異世界の神様からチート能力?を貰いました。   作:名無しの兵六

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第52話 進むか退くか

 さて、この後の活動方針だ。依頼(クエスト)分のロックウルフは倒したから、“インシピット”の町に帰還してもいいし、日がまだ高いから森の浅いところで狩りをしてもいい。どうしようか。まずは3人に相談だ。

 

 3人にその話しをすると、ルプスが加わってきた。

 

「ガイウスよ。今、この森はおかしい。魔物の数が異常に増えている。この前まではオークロードにゴブリンキングがいた。そして、今日まではロックウルフリーダーがいた。だが、まだいるぞ。我らの群れが確認しているのはオーガに、ガーゴイル、コボルト、飛竜(ワイバーン)だな。」

 

「なるほどね。ちなみにオークロードとゴブリンキングを倒したのは僕たちだったんだけど、まさか狙っていた?」

 

「とんでもない。我の群れにはこの春に生まれたばかりの()らがいるのだ。脅威が少なくなって感謝しておるよ。しかし、ガイウスは本当に人間か?あんな動きをする人間を我は見たことが無い。」

 

「一応人間さ。貴重な情報ありがとね。」

 

 そう言いながら、ルプスを()でる。

 

退()きましょうか。今回は。」

 

 そう言うと、3人とも頷き、

 

 「折檻(せっかん)が待ってる。」とエミーリアさんがボソッと呟いた。忘れて無かったのね。ガックリと肩を落としていると、ルプスが前脚を僕の肩に乗っけて、

 

「妻にはかなわんよ。そう落ち込むでない。」

 

 と(なぐ)めてくれた。「ルプス~。」と言いながら、モフモフの毛皮に顔を埋める。あぁ~癒される。しばらく、ルプスをモフモフしていると、【気配察知】に反応するものがあった。おそらくは、人、それに1人だ。でも、この状況はマズイ。グレイウルフに敵対するような人だと戦闘になってしまう。“ルプス”に説明をして、今回は、これでお別れすることにする。“ルプス”達が拠点にしている場所を聞いたので、会いに行きたいときはいつでも会いに行ける。

 

 “ルプス”達を見送り、散らばったロックウルフの骨をエミーリアさんの【土魔法】で穴を掘り、そこに骨を投げ入れ、また土を(かぶ)せる。鋼鉄の壁も【送還】して消す。何とか間に合った。ついでに【土魔法】も覚えた。

 

 もうすぐで視認できるはずだ。一応、戦闘態勢をとっておく。が、ガサガサと茂みから出てきた人物を確認し、すぐに戦闘態勢を解く。

 

「アントンさん、今朝ぶりです。なんでこんなところに?」

 

「おう、ガイウス達だったか。いや、なんかでっかい鉄の壁?みたいのが見えたからな。いきなり消えたけど、一応確認しておこうと思って来たというわけさ。」

 

「あー、すみません。その鉄の壁は僕たちが出したもので、撤去しました。迷惑をかけました。」

 

「いや、別に迷惑とかじゃなくて、好奇心で来たようなもんだから、気にしなさんな。」

 

 そう言いながらアントンさんは周りを見渡す。「どうしましたか?」と聞くと、

 

「お前さん、また、大立ち回りをしただろう。そこらへんの木々に血は飛び散っているわ、木がなぎ倒されているわで、一体何を相手にした?」

 

「ただのロックウルフの群れですよ。」

 

「ウソこけ。お前さんなら、ただのロックウルフの群れなんて、周辺に影響を与えず、綺麗に片づけるだろう。」

 

「ええ、嘘です。846体のロックウルフの群れと、率いていたロックウルフリーダーを相手に戦いました。御覧の通り、1体も残さずに。」

 

 アントンさんはそれを聞き、口笛を吹く。その後、ニヤリと笑い、

 

「ガイウスよ。やっぱりお前さんはスゲェよ。後ろの嬢ちゃんたちもな。ますます、パーティに加入したくなった。」

 

「なんで、そんなに加入したいんですか?」

 

 素直に疑問に思ったことを聞く。するとアントンさんは照れくさそうに、

 

「家族がいるからな。今まではソロでもいけたんだが、寄る年波には勝てん。冒険者としての限界が見えてきてな。しかし、俺は食い扶持を稼ぐ方法をこれしか知らん。だから、他人と力を合わせて依頼(クエスト)をこなしていきたいと思った。それが理由だ。」

 

「家族?まさか結婚していたんですか!?」

 

「まさかとはなんだ。まさかとは。あぁ、結婚しているとも、それに子供も5人いる息子が2人に娘が3人だ。・・・ハッ、娘は嫁にやらんぞ!!」

 

「いやいや、娘さんを貰うとか誰もそんなこと言ってないじゃないですか!?というかクリスティアーネ達も本気だと受け取らないで睨まないで!!怖いよ!!」

 

 いや、こう無言の圧力がですねクリスティアーネ達の方からビシビシと来るんですよ。はっきり言って、ゴブリンキング、オークロード、ロックウルフリーダーが小物に感じるほどの威圧感ですよ。

 

「とりあえず、僕たちは“インシピット”に戻りますけど。アントンさんはどうされます?」

 

「俺は、飛竜(ワイバーン)狩りだから、もうちっと時間がかかるな。」

 

「じゃあ、ここでお別れですね。また、ギルドで会いましょう。その時にはパーティ加入の件も答えを出せていると思いますので。」

 

「おう、それじゃあな。」

 

 そう言って、片手を挙げアントンさんは森へ入っていく。さて、後ろを振り向くと表情を消して、目からも光が消えた3人がいた。あっ、折檻の内容が重くなるんですね。わかりました。




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