異世界の神様からチート能力?を貰いました。   作:名無しの兵六

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第79話 実家に帰らせていただきます

「僕は、今日、実家に帰ります。」

 

 7時の朝食時にそう言ったら、場の空気が凍った。特に、クリスなんか目を大きく見開いている。そして、レナータさん以外が怖い顔をしている。あれ?なんか変なこと言ったかな?

 

「そういうわけで、今日、僕は仕事をお休みします。一緒にナトス村まで行きたい人はいますか?」

 

 そう続けて言うと、場の空気が一気に弛緩した。ん~、何だったんだろう?まあ、いいや。みんなの表情も元に戻ったことだし。ところで、なんで普通にユリアさんがいるんだろう?ギルドに出勤しなくていいのかな。そのことを聞いたら、

 

「ガイウス君について行くために、ギルドは昨日付けでやめました。」

 

 と答えてくれた。正直、驚いた。でも、恋愛ってそういうモノなのかもしれない。一方のナニかを犠牲にして成り立つという、そういうモノ。さて、それで、誰が一緒に来るのかな?再度問いかけると、5人全員が名乗り出た。となると、日帰りは厳しいかもね。取り敢えず、ギルドに行って、アントンさんか奥さんのエレさんに今日と明日の“シュタールヴィレ”としての活動が無い事を伝えないといけないね。

 

 外出するために準備を各自行う。と言っても、1日しか滞在する予定はないからすぐに準備はすんで、8時30分にはギルドに着いた。すでにアントンさんは来ていて、エレさんとお話し中だった。

 

「おはようございます。アントンさん。エレさん。」

 

「おう、おはよう。」

 

「おはようございます。ガイウス君。」

 

 アントンさんに、今日と明日はナトス村の実家に帰るので、“シュタールヴィレ”で依頼(クエスト)は受けないと伝えたら。「俺もついて行く。」と言ってきた。エレさんも「ちゃんと、お土産を買っていって挨拶をするのよ。」と、アントンさんの外泊許可を出してました。

 

 結局、“シュタールヴィレ”のみんなで帰ることになった。どうして、こうなったんだろうと思わなくもないが、仲間のみんなを家族に紹介できる良い機会だと思うことにした。あ、あと辺境伯に叙せられたことも。これは、言っても信じないかもしれないけど。

 

 みんながそれぞれお土産を買うと言ったので、10時30分に東門で合流することとした。僕は、鎧の修理状況を聞きに行き、その足で大きな商店に行って、弟のトマスと妹のヘレナに甘い日持ちのするお菓子を沢山買い込んだ。貴族証を見せると、店の奥の商品まで見せてくれた。貴重なお酒とかを父さんとじいちゃん用に買って、綺麗な織物は、母さんとばあちゃん用だ。しかし、貴族証って凄いね。お店の人の態度が一変したもの。最初はおつかいに来ている子供に対する対応だったもの。まあ、年齢的に考えたらそれで正解なんだけどね。

 

 そんなこんなで、10時30分になり、東門からナトス村へ向け出発した。通行検査で僕とクリスの貴族証を見せたら、ちょっとした騒ぎになったのは反省しないとね。そんな感じで、東門を出て、のんびりと道を歩いていると、インシピットの方から衛兵の早馬がナトス村方面へ駆けて行った。なんかあったかな?

 

 道中は特に何もなかった。「2週間前はここらへんで盗賊に出会いましたねー。」とローザさんとエミーリアさんに話しかけ、そこからの今までを振り返りながら歩いた。途中で昼食休憩をするため、黒魔の森を背にするかたちで道の脇によけ、昼食を摂っていたら、背後の茂みがガサガサと動いてグレイウルフの子供が出てきた。【気配察知】でわかっていたから、僕はびっくりしなかった。アントンさんとレナータさん、ユリアさんも同様だ。クリスとローザさん、エミーリアさんは思わぬ訪問客に最初は驚いていたけど、すぐに笑顔になった。

 

 僕は、「知り合いが来ているようなので挨拶をしてきます。」と言い、グレイウルフの子供たちを()で、森の中に入って行く。すぐに目当ての人物?であるグレイウルフリーダーのルプスのもとに辿り着いた。

 

「やあ、先日ぶりだね。」

 

「うむ。お主の仲間には面白い方が増えたようだな。」

 

「レッドドラゴンのレナータさんの事かな?彼女とはルプスに相談した日に会ったんだよ。」

 

「そうかそうか。やはり、レッドドラゴンであったか。気配が飛竜(ワイバーン)のそれとは桁外れであったからな。」

 

「それで、今日はどうしてここまで?」

 

「うむ、孫たちを狩りのついでに、少し遠出に慣れさせておこうと思っていたところ、お主の匂いがしたのでな。」

 

「なるほど、ロックウルフの肉がまだあるけど、いる。」

 

「ふむ。今回は遠慮しておこう。狩りの腕が(なま)るといかんでな。」

 

「そう、それじゃあ、またね。」

 

「うむ。」

 

 そう言って、ルプスと別れてみんなのところへ戻った。みんなはルプスの孫たちと(たわむ)れていた。ルプスの息子と奥さんはアントンさんとレナータさんにモフられていた。僕が戻ってきたのに気づくと、ルプスの息子たちは森へ戻っていった。クリス達は名残惜しそうにしていた。その気持ちはよくわかるよ。可愛い上にモフモフだもんね。

 

 さて、昼食も終わったし、移動を再開しますか。夕方までには着きたいよね。みんなで雑談しながら歩いて行く。村が見える頃には日が傾いていた。みんなに「あれが、ナトス村です。」と伝え、すこしだけ歩く速度を(はや)める。ん?村の入口に人がいる。誰だろうと思って目を凝らしてみると、その人物は、僕たちを途中で追い抜いて行った衛兵さんだった。彼もこちらを認めたのか、あっという表情をして村の中に走っていった。なんなんだ?

 

 そして、僕は今、村長をはじめとした村のみんなが(ひざまず)いた状態で迎え入れられています。ホント、なんなのさ!?




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