異世界の神様からチート能力?を貰いました。   作:名無しの兵六

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第70話 王都にて

 王都への道のりは平凡なものだった。何しろ王都までの道はアルムガルト辺境伯軍の衛兵隊と歩兵隊、騎兵隊、さらには竜騎士(ドラグーン)隊まで哨戒(しょうかい)をしているのだから。ナトス村からの道のりとの力の入れ具合の違いがここまで明確だと笑えてくるよ。まあ、領内の他の町への道も哨戒(しょうかい)しているのは衛兵隊のみだとアントンさんが教えてくれた。

 

 ついでにクリス曰く、軍事力を他の貴族に見せつけることによって、牽制(けんせい)し合っているんだということらしい。馬鹿らしいね。国内で争うなんて。特に北には国境線を巡って小競り合いしているアイソル帝国があるのに。まあ、そこは流石に王家の直轄領で国軍を配置しているみたいだけど。確か、ナーノモン領だったかな?教会で地図を見たのは、だいぶ前だからよく覚えてないや。

 

 まあ、そういうことで、王都には火曜日のお昼に無事着いた。門の所でも貴族家の馬車ということで、優先的に通して貰えたし、貴族街にあるアルムガルト辺境伯家の王都のお屋敷にもスムーズに行くことができた。しかし、王都の外壁と外堀に、貴族街の内壁と内堀、直線で馬車がすれ違えるほど大きい通りの数は限られており、その周りの建物は通りに対し少し斜めになっており、伏兵を置くに適している。防御を優先しているのがよくわかる都だ。明日、登城する予定の王城も壁と掘りで囲まれているのだろうね。

 

 さて、お屋敷に着いた僕たちは荷ほどきをそれぞれの部屋でする。結局、僕の鎧は買えなかった。サイズが無かったのだ。残念。まあ、叙任の際はヒヒイロカネ製の鎧で行こう。光り輝いているし華やかでいいだろう。騎士マントは適当なものを見繕った。真っ黒で、首回りが赤く(ふち)どられているモノだ。さてと、昼食でも摂りに庶民街へ行くかな。みんなはどうするかなぁ。

 

 結局みんなで庶民街に行くことにした。男性は僕とアントンさん。女性はクリスにローザさんとエミーリアさん、レナータさん、そして有給休暇を使ってついてきたユリアさんだ。う~む、華やかだねぇ。だからだろうか、貴族街の門を抜け、庶民街で食事場所を探してうろついていると、

 

「よう、おっさんに坊っちゃん。綺麗な姉さん方を連れているじゃねえか。俺らも混ぜくれよ。」

 

 8人の若い男たちに絡まれた。ふむ、どうするかな。アントンさんに視線を送ると頷いたので、僕が対処しよう。

 

「お断りします。急いでいるので、どいてください。通行の邪魔です。」

 

「んだとぉ!?このガキャア!?痛い目に遭わねぇとわからねぇか!!」

 

「できるものでしたら、どうぞ。ただ、それなりの覚悟が必要ですよ?」

 

 そして、相手がナイフを抜いた30秒後には8人全員の四肢の関節を全て折り、地面に転がってもらった。とりあえず通行の邪魔なので僕とアントンさんで道の(すみ)に放り投げる。痛みに(うめ)いていたが、そんなの無視無視。数分後には誰か通報したのか王都衛兵隊がやって来た。

 

「これは・・・。君たちがやったのかい?」

 

「いえ、僕1人でやりました。もし、事情聴取が必要なら、アルムガルト辺境伯の屋敷までお願いします。クリスティアーネ。」

 

「はい、こちらがアルムガルト辺境伯家の紋章の入った短剣です。それと、(わたくし)の貴族証です。」

 

「はっ!!確認させていただきます。・・・ありがとうございました。お返しします。」

 

「プライスラー子爵家の紋章の入った短剣と、王城への召喚状もあるのですが、出しましょうか?」

 

「お、王城への召喚状ですか!?いえ、先ほどのクリスティアーネ・アルムガルト様の貴族証のみで十分です。では、後程、事情の聴取に伺わせていただきますが、何時ごろがご都合がよろしいでしょうか?」

 

「16時くらいでお願いします。みんなもそれでいいかな?」

 

 アントンさんをはじめみんなが頷く。

 

「では、16時にお伺いします。」

 

「お願いします。あ、この人たち四肢の関節を全て折っているのですが、【ヒール】をかけた方がいいですか?」

 

「いえ、こいつら流れの冒険者らしく最近になって被害報告が上がっており、我々も目を付けていまして、なかなか現場を押さえられず、対策を検討していたところでした。丁度良い薬になるでしょう。」

 

「そうですか。それは、同じ冒険者として我々も反面教師としなければなりませんね。」

 

「ほう。皆さま冒険者でいらっしゃるので?」

 

 冒険者証を取り出し、

 

「はい、僕が5級でこちらの男性が準3級。女性陣は龍人(ドラゴニュート)の彼女が3級、金の短髪の彼女と黒の長髪の彼女が6級。クリスティアーネが9級です。そして、エルフの彼女は騎士爵を持っているギルド職員です。僕たちのパーティは“シュタールヴィレ”と云います。」

 

「“シュタールヴィレ”!!もしや、貴方はガイウス殿?」

 

「はい、そうです。」

 

「おぉ、ご活躍はお聞きしました。盗賊団を殲滅し、ゴブリンキングと集落を殲滅、さらにオークロードと集落を殲滅し、飛竜(ワイバーン)も仕留め、さらには、アルムガルト辺境伯騎士団選抜隊との模擬戦にも御一人で圧勝したと聞いております。そして、今回、とうとう国王陛下から叙任されるともお聞きしております。」

 

「詳しいですね。どなたから?」

 

「はい、先日、アルムガルト領から来ました竜騎士(ドラグーン)の使者が顔馴染みでして、その者から聞きました。ふむ、ガイウス殿なら、この男たちなど鎧袖一触でしたでしょう。」

 

「ええ、その通りですわ。衛兵隊長殿は人を見る目がおありのようで。ところで、(わたくし)たちお昼を摂ろうと思いまして、庶民街まで来ましたの。オススメのお店を教えてくださるかしら?」

 

「これは、クリスティアーネ・アルムガルト様。気がきかずに申し訳ありませんでした。今のお時間でしたら・・・。」

 

 クリスのおかげで長話から解放された。あとで、うんと甘やかそう。ちなみに、紹介されたお店は、庶民街でも少しお高いお店で、味も量も値段に見合うだけのモノだったので、みんな満足して昼食を終えた。さて、16時までは散策をしますか。




見てくださりありがとうございました。
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