ドールズフロントライン(仮) 作:サクサクフェイはや幻想入り
機械仕掛けの人形を肩から降ろすと、慌てたように体を確認し、それを終えると肩から下げていた銃を構え俺を睨んでくる
「一体何が目的なの?」
「銃を構えるのは結構だが、その弾が込められていない銃で何をする気なんだ?」
「・・・・・・」
構えた銃を見てみれば、マガジンがなかった。 一応、復活の書を使う時に確認と鑑定はしていたのだが。
銃を下げるも、こちらへの警戒は怠らない。
それにしても、いきなり銃を構えられるとは。 今は気分が良いから良かったが、機嫌が悪ければ殺していたかもしれないと言うのに。
そもそもだ、この機械仕掛けの人形そんなに強そうに見えないしな。 せめて、☆や★の付いた武器であればチャンスがあったかもしれないが。 銃を鑑定した時の説明文を見たが、ただの銃だったしな。
「まぁ、そう警戒しなくても良い。 何もすぐに殺そうなんて思ってないさ」
そう言いつつ、四次元ポケットから机と椅子を取り出しついでにティーポットを取り出し、お茶会の準備を始める
「いま、何もないところから……」
「うん? 四次元ポケットの魔法だ、見るのは初めてか?」
「魔法? 何を言って......」
「あぁ、そうか、ここには魔法の文化がないのか」
「さっきから何を言って...... あたいの質問に答えて!!」
ついにしびれを切らしたのか、こちらに近づいてくる機械仕掛けの人形。 だが俺はそれを無視し、淹れたての紅茶を飲み喉を潤す
「まぁ座ると良い。 今の俺は非常に気分がいい、質問にも答えよう」
「・・・・・・」
渋々と言った感じで俺から離れ、対面の席に座る機械仕掛けの人形。 そして、俺の淹れた紅茶を一口飲むと、驚いた表情をした。
「何この紅茶、美味しい......」
「気に入って貰えたようで何より。 それで、俺に何が聞きたいのかな?」
紅茶を飲んで落ち着いたところに声をかければ、真剣な表情をして質問をしてくる
「あたいが何で生きてるのか。 あたいの最期の記録は、45に撃たれたところで止まっていた、はずだった。 でも、気がついた時には肩に担がれてた」
「ふむ……」
さて、魔法文化のない世界なんて来たこと無いからどう説明したものか。 とは言え、四次元ポケットの魔法で机や椅子などを取り出したのだから、信じるか。 信じないなら実演すれば良いだけの話だ
「この世界に魔法はない、それは良いか?」
「えーっと...... うん、あたいが見た範囲だとないかな」
「まず俺はこの世界の人間ではない。 ムーンゲートと呼ばれる物を通ってこの世界に来た、異星人というものだ。 俺のいたところでは魔法があり、その魔法で君を生き返らせたわけだ。 正確にいうなら」
そう言いながら四次元ポケットに手を突っ込み、復活の書を取り出す
「これを使ってな」
そう言って機械仕掛けの人形を確認すると、頭を抱えていた
「・・・・・・情報量が多すぎる、整理させて。 まず、あんたはこの世界の住人ではない、それはわかった。 次に、あんたの世界には魔法がある、そしてその魔法はその何もない空間から物を取り出すもの」
こちらに手を突き出し、俺の言ったことを一つずつ確認していく機械仕掛けの人形。 合っていると言えば合っているが、一応補足しておく
「これも魔法の一種だな。 お前の言う何もない空間から物を取り出すのは、四次元ポケットの魔法。 他にも攻撃魔法やテレポートなどの魔法、身体強化などなど」
補足してやると機械仕掛けの人形はテーブルに突っ伏したいた
「もういい......」
そう言ったかと思えば、急に体を起こし顔を上げ瞳を輝かせていた
「でも魔法ってことは、何でもできるんじゃないの!?」
「なんでも、か...... 一応万能ではあるが、MP(精神力)を消耗する。 それに、魔法は必ず成功するわけではない。 失敗したらマナが暴走し、最悪死ぬぞ。 そもそも、この世界のお前が魔法を使えるのかが疑問だがな」
「なーんだ」
そう言って、机に突っ伏す機械仕掛けの人形。 喋りながら紅茶を飲んでいたせいか俺のカップは空になっていたので、ポットから紅茶を注ぐ。 機械仕掛けの人形の方のカップも中身も空だったのでついでに注いでやれば、お礼を言って上機嫌に飲み始めた。 一々表情が変わって面白いやつだ。
屋外にもかかわらずそんな風にまったりとした時間を過ごしていれば、不意に機械仕掛けの人形が口を開く
「・・・・・・なんであたいなの?」
「なにがだ?」
質問の意味が分からず、そう聞き返す。 その表情は真剣というよりは、何処か不安そうな顔だった
「あの場には他の人形も転がってたのに、なんであたいだったの?」
「他の機械仕掛けの人形は四肢がバラバラだったり、損傷が酷かったからな。 あの場で一番損傷が少なく、綺麗な人形がお前だったというだけだ。 それと、後は勘だな」
「勘て......」
そう言ってあきれる機械仕掛けの人形だった。 話していて思い出したが
「この世界はどういう世界なんだ?」