ドールズフロントライン(仮) 作:サクサクフェイはや幻想入り
選抜試験以外特に思い入れのないグリフィン本社を後にし、これからの職場である基地にやってきた俺と40。 そして、遅れてヘリから降りてきたのは新しく俺個人の所有となったFALという名の戦術人形だ。
それにしても誤算だったのが、FALの譲渡だ。 ショップの売り物ではなかったものの、I.O.P.からグリフィンが買ったことになっているFAL、俺の基地に所属にするなら色々な契約やらデータの書き換えやらをしなければならないということで、別途で費用が掛かるのだ。 そのおかげで出発は遅れるは、いらん出費をするなど踏んだり蹴ったりである。
とは言え、良い買い物をしたのも事実だ。 I.O.P.のカタログによると、FALはAR小隊は別格だとしても高性能な部類に入るらしい。 そもそも、金なら腐るほどあるのだ、散在しても何ら問題がない。
稼働したての基地ということもあり、荷物の搬入などで他の人間は忙しくしていた。 俺が何食わぬ顔で歩いて行くと、全員が敬礼をしてくる。 俺は歩きながら手をあげておく。 一応、この基地では俺が一番偉いからな。 と言っても、基地の運営などは40やFALに任せるつもりだし、俺はしばらくしつけや農業で忙しくなるだろうからな。
基地の案内をする職員に司令室に向かうように指示する。 中には知った人形と、知らない人形がいた。 知らない人形の方は、多分本部から派遣された人形だな
「お、ようやく来たみたいだね~、待ちくたびれたよ」
「こ、こらスコーピオン!すみません指揮官」
「別に構わんさ、予定していた時刻よりも遅れたのは事実だしな」
部屋の中に入り、設置されていた椅子に座り全員を見回す。 40とFALは俺の両脇に控えている
「さて、改めて俺がこの基地の指揮官であるトラウベ・アコナイトだ。 よろしく頼む」
「では、知っていると思いますが改めて。ごきげんよう。StG44です。 あ、握手は結構よ」
「Vz61スコーピオンだよ、よろしくね。サソリと言っても、毒はないよ~?」
「PPSh-41です、指揮官。 私...... 全然重たくないですよぉ!」
「MP40です、指揮官さま、私、精一杯頑張ります!」
「グーテンターク。私はワルサーGew43、今日も優雅な戦いをご覧に入れますわ」
と、ここまでは俺が拾った戦術人形たちだ。 結局、俺が指揮官になるならそこの所属にすれば面倒な手続きを踏まなくて済むという適当な理由だ。 ちゃんと職員が説明していたものの、俺は興味ないので後から40に聞いた意訳された内容だ。 そして、俺の拾った人形とは少し離れたところに居るのが今回グリフィンが派遣した戦術人形たちだ
「ぬ? わしからか? M1895じゃ、こんな年寄りをお好みとは、おぬしは相当な変わり者じゃな」
「P38です、これは、運命の出会いですよ!」
「M1911です、運命的な出会いですね、また指揮官様に会えるなんて!」
これで全員の自己紹介が終わったわけだ。
普通のものから初対面にもかかわらず過去に会ったことがあるような言い方まで。 グリフィンいやI.O.P.かこの場合は、控えめに言ってメンタルモデルの書き換えをちゃんとやることをお勧めする。 あと、FALの服のセンスとかな。
ともかく、自己紹介も終わり、これで顔合わせも済んだと来れば
「さて、基地に勤務し始めてまもないが、早速任務だ」
司令室に緊張が漂う。 任務と聞いていろいろと感じるものがあるのだろうが、何にも問題ない
「自分たちの部屋の掃除だ」
「はい?」
誰が言ったかわからないが、困惑の声が上がる。 そんなことには構わず、俺はもう一度任務を繰り返す
「自分たちの部屋の掃除だ。 今日から基地を運営するにあたって、部屋割りすら決まってない。 部屋は自分たちの好きに使ってもらって構わないが、何処の部屋を使うか報告だけはするように、では解散」
「あの~、任務なんですよね?」
恐る恐る聞いてきたのはStG44だ。 任務と聞いてそんな命令されれば誰だって困惑するだろう。 とは言え、ちゃんと理由はある
「その通りだ。 だが、ここは基地として稼働したばかりだ。 すべてに手が回っているわけではない。 だからお前たちに命令を出し出撃しても十全にバックアップ出来ないかも知れない、そんな状況なら今日は一日基地機能を充実させたほうがいいだろう?」
「なるほどなるほど、それならあたしはそっちのほうがいいかなー」
スコーピオンがそう言うと、他の人形たちも戸惑いながらも賛同の声をあげる
「まぁ、そう言うわけだ。 明日からはしっかりと働いてもらうとしよう、では解散だ」
ぞろぞろと部屋を出て行く、人形たち。 残ったのは、俺と40、それとFALだけだ
「はぁ、緩いわね」
FALは嫌味を言ってくるが、俺は気にせずに立ち上がり40に話しかける
「40、では後はいろいろ頼む」
「はーい、任せておいて!」