その3人に声を掛けているユリアさんがいる。ふむ、なんて声を掛けようかな。
「みなさん、良い試合ができて良かったと思います。始める前は、僕の動きに反応できないのではと、思っていたのですが、上手く反応してくれて、リーダーとして安心しました。これなら、黒魔の森でも十分に活躍できるでしょう。これは、お世辞でも慰めでもありません。事実を言っているまでです。」
そういうと、3人が顔を上げて僕を見る。少し涙目になっているのは、僕が試合中に怖がらせてしまったかな。
「ガイウスにそう言われると、まぁ、自信にはなるわね。前衛として、これからも努力するわ。」
「あんな簡単に魔法を無力化されるとは思っていなかったけど、いい経験になった。魔物相手には遅れは取らない。」
「あぁ、ガイウス殿。
「わかったよ。クリスティアーネ。さて、今日はこれから黒魔の森で、実戦を経験してもらおうと思うのだけど、大丈夫かな?」
「大丈夫ですわ。」
「よし、それでは、受付に・・・の前に、アンスガーさんにきちんと報告しないとね。クリスティアーネが“シュタールヴィレ”に加入したということを。ユリアさん、申し訳ありませんが、アンスガーさんに取り次いでもらえますか?」
「ええ、大丈夫ですよ。受付前の待合室で待っていてください。もしかすると、昨日のことが恐くて拒否するかもしれませんね。」
「その時は、「2回目はどこにしましょうか?リペアも使えますから、指先から輪切りにします?」とガイウスが言っていたと伝えてください。」
「フフ、わかりました。それでは、私は一旦ここで失礼しますね。」
そう言って、ユリアさんが練習場待合室から出て行く。
「さて、みなさん、立てそうですか?腰が抜けて立てないとかなら、まだ待ちますけど。」
「「「大丈夫 (です)。」」」
「では、受付の方へ行きましょう。」
そう言って、“シュタールヴィレ”のみんなで受付の待合室まで向かう。
「よぉ、ガイウス。今回は、また派手にやったじゃないか。」
アントンさんが声をかけてきた。
「どうしたんです。アントンさん。また、勝負したいとか言わないで下さいよ。」
「言わないさ。実はな、今日はお願いがあって来たんだ。」
「ん?なんですか?できる範囲なら、大丈夫ですよ。」
「そうか。んじゃ、率直に言うな。俺を“シュタールヴィレ”に入れてほしい。頼む。」
そうアントンさんが言って頭を下げた瞬間、その言葉が聞こえていた人たちが固まる。もちろん、僕も。
「えっと、アントンさんは準3級でしたよね。“シュタールヴィレ”のパーティメンバーは、6級が3人と今日登録したばかりの10級が1人ですよ。こんな、弱小パーティでなくともアントンさんなら引く
「いや、級というのは、結局はギルドの
「えーっと、加入してくれるというのは凄くありがたいんですが、今日は、加入したばかりのクリスティアーネ様がいるので、また、次回という事でもいいですか?」
「ん、ギルドマスターの姪っ子さん。次期辺境伯様のご令嬢ですか。これは、失礼しました。準3級冒険者のアントンといいます。今はソロで活動しております。」
「アントン殿、そう
「わかりました。それじゃあな、ガイウス。返事はまた聞かせてくれ。」
そう言ってアントンさんは
しばらくして、ユリアさんが来てアンスガーさんと会えることになった。このことを相談してみるのもいいかもね。
見てくださりありがとうございました。