鬼滅の人柱力   作:狼ルプス

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始まり

「ここは、一体?確か俺は……!?」

 

俺は波風春翔。自宅のアパートに帰る際、悲鳴が聞こえ、その声がした方を見ると、ナイフを持った男が走っていた。そして、その通り魔の目の前には子連れの親がいた。親子は、パニックになったのか、その場から動けないようだった。俺は、咄嗟に、その親子の盾になるように庇ったのだ。

すると腹部に激痛が走った。自身を見ると着ていた白いシャツは真っ赤な血に染まっていた。刺した男はそのまま逃走したようだった。

辺りに血溜まりが広がる。

悲鳴を上げる者もいた。女の子とその母親は泣きながら俺に声をかけていた。

 

意識が朦朧とする中、親娘が無事であると確認できた後、意識を落としたが、気がついたらこの空間にいた。

 

「目覚めましたか?」

 

突然後ろから声をかけられた。振り返ると、目の前に綺麗な巫女姿の女性が立っていた。

 

「えっと…あなたは?」

 

「私ですか?私は女神…簡単に言えば神様です。気付いてるかもしれないですが、あなたは、もう……」

 

「そうか、やっぱり俺は……。それと、あなたは神様と言いましたよね?ここは一体?」

 

「死後の世界の狭間です。あなたは通り魔の手により命を奪われました。ですが、あなたの様な人が死ぬには早すぎるとのお達しがあり、別世界に転生していただくこととなりました。」

 

「転生……ですか?」

 

正直、何を言っているのかわからない。

 

「大丈夫です。説明はしっかりしますので」

 

「って、何気に人の思考読まないでくださいよ!」

 

「うふふっ、だって神様ですから」

 

こればかりは流石神様と言うだけはある。人の考えなんて丸わかりみたいだ。

 

「ふふん♪すごいでしょ?」

 

「だから人の思考読むのやめてください。考えように考えられませんから……転生の説明をお願いしてもいいですか?」

 

「……そうですね。では、内容を説明します。あなたを元の世界へ転生はする事はできません。よって、別の世界へ転生させます。その異世界は、アニメやゲームの世界などが主です。」

どうやら俺の生きていた世界には戻れないみたいだ。確かに俺はあの世界ではもう死んでいる。死んだ人間が復活したなんてなったら大騒ぎだ。

 

「成る程、内容はわかりました。因みに俺が転生する世界はどんな世界ですか?」

 

「はい、あなたが転生するのは『鬼滅の刃』の世界です。」

 

「『鬼滅の刃』?どこかで聞いた事がある様な……」

 

「え、知らないのですか?結構有名な内容なんですが……」

 

「すみません。最近は娯楽から離れていたもので……」

両親が存命だった頃の春翔は、アニメをよく見ていた。しかし、両親を亡くし、独り身になったことでそんな余裕はなくなってしまった。なので転生先の世界がどの様なものか知らないのだ。

 

「そうでしたか……では、簡単な内容の説明をしますね」

しばらく神様から『鬼滅の刃』についてレクチャーされた、大正時代が舞台となっており、人を喰らう鬼が存在する事、鬼は千年前から存在しており、それを倒すための非公認組織が存在し、そして鬼はある素材を使った武器で頸を切らなければ死なないことなどを。

 

「……という内容です」

 

「人食い鬼が存在している日本の世界……俺、そんな世界で生きられるのかな?」

春翔は不安の気持ちで一杯だった。鬼はある素材を使った武器で頸を斬るか日光でしか死なないという。当然ながら、そんな世界で生きられる自信は今の春翔にはなかった。

 

「そこは安心してください。あなたにはその世界で生きられる様、力をを与えます。ようは転生特典ですね」

 

「特典……ですか?」

 

「はい、春翔さんが望む力を言ってください。私はそれを春翔さんに授けます」

 

力か……思い浮かんだのがいくつかあった。

 

「なら、『NARUTO』に登場する忍術・仙術をお願いします。右眼は写輪眼……永遠の万華鏡写輪眼ではたけカカシ先生とうちはオビトさんとうちはサスケさんの瞳術を使えるようにしてください。そして左眼はサスケさんが使っていた輪廻写輪眼を、それから尾獣の『九喇嘛』の人柱力にしてください。最後にもう一つ、転生する前に修行をさせてほしいです」

 

「分かりました(欲張りセットですね)」

 

「理由としては、転生した後でも、周りを気にせず遠慮なく出来る修行場所が欲しいのもあります。だってアニメの世界とは言え、俺の住んでいた日本には変わりはありませんから……」

 

余り目立つ様な事は避けたいため無の世界である時空間が必要であった。大正とは言え、そのうち噂が立つ恐れがあるため、術の余波で一般の人を不安にさせたくないし、周りの物を傷つけたくなかったのもある。

 

「わかりました。修行はあの扉を通れば行えます。満足するまでやって下さい。因みにあなたは忍術と仙術は使えますし、中に九喇嘛はもういますよ」

 

『ケッ!こんな弱っちいガキが儂の人柱力か』

 

「うわっ!ビックリした。もしかして九喇嘛なのか?」

 

『フンっ、だったらなんだ…そんな腑抜けてるとお前の体を乗っとるぞ』

 

「ああ、すまない…お前に認められるよう、これから頑張るよ」

 

『フン、精精頑張るんだな』

 

俺は戦い方を覚えるため、力を使いこなすため扉を潜る。それだけではない。憧れた九喇嘛とも仲良くしたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三年間、春翔は修行していた。

体力作りに体術や手裏剣術、忍術、仙術、写輪眼、神威、天照、炎遁・加具土命、須佐能乎、天手力などを使いこなすのには凄く時間がかかったが、どうにか形になった。

 

その時に九喇嘛とも戦った。

 

一番しんどかったが、九喇嘛に俺を認めてもらう事ができ、九喇嘛と拳を合わせた。

九喇嘛とのリンクができるようになり九尾モードにもなれるようになった。

 

『フン、この三年で見違えるようになったじゃねぇか…春翔』

今では九喇嘛も春翔の事を名前で呼ぶようになった。互いに信じ合える仲になったのだ。

 

「九喇嘛のおかげだよ……俺一人じゃここまではできなかった。ありがとう」

 

『フンッ!さっさとこの部屋から出たらどうなんだ。そろそろ頃合いだろう』

 

九喇嘛と三年共にしてわかったが、今の九喇嘛は照れを隠している。俺の中の九喇嘛もどうやらツンがあるようだ。大きいため怒ると手に負えなくなるから言葉には出さないようにしている。

春翔は立ち上がり、修行していた空間から出る為、扉を潜る。

扉を抜けると、神様が待っていた。

 

 

「お帰りなさい……修行は如何でしたか?」

 

「はい、バッチリです。お陰で九喇嘛とも仲良くなれましたし。」

 

「ふふっ、そのようですね。彼の雰囲気で分かります。荒々しい感じが静まっていますから」

 

「はい、今じゃ最高の相棒ですよ」

 

「もう大丈夫みたいですね、転生の準備は出来ましたか?」

 

「はい、いつでも大丈夫です」

 

「わかりました、あっ、もう一つ言い忘れいました」

 

「なんですか?」

 

「春翔さんが転生する際に、サスケさんが使っていた草薙の剣を送ります。見た目は『BORUTO』バージョンです。鬼を倒せるように作っておきます」

 

「本当ですか!ありがとうございます!」

 

「それでは……転生を開始します」

神様は印を結ぶと、俺は下から粒子状になりながら消えていく。

 

「神様……色々とお世話になりました。このもらった命、無駄にはしません。今度会うときは、しっかり人生を全うした時に、また……」

春翔は消え、転生が完了した。

 

「あんな子…今までで初めてだわ。少しおまけしちゃおっと、願わくば、あなたに幸せがあらん事を」

 

女神は春翔の幸せを祈る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これから波風春翔の物語が幕を開く

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