ドールズフロントライン(仮) 作:サクサクフェイはや幻想入り
完全に油断して居た。 パトロール終了の報告にはFALしか来ないのはわかって居たが、失念して居た。
シェルターを使うと外の時間の経過は早いのだ。 いや、もちろん外の時間の経過が早いのはわかって居たが、思いのほか土いじりが楽しかったのだ。 たしかに最初は自分で畑を作りハーブや野菜、果物等を育てては居たが、
久しぶりの土いじりは楽しく、40も興奮して居たからか、調子に乗ってしまった。 俺が40と一緒にシェルターから出ると、FALがちょうど報告書を提出しに来た時で、その時俺も40も泥だらけだったので怒られた。 特に俺は、グリフィンの赤いコートは脱いで居たものの、その下の制服のまま土いじりをしていた為、ボロクソ文句を言われた。
そんな事もありながら、今日も基地を運営する。 さて、基地が稼働し始めて一週間弱、人間の職員の士気は今だに高い。 衣食住はしっかりしているし、仕事の時間がしっかり決まっているからだそうだ。 他の基地では二十四時間ぶっ通しというとこもあるようだからな。 だが、問題は人形達の方だ。
代理人の基地周辺の鉄血殲滅は二日間で終わり、そこからは他の地区から流れてきた鉄血の人形と少し戦闘するだけだ。 なので経験を積めるはずもなく、また暇すぎて士気が下がって居た。 基地内にカジノとかの娯楽があるはずもなく、近くに街があるわけでもないので、基本的に基地にいるしかないのも暇なのに拍車を掛けていた。 お調子者のスコーピオンも暇だと騒ぎ始めている。
俺は書類で忙しく、そんなのに構っている暇はない。 40やFAL、代理人はシェルター終末のドラゴンと戯れているためガス抜きをしているので問題ないが、他の人形達はそうも行かない。 だが、そのも問題に関してはもう手は打っている
「そろそろいいか」
「何がー?」
「偵察だ」
やる気のない40に返事をする。 今日もドラゴンと戯れてきたため、疲れているのだ。 とは言え、ハーブやバブルなどでステータスを上げているため、FALや代理人よりも効率よく強くなっていた。 この頃は書類をやっているか、終末か、土いじりだ。 まぁ、俺も似たようなものだが。 俺の返事に反応してか、机から体を起こしタブレットを持つ
「そろそろ攻め入るのもいいよね。 鉄血の巡回ルートは把握してるし、規模も問題なし。 とは言え」
そう言って俺にタブレットを渡してくる。 そこには俺達が良く見る鉄血兵ではなく、カカシの名を持つ鉄血人形が
「スケアクロウだったか?」
「そ、二、三日前からいきなり現れた鉄血のハイエンドモデル、その下級モデル。 激戦区というわけでもないのに、なんで送られてきたんだろうね~」
楽しそうに言う40に特に興味を示すことなく、答えを言う
「S9に配属されたAR小隊だろう、目的は」
「だろうね、でなきゃこんなところに派遣する意味ないし」
40も特に興味がなさそうに言う。
先日、S9地区に配属されたAR小隊。 会社のシンボルともいえるハイエンドモデルを新人が指揮をする基地に配属した、それはもう賑わったものだ。 40も少し気になったのか理由を調べてみれば、その新人少し特殊な能力があるらしい。 なんでも、ドローンを通さなくても地図を見れば敵がどこに潜伏しているのかわかるらしい。 その能力とハイエンドモデルを組み合わせれば、本社の思惑が透けて見える。 そして後を追うように現れた鉄血のハイエンドモデル、偶然と片付けるには出来すぎている
「まぁ、そのS9の指揮官からも、スケアクロウに対抗するために合同で出撃しないかというのも来ていたからな、ちょうどいいと言えばちょうどいい」
「それじゃあ」
「あぁ、全員を集める」