ドールズフロントライン(仮)   作:サクサクフェイはや幻想入り

6 / 120
結構、書けるもんだーね


第5話

パチパチと薪の音を聞きながら、火加減を見る。 鍋をかき混ぜながら、今日の晩御飯であるシチューの味見をする。

うん、よく出来ている。

もちろん、人肉シチューではない。 一時期変異して人肉を食してはいたが、あまり美味しいものではなかった。 人によっては人肉の方が好きだと言ったり、食費が浮くなど言ってはいたが

 

「40、お前達戦術人形も食事をするんだろう、シチューはいるか?」

 

「・・・・・・」

 

首を横に振る。

あの廃墟のリーダーを尋問してからと言うもの、40はずっとこの調子だった。 まさか人の死に慣れていないとか、そう言うものだろうか。

そんなくだらない思考はすぐに中断し、シチューを食べることにした。 餓死は辛いからな。

しばらく食べ進めていると、視線を感じた。 ここには二人しかいないのだ、視線の主はもちろん40だ。 横目で40を見ると、何やら俺に声をかけようとして、出来なくて俯いてを繰り返していた。 俺はシチューを食べるだけ食べて満腹になると、40に話しかけた

 

「何か言いたいことでもあるのか?」

 

「え、えっと、その......」

 

そう言って俯いてしまう。 だが直ぐに言いたいことがまとまったのか、俯いていた顔を上げる

 

「あのさ、昼間のことなんだけどさ......」

 

「昼間?」

 

「あの廃墟でのこと!」

 

躊躇いがちに口を開く40だったが、俺の答えがお気に召さなかったのか少し怒っていた。 廃墟と言うとリーダーの件か

 

「あそこまでやる必要あったの?」

 

「あそこまでって、サンドバッグに吊るして尋問したことか?」

 

むしろあのくらいで済ましたのだ、自分では慈悲深いとも思えたのだが40はそうでなかったようだ

 

「それもあるし、全員殺したこともだよ!!」

 

立ち上がりこちらを睨みつける40だが、俺はそんな40を見て冷ややかな視線を送る

 

「そんなことか」

 

「そんな事って、命をなんだと!」

 

「俺からすれば、命なぞそこら辺に転がってる石ころよりも軽いが?」

 

40の言葉に被せるようにそう言うと、信じられないように俺を見る40。 なるほど、こんな世界だからこそ命は何よりも尊いと。 この世界ではそう言う事らしい。 だが

 

「お前はこんな依頼をされたことがあるか? 王都、人のにぎわうところで真っ赤な綺麗な花を見たいから、核爆弾を設置してくれという依頼を。 見たことがあるか? むしゃくしゃしたからと言って、偶然通りがかった人を殺す者を。 酒を買うのに金が足りないからと、店主を殺して酒を貰っていくのを。 気持ちいいからと理由で、酔わせて暗がりに連れ込んで気持ちいいことをするのを。 すべて、すべてノースティリスでは普通のことだぞ?」

 

絶句する40だが、こんなものノースティリスでは普通なのだ。 もっと酷いことだって日常的に起きているが、それを一々あげていてはキリがないので言わないだけだ

 

「これがノースティリスだ。 俺についてくるというのは、そういう行為が普通になるということだ。 殺人だろうが窃盗だろうがな。 俺はそれをやめるつもりも、自重するつもりも今はない。 悪いことは言わん、お前が普通でいたいなら着いてくるのをやめろ」

 

 

~UMP40視点~

 

あたいはアコナイトが言ったことを信じられなかった。 核爆弾の爆発が日常茶飯事? むしゃくしゃしたから殺人? そんなの人が生活できるはずがない!! でも、アコナイトはノースティリスはそういうものだと言った。 あたいの知らない魔法を使い、モンスターボールと呼ばれるものから馬を出して使うアコナイトが、だ。 

アコナイトは戦術人形のあたいよりも確実に強い。 肩に担がれてた時、身体の感触はがっしりとしていたし、腕をとった時だって同様だった。 そんな極限の状態を生き抜いていたなら、強くて当然だ。 あたいがアコナイトと行動を共にしていた理由に強くなりたいというのもあったけど、これは...... 

普通に考えるなら、このアコナイトの申し出は受けるべきだ。 だって、アコナイトについて行けば確実にあたいはこの世界で普通の生活が出来なくなる。 でも、でも!!もう一人は嫌だった......

答えは最初から決まっていたもので

 

~UMP40視点 end~

 

ついてくるのをやめろと言ってから、数分経った。 40は顔を下げていたが、いきなり顔を上げる。 俺の顔をまっすぐ見て

 

「いやだ、ついて行く」

 

確かにそう言ったのだった。 その綺麗な瞳を少し濁らせながら

 

 




【悲報】 40、ついに道を踏み外す
書いてるのは自分なんですけどねー
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。